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フランク・ザッパによる“Honker Home Video”が復活。未発表ライヴなどが配信開始
フランク・ザッパ(Frank Zappa)が1985年に設立した映像会社“Honker Home Video”がZappa.comのストア内にオンライン・ビデオ・サービスとして復活し、再始動した。
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この発表に際し、同社は声明の中で「Honker は、何を観るか、いつ観るかは個人の選択の問題であり、そのような決定は第三者や組織化された圧力団体によって行われるべきではないと信じている」と述べている。レンタル料金は1作品につき6.99ドル(約1030円)。すべてのレンタル作品は、視聴を開始してから72時間以内であれば何度でも視聴可能で、その後は期限切れとなる。
また、これにあわせて、「Honker Home Video No-D グラス」(“思いがけず精神を混乱させる理論的概念にさらされることを恐れる視聴者向け”に制作された80年代のオリジナル・プロモーション・アイテム)、「Honker if you love home video(ホーム・ビデオ好きならクラクションを鳴らして)」バンパーステッカーや1987年の「We are what we watch(人は観るもので形作られる)」ポスターといったコレクターズ・アイテムの販売もスタートしている。
このサービスでレンタル可能な作品のひとつが、未発表コンサート・フィルム『Cheaper Than Cheep』で、1974年6月21日にザ・マザーズ・オブ・インヴェンション(The Mothers of Invention)と共に録音・撮影された本作は、フランク・ザッパと、彼の長年の遺産管理人であるジョー・トラヴァースがプロデュースを担当。監督を務めたザッパの息子アーメットは12年以上かけてこのプロジェクトを完成させた。
1985年に制作された『Video From Hell』は、『Baby Snakes』や『Uncle Meat』など、同時期に進行していた“Honkerプロジェクト”の映像をダイジェスト的にまとめたコンピレーション映像で、アル・マルキンによる「I Need Your Love」や1986年3月18日にメリーランド州議会でザッパが行った意見陳述の映像も収録されている。
さらに、ロック・ミュージシャンのツアー生活の狂気をシュールに描いた、フランク・ザッパ脚本・監督による1971年の映画『200 Motels』の制作舞台裏に迫る1987年のドキュメンタリー作品『True Stories of Frank Zappa’s 200 Motels』も配信されている。全編約1時間にわたる本作には、実際の撮影・録音風景のほか、キース・ムーン、リンゴ・スター、セオドア・ビケルら出演者の貴重な映像、そしてザッパのプライベート・アーカイヴからの当時の記録映像が収められている。
そのほかにも、1981年のハロウィンにニューヨークのパラディアムで収録されたコンサート・フィルム『The Torture Never Stops』(早い時間帯と遅い時間帯の両公演を収録)などがラインナップされている。
Written By Sam Armstrong
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