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ジェイ・チョウの新作アルバム『太陽之子』のMVと彼が語った映像の世界観

ラジオDJ、ライナー執筆など幅広く活躍されているDJスヌーピーこと、今泉圭姫子さんの連載「今泉圭姫子のThrow Back to the Future」の第109回。
今回は3月25日に新作アルバム『Children of The Sun(太陽之子)』が発売となったジェイ・チョウ(Jay Chou / 周 杰倫)の映像の世界観について過去のインタビューとあわせてお楽しみください。
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4年ぶりの新作アルバム
ジェイ・チョウの新作『Children of The Sun(太陽之子)』がリリースされました。前作『Greatest Works of Art』からすでに4年が経っているのですが、近年のジェイの創作タイミングを考えると、意外に早く完成した、という印象があります。3月25日の発売日前日には、最新曲のMV初披露ショーケースを全世界に向けて配信。ジェイが、新作リリースで、このようなショーケースを開催するのは珍しいことでした。アルバム・タイトル曲「Children of The Sun」のMVは、制作費5億円という、今の時代には破格の制作費がかけられたことでも話題になりました。
前回のコラムにジェイの過去のインタビューを掲載しましたが、その時にも、制作費をかけてMVを制作できることには感謝しかない、ということを彼自身が言っていました。ジェイにとって、自己表現の一つである映像制作は、とても重要な活動の一つになります。ですから、月日が経っても、制作費をかけて、クリエイティヴな世界観を表現できるアーティストであることは、彼自身の大きな喜びなのです。また彼の遊び心ある作品作りには、MVとは思えないクオリティの高さとこだわりを感じます。
前作のタイトル曲「Greatest Works of Art」では、ジェイが監督、主演を務めた映画『言えない秘密』を彷彿とさせるタイムスリップもので、パリの老舗デパートを舞台に、お得意のマジックを披露しながら、伝説の芸術家マグリット、ダリ、常玉(台湾の画家)、モネ、徐志摩(中国の詩人)と遭遇し、彼らに新しいインスピレーションを与えるというユーモラスなMVでした。ピアニスト、ラン・ランとのピアノの競演も見応えがありました。
新作のタイトル曲「Children of The Sun」のMVも「Greatest Works of Art」同様、世界の芸術作品がたくさん登場します。ジャック=ルイ・ダヴィッドの「マラーの死」、クリムトの「接吻」、エドワード・ホッパーの「ナイトホークス」、ゴッホの「包帯をしてパイプをくわえた自画像」といった名画を、最先端技術を使って、作品に息を吹き込み、また名画の主人公に似た俳優陣をキャスティングし、緻密な作品に仕上げ、6分58秒の壮大なミニ・ムーヴィーに仕上げました。こういった名画、芸術家たちの登場は、Jayのお母さんが美術の先生であることが、大きな影響を及ぼしているのでしょう。
ジェイ・チョウが語る映像の世界観と新MV
2007年の来日時、映画『言えない秘密』の映像が綺麗だ、とジェイの映像の世界観について感想を伝えると、こう答えてくれました。
「映像の色使いは『王妃の紋章』のチャン・イーモウ監督の影響を受けていると思います(イーモウ監督は、北京オリンピックの開会式、閉会式をプロデュースした中華圏を代表する映画監督)。ストーリーのテンポやスピード感は『頭文字D』のアンドリュー・ラウ監督の影響ですね。僕が今まで一緒に仕事をしてきた監督さんたちの影響があります」
確実に、今でも二人の監督の影響を受けて、MVを作っているのがわかります。
ジェイは新作からすでに6曲のMVを公開しています。(「Christmas Star」は、2年前の制作)「I Do」は、ジェイのリアル・ライフの映像化です。2007年に出会い、2010年からお付き合いし、2014年に結婚したハンナ夫人にプロポーズした時のロマンティックな映像が使われています。恋多き男と言われたジェイが、家族を大切にするパパとなることを選んだ瞬間です。実際ジェイは、2015年の世紀の結婚式後、翌年「Bedtime Stories」をリリースしてからは、家族と過ごす時間を優先しました。
「Who Cares」は、バンドスタイルのMVです。これまでにも、バンド映像はありましたが、今回は、まるで80年代UKのニューロマンティック・ムーヴメントを彷彿とさせる王子様系で登場。エレクトリック・ギターを持つ姿は珍しいです。
「Aegean Sea」は、タイトル通り、エーゲ海での撮影。美しい風景をバックにジェイだけが出演する贅沢な映像です。
「Gold Rush Town」は、西部劇スタイルの映像。金鉱の街を舞台に、金泥棒を捕まえるストーリー仕立て。2007年に発売したアルバム『僕はとっても忙しい/我很忙~JAY CHOU ON THE RUN』のタイトル曲も、まさにウエスタンでした。
「最初はピアノで作曲するけれど、編曲の段階でウエスタン・カウボーイ・スタイルにしました。僕は、音楽に対してとても欲張りなんです。色々なスタイルの曲を書いてみたいんです」と当時語ってくれました。ジェイはこの世界観が好きなようです。そして「カントリー・ロード」は、ウエスタンからの流れを汲んだカントリー・スタイルの曲。この曲のMVにも期待したいです。
ジェイの16枚目のアルバム『Children of The Sun』は、ファンの期待を裏切らない“Jay World”が全開です。多様な音楽スタイルは、デビュー当時から彼の世界観の一つとして楽しむことができます。ロック、ヒップホップ、ポップ、伝統的なポップス、バンド・スタイル、クラシック、どれもがJay Chou。まるで遊園地にいるかのような賑やかで楽しい音楽をファンに届けてくれます。
現在、<CarnivalⅡ>のワールド・ツアーがスタートしています。40曲以上のセットリストが組まれている約3時間のステージです。新作からもかなり多くを披露。個人的にお気に入りの「The Day it Rained」もリストに入っているので嬉しいです。このツアーは数年続きます。年内のオーストラリア公演まで発表になっているので、日本公演の期待も高まります。 前回は16年振りのKアリーナ2daysでしたが、そんなに待たされることなく、4度目の来日公演が実現されることを祈っています。
Written by 今泉圭姫子

ジェイ・チョウ『太陽之子』(Children of the Sun)
2026年3月25日配信
iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music
ジェイ・チョウ
オリジナル・アルバム初期6作品がSHM-CD+DVD仕様でリリース
2026年3月25日発売
CD+DVD
今泉圭姫子のThrow Back to the Future』 バックナンバー
- 第1回 :U2『The Joshua Tree』
- 第2回 :バグルス『ラジオ・スターの悲劇』
- 第3回 :ジャパン『Tin Drum』(邦題:錻力の太鼓)
- 第4回 :クイーンとの出会い…
- 第5回:クイーン『世界に捧ぐ』
- 第6回:フレディ・マーキュリーの命日に…
- 第7回:”18 til I Die” ブライアン・アダムスとの想い出
- 第8回:ロキシー・ミュージックとブライアン・フェリー
- 第9回:ヴァレンシアとマイケル・モンロー
- 第10回:ディスコのミュージシャン達
- 第11回:「レディ・プレイヤー1」出演俳優、森崎ウィンさんインタビュー
- 第12回:ガンズ、伝説のマーキーとモンスターズ・オブ・ロックでのライブ
- 第13回:デフ・レパード、当時のロンドン音楽事情やガールとの想い出
- 第14回:ショーン・メンデス、音楽に純粋なトップスターのこれまで
- 第15回:カルチャー・クラブとボーイ・ジョージの時を超えた人気
- 第16回:映画「ボヘミアン・ラプソディ」公開前に…
- 第17回:映画「ボヘミアン・ラプソディ」サントラ解説
- 第18回:映画「ボヘミアン・ラプソディ」解説
- 第19回:クイーンのメンバーに直接尋ねたバンド解散説
- 第20回:映画とは違ったクイーン4人のソロ活動
- 第21回:モトリー・クルーの伝記映画『The Dirt』
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- 第86回:29年振りの来日公演が迫るテイク・ザット
- 第87回:カントリーは再度音楽と向き合えるチャンスを与えてくれる
- 第88回:7年振りの来日公演が控えるバステッド
- 第89回:29年振りの来日公演を行うテイク・ザット
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- 第91回:29年ぶりのテイク・ザット来日公演レポートとメンバーとの会話
- 第92回:『エルトン・ジョン:Never Too Late』:リアルな人生と最後に選んだ道
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- 第108回:新ドキュメント『テイク・ザット ~30年の軌跡~』ともう一つの物語






















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