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フランク・シナトラ「Strangers In The Night」: 世界的大復活の軌跡

1966年10月15日付の米Billboard誌は、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)のファンが以前から感じていたことを裏付けた。シナトラが再び音楽シーンの第一線に返り咲いたのだ。
「Strangers In The Night」のシングルと同名アルバム、さらにそれに続くライヴ・アルバム『Sinatra At The Sands』が世界的な成功を収めるなか、当時、彼の所属レーベルであるリプリーズ・レコードのゼネラル・マネージャーを務めていたモー・オースティンは、同誌にこう語っている。
「彼は今、かつてないほどの勢いに乗っているんだ」
Billboard誌によれば、シングル「Strangers In The Night」はアメリカとイギリスだけでなく、オーストラリアからアルゼンチンに至るまで、さらにはオーストリア、ベルギー、アイルランド、フランスでも1位を獲得していた。「ほかの国々でも順位を上げている。私たちはこれを、シナトラの世界的な復活と捉えているよ」とオースティンは語った。
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自ら身を引くという決断
ドイツの人気楽団リーダー、ベルト・ケンプフェルトが作曲し、チャールズ・シングルトンとエディ・スナイダーが英語詞を手がけたこの曲は、もともと1966年公開のアドベンチャー・コメディ映画『ダイヤモンド作戦』のサウンドトラック用に、「Beddy Bye」というインストゥルメンタル曲として録音された。同作ではジェームズ・ガーナーとメリナ・メルクーリが主演を務めている。
当初、歌唱を打診されたのは、ギリシャ出身の女優・歌手メリナ・メルクーリだったが、彼女はこの曲には男性の歌声がふさわしいと考え、申し出を辞退。その判断が、結果的に世界中の音楽ファンに恩恵をもたらすことになる。
シナトラのアルバム『Strangers In The Night』はアメリカでゴールド・ディスクに認定。また、ラスベガスのホテルでカウント・ベイシーとともに録音されたライヴ・アルバム『Sinatra At The Sands』も、同認定に迫っていた。Billboard誌の記事は、好調な売り上げの理由をこう分析している。
「この作品がよく売れている理由のひとつは、人々がシナトラのライヴを観られないことにある。映画の仕事が立て込んでいるため、彼はナイトクラブでの活動を必要最小限に減らしている。オースティンは、このアルバムが、彼のライヴを観ることのできないファンの空白を埋めていると見ている」
実際、リプリーズ・レコードは、オースティンが“刺激的なレパートリーの展開”と評したライヴ・アルバムという形態にも大きな可能性を見いだしていた。Billboard誌によると、同レーベルは過去6か月の間に、シナトラのラット・パック(The Rat Pack)の仲間でもあるサミー・デイヴィスJr.のライヴ・アルバムを2作録音していた。
記事が掲載された当時、「Strangers In The Night」は全英チャートで20週間にわたるランクインを終えたばかりだった。続くシングル「Summer Wind」も、アメリカとイギリスの両国でヒットチャートを賑わせていた。
その後、「Strangers In The Night」はグラミー賞で年間最優秀レコード賞と最優秀男性ポップ・ヴォーカル賞に輝き、2冠の栄誉を手にすることになる。
Written By Paul Sexton

フランク・シナトラ『Sinatra At The Sands』
1966年7月1日発売
60周年記念盤 / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music
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