Join us

Stories

ダイアナ・ロスのベスト・ソング20曲 : シュープリームスを脱退した歌姫の名曲【全曲動画付】

Published on

Photo: Nazeli Kodjoian

モータウン最大の女性グループ、シュープリームスのリード・シンガー、ダイアナ・ロス(Diana Ross)は、同社により少しずつソロのスターに仕立てられていった。

ダイアナ・ロスがシュープリームスを脱退した1970年、彼女はモータウンと関わりのある最高のプロデューサーや作曲家と仕事をする機会を得た。さらに、その魅惑的な人間性により、彼女がリスナーに訴えかける力は他のソウル・アーティストの及ばない領域にあった。当時、彼女のソロでの成功に疑問の声がなかったわけではないが、蓋を開けてみれば誰にもそれを止めることはできなかった。ダイアナは大人向けの音楽を専門としたアーティストになった。モータウンはそうしたスターを切望していたが、発掘には至っていなかった。

ここでは伝説を作ったダイアナ・ロスのベスト20曲を振り返りたい。もしも抜けている曲があると感じたなら、コメント欄を通じて教えてほしい。

<関連記事>
ダイアナ・ロスの娘トレイシー・エリス・ロスが映画『The High Note』で歌手デビュー
シュープリームス脱退、ラスベガスでのさよならコンサート


20位「I’m Coming Out」

ランキングの冒頭を飾るのは明るい1980年のディスコ・ナンバーだ。抑圧を振り切ろうとする人びと、特にセクシャリティを隠して生きる人々へダイアナが贈るアンセムである。ダイアナとシックの初めてのコラボから生まれた名曲で、彼女はオリジナルのマスタリングを気に入らなかったが、結局「I’m Coming Out」は大成功を収めた。

I'm Coming Out (Original CHIC Mix)

 

19位「Surrender」

パンチと盛り上がりのある1971年にリリースされたパワフルなソウル・ナンバーで、大物作曲家のアシュフォード&シンプソンがプロデュースした。「Surrender」はヒットを記録したものの、より以上に評価されてしかるべきアルバムの表題曲だ。

Surrender

 

18位「Touch Me In The Morning」

1970年代前半にダイアナは若者向けの曲を歌うのをやめ、複雑な恋愛関係や後悔、混乱や喜びなど大人向けの楽曲にシフトした。マイケル・マッサー作で1972年にリリースされた「Touch Me In The Morning」は、上品で成熟した喜びを歌った1曲だ。

Touch Me In The Morning

 

17位「It’s My House」

ダイアナ・ロスは1973年以降、アシュフォード&シンプソンとはあまり仕事をしなくなった。だがモータウン擁する夫婦の名作曲チームは、当初から彼女のソロ・キャリアに魔法をもたらしてきた。そして1979年にリリースされたアルバム『The Boss』でもその魔法をかけてみせた。同作には一見シンプルなグルーヴをもつこの「It’s My House」も収録されている。軽やかなタッチで女性の自立を賛美した1曲である。

It's My House

 

16位「I’m Still Waiting」

この曲は70年代屈指の名失恋ソングだ。ダイアナはロマンティックな楽曲の提供者を何年も探していたが、ニュアンスに富んだ1971年の「I’m Still Waiting」でディーク・リチャーズに出会った。息遣いが見事なモータウンの女王によるパフォーマンスは、その物語を完璧に伝えている。

I'm Still Waiting

 

15位「Theme From Mahogany (Do You Know Where You’re Going To) (マホガニーのテーマ) 」

ダイアナが主演した1975年のロマンス映画『マホガニー物語』のテーマ曲で、軽快かつ大人向けの楽曲。メロウで問いかけるような同ヴァージョンは、室内音楽のようなソウル・サウンドだ。マイケル・マッサーがプロデュースと作曲 (ジェリー・ゴフィンとの共作) を手掛けた同曲は1973年にテルマ・ヒューストンが発表したものだったが、ダイアナのヴァージョンは大ヒットを記録した。

Theme From Mahogany (Do You Know Where You're Going To)

 

14位「Doobedood’ndoobe, Doobedood’ndoobe, Doobedood’ndoo」

レコーディングの際、作曲兼プロデューサーのディーク・リチャーズが歌詞を完成させていなかったため、ダイアナがナンセンスなフレーズで間を埋めて生まれたのがこの曲だ。モータウンのトップ、ベリー・ゴーディは言葉になっていない変わったフレーズが同曲を印象的にしていると考えた。そうしてリリースされた「Doobedood’ndoobe, Doobedood’ndoobe, Doobedood’ndoo」は、1972年にイギリスで大ヒットを記録した。

DoobeDood'nDoobe, DoobeDood'nDoobe, DoobeDood'nDoo

 

13位「Ease On Down The Road (with Michael Jackson)」

映画『ウィズ』の劇中歌として使用された、ブラス・セクションを起用したダイナミックなデュエット・ナンバー。1977年にリリースされた。生きる喜びが溢れんばかりに表現されたトラックになっている。

The Wiz | "Ease On Down the Road" Performed by Diana Ross and Michael Jackson

 

12位「Take Me Higher (思い出にかわるまで) 」

ダイアナは快活なハウス・ナンバーも歌えることを証明した。1995年にリリースされた「Take Me Higher」で、彼女は、当時流行していたダンス・グルーヴを見事に歌いこなしている。その頃、彼女はディスコ調のサウンドを気に入っていた。ならばもちろん、フロアを沸かせるような同曲のサウンドも彼女に合うだろう。そしてその見立ては正しかった。

Take Me Higher

 

11位「My Old Piano」

そうして彼女はクラブ・ミュージックに傾倒していった。この「My Old Piano」はダイアナとシックが、88鍵の楽器を賛美した風変りな1曲で、ヨーロッパで大きな成功を収めた。

My Old Piano (Original CHIC Mix)

 

10位「You’re A Special Part Of Me (with Marvin Gaye) 」

ダイアナとマーヴィン・ゲイのコラボレーションの実現までには時間が必要だった。1970年に、かつてのデュエットのパートナー、タミー・テレルが夭逝して以来、マーヴィンがデュエットを歌うことに消極的だったからである。しかしながら、ふたりのコラボレーションはうまくいった。

ダイアナの精密なヴォーカルにマーヴィンが野性味をもたらす最高にソウルフルなバラード「You’re A Special Part Of Me」 (1973年) は、ロマンティックな情熱を歌った昂揚感に満ちた1曲だった。

You're A Special Part Of Me

 

9位「Brown Baby / Save The Children」

ダイアナの最も政治的で思いやりに満ちた楽曲だ。彼女は子供たちの誇りや愛、成功に想いを馳せている。トム・ベアードの書いた「Brown Baby」に聴ける彼女のヴォーカルは実に見事であり、この曲にはマーヴィン・ゲイのアルバム『What’s Going On』に似た雰囲気がある。それゆえ、この曲がそのまま『What’s Going On』の重要曲曲のカヴァー・ヴァージョンに繋がっていく流れもいたって自然だ。1973年にリリースされた、上品に丁寧に仕立てられたトラックである。

Brown Baby/Save The Children

 

8位「One Love In My Lifetime」

1976年発表ではあるが、往年のモータウン・サウンドを思わせるファンキーなグルーヴの名ソウル・ナンバーだ。シングルとして大ヒットには至らなかったものの、そのサウンドは今もって新鮮に響く。

One Love In My Lifetime

 

7位「The Boss」

ダイアナが1979年に発表したアルバムのタイトル・トラックで、プロデューサーも務めたアシュフォード&シンプソンが得意とする都会的な雰囲気をもった活気と勢いのあるディスコ・ナンバーだ。

The Boss

 

6位「Reach Out And Touch (Somebody’s Hand)」

1970年、シュープリームスの一員としてヒットを飛ばし続けてきたダイアナ・ロスはソロのキャリアに踏み出した。彼女に必要なのはすばらしいレコードだけだった。ニック・アシュフォードとヴァレリー・シンプソンが提供した楽曲は、当時理想とされた連帯感を歌ったものでアンセムのような曲調とゴスペルの要素を備えていた。ダイアナはこの1曲を完璧に歌い上げ、ソロ・シンガーとしてのキャリアを順風満帆に歩み始めた。

Reach Out And Touch (Somebody's Hand)

 

5位「Upside Down」

ダイアナはキャリアを180度転換させる“アップサイドダウン”な曲を探していたが、シックは1980年の同ヒット曲で彼女の要望を文字通り実現させてみせた。

Upside Down

 

4位「I Heard A Love Song (But You Never Made A Sound)」

カントリーやジャズを取り入れたことで知られるアルバム『The Last Time I Saw Him』 (1973年作) に収録された、緊迫感のあるファンク・ロック・ナンバー。フォー・シーズンズとの関係で有名なボブとブリットのゴーディオ夫妻の作である。フォー・シーズンズの70年代のサウンドのような力強さがありながら、あまりに短い佳曲だ。

I Heard A Love Song (But You Never Made A Sound)

 

3位「Love Hangover」

ダンスフロアを沸かす曲調は主に二通りあるが、これはダイアナが官能的で魅惑的な歌声を披露した1曲。セクシーなスロー・ナンバーであり、4つ打ちのキラー・チューンでもある。「Love Hangover」は1976年にスマッシュ・ヒットを記録した。

Love Hangover

 

2位「Ain’t No Mountain High Enough」

マーヴィン・ゲイとタミー・テレルによるオリジナル・ヴァージョンがあまりにすばらしい「Ain’t No Mountain High Enough」を、誰がカヴァーしようと思うだろうか。しかしダイアナ・ロスはそれをやってのけた。彼女はこの曲を1968年のアルバム『Diana Ross & The Supremes Join The Temptations』でも既に歌っていた。

作曲者であるアシュフォード&シンプソンがプロデュースした大胆なカヴァーは、彼女にしかできないパフォーマンスを捉えており、1970年にチャートで1位を獲得した。

Ain't No Mountain High Enough

 

1位「Remember Me」

1970年にリリースされたアシュフォード&シンプソンの作による大人向けの至高のヒット曲 。終わってしまったが心に残る愛を歌った「Remember Me」は忘れがたい1曲である。

Remember Me

Written By Ian McCann


ソロ・デビュー50周年リミックス・アルバム!

ダイアナ・ロス『Supertonic: Mixes』
2020年5月29日 デジタル / 7月24日 CD発売
CD / Apple Music / Spotify



Share this story
Share
日本版uDiscoverSNSをフォローして最新情報をGET!!

uDiscover store

Click to comment

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Don't Miss