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メガデス『Countdown To Extinction』解説:1992年、政治と戦争を歌った進化した1枚

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メガデスのアルバム『Countdown To Extinction(破滅へのカウントダウン)』を語るには、まず、1992年7月14日に発売された当時の世界の状況を説明する必要がある。

音楽の世界では、「ヘヴィ」という言葉が新しい形で使われるようになっていた。オルタナティヴ・ロックが音楽界にとって大きなニュースとなり、ニルヴァーナの『Nevermind』はその年の1月にチャートのトップに君臨。シアトルの隣人であるアリス・イン・チェインズやサウンドガーデンへの道を開き、グランジの爆発的な広がりを見せていた。これらのバンドはそれぞれ、パンク、クラシック・ロック、そして初期のヘヴィ・メタルの要素を取り入れ、咀嚼して、ヘヴィ・ミュージックの可能性をより食欲をそそるアイデアとして吐き出したのだ。

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スラッシュ・メタルというジャンルでは、メガデスはメタリカ、スレイヤー、アンスラックスとともに「ビッグ4」とまとめて語られていたが、1992年はそのジャンル自体が大きな変化を遂げていた頃でもあった。ちょうどその1年前、メタリカは通称“ブラック・アルバム”こと『Metallica』をリリース。このアルバムは、スラッシュ・メタルのスピードを落とし、ボブ・ロックのプロデュースによって商業的な光沢をも与えられ、それまでの彼らの作品よりも口当たりが良いながらもメタリカは彼ら独自のヘヴィネスを体現し、維持していた。

一方、ビッグ4のうち、他の2つのグループ、スレイヤーとアンスラックスもシフトチェンジをしていた。アンスラックスは、ヒップホップ界の巨人パブリック・エネミーとのコラボレーションによるシングル「Bring The Noise」のヒットとその後のツアーを経て、新ボーカリストのジョン・ブッシュを迎え、よりメロディックな路線を歩んでいた。

スレイヤーでさえ、1990年の『Seasons In The Abyss』でミドルテンポのペースに切り替えていた。このように同世代のバンドが当初のスラッシュ・メタルからスローダウンしながらもグランジの流行の中でも成功を維持していく中で、メガデスは皮肉にも取り残される危険にさらされていた。

ヴォーカル兼ギターのデイヴ・ムステイン、ベースのデイヴ・エレフソン、リード・ギターのマーティ・フリードマン、ドラマーのニック・メンザという、多くの人がクラシックと呼ぶラインアップで『Countdown To Extinction』に臨んだメガデスは、他のバンドと同様に、より集中した合理的なサウンドを実現するために、無駄を省いたアプローチを選んだ。メタリカによってヘヴィ・メタルがメインストリームに受け入れられたことを知っていたムステインは、その恩恵を受けようとしていたともいえるだろう。

彼らのスラッシュ・メタルのルーツは「Skin O’ My Teeth」「Architecture Of Aggression」「High Speed Dirt」「Ashes In Your Mouth」といった曲でも明らかだが、『Countdown To Extinction』ではこのジャンルをよりシンプルに解釈したものとなっている。それぞれの曲が20種類の複雑なリフを時速1,000マイルで跳ね返すのではなく、1つの基本的なフックとより構造的な表現に支えられた合理的な曲になっているのだ。

Megadeth – Sweating Bullets

しかし、ムステインがかつて所属していたバンド、メタリカとの違いは、『Countdown To Extinction』が前作の『Rust In Peace』から自然に進化したように感じられることだ。メタリカは、『…And Justice For All』から『Metallica』への飛躍により、まったく別のバンドのように聞こえることがある。メガデスの場合は、それほど大きな断絶はなく、グルーヴをベースにしたスラッシュであり、記憶に残るフックも備えていた。

しかし『Countdown To Extinction』は、サウンドだけではなく、より大きな”時代”の影響を受けた。1991年1月、当時の大統領ジョージ・ブッシュは、サダム・フセインが隣国クウェートに侵攻した後、イラクへの空爆を開始し、湾岸戦争が始まった。一方、第二次世界大戦後に始まった冷戦が1991年にようやく終結して、ソ連が崩壊した。またベルリンの壁が崩壊したことで、ヨーロッパの統一への道が開かれ、統一条約であるマーストリヒト条約が締結された。このような政治的に厳しい時代は、音楽だけでなく、世界全体が変化しているように見えたのだ。

メガデスのフロントマンであるデイヴ・ムステインは、雄弁であることでも知られており、政治についても自分の気持ちを隠すことなく語ってきた。1988年、彼はSounds誌に「もし自分が大統領になったら、不法移民を防ぐためにメキシコとの国境に壁を作る」と発言している。また、アイルランド紛争の最中に行われた北アイルランドでの公演では、多くの観客がIRAを支持していると受け止めていることに気づかず、ファンを怒らせたこともあった。

メガデスの1985年のデビューアルバム『Killing Is My Business…And Business Is Good』では、ムステインの歌詞はオカルト的なテーマを含んでいると考えられていたが、セカンド・アルバム『Peace Sells…But Who’s Buying?』からムステインは、核戦争や政府の陰謀などのテーマを取り上げ、より社会的、政治的なスタンスを取るようになった。そして1988年の『So Far, So Good… So What!』には無政府主義を高らかに歌うセックス・ピストルズの「Anarchy In The UK」を収録。『Countdown To Extinction』の頃までには、政治がアルバムのバックボーンとなっていた。

『Countdown To Extinction』の裏付けとなったテーマは戦争だ。それはムステインの精神的な内戦であり、地球の裏側のペルシャ湾で戦われている戦争でもある(ムステインは、「Architecture Of Aggression」が当時のイラク大統領サダム・フセインについて書かれたものであることを認めている)。他にも、経済と社会的不平等をテーマにした「Foreclosure Of A Dream」では、ジョージ・ブッシュ大統領のスピーチがサンプリングされ、エンディングの「Ashes In Your Mouth」は、戦闘後の荒れ地をイメージしている。

Megadeth – Foreclosure Of A Dream

『Countdown To Extinction』は発売と同時に全米アルバム・チャートで2位を獲得し、すぐに200万枚を売り上げ、1993年のグラミー賞でベスト・メタル・パフォーマンスにノミネートされている。

Written By Caren Gibson



メガデス『Countdown To Extinction』
1992年7月14日発売
iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music





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