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ニューヨーク・ドールズのギタリスト、シルヴェイン・シルヴェイン逝去。その功績を辿る

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Photo: Peter Noble/Redferns

象徴的なファッションでも知られた人気バンド、ニューヨーク・ドールズのギタリストとして長年活躍したシルヴァン・シルヴァン(Sylvain Sylvain)が2021年1月13日に逝去した。69歳だった。シルヴァインは過去2年半にわたってがんと闘っており、妻のウェンディ・ミズラヒが個人のFacebookで亡くなったことを伝えている。

「ご存じの通りシルヴァンは2年半前からがんと勇気をもって闘っていましたが、昨日亡くなってしまいました。私たちは彼の死を悲しんでいますが、彼は安らかに、そして痛みから解放されました。彼の音楽をかけ、ロウソクを灯し、祈りを捧げ、この美しい人形(Doll)を送り出しましょう」

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New York Dolls – Trash

ニューヨークのローワー・イースト・サイドにあったクラブで誕生したニューヨーク・ドールズは、ギミックというよりも、より踏み込んだ道を歩んできた。フロントマンのデヴィッド・ヨハンセンは2000年、Kerrang!に「ロックン・ロール・バンドに参加しているならば、そういう恰好をするもんだと思っていたよ」と語り、1982年にはシルヴァンは当時のバンドについてNMEにこう語っている。

「MC5をのぞいて、俺たちはたぶん最初のギャング・グループだった。俺たちあの界隈の単なるクレイジーな仲間だったけど、今では最も有名なガレージ・バンドになった。(当初の)俺たちはどんなライヴにも出られなかった。アンコールを受けることもなかった。一銭も稼いだこともなかった」

「俺たちは一文無しだったから自分たちで服を作らなければならなかった。俺たちが人々に教えたのはロックンロールを一歩先に進めるには、巨匠でなくてもいいということ。俺たちは重要な曲を書いたんだ、偉大なるロックンロールの曲をね」

New York Dolls – Personality Crisis

1951年にエジプトの首都カイロで生まれたシルヴァン・シルヴァンは、1972年にニューヨーク・ドールズに加入し、ギター、ベース、ピアノを演奏。1973年のデビュー・アルバム『New York Dolls』に収録された「Trash」と「Frankenstein」を共同作曲した。

シルヴァンはニューヨーク・ドールズのオリジナル・ラインアップの一人で、彼以外のデビュー時のラインナップは、ヴォーカルのデヴィッド・ヨハンセン、ギタリストのジョニー・サンダース、ベーシストのアーサー・ケイン、ドラマーのジェリー・ノーランで構成されていた。

シルヴァンは1977年のバンド解散後にはデヴィッド・ヨハンセンのソロ作品に登場。その後、後期ドールズに参加していたトニー・マシンと自身のグループ、ザ・クリミナルズを結成し、ニューヨークのクラブ・シーンでプレイし続けた。

その後RCAとソロ・レコーディング契約を結び、後にジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツのドラマー、リー・クリスタルをフィーチャーしたアルバム『Sylvain Sylvain』(1979年)をリリース。80年代も活動を続け、シル・シルヴェイン・アンド・ザ・ティアドロップスなどでレコーディングを行い、その後、生存しているメンバーでニューヨーク・ドールズを再結成し、3枚のアルバム『One Day It Will Will Please Us to Remember Even This』(2006年)、『Cause I Sez So』(2009年)、『Dancing Backward in High Heels』(2011年)を発表している。

シルヴァンは2019年にガンと診断され、キース・リチャーズやスラッシュなど多くの友人たちが集まり、彼の治療のための募金活動を行っていた。

彼の死去のニュースを受けて、長年のパティ・スミスのギタリストであり、ロックジャーナリストのレニー・ケイを含む多くの友人や仲間たちが追悼の意を表している。レニー・ケイはこう書いている。

「シルはロックンロールを愛していました。彼のステージ上での喜び、ギターを切り刻むときの輝くような笑顔は、彼が10歳のときに感じたであろう不思議な感覚を明らかにしていました。1961年に生まれ故郷のカイロから家族と共に移住し、船はニューヨーク港に引き揚げられ、初めて自由の女神を目にしたんです」

「バンドでの彼の役割は、他のメンバーが回転するなかで正確さ維持する要となる役割だった…彼は後に続く多くのロックの世代に影響を与えていくことになるでしょう」

妻ウェンディ・ミズラヒは彼の埋葬場所について、亡くなる前にはジョージア州に住んでいたがニューヨークに埋葬されることになったとローリング・ストーンに伝えている。妻ウェンディはFacebookの投稿をこう締めくくっている。

「シルヴァン×2、あなたの心、信念、そしてEコードをかき鳴らしす姿にも感謝します。おやすみ、ベイビー・ドール」

Written By Laura Stavropoulos



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