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【コンサート・レビュー】ジャスティン・ビーバー、成長が垣間見えた約3年ぶりのライヴ

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ラジオDJ、ライナー執筆など幅広く活躍されている今泉圭姫子さんの連載「今泉圭姫子のThrow Back to the Future」の第44回。今回は2020年12月31日にジャスティン・ビーバーが約3年ぶりに行ったコンサートについて(これまでのコラム一覧はこちらから

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ジャスティン・ビーバーのPurpose World Tourは、2017年9月に予定されていた日本公演を含めた全行程を完走することなく、2017年7月に中止となりました。身も心もボロボロ状態だったのは、彼の周りにいるスタッフだけでなく、デビューから彼を応援してきたファンであっても、あの時の状況を理解せざる終えなかったはずです。そして2019年3月には活動休止を発表し、しばらくシーンから離れました。でも、ジャスティンの音楽に対する意欲は、最愛のパートナー、ヘイリーの存在によって、再び燃え上がったのです。その後は、さまざまなアーティストとのコラボレーションを始めとし、2020年2月にはアルバム『Changes』を発表しました。

2020年は、アルバム発表に止まらず、コラボレーション曲は継続してリリースし、ショーン・メンデスと共演した「Monster」では、まだ右も左も分からない年齢でショウビズの渦に巻き込まれた若者の心情を歌に託して話題となりました。そんなジャスティンが、ニューイヤーズ・イヴに、コロナ禍で身動きが取れない世界のファンに向けて、オンラインでライブを行うと発表したのです。約3年振りのステージ。ジャスティンは一体どんなパフォーマンス・アーティストに成長したのでしょうか?生まれ変わったジャスティンのスペシャルなコンサートを見るのがとても楽しみでした。

T-Mobile Presents New Year’s Eve Live with Justin Bieber

現地時間12月31日23時、日本時間の1月1日13時が開演時間。30分前からスタンバイして、DJタイムを聴きながら、その瞬間を待ちました。しかし、オンライン・ライヴにはつきものの、不具合がここでも発生し、スタートは45分遅れ。北米の東側の時間では、カウントダウン15分前になっていました。こういったオンライン視聴のライヴでは、主催者側の連絡がメールで入り、現在問題を解決中といったメッセージが伝えられ、なんだか親切なだぁ〜と。そして13時45分になると、映像が一気に豪華なライティングとともに舞台が映し出され、「T Mobile presents New Year’s Eve Live with Justin Bieber」はスタートしました。

花火が上がり、キャップをかぶり、Nikeのフーディー姿のジャスティンが登場。オープニングは「All Around Me」。生バンドをバックに、ジャスティンの歌声はリアルに響きました。続く「Sorry」では、ダンサーを従えてのパフォーマンス。歌詞を忘れちゃうハプニングはありましたが、それもご愛嬌。今回のジャスティンは、とにかく踊るんです。バックダンサーと息のあったダンス・パフォーマンスが見どころのライヴとなりました。「Second Emotion」では、激しくダンス。これまで、こんなダンス・パフォーマンスがあっただろうか、と忘れかけていた記憶をたどってしまうほど。

「Forever」のあとは、シャンパンを開けてカウントダウン。新年明けての1曲は「Boyfriend」。そしてなんと「Baby」も歌います。バンド・スタイルのリミックスの「Baby」でした。これが泣かせます。デビュー時の幼い自分の歌は封印するのかな、と思いきや、こうやって改めて披露することは、ジャスティンのアーティストとしての成長の一つなのではないかと感じました。

その後は、DJ Khalidと共演した曲をメドレーで歌った後は、ギタリスト二人をステージに招き、アコースティックで「Love Yourself」「All That Matters」。そしてレーザーライトが美しく舞うステージに変わると、衣装替えしたビーバーは(キャップがニットキャップ、アウターはブルーに。)「Where Are Ü Now」を激しいダンスで披露。花火が上がると「What Do You Mean?」。

少しだけ、息切れしてきたものの、メンバーに「疲れた?」「もっといける?」と言いつつ、自分を鼓舞し、5人の男性ダンサーと「Running Over」。そして足さばきがすごかった「Come Around Me」「Get Me」「Yummy」と続くと、ステージ上で一人になり「Habitual」。そして、この会場のどこかで見ているヘイリーへの愛のメッセージを伝え、「Holy」を。

続く「Intentions」が終わると、ステージを共にしたダンサーにお礼を言い(この辺りも成長)、ショーン・メンデスとの楽曲「Monster」をビーバー・パートだけ披露した後は、水をたっぷり補給し、しんみりと「Lonely」、最後は新曲の「Anyone」を披露しました。

Justin Bieber – Anyone (Live from NYE)

新曲「Anyone」のMVは、シルヴェスター・スタローンの代表作『ロッキー』のオマージュになっていて、『ロッキー』第一弾のストーリー展開をMVに落とし込み、叩きのめされても立ち上がり、自分の信念のもとで闘っていく、そんな力強いメッセージ・ソングになっています。

[和訳MV] Justin Bieber – Anyone / ジャスティン・ビーバー – エニワン [公式]

2021年6月からは、ツアーをスタートさせる予定のジャスティン。まだ先の見えない世界で、今立ち上がり、新しいジャスティン・ビーバーを披露する、そんな序章となったのが、今回のコンサートでした。確実に、彼は精神面でも過去の傷を乗り越え、アーティストとして成長したことがわかります。

Written By 今泉圭姫子

Setlist:T Mobile presents New Year’s Eve Live with Justin Bieber

1. All Around Me
2. Sorry
3. Second Emotion
4. Forever
5. Boyfriend
6. Baby
7. I’m the One / No Brainer
8. Love Yourself
9. All That Matters
10. Where Are Ü Now (Jack Ü cover)
11. What Do You Mean?
12. Running Over
13. Come Around Me
14. Get Me
15. Yummy
16. Habitual
17. Holy
18. Intentions
19. Monster(Shawn Mendes & Justin Bieber)
20. Lonely
21. Anyone


ジャスティン・ビーバー
ジャスティン・ビーバー 「Anyone」
2021年1月1日配信
iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music



今泉圭姫子のThrow Back to the Future』 バックナンバー


今泉圭姫子(いまいずみ・けいこ)

ラジオDJ、音楽評論家、音楽プロデューサー
1978年4月、湯川れい子氏のラジオ番組「全米Top40」のアシスタントDJのオーディションに合格し、この世界に入る。翌年大貫憲章氏とのコンビでラジオ番組「全英Top20」をスタート。以来現在までにラジオDJ以外他にも、テレビやイベント、ライナー執筆など幅広く活動。また、氷室京介のソロ・デビューに際し、チャーリー・セクストンのコーディネーションを行い、「Angel」のLAレコーディングに参加。1988年7月、ジャーナリスト・ビザを取得し、1年間渡英。BBCのDJマーク・グッドイヤーと組み、ロンドン制作による番組DJを担当。
1997年、ラジオ番組制作、企画プロデュースなど活動の場を広げるため、株式会社リフレックスを設立。デュラン・デュランのジョン・テイラーのソロとしてのアジア地域のマネージメントを担当し2枚のアルバムをリリース。日本、台湾ツアーも行う。
現在は、Fm yokohama「Radio HITS Radio」に出演中。

HP:http://keikoimaizumi.com
Twitter:https://twitter.com/radiodjsnoopy
Radio:Fm yokohama「Radio HITS Radio」

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