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『ロッキー』と『プリティ・イン・ピンク』のサントラを振り返る:名作71枚が期間限定プライスで

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ラジオDJ、ライナー執筆など幅広く活躍されている今泉圭姫子さんの連載「今泉圭姫子のThrow Back to the Future」の第82回。

今回は、永遠のベストセラーから近年のヒット作、入手困難なプレミア盤まで、71タイトルをサウンドトラックが期間限定お買い得価格で販売されている『サントラ・キャンペーン2024』から思い入れの深い2枚をご紹介頂きました。

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「心に残る名作を聴こう」をテーマに、時代を超えた映画のオリジナル・サウンドトラックの国内盤が再発売になりました。1CD枚1,320円、2CDは1,980円という格安で、全71作品のサントラがラインナップされています。そのリストを見てみると、なんとも懐かしい名作にワクワクしてしまいました。

 

名作ロッキー

私は、大のロッキー・ファン。シリーズの中でも、1976年の1作目、2作目、そしてファイナルは何度観ても新鮮な気持ちで興奮するし、感動してしまいます。あの「Gonna Fly Now(ロッキーのテーマ)」が流れると、走り出したくなり、生卵を飲んでみようかな、という衝動に駆られ(実際に飲んだことはないですが)、「Going the Distance(ロード・ワーク)」では、リングの中でロッキーと共に闘い、「Take You Back」では、ドラム缶を囲んでアカペラを歌い、「First Date(初めてのデート)」ではエイドリアンのペット・ショップが目に浮かび、「Fanfare for Rocky(ロッキーのファンファーレ)」では、義兄の広告を背につけたガウンを羽織って登場するシーンが目に浮かびます。

Gonna Fly Now (Theme From "Rocky")

映画音楽の影響力って、その人をスクリーンの中に誘ってくれることでしょう。そして、ビル・コンティの音楽の素晴らしさは、映画の主役でもありました。音楽も主役なんです。

このキャンペーン・シリーズには、『ゴッド・ファーザー』『グリース』『007』シリーズ、『炎のランナー』『フラッシュダンス』『バック・トウ・ザ・フューチャー』『ノッティングヒルの恋人』『ワイルドスピード』シリーズ、『はじまりのうた』『シング』『ラ・ラ・ランド』『マンマ・ミーア!』など、新旧ヴァラエティに富んだサントラがラインナップされています。その中に、『ロッキー』と共に、私が夢中になった映画のサントラを見つけました。それは『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』です。

 

『プリティ・イン・ピンク』の魅力

「プリティ・イン・ピンク」は、1986年に公開されたアメリカの青春映画です。この頃、YAスター(ヤング・アダルト・スター)と呼ばれる若手俳優が人気を博していて、モリー・リングウォルド、アンドリュー・マッカーシー、ジョン・クライヤー、ジェームズ・スペイダーといった俳優陣の出演は、映画ヒットの一因でした。なんといってもアンドリュー・マッカーシーが素敵で夢中になったものです。あの頃は、マーク・レスターに始まり、シルヴェスター・スタローンからアンドリューまで振り幅の広い私でした。

映画は、一風変わった女の子が財閥御曹司と恋に落ちるといったシンプルなシンデレラ・ストーリーなのですが、先日映画を観直して思ったのは、モリー・リングウォルド演じるアンディは、決して一風変わっていたわけじゃないんだな、と。母が家出し、ダメダメな父親と二人で暮らすというシチュエーションは、貧しいながらも健気に頑張っている女の子で、勉強はトップクラス、ただハイクラスな学生が多い中に馴染めず、正義感も強いから、我が道をいくタイプで衝突も多く、決して挫けない強さもあります。

まだ若かった私がリアルタイムで見た時は、風変わりな印象を受けましたが、今思うと、とても魅力的で、自分をしっかり持っている素敵な女性だなと。プロムに着ていくドレスは、自分でリメイク。ピンクが好きで、レトロな服が自分を主張する鍵。かなり自分を持っているじゃない、と印象が変わりました。

『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』日本版劇場予告編

 

『プリティ・イン・ピンク』の音楽

そして音楽の素晴らしさ。オープニングに流れる主題歌「Pretty in Pink」はUKを代表するバンド、ザ・サイケデリック・ファーズの曲を映画用に再レコーディング。製作者のジョン・ヒューズがお気に入りの曲をタイトルに使おうと考えたことがきっかけだったようです。

PSYCHEDELIC FURS : Pretty in pink (HD)

エンディングは、同じくイギリスのオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークの「If You Leave」。他にも劇中には、数多くの名曲が流れます。

Pretty In Pink – If You Leave

主人公アンディのバイト先がTRAXというレコード・ショップなため、音楽は不可欠。ニック・カーショウのヒット曲「Wouldn’t It Be Good(恋はせつなく)」の印象的なイントロは、スリー・ドッグ・ナイトのダニー・ハットン・ヒッターズの演奏で流れ(当時はNikだと思っていました)、ジョン・レノンの「Love」は幼馴染ダッキーが鼻歌で、また彼がレコード・ショップでダンスまで披露して歌振りするのはオーティス・レディングの「Try A Little Tenderness」。この曲を当時聴いた私は、なんてかっこいいソウル・ナンバーだろうと思ったものです。とてもエモーショナルで、劇中に強いインパクトを残しました。残念ながらサントラには収録されていないのですが…。

Jon Cryer – Otis Redding impression – Try a little tenderness – Pretty In Pink

他には、ニュー・オーダー、エコー&ザ・バニーメン、ザ・スミスなど、比較的UKアーティストの作品が全編に流れています。サントラは、80年代のコンピレーション・ヒット集としても楽しめる作品になっています。

ちなみに、映画のエンディングは、アンディと幼馴染のダッキーが結ばれる予定だったのですが、試写の段階で、多くの人の共感を得ることができず、6ヶ月後に出演者が再集結して、撮り直したというエピソードがあります。格差を乗り超えた恋にしたわけです。

裏話として、アンドリューはすでに次作の撮影のため坊主になっていたとのことで、急遽カツラが用意された、とBlu-rayの特典映像で話をしていました。当時私はいくらパーティーのシーンだからといって髪の毛のセットキメすぎだよ、と思っていましたが、40年経って、カツラであることがわかり、納得した次第です。

Pretty In Pink – Ending Scene

Written By 今泉圭姫子




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