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ザ・キュアー『Pornography』:ゴス史上初の最高傑作かつ最もダークで過激なロック・アルバム

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ゴス史上初の最高傑作、ザ・キュアーの『Pornography』は最もダークで過激なロック・アルバムの一つであり、バンドにとって最も重要な1作である。

プライベートで経験した祖父母との死別、年間200回のステージから来る極度の疲労、そして身体を衰弱させるうつ病によってぼろぼろになっていたザ・キュアーのロバート・スミスは、1982年初頭には非常に衰退していた。著作者ジェフ・アプターによる『Never Enough: The Story Of The Cure』の中で彼は「もう終わりにするつもりだった」と、最悪の状態にいたことを認めている。

「究極の“うるさい、失せろ”っていうアルバムを作って終わりにしたかった」。芸術的な観点から言うと、ロバート・スミスは物議を醸したタイトルが付けられたバンド4作目の『Pornography』を通じて、その目標を達成した。1982年5月に発売され、後にゴス史上初の最高傑作と称賛された今作は、最もダークで過激なロック・アルバムの一つであり続け、ロバート・スミスとバンドの輝かしいキャリアにおいても、最も重要な作品の一つとして認識されている。


『Pornography』は希薄で悲観的な『Seventeen Seconds』、そして1981年の絶え間なくもの悲しい『Faith』に続く、ザ・キュアー初期の“暗い3部作”の最終作である。『Faith』は、ロバート・スミスの祖父母が亡くなった喪中に制作されている。

振り返ってみると、『Pornography』を完成させたことは奇跡だったのかも知れない。ロンドンにあるRAKスタジオに漂うニヒリズムな雰囲気がLSDやアルコールによって更に悪化しただけではなく、ザ・キュアーがセッション中にビール缶で作った巨大な彫刻に触れることをスタジオの清掃者に対して禁じたことでスタジオからの怒りを買った。

ロバート・スミスが“みんなが死んでも別に関係ない”と冷笑している耐え難いほどに複雑な「One Hundred Years」をオープニング・トラックに収めた『Pornography』は辛辣で残忍であるが、作品を作る側が例え破綻寸前だったとしても新しいアイデアを生み出す才能があったことを証明している。例えば、ローレンス・トルハーストの比類なきドラム・サウンドは、RAKスタジオのメイン・ルームから仕切りを取り除いた巨大なオープン・スペースでドラムを叩くという全く新しいアプローチをとったことにより生まれた。その他にもメンバーと共同プロデューサーのフィル・ソーナリーがプロト・サンプリング技術(デヴィッド・ボウイとブライアン・イーノの『My Life In The Bush Of Ghosts』と似ている)を使用し、セックスをテーマにしたテレビ・ドキュメンタリー番組の解説を断片的に使用している。

One Hundred Years

 

「The Figurehead」や冷ややかなキーボードに包まれた「Cold」などの容赦ない催眠術のような悲歌が大半を占めているが、それでも『Pornography』から、重厚感のあるドラムが鳴り続ける「The Hanging Garden」が控え目ながらヒットを記録し、アルバムのどこまでも暗い要素のせいで評論家たちの反応は冷たかったが、商業的には『Pornography』はザ・キュアーのそれまでの作品に比べると成功を収めた方で、イギリスのTOP40では最高8位にランクインされた。

The Cure – Hanging Garden

 

アルバムのジャケットのルックスはその後の彼らのトレードマークとなり、その大きな髪型と口紅を纏った姿はヨーロッパでの『Fourteen Explicit Moments』ツアーにて初めて披露された。しかし、その後ツアー中にロバート・スミス、ローレンス・トルハースト、そしてサイモン・ギャラップの仲の悪さが頂点に達し、解散することになる。後にロバート・スミスがザ・キュアーを復活させると、大々的に方向性を転換し、「The Walk」や「The Love Cats」といった奇抜でラジオ・フレンドリーなヒットによって、バンドをポップ界での成功へと導いた。

Written by Tim Peacock


ザ・キュアー『Pornography』

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