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Classical Features

ヴォーン・ウィリアムズの《揚げひばり》:傑作ガイド

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先日、ソーシャルディスタンスが確保され、政府に公認されたエクササイズ・ウォーキングの途中、春の香り漂うリッチモンド・パークの上空を飛ぶ小さな鳥を見つけた。空は眺めるには明るすぎて、鳥は暗い点となって、どんどん高く上昇し、大きな音を立てて行ってしまった。

ヴォーン・ウィリアムズの音楽というよりはテクノ・ミュージック、ヴァイオリンというよりは昔ながらの電子機械が暴走しているような音だったが、これが本物のひばりの鳴き声であり、誰かがこの鳴き声を音楽にしたいと思う気持ちはよく理解できるものだった。いまのように国家が危機に瀕しているときには特にそう思う。

ヴォーン・ウィリアムズの《揚げひばり》の傑作ガイドをご覧いただきたい。この曲は、クラシック音楽の嗜好に関する世界最大の世論調査であるClassic FMの「栄光の殿堂(Hall of Fame)2021」で、史上最多の11回目となる最高傑作に選ばれている。

ヴォーン・ウィリアムズの《揚げひばり》:傑作ガイド

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが《揚げひばり》を作曲したのは、第一次世界大戦が勃発する直前の1914年のことであった。今になってみると、この作品は英国の国民意識の中でより深い意味を持つようになった。

独奏ヴァイオリンとオーケストラのための心に残る「牧歌的ロマンス」であるこの曲は、嵐の前の静けさの象徴となっており、おそらく何千人もの若者が死に追いやられる前の平和な最後の日の夏の田園風景を表しているのではないかと思われる(ただし、ヴォーン・ウィリアムズがフランスに向かう軍隊を見ながらこの曲を書いたという逸話はおそらく誤りである)。

《揚げひばり》の初演は、第一次世界大戦の勃発により延期され、1920年12月15日になってから行われた。最初はヴァイオリンとピアノのために書かれ、1921年6月14日にオーケストラ伴奏版の初演が行われた。いずれも、マリー・ホールが作曲に協力し、初演も務めた。

『The Times』紙の批評では、この作品が「今日、あるいは昨日の流行を全く無視している。夢が“切れ目なくつながる声の輪”の中を進んでいく…これは洗練されたコンサートルームの音楽ではなく、清らかな田舎の音楽である」と評された。

ヴォーン・ウィリアムズはジョージ・メレディスの詩からアイディアを得た

ヴォーン・ウィリアムズは、1881年に発表されたジョージ・メレディスの詩からアイディアを得て、その詩の一節を原稿に書き込んだ。


ひばりは舞い上がり、旋回し始め
銀色の声の鎖を落とす
切れ目無く沢山の声の輪がつながっている
さえずり、笛の音、なめらかな声、震えるような声

空を一杯に満たすまで歌い続けるのは
声がしみ込んでいく大地の愛のためだ
そしてはるかに羽ばたき上がれば
私たちの谷は彼の金色の杯となり
彼はそこからあふれ出る酒となって
私たちも彼と共に昇っていく

迷子になっても、空の裡に残り
光の中で、そして空想の中で歌う

 

ヴァイオリンが鳥のようにオーケストラの上に舞い上がる

鳴き声、口笛、スラー、シェイクは、本物のひばりを聞いているようなのだが、ヴォーン・ウィリアムズは、まるでスローモーションのようにすべてを展開させる。曲の構成はシンプルで、ヴァイオリンが鳥のようにオーケストラの上に舞い上がり、中央の対照的な部分では民謡のようなメロディで田舎の牧歌を連想させるという構成になっている。作品の終結部では、ソロのラインが空に溶け込むように成層圏に舞い上がり、消えていく。

あなたも演奏してみたい?勇敢な方だ。速くて大きな音を出すことが一番難しいと思われがちだが、ヴァイオリン独奏者ならば、その逆のことが言えるだろう。緊張しているときに、大勢の人の前で、静かに、ゆっくりと、そして純粋にこの楽器を演奏してみてほしい…

《揚げひばり》が、2021年を含め、「Classic FM Hall of Fame」のチャートに頻繁に登場するのは不思議なことではない。また、プロムスの最後の夜にもよく登場し、2020年にはニコラ・ベネデッティが演奏した。

2011年、英国の「無人島へもって行きたいレコード(Desert Island Discs)」を探すための投票で、この作品が英国で最も好きな作品に選ばれた。この年も、ニューヨークのラジオで行われた9.11の10周年を記念したお気に入りの作品の投票で、2位に選ばれている。

《揚げひばり》は、演劇、映画、テレビでも人気があり、劇作家ジェズ・バターワースの舞台『エルサレム(Jerusalem)』、『コロネーション・ストリート(Coronation Street)』の痛烈なセクション、イギリスのロック・バンド「ブラー(Blur)」のドキュメンタリー映画『ノー・ディスタンス・レフト・トゥ・ラン(No Distance Left To Run)』、世界各地の有名高層建築物を無許可で綱渡りする大道芸人フィリップ・プティを描いた映画『マン・オン・ワイヤー(Man On Wire)』(2008年)などに登場している。

Written By uDiscover Team


■リリース情報

2007年9月24日発売予定
ニコラ・ベネデッティ『舞い上がるひばり~ヴォーン・ウィリアムズ&タヴナー作品集』
iTunes / Amazon Music / Apple Music / Spotify




 

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