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  • マックス・リヒターのフル・オーケストラによる最新アルバム『エグザイルス』が8月6日発売決定

    マックス・リヒターのフル・オーケストラによる最新アルバム『エグザイルス』が8月6日発売決定

    ストリーミング再生2億回超、8時間におよぶ寝ながら聴く音楽『Sleep』やヴィヴァルディ四季の再構築など、先駆的な作品を発表する一方、映画やドラマの音楽でも独自の地位を確立している現代を代表する作曲家、マックス・リヒター。

    クラシックとエレクトロニクスを融合し、反復を基調としたシンプルな音楽が高い支持を得ている。そんな彼のニュー・アルバム『エグザイルス』が8月6日に発売されることが決定した。

    アルバムの中心となっているのは、世界屈指のコンテンポラリー・バレエ・カンパニー、ネザーランド・ダンス・シアターのバレエ『シンギュリア・オディセ(例外的な旅)』(2016)のための音楽として2015年に作曲された「エグザイルス」の初録音。

    この作品は、「アラブの春」の民主化運動による内戦から逃れ、ヨーロッパに難民が殺到した「移民危機」をテーマにし、亡命・歩行・動きの概念をモチーフにして音楽が構成されている。リヒターの過去作『メモリーハウス』がコソボ紛争を、『ブルー・ノートブック』がイラク戦争への抗議を、『インフラ』がロンドン同時多発テロをテーマにしていたように、今回も社会的・政治的な問題を扱っている。

    リヒターは「音楽は文化において本質的な役割を果たしています。それは私たちがどのように生きるべきかについての会話の一部で、それが創造性です。ニーナ・シモンが言ったように“アーティストの義務は……時代を反映することです”」とコメントしている。

    アルバムには「エグザイルス」の他に、「オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト」など、彼の代表曲のオーケストラ演奏によるニュー・バージョンが5曲収録されている。リヒターは次のように述べている。

    「オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライトは、元々弦楽五重奏の曲でしたが、今回は65人以上の弦楽オーケストラで演奏されているので、質感・エネルギー・性質が違ったものとなります。オーケストラ・ヴァージョンは異なる感情的な記録であり、より大きなキャンバスなのです。五重奏では、誰かがあなただけに静かに話しているように感じますが、オーケストラではより幅広い対話がとなるのです」

    演奏は、現代音楽のエキスパートであり、2019年のマックス・リヒターの日本公演でも指揮を担当したクリスチャン・ヤルヴィとバルト海フィルハーモニックが務めている。


    ■リリース情報

    2021年8月6日発売
    『エグザイルス』/マックス・リヒター
    CD / iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify




     

  • 史上最高のディーヴァ ダイアナ・ロス、実に22年振りとなるニュー・アルバムのリリースが決定

    史上最高のディーヴァ ダイアナ・ロス、実に22年振りとなるニュー・アルバムのリリースが決定

    18曲もの全米1位ヒットを放ち、ギネスワールドレコーズより「世界で最も成功した女性アーティスト」と認定された史上最高のディーヴァ、ダイアナ・ロス。そんな彼女の待望のニュー・アルバム『サンキュー』が今秋にリリースされることが決定、先行配信曲「サンキュー」も本日から配信がスタートする。また、アルバムのティザー映像も公開された。

    ダイアナの新作は1999年の『エヴリ・デイ・イズ・ア・ニュー・デイ』以来、なんと22年振り。

    ダイアナの自宅スタジオを中心に制作された本作は、共作とプロデュースにジャック・アントノフ (テイラー・スウィフト、ロード、ラナ・デル・レイ)、トロイ・ミラー (グレゴリー・ポーター、ジェイミー・カラム)、トライアングル・パーク (カニエ・ウェスト、H.E.R.)といった現代最高峰の布陣を迎え、彼女の代名詞であるソウル/R&Bサウンドの魅力を現代のハイブリッド・サウンドでよみがえらせた、ファンの期待を決して裏切らない渾身の内容となっている。

    喜びや感謝がコンセプトである本作は、ダイアナの家族や友人、世界中のオーディエンスが彼女の人生において大きな意味を持っていることを示しており、難しい状況の中でも光を求めて歩いて行こうという強い意志のあらわれともなっている。

    「歌うことについて、私は美しい執念のようなものを持っているの」と語るダイアナは、本作について「今回の曲たちは、私からあなたへ感謝と愛を込めた贈り物なの。この素晴らしい音楽をこの時期に録音出来て、とても嬉しかったわ。愛についてのこのアルバムを全てのリスナーに捧げたい。私の声を聴くと、私の心が『愛こそ道を切り拓く』と言っているのが聴こえると思うわ」とコメントしている。


    ■アーティスト情報

    ダイアナ・ロス (Diana Ross)

    12曲ものナンバーワン・ヒットを生み出したモータウンの看板女性グループ、シュープリームスのリード・ヴォーカルとして、ソロ・アーティストとして、20世紀のポップ・ミュージック・シーンにおいて最も成功した1人。

    本名ダイアナ・アール。1944年デトロイトの出身。59年に友人のマリー・ウィルソン、フロレンス・バラード、バーバラ・マーティンとプリメッツという カルテットを結成し、61年にモータウン・レコードと契約。バーバラ・マーティンが脱退し、シュープリームスというトリオとして活動を始めた。このグルー プ名は、67年にフロレンス・バラードが脱退しシンディ・バードソングが加入した時に、ダイアナ・ロス&シュープリームスと改名するまで続いた。

    ダイアナは、69年のシングル「またいつの日か(Someday We’ll Be Together)」を最後にグループを脱退し、ソロ活動をスタート。アルバムから70年の「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」、73年の 「タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング」、80年の「アップサイド・ダウン」と全米ナンバーワン・ヒットを連発。その一方で俳優業にも積極的で、75年の 映画『マホガニー』に主演、自ら歌ったテーマ曲「マホガニーのテーマ(Do You Know Where You’re Going To)」が全米ナンバーワン・ヒットとなる快挙を実現した。

    またオズの魔法使いの新しいリメイクである78年のミュージカル映画『ウィズ』では、マイケル・ジャクソンと共演した。 また73年にはマーヴィン・ゲイとのデュエット・アルバム『ダイアナ&マーヴィン』を発表。さらに81年には、ブルック・シールズ主演映画『エンドレス・ ラヴ』の同名テーマ曲をライオネル・リッチーとのデュエットで披露。これも全米ナンバーワンを記録するなど、デュエットでも大活躍した。

    82年にはモータウンを離れRCAレーベルへ移籍。同年のマイケル・ジャクソンのプロデュースによるアルバム『Swept Away』がヒットしたが、その後大きなヒットを生むことができず、89年にモータウンヘ復帰した。 1991年には、ユニバーサルのアニメ映画『リトル・フットの大冒険』のテーマ曲として「イフ・ウイ・ホールド・オン・トゥゲザー」を発表。ここ日本では、テレビのトレンディ・ドラマで主題歌に使用されて大ヒットしたのも記憶に新しい。


    ■リリース情報

    2021年11月15日発売
    ダイアナ・ロス『サンキュー』
    CD Amazon Music / Apple Music / Spotify


  • モーツァルト音楽療法の第一人者、理学博士 和合治久氏 監修「美と若さ」がテーマのアルバム発売決定

    モーツァルト音楽療法の第一人者、理学博士 和合治久氏 監修「美と若さ」がテーマのアルバム発売決定

    モーツァルト音楽療法の第一人者としてメディアでも活躍している理学博士の和合治久氏が、自身が監修する人気シリーズ『癒しのモーツァルト』の第4弾となる最新アルバム『癒しのモーツァルト~美と若さのための4000Hz』を2021年8月11日に発売する事が決定した。

    モーツァルト没後230年の節目の年となる2021年、和合治久氏が業界最先端の知識とニーズを盛り込み、現代人のための「美と若さ」の追求をテーマに制作。現代社会にあふれる不快なストレス状態をリセットするのに最適な人間の耳がもっとも敏感に感じ取れる4000Hz(ヘルツ)の高周波音周辺を多く含むモーツァルトの楽曲が12曲収録されている。

    モーツァルトの楽曲を聴き入ることで心と体を癒し、より良い生活環境を整え、ひいては乱れた自律神経を整え肌に潤いをもたらし、美と若さへと導く手助けをするものだ。

    今回のアルバムリリースについて和合治久氏は「コロナ禍の中で、感染への不安や恐れ、悲しみという感情悪が増大しています。この状態は自律神経の調和を崩し、肌は乾燥して本来のツヤ、張り、しなやかさが低下して肌の美と若さが失われます。これを改善するには、心身を穏やかにすることが肝要です。今作に収録された楽曲にはその作用があり、心静かに耳を傾けながら肌に潤いをもたらして下さい」とコメントを寄せている。

    アルバムに封入されるCDブックレットには、「なぜモーツァルトが健康・美容効果をもたらすのか」「美と若さを取り戻す上での聴き方」など、和合治久氏による充実の解説も掲載される予定だ。


    ■プロフィール

    和合治久

    1950年長野県松本市生まれ。
    東京農工大学大学院修了後、京都大学にて理学博士取得。
    埼玉医科大学短期大学教授・学科長・学長補佐を経て、埼玉医科大学教授・初代学科長を務めた。現在、埼玉医科大学短期大学名誉教授。
    専門は比較免疫生物学、免疫音楽医療学で、人間を含めた動物の生体防御機構を研究。
    長春中医薬大学客員教授、東京都立大学講師および新渡戸文化短期大学講師等を兼務。国際個別化医療学会顧問、日本作家クラブ名誉理事、虹の会理事、ふるさとテレビ顧問、SRCV朝日のぼる文化村村長などを務める。
    受賞歴に、文部大臣賞、日本応用動物昆虫学会賞、日本臨床検査学教育学会精励賞、日本レコード大賞企画賞(監修CD)などがある。
    これまでに、国際比較免疫学会副会長、日本比較免疫学会副会長、日本生体防御学会理事、日本臨床検査学教育学会理事などを歴任。東京農工大学、首都大学東京、お茶の水女子大学、名古屋大学大学院、弘前大学、早稲田大学、尚美学園大学などで非常勤講師を務めた。
    各地の講演のほか、テレビ・ラジオ、医学・健康雑誌等で活躍。日本各地で音楽セラピーコンサートを開催し、治未病活動を展開している。
    座右の銘は「人生に逃げ場なし」。

    著書および監修CD:
    ・「最新・健康モーツァルト音楽療法PART1:脳神経系疾患の予防」(2004)、「最新・健康モーツァルト音楽療法PART2:血液循環系疾患の予防」(2004)、「最新・健康モーツァルト音楽療法PART3:免疫系疾患の予防」(2004)、「最新・健康モーツァルト音楽療法PART4生活習慣病の予防」(2005)、「最新・健康モーツァルト音楽療法PART5アレルギーの予防」(2005)、「最新・健康モーツァルト音楽療法PART6免疫性疾患の予防(2)」(2005)、「最新・健康モーツァルト音楽療法BOX(6CD)」(2013)、「治・未病音楽療法~モーツァルト」(2013)、「治・未病音楽療法~日本の歌」(2013)、「認知症にならないためのCDブック」(2016)、「癒しのモーツァルト~自律神経を整える4000Hz」(2016)、「英語耳を育てるモーツァルト ~魔法の音8000Hz~」(2016)、育脳モーツァルト~高周波音とゆらぎによる豊かな子育て~」(2016)、「最恐ストレスからあなたの自律神経を守りぬく」(2017)、「免疫力を高めるアマデウスの魔法の音」(2017)、「未病改善のススメ」(共著)(2018)、「癒しのモーツァルト~脳を活性化する4000Hz」(2018)


    ■リリース情報

    2021年8月11日発売
    『癒しのモーツァルト~美と若さのための4000Hz』
    CD


  • アカデミー賞にノミネートされた、ダスティン・オハロランのデビュー・アルバム『Silfur』が本日発売

    アカデミー賞にノミネートされた、ダスティン・オハロランのデビュー・アルバム『Silfur』が本日発売

    アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞にノミネートの他、エミー賞受賞。近年は映画音楽において世界的な地位を確立しているコンポーザー・ピアニストのダスティン・オハロランが、ドイツ・グラモフォンからソロ・アルバム『Silfur』を発売した。

    このアルバムは高い評価を得ている彼のソロ・ピアノ作品を新たな編曲でリワークしたもので、アルバム『Piano Solos I』『Piano Solos II』『Vorleben』『Lumiere』から選ばれた13曲と、新作2曲「Constellation No.2」「Opus 56」を収録している。

    アイスランドのレイキャヴィクに住み、ロサンゼルスと行き来しているオハロランだが、新型コロナウイルスによるロックダウンでアイスランドに籠らざるを得ない状況下、その孤立の時間を静寂の中で過ごしつつ、過去の作品をリワークしたり、新曲を作曲してレコーディングを行い本作は生まれた。

    © Anna Maggy

    「自分の過去にタイムスリップしたかのような感覚を味わいながら、現在の新しい方法で音楽を体験することができました。このようにして時間を捉えることができるのは、とても特別なことです。音楽とは、“時間をとらえること”だと思います」とオハロランは語る。

    作曲から何年も経った作品に戻って作り直すという創造的なプロセスは、音楽が二度と同じ経験をすることはないというオハロランの理解を深めるものだった。「時には、振り返ることでしか自分を理解することができないこともありますし、うまくいけば自分が何者であるか、何者であったかという糸口を見つけることができるのです」。

    アルバムの発売を記念して、アイスランドの映像作家アンナ・マギーが制作した「Constellation No.2」のミュージック・ビデオも公開される。この新曲についてオハロランは「私の過去を旅するようなアルバムを締めくくる最新作です」と語っている。

    Constellation No. 2

    マイクロレンズを使った映像は、ジャスパー、メノウ、透明なアイスランドのスパー石(シルファーバーグ)など、さまざまな岩石や鉱物の模様を映し出している。穏やかで繊細なこの映像は、「Constellation No.2」やアルバム全体のエッセンスを凝縮したものとなっている。


    ■リリース情報

    2021年6月11日発売
    ダスティン・オハロラン『Silfur』
    CD / iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify


  • 世界で活躍するピアニスト アリス=紗良・オット、3年振り10枚目のアルバム『Echoes Of Life』発売決定

    世界で活躍するピアニスト アリス=紗良・オット、3年振り10枚目のアルバム『Echoes Of Life』発売決定

    クラシックの伝統を継承しつつも、新たなアプローチを模索するピアニスト、アリス=紗良・オットが、ニュー・アルバム『Echoes Of Life』を8月6日に発売する。独自の視点からショパンの傑作『24の前奏曲 作品28』に取り組み、さらに、この曲集の合間に自身が影響を受けた7つの現代作品を「間奏曲」のように挿入することで、個性的なストーリーを展開している。

    オットは、ショパンの前奏曲はそれぞれの曲の合計以上のものであると感じている。「私にとって、これらは人生を反映しています。つまり、すべての瞬間が何らかの形でつながっているのです。一歩が次の一歩につながり、あるときは速く、あるときは遅く、あるときは円を描くように歩き、あるときは行き止まりに直面して引き返さなければなりません」。終わりは次の始まりで、全体は大きな弧を描く人生のようだ。

    組み合わせられている現代作品は、盟友トリスターノがバッハの前奏曲をベースにこのアルバムのために書き下ろした〈イン・ザ・ビギニング・ワズ〉に始まり、ジェルジュ・リゲティ、ニーノ・ロータ、チリー・ゴンザレス、武満徹、アルヴォ・ペルトの作品へとジャンルも飛び越えつつ続く。

    これらはそれぞれオットの人生に強い結びつきを持った曲で、ショパンの前奏曲の中にあっても絶妙のマッチングを示し、さらにショパンの現代性を浮き彫りにする。そして、最後はモーツァルトの死によって未完となったレクイエムのラクリモーサを元に、オットが作曲した美しい〈ララバイ・トゥ・エターニティ〉で「人生への永遠の問いかけ」を投げかけてアルバムは閉じられる。

    「最初にこのアルバムのコンセプトを考えていたときには、音楽が私にとってこんなにも感情的な意味を持つとは予想していませんでした……全体を通して初めて聴いたとき、ショパンの前奏曲がいかに現代的で、挑発的で、時代を超越しているかを、現代の作品が裏付けていることに気づきました」

    アルバムに先立ち、本日、アルバムから前奏曲第15番《雨だれ》のデジタル先行配信がスタートした。


    ■リリース情報

    2021年8月6日発売
    アリス=紗良・オット『Echoes Of Life エコーズ・オヴ・ライフ』
    CD / iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify


  • ラヴェル名曲集:偉大な作曲家による重要な10作品

    ラヴェル名曲集:偉大な作曲家による重要な10作品

    《ボレロ》《ダフニスとクロエ》《亡き王女のためのパヴァーヌ》などを含む、10曲の重要な作品を紹介する。

    モーリス・ラヴェル(1875年3月7日-1937年12月28日)は、印象派の作曲家の重要な一人だが、ドビュッシーと同じく、彼はそう呼ばれることを拒否した。ラヴェルの最も有名な作品には、《ボレロ》《ダフニスとクロエ》《亡き王女のためのパヴァーヌ》などがある。

    ラヴェルの創作は細心の注意を払い、精巧に行われていることで知られ、オーケストレーションの達人であった。ラヴェルの母親はバスクの血筋で、これがラヴェルの生涯にわたり持ち続けたスペイン音楽への興味の要因となっている。父親はスイスの発明家・エンジニアであり、これがラヴェルの創作における精度の高さと職人的な取り組みの源になっているのだろう。

    彼は1889年に14歳でパリ音楽院に入学し、1897年に再びガブリエル・フォーレに作曲を師事した。この間に、《亡き王女のためのパヴァーヌ》、ピアノのためのソナチネ、弦楽四重奏曲といった彼の代表的な作品を作曲している。

    ラヴェルがパリ音楽院で開催されていた、作曲家の登竜門「ローマ賞」を受賞できなかったことはスキャンダルを巻き起こした。1909年から1912年にかけて、ラヴェルはセルゲイ・ディアギレフと「バレエ・リュス」のために《ダフニスとクロエ》を作曲し、これは彼の代表作として広く知られている。

    またラヴェルは他の作曲家の作品のオーケストラ編曲も行っており、その中でも1922年に行ったムソルグスキーの《展覧会の絵》の編曲がもっとも有名である。ラヴェルの作品には、モダニズム、バロック、新古典主義、ジャズの要素が取り入れられている。彼はかつて、「私の恋愛は、音楽とだけであった」と述べている。

    ラヴェル名曲集:偉大な作曲家による重要な10作品

    ボレロ

    《ボレロ》はラヴェルの最も有名な作品であり、20世紀で最も頻繁に演奏された作品の一つである。ダドリー・ムーアとボー・デレク主演の映画『10(テン)』をはじめ、多くの映画で取り上げられ、1984年のサラエボ冬季オリンピックでは、イギリスのアイス・ダンサー、ジェーン・トーヴィルとクリストファー・ディーンが金メダルを獲得した際に、《ボレロ》にのせて特別なプログラムを披露している。

    ダフニスとクロエ

    1909年から1912年にかけて、ラヴェルはバレエ界の巨匠、セルゲイ・ディアギレフと「バレエ・リュス」のために《ダフニスとクロエ》を作曲した。このバレエはラヴェルの作品の中でも最も情熱的な音楽といえるもののいくつかを含んでおり、印象派ならではの絢爛豪華なハーモニーを特徴としている。ストラヴィンスキーは《ダフニスとクロエ》を「ラヴェルの最高傑作であるだけでなく、フランス音楽の中で最も美しい作品の一つ」と評した。

    亡き王女のためのパヴァーヌ

    ラヴェルは、パリ音楽院でガブリエル・フォーレのもとで作曲を学んでいた1899年に、《亡き王女のためのパヴァーヌ》のピアノ独奏版を作曲した。このパヴァーヌはラヴェルの最高傑作の一つであり、1910年には管弦楽編曲が行われている。ラヴェルはこの作品を「昔、スペインの宮廷で小さなお姫様が踊っていたであろうパヴァーヌを想起させる」と述べている。

    Ravel: Pavane pour une infante défunte, M. 19a

    ラ・ヴァルス

    ラヴェルのウィンナ・ワルツへの愛は、ヨハン・シュトラウス2世へのオマージュとして作られた《ラ・ヴァルス》に現れている。《ラ・ヴァルス》はノスタルジックでありながら不吉な雰囲気を醸し出しており、最初のエレガントなワルツが徐々に歪み、爆発的な結末を迎える。ラヴェルは、このスコアの冒頭に「舞踏詩……ウィンナ・ワルツへの賛歌……幻想的で運命的な、群衆たちの狂った渦」という標題を寄せている。

    スペイン狂詩曲

    《スペイン狂詩曲》は、ラヴェルがオーケストラのために作曲した最初の作品である。この作品は作曲家に流れるスペインの血や母の歌っていた民謡など、スペインの伝統に大きく影響を受けたもので、スペインを舞台に、あるいはスペインを反映した作品の一つである。

    一見スペインの音楽と思ってしまうほどの作品を書いたラヴェルの卓越した能力は、スペインの作曲家、マヌエル・デ・ファリャから称賛を受けた。

    Ravel: Rapsodie espagnole, M.54 – 1. Prélude à la nuit

    夜のガスパール

    ラヴェルの《夜のガスパール》は、悪夢のようであり、幻覚や幻想に満ちたアロイジウス・ベルトランの詩集に影響を受けて書かれた、ピアノのための超絶技巧作品である。3つの楽章は、ベルトランの詩を魅惑的に現わしている。第1曲〈オンディーヌ〉は滝のように流れる水、第2曲〈絞首台〉は吊るし首の縄の穏やかな揺れ、第3曲〈スカルボ〉では駆け回る幽霊のような小鬼が描写されている。

    ピアノ協奏曲ト長調

    「ピアノ協奏曲ト長調」は、陽気なジャズの影響を受けた第1、第3楽章と、モーツァルトの影響を受けた夢のようなアダージョの中間楽章から成る、抑えきれないほどの高揚感と楽観性を持った作品である。ラヴェルは、「ジャズの最も魅力的な部分は、その豊かで気をそそるリズムである。

    ジャズは現代の作曲家にとって非常に豊かで活力に満ちたインスピレーションの源であり、私はアメリカ人の中でジャズの影響を受けている人が非常に少ないことに驚いている」と述べている。

    《鏡》は、太陽の光が降り注ぐような華麗な技巧による〈道化師の朝の歌〉や、悲しげに泣く鳥たちや鐘の音が詳細に描写された〈悲しい鳥たち〉に〈鐘の谷〉などから成る、ピアノ独奏のために書かれた5楽章の組曲である。各楽章は、フランスの音楽家や詩人たちによる前衛芸術家グループ「アパッシュ(芸術的ごろつき)」の仲間に捧げられている。

    クープランの墓

    1914年から1917年にかけて作曲されたラヴェルの《クープランの墓》は、フランスのバロック時代の作曲家、フランソワ・クープランと、18世紀フランスに書かれていた鍵盤楽器のための組曲の豊かな伝統に敬意を表している。各楽章は、第一次世界大戦で戦死したラヴェルの友人たちの思い出に捧げられている。まずピアノ独奏のために6楽章の組曲が書かれ、1919年にはラヴェルがそのうち4楽章を管弦楽のために編曲している。

    水の戯れ

    《水の戯れ》は、ラヴェルにとっての英雄の一人であるフランツ・リストのヴィルトゥオーゾ・ピアニストとしてのスタイルに影響を受けた、ピアノ独奏のための作品である。タイトルは「噴水」、「水の遊び」、文字通り「水遊び」と訳されることが多い。噴水、滝、小川などの水の音は、ラヴェルに着想を与え、印象派の作品の中でも特に人気の作品となった。ラヴェルは、ガブリエル・フォーレに師事していた時に《水の戯れ》を作曲し、この曲を師に捧げている。

    Written By uDiscover Team



  • 大ベストセラー『怖い絵』シリーズの著者が贈るコンピ『怖いクラシック』のコンサートが開催決定

    大ベストセラー『怖い絵』シリーズの著者が贈るコンピ『怖いクラシック』のコンサートが開催決定

    大ベストセラーである『怖い絵』シリーズの著者であり、2017年に上野の森美術館と兵庫県立美術館で開催され68万人を動員した『怖い絵展』の監修を務めたドイツ文学者、西洋文化史家の中野京子が監修・解説を手がけるクラシック・コンピレーション・アルバム『怖いクラシック』と、角川文庫より発売中のコラボレーション書籍「大人のための『怖いクラシック』オペラ篇」が、コンサート化されることが発表された。

    主催はららら♪クラブ実行委員会(ヴィーナスアクト、読売新聞社)で、9月19日(日)に東京文化会館で開催される。

    これまで多くの美術解説書を発刊し、芸術作品を歴史的背景や人間関係から読み解く面白さを提唱した第一人者として知られている中野。コンピレショーン・アルバム『怖いクラシック』では絵画という枠を飛び越えクラシック音楽の裏に隠された「怖さ」を紐解き、制作・作曲背景に怖い逸話が潜んでいるクラシックの名曲を自ら選曲している。

    CDに封入されたブックレット内には、中野が書き下ろした楽曲の解説が掲載されており、また、より立体的に音楽を楽しむため、楽曲それぞれに対して、関連のある絵画が1枚ずつセレクトされ、それらの歴史的な繋がりや共通点を多面的に楽しむことができる仕掛けが施された。

    コラボレーション書籍である「大人のための『怖いクラシック』オペラ篇」では「椿姫」「ホフマン物語」「カルメン」「蝶々夫人」など、コンピレーションでも取り上げたオペラ作品の楽しみ方や、原作の裏に秘められ物語や制作秘話などが綴られている。

    今回発表となった『怖いクラシックコンサート』では、楽曲と共に中野本人がセレクトした絵画がスクリーンに投影され、これまで、知的好奇心をくすぐる新しい美術の楽しみ方を提唱してきた中野が自らクラシック音楽と絵画に潜む怖さの解説を行う予定だ。

    指揮者は国内外の公演で活躍中の三ツ橋敬子が務め、砂川涼子(ソプラノ)、谷口睦美(メゾソプラノ)、笛田博昭(テノール)、与那城敬(バリトン)という日本有数のオペラ歌手が出演する。管弦楽として東京フィルハーモニー交響楽団が名を連ねた。フルオーケストラにオペラ歌手4名を迎え、生演奏を聴きながら視覚的にも楽しめる豪華な内容となっている。

    プログラムは第一部ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」やムソルグスキーの「禿山の一夜」ほか、第二部では豪華オペラ歌手を迎えて歌劇《カルメン》の名場面を抜粋。どこか聴きなじみのある有名曲が中心となる予定で、クラシックコンサート初心者にもおすすめのプログラムとなっている。

    今回の発表を受けて中野は「拙著『怖い絵』シリーズをもとに2017 年には上野と神戸で「怖い絵」展が開催、そして今度は「怖いクラシック」コンサートが行われることになりました。会場では大スクリーンに絵画を映し、関連した楽曲の生演奏。私も少し絵の解説をいたします。

    今回は『カルメン(抜粋)』もあるので、オペラ歌手の方々も共演してくださいます。絵と音楽を組み合わせたこのような試みは、たぶん初めてのことではないかと思います。名画の数々、東京フィルの名演奏、そして天上的な歌声を、どうぞお楽しみくださいますよう。」とコメントをしている。ぜひ、会場で大迫力の生演奏で「怖いクラシック」を堪能してほしい。

    『怖いクラシック』特設サイト
    https://www.universal-music.co.jp/classics/kowai-classic/

    ■公演概要

    『怖いクラシックコンサート』
    【公演日時】
    2021 年9 月19 日(日)13:00 開場/14:00 開演

    【会場】
    東京文化会館 大ホール

    【チケット】
    S 席 9,800 円 A 席 8,500 円 B 席 7,200 円 C 席 5,800 円
    ※全席指定・税込み
    ※未就学児入場不可

    【プレイガイド先行】
    6 月11 日(金)〜

    【一般発売】
    6 月18 日(金)〜

    【出演】
    ソプラノ:砂川涼子
    メゾソプラノ:谷口睦美
    テノール:笛田博昭
    バリトン:与那城敬
    指揮:三ツ橋敬子
    管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
    解説:中野京子
    司会:笠井美穂

    【プログラム】
    チャイコフスキー:オペラ『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ
    ラヴェル:「亡き王女のためのパヴァーヌ」
    プッチーニ:オペラ『ジャンニ・スキッキ』より「私のお父さん」
    ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」
    ビゼー:オペラ『カルメン』より
    ※演奏曲が変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

    【主催】
    ららら♪クラブ実行委員会(ヴィーナスアクト、読売新聞社)

    【協力】
    KADOKAWA、ユニバーサル ミュージック

    【制作運営】
    楽天チケット

    【公演HP】
    www.lalalaclub.com/kowai/

    【問合せ】
    ららら♪クラブ・チケット
    TEL050-5434-7343(受付時間 平日10:00〜17:00 まで)

    ※ららら♪クラブとは「クラシックコンサートを楽しもう!〜癒し・元気・感動を共に〜」を掲げ、クラシックコンサートのファンの輪を広げていく活動です。WEB マガジン「ららら♪クラブ」を拠点に、「ららら♪クラシックコンサート」をはじめ、新しく楽しいイベント企画を、「ららら♪クラブ実行委員会」を都度組織してお届けしています。
    ららら♪クラブ公式サイト www.lalalaclub.com


    ■中野京子 プロフィール

    北海道生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。ドイツ文学者、西洋文化史家、翻訳家。オペラ、美術などに造詣が深く、新聞や雑誌に連載を持つ。歴史的背景から絵画を読み解く面白さを提唱し、著書「怖い絵」シリーズは大ベスト・セラーに。

    また、2017年開催の「怖い絵」展を監修。全国で68万人を動員して「社会現象」となる。

    「名画で読み解く 王家 12の物語」、「危険な世界史」、「残酷な王と悲しみの王妃」、「名画の謎」、「運命の絵」など多数のシリーズ作を出版し、その独特な角度から捉える芸術解説に多くのファンを持つ。

    公式ブログ「花つむひとの部屋」


    ■リリース情報

    2021年3月24日発売
    中野京子監修『怖いクラシック』

    CD / iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify

    ■コラボレーション書籍
    「大人のための『怖いクラシック』オペラ篇」
    著者:中野京子
    体裁:角川文庫
    発行:株式会社KADOKAWA



     

  • 武満徹、世界初演曲を岩城宏之・札幌交響楽団と共に3曲手掛けた伝説の公演を40年の時を経てリリース

    武満徹、世界初演曲を岩城宏之・札幌交響楽団と共に3曲手掛けた伝説の公演を40年の時を経てリリース

    今年没後25年を迎えた今もなお多くの音楽家に影響を与え続けている、日本を代表する作曲家、武満徹。そんな彼が、1982年に岩城宏之・札幌交響楽団と共に自身の世界初演曲を一挙3曲手掛けた伝説の公演を完全収録した『1982 武満徹世界初演曲集』が名門ドイツ・グラモフォンから7月7日にリリースされることが決定した。

    本日からオフィシャル・トレイラーの公開、及び収録曲「夢の時 (オーケストラのための)」の先行配信がスタートしている。

    『1982 武満徹世界初演曲集』オフィシャル・トレイラー

    (『1982 武満徹世界初演曲集』オフィシャル・トレイラー)

    本作は、1970年代後半から素晴らしいコンビネーションを築き上げていた武満・岩城・札響により、1982年6月27日に札幌市民会館で行われたコンサート「武満徹世界初演曲 札響特別演奏会」の録音を完全パッケージ化したもの。

    武満自身の希望で曲目の全てが世界初演となったこのコンサートで披露された、「ア・ウェイ・ア・ローンII (弦楽オーケストラのための)」、「海へII (アルト・フルート、ハープ、弦楽オーケストラのための)」、「夢の時 (オーケストラのための)」という3曲、さらに当日行われた武満が自身の音楽や演奏曲について自ら解説する50分超の講演もノーカットで収録している。

    札響の地元FMラジオ局であるAIR-G‘(エフエム北海道)開局記念番組のために収録され、同社により保管されていたという今回の音源は、1982年と2017年に1度ずつラジオで一部のみオンエアされただけという極めて貴重なものだ。

    武満の後年のキャリアを振り返るうえで極めて希少な記録ということから、今回はドイツ・グラモフォンからのリリースが実現。札響のドイツ・グラモフォンからのリリースは史上初となる。

    「札響は私の音楽と最も調和しているオーケストラだ」と語り、後日エッセイを執筆するほどこの公演は武満にとっても特別な意味を持っていた。今回のリリースについて、武満の愛娘であり音楽プロデューサーの武満真樹は、「“作曲というのは孤独な作業だ”と父はよく言っていました。

    だからこそ信頼する岩城宏之さんと札響の皆さんとの新しい音楽作りに大きな喜びを感じていたのでしょう。それは決して出来上がった楽譜を見て良い演奏をする、ということに留まらない、創造的でロマンチックな時間だったのだと思います。作曲家と初演の演奏家たちとの協同作業によって完成した誕生直後の3作品を、40年たった今、皆さんに聴いていただけると知り、父と岩城さんもあの世で思い出話に花を咲かせていることでしょう」とコメントしている。

    商品は本日から予約がスタート。一部の店舗では数量限定のオリジナル特典も用意されている。

    また、今回のリリースを記念し、武満作品を採り上げたドイツ・グラモフォンとデッカによる名盤10タイトルがUHQCDでリイシューされることも決定した。近年入手困難となっていたアルバムを含むラインナップで、全て今回が初UHQCD化となる。多彩な作風で多くの名曲を遺した彼の功績を辿るには最適のシリーズとなっている。


    ■アーティスト情報

    ©KINOSHITA Akira Archives

    武満徹

    1930年、東京に生まれる。

    陸軍食糧基地に勤労動員されていた1945年、リュシエンヌ・ボワイエが歌うシャンソン「聴かせてよ、愛のことばを」のレコードを軍の宿舎で密かに聴き感銘を受け、音楽家への道を志す。

    以降はほぼ独学で作曲を学び、1950年のピアノ曲「2つのレント」で作曲家デビュー。1957年に発表した「弦楽のためのレクイエム」を偶然来日していたストラヴィンスキーが耳にして絶賛し、以降世界的に評価が高まっていくことになった。

    作品は、管弦楽から電子音楽、映画音楽、舞台音楽、ポップスまで多岐にわたる。邦楽器とオーケストラを組み合わせた作品にも取り組み、1967年の「ノヴェンバー・ステップス」は今もなお多くのオーケストラに採り上げられている代表作の1つである。

    その後も「カトレーン」や「系図」、劇伴音楽「波の盆」など数々の名曲を発表し、多くの音楽家に影響を与えた日本を代表する作曲家の1人。

    1996年、65歳で死去。

    ©Yasuo Fujii

    札幌交響楽団

    1961年に発足、北海道唯一のプロ・オーケストラとして「札響」の愛称で親しまれ、2021年に60周年を迎える。透明感のあるサウンドとパワフルな表現力は、国内はもとより海外でも評価が高い。歴代指揮者には、名誉創立指揮者の荒谷正雄、ペーター・シュヴァルツ、岩城宏之、秋山和慶、尾高忠明、マックス・ポンマー、ラドミル・エリシュカなどがいる。

    現在は、首席指揮者にスイス出身のマティアス・バーメルト、名誉音楽監督の尾高忠明、友情客演指揮者の広上淳一、指揮者の松本宗利音を擁する。例年の年間公演回数は約120回。さらに小編成でのアウトリーチ活動にも積極的に取り組んでいる。海外ではこれまでにヨーロッパ、アメリカ、アジア諸国を訪問し、各地で好評を博した。


    ■リリース情報

    2021年7月7日発売
    岩城宏之指揮、札幌交響楽団『1982 武満徹世界初演曲集』

    CDApple Music / SpotifyAmazon Music

    2021年7月7日(水)発売
    『武満徹没後25年 UHQCD名盤セレクション10タイトル』
    CD


  • 『もやしもん』『惑わない星』の作者・石川雅之氏がクラシック音楽の歴史マンガを描き下ろし

    『もやしもん』『惑わない星』の作者・石川雅之氏がクラシック音楽の歴史マンガを描き下ろし

    『もやしもん』『純潔のマリア』などをてがけ、現在、モーニング(講談社)で『惑わない星』を連載中の漫画家、石川雅之氏がクラシック音楽の歴史マンガを描き下ろし、その一部が「クラシック百貨店」の特設ページで公開された。

    クラシック百貨店特設ページ:https://lnk.to/classic-deptPR

    「クラシック百貨店」はユニバーサル ミュージックのクラシック名盤シリーズ。クラシック愛好家へのアンケートに基づく人気ランキングで選盤された100タイトルが、6月23日より「器楽曲」「協奏曲」「管弦楽曲」「室内楽/歌劇&声楽」「交響曲」とジャンルに分けて、20タイトルずつ発売される。

    世界最古のクラシック・レーベル「ドイツ・グラモフォン」と指揮者・小澤征爾やピアニストの内田光子などの巨匠が所属する「デッカ」(旧フィリップス音源含む)の両レーベルから、人気、クオリティともに最高でエバーグリーンな名盤が選ばれている。

    今回、石川雅之氏が描き下ろしたマンガは、16世紀末から20世紀にかけて、音楽史でいうバロック前期から近現代までのクラシック音楽の変遷をヨーロッパの歴史的な出来事を交えて描いている。この作品は、本日より一部が「クラシック百貨店」の特設サイトで公開。全編は、クラシック百貨店特製ガイドブック「クラシック百貨店book」に掲載される。

    この「クラシック百貨店book」は、6月23日よりスタートする「クラシック百貨店」プレゼント・キャンペーン参加者にもれなくプレゼントされる予定。

    石川雅之氏描き下ろしマンガの他、『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』の著者、山﨑圭一(ムンディ先生)による歴史解説や、描き下ろしマンガに登場するクラシック作曲家の紹介、世界のオーケストラの紹介などクラシックを様々な角度で楽しめる内容となっている。

    『クラシック百貨店book』プレゼント・キャンペーン応募詳細はこちら

    https://lnk.to/classic-dept-presentPR

    ■プロフィール

    石川雅之

    大阪府出身。1997年に『日本政府直轄機動戦隊コームインV』でデビュー、初連載。1999年、『神の棲む山』(『人斬り龍馬』所収)でちばてつや賞準入選受賞。「モーニング」連載の『週刊石川雅之』などを経て、2004年『もやしもん』を連載開始(2014年完結)。同作で第12回手塚治虫文化賞マンガ大賞、第32回講談社漫画賞受賞。2009年より『純潔のマリア』を連載開始(2015年完結)。2015年5月に『惑わない星』連載開始。

    山﨑圭一(ムンディ先生)

    福岡県公立高校講師。早稲田大学教育学部卒業後、埼玉県立高校教諭、福岡県立高校教諭を経て現職。教育活動の傍ら、YouTubeでの世界史の授業動画配信や執筆活動を行っている。著書に『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』がある。


    ■リリース情報

    『クラシック百貨店』

    発売日:

    6/23(水)発売  第1回 器楽曲編 20タイトル

    7/7(水)発売  第2回 協奏曲編 20タイトル

    7/21(水)発売 第3回 管弦楽曲編 20タイトル

    8/4(水)発売  第4回 室内楽、歌劇&声楽曲編 20タイトル

    8/18(水)発売 第5回 交響曲編 20タイトル


  • ときめく365日のためのクラシックレシピ:花×クラシック【連載第1回】

    ときめく365日のためのクラシックレシピ:花×クラシック【連載第1回】

    21世紀。「名盤」を聴くのも楽しいけれど、それぞれが思い思いに自分の「スタイル」で、日常のちょっとしたエッセンス――でも、それを聴くだけで目の前の世界をまるっきり新しくしてくれる魔法のように、音楽を楽しみたい。

    では、自分らしいスタイルって、何?

    この連載では、そんなスタイルの作り方(レシピ)を、季節ごとのプレイリストや、音楽のエピソードとともにご紹介。ご一緒に、ときめきに満ちた365日を過ごしましょう。

    コラムニスト高野麻衣さんによる寄稿、その連載第1回です。


    恋人は6月に咲いた 赤い赤いバラのよう

    恋人は調べも美しい 甘い甘い音楽のよう

    ロバート・バーンズ

    ときめいている人って素敵ですよね。まず顔が違うし、雰囲気も違う。

    片付けの本でもおなじみですが、ときめきって恋だけじゃない。美しいものを美しいと感じ、幸福を感じられること。小さな憧れや、もっと知りたいと思う気持ちだと思うのです。

    幼い頃から、私はときめく才能には自信がある方でした。小1のときモーツァルトに恋をして、いまや音楽について書く仕事をしているほどです。でも、仕事は楽しいことだけじゃない。締切はすぐやってくるし、レッテルに悩んだり、やきもちを焼いたりと葛藤もある。そんなときにふと音楽――とくに10代の頃繰り返し聴いていたCDなどを聴くと、ときめきを思い出します。夕暮れの空、ベランダの風。ささやかな日常に幸福を感じ、力が湧いてくるのです。

    疲れた一日の終わり、部屋に飾った花のおかげで笑顔になれた、という経験はないでしょうか。詩人バーンズが歌ったように、花と音楽は美しい、人生の潤いの代表格。生きるための必需品ではないかもしれないけれど、もしこの世にそれらがなかったら、途端に干からびた、荒みきった世界になってしまうでしょう。花と音楽は、食事とまったく同等で欠かせない「生活」の一部なのです。

    最近では、花のサブスクが人気だそう。花屋に行かなくても自宅に花が届き、安らぎの空間を作れるサブスクリプション。花屋の店先で品定めする楽しみは捨てがたいけれど、忙しいけど花を切らしたくない人、お店ではたくさんありすぎて迷ってしまうという人には、なるほど便利だろうなと思います。

    だったら、音楽もブーケのようにセレクトし、定期的にお届けするコラムを作ってみたいな、というわけではじまるのがこの連載。長く愛せるクラシック界隈の良質なサウンド――王道からポスト・クラシック、映画音楽などを、日常の気になるエレメンツをテーマにわかりやすくご紹介します。

    美しい春から初夏を彩る第1回のテーマは「花と音楽」。


    今月のプレイリストのヒントは「花の力」。一つ一つの花には、種類ごとの力があるってご存知でしょうか。

    たとえばアマリリスは、自分の行くべき道がわからなくなったときに部屋に飾る。すると日々の暮らしのなかで、自然とヒントが見つかるはずです。カトレアは素直さを与えてくれるし、カラーは物事を水に流す。だから、順調に物事が進んでいるときカラーに手を出してはいけません。反対に、なにかを断捨離したいときにはうってつけと、その凛とした花を飾ってみます。仕事や恋愛、ストレスなど、日ごろの悩みや願いに応じて花や音楽をコーディネイトするのも楽しいものです。

    旬の花はいつだって最強パワーを持っていますが、わかりやすいのが、女性の力を最大限に引き出すとされるバラ。4月の終わりから6月にかけて見頃を迎える花の女王には、古今東西たくさんの曲が捧げられています。

    バラは、調香師が用いる香りの音階「香階」でも、はじまりの「ド」の音を象徴する花。まずはそんなバラの音楽から、花の力を感じてみましょう。

    1.ドリーブ:歌劇《ラクメ》第1幕 ジャスミンとバラの二重唱

    個人的に、最も“効力”がありそうだと信じているのが、ドリーブの歌劇に登場する〈ジャスミンとバラの二重唱〉。英国人将校に恋したインドの姫君が、忠実な侍女とともに歌う名高い花のデュエットです。2つのソプラノの声が絡みあう音楽は、まさに香水のレイヤリング(重ねづけ)。

    Leo Delibes Lakme Flower Duet – Dueto de las Flores Francais, English and Español subtitles

    2チャイコフスキー:バレエ組曲《くるみ割り人形》 花のワルツ

    二重唱がレイヤリングだとしたら、有名な〈花のワルツ〉は色とりどりに咲き乱れる大きなブーケ。バレエの舞台で味わうのも最高ですが、映画『ファンタジア』など映像作品でもクリエイターを刺激し続ける一曲です。

    3フォーレ:イスファハンのバラ

    香水の国、そして愛の国でもあるフランスには、ルネサンスの昔からかぐわしい花の歌が豊富です。19世紀末、フォーレが39歳で作曲したこの曲は、フランスのエスプリと遠い異国への憧れが凝縮した一曲。「イスファハンのバラもモスルのジャスミンもオレンジの花さえも、君みたいに素敵な香りはしない」と歌う、せつない失恋ソングです。

     4シューマン:《ミルテの花》より

    可憐な野茨を歌ったシューベルトの〈野ばら〉やモーツァルトの〈すみれ〉といった、ドイツの素朴な歌曲たちも忘れられません。シューマンが妻に捧げた歌曲集のタイトルに添えられたのは、夏に咲く小さな白い花、ミルテ。「不滅の愛」などの花言葉を持ち、結婚式のブーケなどでもおなじみです。結婚式前日に「愛する花嫁へ」と書いてプレゼントしたシューマンの詩人ぶりが際立つ一曲。

    5クララ・シューマン:すみれ

    《ミルテの花》を捧げられた妻クララはピアニストとして有名ですが、作曲活動もしています。ゲーテの詩を基にしたこの曲は、美しい羊飼いの娘に踏みつぶされる哀れなスミレの歌。清く正しく美しい曲調の陰に、アーティスト夫妻の未来を予感してしまうのは私だけ?

    6ジョンソン:あなたは見たのか、輝く百合を

    詩人バーンズの母国でもある英国には、ガーデニング大国らしい自然主義的な歌曲がたくさんあります。私のお気に入りは、英国のロック・レジェンド、スティングが歌うユリの歌。アルバムのトレイラーでは、彼の別荘の庭も楽しめます。

    Sting – Songs from the Labyrinth (Trailer)

    7ヴォーン・ウィリアムズ:静かな午後

    ラファエル前派の画家ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの詩による歌曲集「命の館」からの1曲。恋人との穏やかな幸福を歌う男が「僕たちの巣」と描写する草原では、プリムラやサンザシ、キンポウゲなどが花ざかりです。

    8ヴェルディ:歌劇《椿姫》第1幕 花から花へ

    オペラの世界にもまた、たくさんの花が登場。タイトルに花の名を冠した《椿姫》は、その代表格ではないでしょうか。椿の花言葉は「美徳」。花の形のまま落ちて散る椿は、ヒロインの人生そのものです。「道を踏みはずした女(La Traviata)」と題された高級娼婦の悲恋を、原作小説にある「椿」と「姫」の組み合わせで昇華させた日本人翻訳者の感性に、喝采を送りたくなります。

    9チャイコフスキー:バレエ組曲《眠りの森の美女》 ローズ・アダージョ

    再び登場するチャイコフスキー。第1幕に登場する〈ローズ・アダージョ〉は、オーロラ姫と彼女に求婚する4人の王子たちの曲。その名の通り、王子たちはそれぞれ姫にバラの花を渡します。「あなたを愛する」という意味を持つ赤いバラは、古来プロポーズの定番なのです。

     10ショーソン:リラの花咲くころ

    バラ同様にヨーロッパの春を象徴するライラック(リラ)ですが、この藤色の花には、日本の桜のような儚さも込められているよう。海での恋とその喪失を描く《愛と海の詩》の中でも単独で愛されるこの歌曲は、シャンソンとしても有名。「リラやバラ、そしてナデシコの花咲く季節は、僕らの愛とともに過ぎ去ってしまったのだ」と歌う、フランス映画の幕切れのような曲です。

    11リヒター:25%のヴィヴァルディ Recomposed By マックス・リヒターより

    花に満たされた春は、悲しみや憂鬱もともなうもの。そんな「春の二面性」を見事に表現しているのが、マックス・リヒターがヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲《四季》をリメイクしたこの曲。鳥のさえずりのなかで味わう壮絶な自由と孤独に、不思議な癒しを感じるはずです。

    Max Richter – Spring 1 (2012) | Recomposed: Vivaldi's Four Seasons (Official Audio)

    12オハロラン:Opus 36

    2006年公開の映画『マリー・アントワネット』のサウンドトラックとして使用された、作曲家ダスティン・オハロランのピアノ曲。青春の終わりを彩った切なく美しい旋律で、花に満ちた一日の余韻を味わって。

    Written by 高野麻衣

    Profile/文筆家。上智大学文学部史学科卒業。音楽雑誌編集を経て、2009年より現職。
    クラシック音楽とマンガ・アニメを中心に、カルチャーと歴史、人物について執筆・講演。書籍やメディア作品の原作・企画構成・監修を多数手がける。

    著書に『フランス的クラシック生活』(ルネ・マルタンと共著/PHP新書)、『マンガと音楽の甘い関係』(太田出版)、コンピレーション企画に『クラシックの森』(ユニバーサル ミュージック)など。

    HP /Twitter /Instagram





     

  • ワーグナー作品ベスト:偉大な作曲家による10の重要作品

    ワーグナー作品ベスト:偉大な作曲家による10の重要作品

    リヒャルト・ワーグナーは過激なオペラ作曲家であった。ワーグナーの最高の作品には、《指環(リング)》や《トリスタンとイゾルデ》など、10の傑作がある。

    リヒャルト・ワーグナー(1813年5月22日-1883年2月13日)の革新的な作品は、19世紀のヨーロッパを通り抜ける衝撃波のようなものであった。彼の成熟したオペラはどれも人間の本質に対する深い洞察を表現しており、哲学、政治、精神医学など様々な分野に影響を与えている。

    また、音楽家や作家をはじめとする多くの芸術家の間で、模倣や反響を呼んできた。カリスマ性があり、しばしば気まぐれな人物であったワーグナーは、音楽史上最も議論を呼び、影響力のある作曲家の一人であり、それは現在においても変わらない。

    ワーグナーの革新的な技法の一つに、「ライトモティーフ」(短い楽想を特定の人物、物、アイディアに関連させ、楽曲中繰り返し使われる)の採用がある。これにより、オーケストラは舞台上の行動を説明するだけでなく、登場人物が気づかない動機や結果を「語る」ことができるのである。

    彼は神話的な設定を通して、愛や権力、ヒロイズム、義務といった普遍的な響きを持つ問題を、力強い寓話として表現した。彼のオペラには、序曲や前奏曲など、演奏会のレパートリーになるようなオーケストラのための楽曲が含まれている。オペラから切り離された状態でそれらの作品を聴くと、改めてワーグナーの音楽的才能がいかに強力なものであったかがわかる。

    彼の音楽には、表現力豊かな管弦楽法によって作り上げられた音色は無限に聴き手を魅了する能力がある。しかし、それだけではない。彼の作品は、想像力に富んだ素晴らしく美しい瞬間にも満たされているのである。

    ワーグナー作品ベスト:偉大な作曲家による10の重要作品
    ニーベルングの指環(Der Ring Des Nibelungen)

    《ニーベルングの指環》(通常はシンプルに《指環》または《リング》と呼ばれる)は、4つの壮大な楽劇(ワーグナーが創始したオペラの一種。音楽と演劇の一体化を推し進めたもので、従来のオペラのようにアリアに重きが置かれていない。

    ただしワーグナー自身は《ニーベルングの指環》を「舞台祝祭劇」としている)が一つの物語を軸にして結ばれている。順番に紹介すると、《ラインの黄金》《ワルキューレ》《ジークフリート》《神々の黄昏》だ。ワーグナーの16時間に及ぶ楽劇4部作は、家族が引き裂かれ、心が傷つき、英雄が虐殺され、財産の獲得と喪失を伴う権力闘争を描いている。

    ワーグナーの代表作の一つである《指環》に登場する人物、場所、アイディアには、それぞれ独自の特徴的な曲、またライトモティーフがある。

    ラインの黄金(Das Rheingold)

    ワーグナーの楽劇4部作の序夜《ラインの黄金》は、愛を放棄する着用者に無制限の力を与える金の指輪を中心に展開し、オペラの終わりまでにすでに3回着用者を変えている。この作品は、《指環》のドラマを壮大な結末へと導く登場人物と、ワーグナーがこの楽劇全体で展開する音楽的なテーマを紹介している。

    ワルキューレ(Die Walküre)

    《ワルキューレ》は、ワーグナーの《ニーベルングの指輪》(通称《指環(リング)》)の4つの大作楽劇のうち、第2作にあたる。タイトルにもなっているワルキューレとは、ヴォータン(北欧神話の主神。「オーディン」ともいう)の娘であるブリュンヒルデを筆頭にした、馬に乗り空を駆ける乙女たちの軍隊のことである。

    物語の最後で、ブリュンヒルデはヴォータンに逆らったために神性を奪われ、炎の輪に包まれて物語を終える。ワーグナーのライトモティーフ(登場人物、場所、アイディア、プロットの要素に関連した音楽的フレーズ)の精巧な使い方に注目してほしい。

    《ワルキューレ》がメディアで使用された中で最も知られているのは、1979年の映画『地獄の黙示録(アポカリプス・ナウ)』で、アメリカ軍のヘリコプターがベトナムの村を爆撃する際にこの音楽が流れる。

    ジークフリート(Siegfried)

    ワーグナーの大規模な楽劇4部作の第3部は、ジークフリートが竜に化けた邪悪なファフナーと哀れな小人のミーメを倒し、ブリュンヒルデを炎の輪から救い出すところまでを描いている。第4部があるものの、19世紀版『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のようなものだと思っていただければいいだろう。

    神々の黄昏(Götterdämmerung)

    《神々の黄昏》は、ワーグナーの楽劇《ニーベルングの指輪》4部作の第4作にして最終作である。一連の劇的な騙し合いが、ジークフリートの殺害、ブリュンヒルデの自己犠牲、世界秩序の破壊、そしてラインの娘たちへの指環の返還へとつながっていく。オペラの終わりには、世界の秩序が回復されるが、それには壊滅的な代償が伴う。

    さまよえるオランダ人(Der Fliegende Holländer)

    《さまよえるオランダ人》は、ワーグナーが初めて愛の救済をテーマにしたオペラであり、その激しい序曲は、作曲者自身がリガからロンドンまでの荒々しい航海に触発されたものである。悪魔の呪いにより永遠に世界を航海する運命を与えられているオランダ人の船長は、7年に一度だけ上陸でき、乙女の愛を勝ち取ることで呪いから解き放たれる。

     ニュルンベルクのマイスタージンガー(Die Meistersinger Von Nürnberg)

    《ニュルンベルクのマイスタージンガー》は、ワーグナーの成熟した楽劇の中で、唯一、普通の人間を扱った作品である。壮大なスケールの中で、驚くほどインスピレーションに満ちたメロディがほとばしっている。この作品はまた、彼の成熟した楽劇の中で唯一の喜劇であり、神話や伝説の世界ではなく、歴史的に明確な時代と場所を舞台にしている点でも、彼の作品の中では珍しいものとなっている。

    パルジファル(Parsifal)

    ワーグナーの“白鳥の歌”であり、代表作となっているこの作品は、キリストが磔にされた際に脇腹に刺さった槍を聖杯の騎士が取り戻すことを主なテーマとし、永続的なドラマの傑作となっている。ワーグナーのライトモティーフ(登場人物、場所、アイディア、プロットの要素に関連した音楽的フレーズ)の精巧な使い方に注目してほしい。ワーグナーは、アイディア、ストーリー、キャラクターを呼び起こすような、音楽と意味の結合をマスターしていたのである。

    トリスタンとイゾルデ(Tristan Und Isolde)

    ワーグナーの最も大胆なスコアとなっているこの楽劇は、序曲と最後の〈愛の死(Liebestod)〉で有名で、トリスタンとイゾルデの悲劇的な愛によるケルトの伝説を再現している。ワーグナーの最高傑作の一つであるこのオペラは、西洋のクラシック音楽の作曲家たちに多大な影響を与え、グスタフ・マーラー、リヒャルト・シュトラウス、アーノルド・シェーンベルク、ベンジャミン・ブリテンといった作曲家たちに直接的なインスピレーションを与えた。

    ジークフリート牧歌(Siegfried Idyll)

    《ジークフリート牧歌》は、作曲者の穏やかで優しい一面を反映した、室内オーケストラのための交響詩である。ワーグナーは2番目の妻コジマへの誕生日プレゼントとして《ジークフリート牧歌》を作曲し、1870年のクリスマスに、別荘の階段で小編成のアンサンブルによって初演が行われた。ワーグナーは当初、《ジークフリート牧歌》を個人的な作品として残しておきたいと考えていたが、経済的な理由から、1878年に楽譜を出版社のB.ショットに売ることを決めた。

    おすすめの録音

    ゲオルグ・ショルティによるワーグナーの《指環(リング)》シリーズの驚異的な録音は、『グラモフォン』誌や『BBCミュージック・マガジン』誌で「史上最高の録音」と評価された。1966年に発売されたこの作品は、その後のワーグナー演奏の規範となっただけでなく、オペラの録音のあり方を一変させた。

    Written By uDiscover Team



  • アンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団、ショスタコーヴィチ交響曲全曲録音シリーズ新作発売

    アンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団、ショスタコーヴィチ交響曲全曲録音シリーズ新作発売

    アンドリス・ネルソンス指揮ボストン交響楽団によるショスタコーヴィチ交響曲全曲録音シリーズの最新作が、6月25日(金)全世界同時発売されることが決定した。同シリーズの既発盤はうち3枚がグラミー賞を連覇するという快挙を成し遂げた。全世界で好評を得ているシリーズの最新作の発売となる。

    今回は、若きショスタコーヴィチの才気が横溢する、レニングラード音楽院の卒業制作として作曲された最初の交響曲第1番。晩年1971年に作曲された最後の交響曲第15番は、様々な引用や多面的な音楽性が盛り込まれた技巧的な作品。

    Shostakovich: Symphony No. 15 in A Major, Op. 141: III. Allegretto

    さらに前衛的な技法が盛り込まれ、ソプラノとバスの独唱による死をテーマとした連作歌曲となっている交響曲第14番。弦楽四重奏曲の最高傑作第8番をバルシャイが編曲し、作曲者も絶賛したという室内交響曲 作品110aを収録。ショスタコーヴィチという作曲家の様々な面が垣間見れる2枚組となっている。

    この一連のシリーズは、従来のヒステリックで狂暴なショスタコーヴィチ像を一新し、精緻で美しく、純音楽的な演奏で話題となっているが、そのサウンドをさらに堪能していただくため、国内盤は普通のCDプレーヤーでも再生でき、MQA対応の機器を使用すればハイレゾ品質を楽しむことができるハイレゾCD(MQA-CD x UHQCD)を採用し、88.2kHz/24bitのハイレゾ音源を収録している。

    また、レーベル面にはCDプレーヤー内で反射する不要なピックアップ光を吸収する“グリーン・カラー・レーベルコート”を採用して高音質にこだわった仕様での発売となる。なお本日、アルバムから「交響曲第15番第3楽章」のデジタル先行配信もスタートした。


    ■リリース情報

    2021年6月25日発売
    アンドリス・ネルソンス指揮
    『ショスタコーヴィチ:交響曲第1番・第14番&第15番、室内交響曲』
    CD / iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify


  • 日本を代表するヴァイオリニスト千住真理子が “世界の不屈の名曲” を収録した最新アルバムをリリース

    日本を代表するヴァイオリニスト千住真理子が “世界の不屈の名曲” を収録した最新アルバムをリリース

    2020年にデビュー45周年を迎えた、日本を代表するヴァイオリニストの千住真理子が、最新アルバム『蛍の光~ピースフル・メロディ』を2021年7月14日に発売する事が決定した。

    アルバム『蛍の光~ピースフル・メロディ』は、千住真理子の愛器である、イタリアの国宝級の名器・ストラディヴァリウス「デュランティ」と共に奏でる「世界の不屈の名曲」の数々を収録したアルバム。

    兄・千住明の編曲でヴァイオリンとピアノにアレンジされたスコットランド民謡「蛍の光」、千住真理子の編曲で「アメイジング・グレイス」をソロバージョンで、さらに、アイルランド民謡「ダニー・ボーイ」、プッチーニのオペラ《ジャンニ・スキッキ》~「私のお父さん」、スペイン・カタロニア民謡「鳥の歌」など、バラエティに富んだ17曲が収録されている。

    レコーディングは、千住真理子と全国でステージをともにしているピアニストの山洞智と、長野県にある岡谷市文化会館で3日間に亘って行われた。

    また、今回のアルバムリリースについて千住真理子は 「これは見えない宝物。形もないけど、瞳を閉じると見えてくる平和な情景、懐かしい想い出。心に深く刻まれる感動、いたわりあえる優しさ、それが音楽。貴方をしあわせにしたい、聴いてくれるみんなを優しく包みたい。デュランティが私の心を乗せてくれる、貴方のもとまで!」とコメントを寄せている。

    国内外でのコンサートからボランティアでの演奏活動まで、多岐にわたり精力的に活躍している千住真理子から、ますます目が離せない。


    ■アーティスト情報

    千住真理子

    2歳半よりヴァイオリンを始める。全日本学生音楽コンクール小学生の部全国1位。NHK交響楽団と共演し12歳でデビュー。日本音楽コンクールに最年少15歳で優勝、レウカディア賞受賞。パガニーニ国際コンクールに最年少で入賞。慶應義塾大学卒業後、指揮者故ジュゼッペ・シノーポリに認められ、87年ロンドン、88年ローマデビュー。国内外での活躍はもちろん、文化大使派遣演奏家としてブラジル、チリ、ウルグアイ等で演奏会を行う。また、チャリティーコンサート等、社会活動にも関心を寄せている。1993年文化庁「芸術作品賞」、1994年度村松賞、1995年モービル音楽賞奨励賞各賞受賞。

    1999年2月、ニューヨーク・カーネギーホールのウェイル・リサイタルホールにて、ソロ・リサイタルを開き、大成功を収める。2002年秋、ストラディヴァリウス「デュランティ」との運命的な出会いを果たし、話題となる。2015年はデビュー40周年を迎え、1月にイザイ無伴奏ソナタ全曲「心の叫び」、2月にはバッハ無伴奏ソナタ&パルティータ全曲「平和への祈り」をリリース、両作品ともレコード芸術誌の特選盤に選ばれた。2016年は、300歳の愛器デュランティと共に奏でるアルバム「MARIKO plays MOZART」をリリース。またプラハ交響楽団、ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団と各地で共演。

    2017年はブラームス没後120年記念「ドラマティック・ブラームス」をリリース、また全国でスーク室内オーケストラとツアーを行い、好評を博した。2020年はデビュー45周年を迎え、各地で記念のコンサートを開催する。コンサート活動以外にも、講演会やラジオのパーソナリティを務めるなど、多岐に亘り活躍。著書は「聞いて、ヴァイオリンの詩」(時事通信社、文藝春秋社文春文庫)「歌って、ヴァイオリンの詩2」「ヴァイオリニストは音になる」(いずれも時事通信社)「ヴァイオリニスト 20の哲学」(ヤマハミュージックメディア)母との共著「母と娘の協奏曲」(時事通信社)「命の往復書簡2011~2013」(文藝春秋社)「千住家、母娘の往復書簡」(文藝春秋社文春文庫)など多数。(2019年10月現在)


    ■リリース情報

    2021年7月14日発売
    『蛍の光~ピースフル・メロディ/千住真理子』
    CD 


  • クリスチャン・ツィメルマン『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集』より本日デジタル先行配信が開始

    クリスチャン・ツィメルマン『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集』より本日デジタル先行配信が開始

    世界中でベートーヴェン生誕250年を祝った昨年末、現代最高のピアニストのひとり、クリスチャン・ツィメルマンが、ベートーヴェンの5曲のピアノ協奏曲を一気に録音した。

    この録音は彼にとって、1989年から1991年にかけて行われた旧録音から約30年を経ての再録音となった。今回は、長年にわたってベルリン・フィルの芸術監督を務めたサー・サイモン・ラトルが、現在音楽監督を務めるロンドン交響楽団を振っての共演となった。

    © Mark Allan

    ツィメルマンは「これらの作品をこの何年か演奏していなかったので、とても懐かしく感じています」と語り、その魅力について「生涯演奏することができるのに、それでも無性に弾きたいと感じさせる、ベートーヴェンの協奏曲はそんな作品です」と述べている。

    © Mark Allan

    本日、その全集から「ピアノ協奏曲第4番第3楽章」のデジタル先行配信がスタート。CDの国内盤の発売も発表された。3枚組となるCDの国内盤は7月9日に発売。国内盤は普通のCDプレーヤーでも再生でき、MQA対応の機器を使用すれば、ハイレゾ品質を楽しむことができるハイレゾCD(MQA-CD x UHQCD)を採用し、88.2kHz/24bitのハイレゾ音源を収録している。

    Beethoven: Piano Concerto No. 4 in G Major, Op. 58: III. Rondo. Vivace

    また、レーベル面にはCDプレーヤー内で反射する不要なピックアップ光を吸収する“グリーン・カラー・レーベルコート”を採用して高音質にこだわった仕様での発売となる。


    ■リリース情報

    2021年7月9日発売予定
    サー・サイモン・ラトル指揮、ロンドン交響楽団

    クリスチャン・ツィメルマン『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集』
    iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify

    収録曲:
    ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15
    ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品19
    ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37
    ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
    ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 《皇帝》




     

  • ピアノの女王 マルタ・アルゲリッチの80歳の誕生日を祝したドビュッシー・アルバムが6月4日発売決定

    ピアノの女王 マルタ・アルゲリッチの80歳の誕生日を祝したドビュッシー・アルバムが6月4日発売決定

    60年以上の長きにわたってクラシック音楽界をリードし続けるピアニスト、マルタ・アルゲリッチが今年80歳を迎える6月5日の前日、6月4日にニュー・アルバム『ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲、交響詩《海》 他』を発売することが発表された。

    アルバムは、アルゲリッチの1歳年下で同郷ブエノスアイレス出身の現代を代表する巨匠指揮者・ピアニストのダニエル・バレンボイムとのコラボレーション・アルバムとなっていて。アルゲリッチは、録音や演奏の機会が少ないドビュッシーの初期の作品、実質的にはピアノ協奏曲といえる〈ピアノと管弦楽のための幻想曲〉のソリストを務めている。

    カップリングには、バレンボイムがピアノ演奏を務めた〈ヴァイオリン・ソナタ〉(ヴァイオリンはバレンボイムの息子、マイケル)、〈チェロ・ソナタ〉(キアン・ソルターニ)、そしてバレンボイム指揮によるドビュッシーの代表作、交響詩《海》が収録されている。

    今作について、ダニエル・バレンボイムは「マルタとの共演は、いつも私が望んでいるものです。2人が初めて会ったのは1949年。その時以来、私は彼女と仲良しで、彼女の音楽を愛し続けています。ドビュッシーの《幻想曲》は素晴らしい作品なのに演奏機会が極めて乏しく、パリ管弦楽団音楽監督を務めた経験のある私ですら、演奏会では過去ただ1度、スヴャトスラフ・リヒテルをソロに迎えて指揮しただけでした。今回、マルタとともに2度目の実演がかない、ライヴ録音をお届けできるのは、私にとっても大きな喜びです」とコメントしている。

    本日よりカップリングの交響詩《海》から第1曲〈海上の夜明けから真昼まで〉が先行配信スタート、アルバムの予約もスタートしている。

    ■ダニエル・バレンボイム 来日リサイタル
    6/3(木)東京/サントリーホール
    6/4(金)東京/サントリーホール
    6/7(月)大阪/フェスティバルホール
    6/9(水)愛知/愛知県芸術劇場コンサートホール
    問:テンポプリモ 03-3524-1221
    https://tempoprimo.co.jp/stage/y2021/barenboim2021

    ■丸山珈琲とのコラボレーション「アルゲリッチブレンド」
    詳細はこちら(https://www.maruyamacoffee.com/ec/feature/4669


    ■リリース情報

    マルタ・アルゲリッチ『ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲、交響詩《海》、他』
    2021年6月4日発売
    CD / iTunesApple Music / SpotifyAmazon Music

    収録内容:
    クロード・ドビュッシー(1862-1918)
    ①ピアノと管弦楽のための幻想曲
    マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
    シュターツカペレ・ベルリン 指揮:ダニエル・バレンボイム
    ②ヴァイオリン・ソナタ ト短調
    マイケル・バレンボイム(ヴァイオリン)、ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
    ③チェロ・ソナタ ニ短調
    キアン・ソルターニ(チェロ)、ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
    ④交響詩《海》
    シュターツカペレ・ベルリン 指揮:ダニエル・バレンボイム
    録音:2018年5月 ウィーン①④、2018年6月 ベルリン②③