(function(h,o,t,j,a,r){ h.hj=h.hj||function(){(h.hj.q=h.hj.q||[]).push(arguments)}; h._hjSettings={hjid:104204,hjsv:5}; a=o.getElementsByTagName('head')[0]; r=o.createElement('script');r.async=1; r.src=t+h._hjSettings.hjid+j+h._hjSettings.hjsv; a.appendChild(r); })(window,document,'//static.hotjar.com/c/hotjar-','.js?sv=');
Join us

Stories

ジョージ・ハリスン「Run Of The Mill」解説:ビートルズに対する重々しい決別

Published on

Photo: Barry Feinstein

1969年1月、ジョージ・ハリスン(George Harrison)は一時的にザ・ビートルズを脱退していた。前年11月、ザ・バンドのウッドストックのホーム・スタジオを訪れた際、彼らが和気あいあいとこの上なく楽しげに録音作業に打ち込む姿を目のあたりにして、自分たちのバンドのぴりぴりと張りつめたセッションに幻滅したことが直接の引き金だった。彼がそこで目撃したものが示唆していたのは、もっと冷静で民主主義的な創作プロセスは可能なのだという事実だ。当時のストレスフルな環境からは、「I Me Mine」や「Wah Wah」といった、口惜し紛れのような、だが同時にどこか求道的な曲が幾つも生み出された。

「Run Of The Mill」も同じように自己探求色の濃い曲だ。皮肉なことに、この曲の当初の歌詞は、アップルから来た封筒に走り書きされていたと言う。管理運営に関する意見の食い違いが原因で、バンドを取り返しのつかない分裂状態に追い込んだ因縁の会社である。

<関連記事>
ビートルズ『Let It Be』スペシャルエディション発売決定
『Let It Be』解説第1回:制作背景と“ゲット・バック・セッション”
『All Things Must Pass』50周年盤より「Isn’t It A Pity」のMVを公開
ジョージ・ハリスン「Isn’t It A Pity」制作秘話

Run Of The Mill (2020 Mix)

1970年4月、ポール・マッカートニーが全世界に対してザ・ビートルズの解散を告げてから数週間後、ジョージ・ハリスンはニューヨークで、自身のソロ・アルバム制作作業開始のタイミングについて、フィル・スペクターと話し合っていた。

スペクターは「Run Of The Mill」をはじめ、彼が自作曲の中から選りすぐったナンバーのレコーディングを、プロデューサーとして任されることになっていたのである。「Run Of The Mill」に込められた怒りの感情は明らかにマッカートニーに向けられたものだったが、この曲は同時に自らの行動を意識し、律することを促す警告的な物語としても機能している。ジョージはこう歌う。

No one around you will carry the blame for you
No one around you will love you today
And throw it all away
君の周囲の誰ひとりとして キミの責任を肩代わりしてはくれない
君の周囲の人間は今日、誰ひとりとしてキミを愛してくれはしない
愛なんてどうでもいいと思っているよ

5月下旬、ロンドンのアビー・ロード・スタジオで、スペクターと共にニュー・アルバムのセッションが開始された。結果として生まれたアルバム『All Things Must Pass』には、錚々たる有名ミュージシャンやゲストたちが協力者として名を連ねているものの、核となるチームは、彼とエリック・クラプトンが1969年の一時期ツアー生活を共にしたデラニー&ボニーのオールスター・グループから、ハリソンによって起用された面々だった。

フィル・スペクターの手によって、元々は内省的かつ牧歌的なささやかなアコースティック楽曲として生まれた「Run Of The Mill」は、幾層にも重なったメロディの織り成す希望に満ちたアンセムへと構築されていった。

当時セッションに立ち会っていたキーボーディストのビリー・プレストンはこう語る。

「(スペクターは)独特の仕事の仕方をするからね。彼は沢山のキーボードに同じコードを弾かせて、その音を大きく、分厚くしていくんだ。俺たちは相当何回も、色んなオクターヴで同じコードを弾いてね、その作業の単調さったらもう、ゲンナリだったよ。でも彼はそうやって、いわゆるフィル・スペクター・サウンドを作り上げて行ってたんだ。俺は個人的には彼のサウンドは好みじゃないんだよね……だけどあの時のジョージの曲に関しては、あのやり方はパーフェクトだった」

『All Things Must Pass』は1970年11月にリリースされ、全英アルバム・チャートの1位に輝き、6週連続でその地位に居座り続けた。アルバム自体のテーマには宗教的な影響も色濃く感じられるものの、「Run Of The Mill」を通じて“寡黙なビートル” が表現したのは「パートナーシップにまつわる苦悩」と、グループの無惨な最期に対するこの上なく赤裸々な洞察だった。ジョージはメンバーたちに向かってこう投げかけている。

You got me wondering how I lost your friendship
But I see it in your eyes
一体どこでキミの友情を喪ってしまったんだろうとずっと考えてた
でもその答えはキミの目を見れば分かってしまう

2001年、この世を去る僅か9か月前に、ジョージは「Run Of The Mill」を、『All Things Must Pass』の収録曲の中でもお気に入りとして挙げていた。「あの曲の歌詞と、そこに込められているメッセージに、特別な思い入れがあるんだよ」と言うのが、彼の述べたその理由だった。

同様に、彼の妻であるオリヴィアも、この曲は亡夫の遺した楽曲の中で最も思い入れのある曲だと語っている。

「とても美しい歌ですよね。それに、あの歌詞はとても勇気を与えてくれる “It’s you that decides,  Which way you will turn / どちらの方向に進むのか 決めるのはキミ次第” って。あの曲はこれからもずっと、あの人の素敵な忘れ形見ですね」

Written By Simon Harper



ジョージ・ハリスン『All Things Must Pass』50周年記念盤
2021年8月6日配信

「スーパー・デラックス・エディション(5CD + 1ブルーレイオーディオ)」
「3CDデラックス・エディション」
「2CDエディション」
「スーパー・デラックス・LPエディション」
「Uber Deluxe Edition」



ザ・ビートルズ『Let It Be』(スペシャル・エディション)
2021年10月15日発売
5CD+1Blu-ray / 2CD / 1CD / 4LP+EP / 1LP / 1LPピクチャーディスク


最新ドキュメンタリー
『ザ・ビートルズ:Get Back』

11月25日(木)・26日(金)・27日(土)ディズニープラスにて全3話連続見放題で独占配信

監督:ピーター・ジャクソン (「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、『彼らは生きていた』)
出演:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター

伝説のロックバンド、ザ・ビートルズの3日連続6時間の時空を超えた《体験型ドキュメンタリー・エンターテイメント》が、ディスニープラスで独占配信。巨匠ピーター・ジャクソン監督によって、“Get Back(復活)”を掲げて集まった4人が名盤『Let It Be』に収録される名曲の数々を生み出す歴史的瞬間や、ラスト・ライブとなった42分間の“ルーフトップ・コンサート”が史上初ノーカット完全版として甦る。解散後、半世紀を超えて明かされる衝撃の真実とは?

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2021 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
公式サイト

「ザ・ビートルズ:Get Back」|予告編|Disney+ (ディズニープラス)



Share this story
Share
日本版uDiscoverSNSをフォローして最新情報をGET!!

uDiscover store

Click to comment

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Don't Miss