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ロジャー・ダルトリーのベスト・ソング20曲:最も偉大なロック・シンガー

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1971年の5月、ザ・フーはロンドンのオリンピック・スタジオで「Join Together」をレコーディングしていた。この曲は1年後、アメリカとイギリスの両方でシングルとして発表された。ピート・タウンゼントの歌詞には「音楽を動かすのは歌ではない、シンガーだ」というくだりがあった。それは、ロジャー・ダルトリーがフロントマンとしてザ・フーを動かしていたことを考えると、真実である。彼は、彼が活動した半世紀の間に登場したバンドのフロントマンの中で、最も偉大なロック・シンガーだと言われている。そしてこれが、われわれの彼へのトリビュート——ロジャー・ダルトリーの20曲である。

1960年代に発表された最高のシングルのひとつであり、ロジャー・ダルトリーのユニークな歌い方のヴォーカルが印象的な「My Generation」以外に、このリストを始められる曲はないだろう。

My Generation (Stereo Version)

ロジャー・ダルトリーが横柄な役柄を演じるアルバム『Tommy(邦題:ロック・オペラ“トミー”』収録の「Pinball Wizard(邦題;ピンボールの魔術師)」もこの曲に続く名曲だ。リストの3曲目に当たるシングルは、「I Can See For Miles(邦題:恋のマジック・アイ)」。これも躍動感のあるヴォーカルが素晴らしい。

The Who – Pinball Wizard (Live at the Isle of Wight, 1970)

「Behind Blue Eyes」は彼らの5枚目のアルバム『Who’s Next』収録曲で、成熟したロジャー・ダルトリーのヴォーカルを披露している。実際、彼の最良の“ロック・ゴッド・ヴォーカル”が聞ける一曲だ。それと同じことが、『Quadrophenia(邦題:四重人格)』収録の「Love Reigh O’er Me(邦題:愛の支配)」にも言える。

The Who – Love Reign O'er Me (Live Aid 1985)

「Won’t Get Fooled Again(邦題:無法の世界)」もまた、神懸かりのロック・ヴォーカルの曲だ。パワフルに歌いつつロジャー・ダルトリーが前進する様子が目に浮かぶ曲で、終盤でのロジャー・ダルトリーの叫びは、ロック界において最高の瞬間のひとつである。懸命に怒れ!

The Who – Won't Get Fooled Again (Shepperton Studios / 1978)

ロジャー・ダルトリーの素晴らしい才能のひとつは、レコーディングされた強力なヴォーカルをステージで再現することで、それを楽々とこなしているように見せることだった。『Live At Leeds』収録の「Summertime Blues」は、とにかく完璧である。

Summertime Blues (Live)

それより13年前の、カナダのコンサートでの「See Me, Feel Me/Listening To You」は、彼らが発表した『Tommy』の曲の中で最も素晴らしいヴァージョンのひとつである。

Baba O’Reilly」は、アルバム『Who’s Next』の中でも突出した曲であり、1978年5月のロンドンのシェパートンでのコンサートのヴァージョンもまた、ロジャー・ダルトリーの素晴らしさを伝える見事な具体例である。

The Who – Baba O'Riley (Shepperton Studios / 1978)

その他のピート・タウンゼント作曲ではない曲として、このバンドの初期のブルーズの影響を思い起こさせるボ・ディドリーの「I’m A Man」を選んだ。この名曲の最高のカヴァーで、ロジャー・ダルトリーの全身全霊をかけて歌っている。

I'm A Man (Stereo Version)

ザ・フレーミング・リップスのウェイン・コインによると「自分で歌おうとして初めて、ロジャー・ダルトリーがいかに偉大なシンガーであるかに気づく」。ウェイン・コインはロジャー・ダルトリーのヴォーカル全般について語っていたのだが、特にそれは、『Quadrophenia』収録の「The Real Me」について言えることだ。

The Real Me

同名のアルバムに収録された「Who Are You」のヴォーカルも、同じように彼の主張に当てはまる。これは、ザ・フーが世界一偉大なバンドであると信じていなかった人達の多くを、信者に変えた曲のひとつでもある。

The Who – Who Are You (Promo Video)

We’re Not Gonna Take It(邦題:俺たちはしないよ)」はウッドストック・フェスティヴァルのハイライトのひとつとなったが、われわれは『Tommy』のオリジナルのヴァージョンを選んだ。ロジャー・ダルトリーの歌声の美しさと大胆さの両方が際立っている。

We're Not Gonna Take It

次に並べたのは「Long Live Rock」。あなた方の誰かが、「でもピートがヴァースを歌っている」というだろう。実際その通りだが、ロジャー・ダルトリーはこの曲をロック・アンセムの高みにまで持ち上げている。

Long Live Rock

Slip Kid」は1976年のアルバム『The Who By Numbers』収録曲で、リストに入る理由が明らかな曲ではないかもしれないが、ロジャー・ダルトリーがヴォーカルを巧みにコントロールする様子が披露されている。

Slip Kid

I Can’t Explain」は、20歳のロジャー・ダルトリーの曲であり、他の選曲ほど強力ではないかもしれないが、文脈の中で聞いてみて欲しい。1965年に発表された他のポップ・シングルと並べて聞いてみると、多くのバンドが発表した退屈な曲と比べて彼のヴォーカルがどれほど優れているかが分かるであろう。

The Who – I Can't Explain

『Quadrophenia』収録の「5.15」では、また別のロジャー・ダルトリーの“ロック・ゴッド・ヴォーカル”が聴ける。しかも今回は、ターボチャージャー付きだ!

The Who – 5:15

同じことが、「Join Together」にも言えるが、この曲の肝は最終ヴァースの後に訪れる。ロジャー・ダルトリーが「さあ、みんな来い」と歌いながら、人間離れした高音を出しており、別の次元に到達している。

The Who – Join Together

リストの最後から2番目の曲は『Who Are You』の隠れた名曲、「Music Must Change」。ロジャー・ダルトリーは低めの声でヴァースを歌い、ファルセットは曲の後半まで残しておいて、最後の30秒で彼のヴォーカルが爆発する。これに敵う者がいるだろうか!

Music Must Change

おそらく、ロジャー・ダルトリーの20の名曲を終えることのできる曲は、これしかないであろう。『Who’s Next』収録の「The Song Is Over」。時に優しく、時に信じられないほどハードな壮大な曲で、ロジャー・ダルトリーが偉大である理由の全てが詰まっている。彼の声はピート・タウンゼントのギターと同じ位パワフルであり、ピート・タウンゼントが彼のために書いたどんな曲でも歌えることが、彼の才能なのだ。

The Song Is Over

ロジャーはピート・タウンゼントが作り出した数々のキャラクターになった。そしてロジャー・ダルトリーは、こう語っている。

「だから、僕は歌っている最中に目を閉じるんだ——僕は別の場所にいて、そこではキャラクターが僕の中で生きているんだよ」

Written By Richard Havers

♪ 『Roger Daltrey in 20 Songs


ザ・フー『WHO』
13年ぶりのオリジナル・アルバム発売
2019年11月22日発売
CD / iTunes



 

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