“ラスト・アルバムにするべく作った”ザ・フーの『Quadrophenia /四重人格』

November 17, 2018


“ラスト・アルバムにするべく作った”ザ・フーの『Quadrophenia /四重人格』

「このアルバムが情緒的な作品に仕上がった理由は、なんて言うか、ザ・フーのラスト・アルバムにするべきだという思いがあったからだよ」。

これは1973年10月の末にNME誌のインタビューにおけるピート・タウンゼントによる物騒な発言だ。彼がその時話していたそのアルバムは、その年の11月17日イギリスでヒット・チャート入りした。それが『Quadrophenia(邦題:四重人格)』だ。

やがて同タイトルで映画も製作されることになるアルバムだが、ピート・タウンゼント渾身のその新作は当時、10月19日にアメリカのメディア攻略を狙って主要なラジオ局28社に向けて全曲分のサンプルとピート・タウンゼントの録音メッセージが配布。またBillboard誌は(1973年11月3日号のレビューにて)「大傑作である」と絶賛した。

11月10日、エルトン・ジョンの『Goodbye Yellow Brick Road(邦題:黄昏のレンガ路)』がアルバムチャート1位確定と目されていた頃、ザ・フーは週間セールスの最高記録とともに、その週の初登場順位としては最高位となる24位でヒット・チャート入りを果たし、その後2位にまで上昇を続けた。アメリカでの彼らの歴代アルバム中最高位だ。1978年に『Who Are You』が再び2位の座に就くことになるが、しかし彼らは現在までアメリカでの1位獲得には至っていない。

Quadrophenia back cover

1973年11月17日に母国イギリスでもチャート入りを果たすが、その頃の彼らは2年ぶりとなるアメリカ・ツアーの最中だった。11箇所の主要アリーナを訪れ、『Quadrophenia』に収録された全曲にザ・フーの定番曲を織り交ぜて披露していた。そして同じく母国イギリスでも、アルバムに対しての熱い期待の声は高まっていた。

その週のイギリスのヒットチャートの1位は相変わらずデヴィッド・ボウイによるカヴァー集アルバム『Pin Ups』のままであったが、ザ・フーは1位にこそ届かなかったものの、エルトン・ジョンのアルバムを3位に追いやり2位に躍り出たのだった。『Quadrophenia』は、その週のトップ40に新たにエントリーした2枚のアルバムのうちの一枚で、もうひとつははるか下方の32位でチャートに入ったロリー・ギャラガーの『Tattoo』のみだった。

ピート・タウンゼントはNME誌でのインタビューで、このアルバムはモッズ・ムーブメントに対するある種の墓碑銘なのかについてコメントしている。「より現実的な意味で"My Generation"みたいな曲は墓碑銘的なものになったと思う。今度のアルバムは、個人の思惑とか、ザ・フーの10年来のイメージとか、世代の意識を代表するザ・フー、みたいなバンドの幻想とかに終止符を打ちたいという感じだね」

Written by Paul Sexton



UIGY-9597ザ・フー『Quadrophenia(邦題:四重人格)』 
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