(function(h,o,t,j,a,r){ h.hj=h.hj||function(){(h.hj.q=h.hj.q||[]).push(arguments)}; h._hjSettings={hjid:104204,hjsv:5}; a=o.getElementsByTagName('head')[0]; r=o.createElement('script');r.async=1; r.src=t+h._hjSettings.hjid+j+h._hjSettings.hjsv; a.appendChild(r); })(window,document,'//static.hotjar.com/c/hotjar-','.js?sv=');
Join us

uDiscoverlist

たったひとりで全てを録音するミュージシャン10選:DIY精神に溢れた“ワンマン・バンド”

Published on

Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

たったひとりですべての役割をこなしてしまう”ワンマン・バンド”と聞いて、映画『メリー・ポピンズ』(1964年)でディック・ヴァン・ダイクが演じた踊り跳ねる煙突掃除屋をイメージするのはいささか的外れかもしれない。ここでは、たとえばスティーヴィー・ワンダーのような、才能あるマルチプレイヤーを思い出していただきたいと思う。彼はキーボードやハーモニカなどどんな楽器も巧みに操ることのできる最も優れたワンマン・バンドのひとりであるばかりか、音楽の世界における最もクールで、最も才能に恵まれた人物のひとりでもある。

トップで活躍するミュージシャンたちの中には、多彩な楽器を労もなく演奏できる人が本当に数多くいる。カーティス・メイフィールド、PJハーヴェイ、デイヴ・グロール、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッド、ラッシュのゲディー・リー、アリシア・キーズ、ロイ・ウッド、ザ・ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ、ジャック・ホワイト、ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー、ブルーノ・マーズ……

ざっと挙げてもこれだけのアーティストがその範疇に入るが、彼らはほんの一例に過ぎない。こうしたミュージシャンたちの周りには、たくさんのすばらしいミュージシャンがいる。にもかかわらず、自分のレコードですべての楽器をひとりで演奏してしまうというのは、厚かましいといえる程の大胆さがなければできない芸当だろう。

これから、音楽の歴史における最もすばらしいワンマン・バンドの中から10人を紹介する。まずは、75年以上も前に活躍したジャズ界のスター、シドニー・ベシェとその非凡な多才振りからご紹介したい。

<関連記事>
DIYミュージック:自分で作った楽器や手法で進むミュージシャンたち
ミュージシャンの主宰によるレコード・レーベル11選


1. シドニー・ベシェ(Sidney Bechet)

エンジニアのジョン・リードが、シドニー・ベシェにマルチトラッキングの可能性について話すと、ジャズの巨匠として知られるシドニー・ベシェは、6種の楽器それぞれのタイミングとメロディーを記憶して、別々のパートをすべてひとりで演奏するという計画を立てた。ベシェのこの魅力的で冒険的な試みが為されたのはテープ録音が普及する前のことだったので、原始的なSPレコードにそれぞれの演奏を重ね合わせるという形で録音しなければならなかった。

1941年4月19日、ベシェは6通りの楽器 (ソプラノ・サックス、アルト・サックス、クラリネット、ピアノ、ウッドベース、ドラム) を演奏して「The Sheik Of Araby」をレコーディング。また4つのパートを同様にひとりで演奏して「Blues of Bechet」もレコーディングしている。

後にベシェはこのプロジェクトについて「冷や汗ものだった」と述べている。また当時を振り返って以下のようにも語っている。「あのレコーディング・セッションのことが頭から離れず、悪夢を見たよ。デューク・エリントン・バンドですべてのパートを演奏するっていう悪夢をね」

おすすめのトラック : 「The Sheik Of Araby」 (1941年)

The Sheik Of Araby

 

2. ポール・マッカートニー(Paul McCartney)

ポール・マッカートニーは、世界で最も優れたバンドのメンバーだった人物であり、同時に世界で最も優れたワンマン・バンドのひとりでもある。1969年のクリスマス直前、ビートルズ分裂の最中に、マッカートニーはロンドンのセント・ジョンズ・ウッドにある自宅に籠り、自身のソロ・アルバム『McCartney』の制作に着手している。

彼は、あらゆる楽器 (アコースティック・ギター、エレキ・ギター、ベース、ドラム、ピアノ、オルガン、パーカッション、メロトロン、シロフォンなど) とヴォーカル・パートをすべて自分ひとりでこなそうと決めたわけを以下のように説明している、「どれもかなりうまくやれると思ったからね」

また、のちにマッカートニーは、純然たるソロ・アーティストとして仕事をすることの喜びについて、こんな風に語っている。「何かを判断するときは自分自身に訊ねるだけでいい。それにほとんどの場合、僕の提案にもうひとりの僕は賛同してくれるから」。

アルバム『McCartney』は、リリースからほどなくアメリカのアルバム・チャートで首位を獲得。イギリスでも最高位2位を記録している。彼のこの実験的なアルバムに感化されたミュージシャンのひとりが、元メリー・ゴーラウンドのエミット・ローズで、彼もまたひとりですべての楽器を演奏し、ヴォーカル・パートを担ったバロック・ポップ・タッチのアルバムを、70年代前半に3点リリースしている。

おすすめのトラック : 「Maybe I’m Amazed」 (1970年)
最新アルバム『McCartney III』2020年12月18日発売

Paul McCartney – Maybe I’m Amazed (Official Video)

 

3. トッド・ラングレン(Todd Rundgren)

1972年の3作目のソロ・アルバム『Something / Anything?』に収録されているトラックの大半で、トッド・ラングレンは独力でソングライティングやアレンジをこなし、ピアノからギターまですべての楽器を演奏しているが、驚くべきことに当時の彼はまだ23歳という若さだった。

ラングレンと仕事をしたことのあるプロデューサーやエンジニアによれば、彼は譜面を見たり、書き写したりしなくても、それぞれのパートを記憶し、演奏することのできる驚くべき耳と記憶力を備えていたという。

彼はまずドラム・パートのレコーディングから取りかかり、そこにほかの楽器のパートを重ねていうという手法でレコーディングを進行。ヴォーカルや楽器を加える際、即興でメロディーを決めることも少なくなかった。そうしたアプローチで、彼は「I Saw The Light」「It Wouldn’t Have Made Any Difference」「Couldn’t I Just Tell You」といったラングレンの作品の中でもトップ・クラスの楽曲群を完成させていったのだ。

Something / Anything?』のアルバム・カヴァーの内側には、楽器や機材が散乱する部屋で、ただひとり、肩からギターをかけたまま両腕を振り上げてVサインをしているラングレンのポートレートが使用されている。彼が世界で最も優れたワンマン・バンドのひとりであることを自認したとしても何の不思議もない。『Something / Anything?』は48週ものあいだチャート圏内に留まり、最終的にゴールド・ディスクの認定を受けている。

おすすめのトラック : 「I Saw The Light」 (1972年)

I Saw the Light (2015 Remaster)

 

4. ジョン・フォガティ(John Fogerty)

大きな成功を収めたクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルを脱退したあと、グループのリード・シンガー/ギタリストだったジョン・フォガティは、誰の干渉を受けることもなく独力でソロ・アルバムを制作。ファースト・アルバム『The Blue Ridge Rangers』を完成させた。

このアルバムはフォガティお気に入りの楽曲を取り上げた1枚だった。ハンク・ウィリアムズの「Jambalaya (On The Bayou)」のカヴァー・ヴァージョンで聴けるベースとスネア・ドラムのすばらしさは特筆もの。またフォガティらしい鮮やかなギター・プレイも、スティール・ギターとバンジョーで奏でるリックや力強いフィドルによって常以上に際立っている。

– おすすめのトラック : 「Jambalaya (On The Bayou)」 (1973年)

John Fogerty – Jambalaya (On The Bayou).wmv

 

5. マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)

ジョン・フォガティのソロ・アルバムのリリースからおよそ1ヶ月後に、プログレッシヴ・ロックの大作『Tubular Bells』がイギリスのマイク・オールドフィールドによって生み出された。このアルバムで、オールドフィールドは実に多くの楽器を演奏している。アコースティック・ギター、ベース、エレキ・ギターといった弦楽器、ファルフィッサ、ハモンド、ローリーといった各種オルガン、フラジオレット、ファズ・ギター、グロッケンシュピール、マンドリン、ピアノ、パーカッション、ティンパニー、そしてもちろん、チューブラーベルといった具合だ。

『Tubular Bells』はオックスフォードのマナー・スタジオでレコーディングされた。そしてその成功と象徴的な地位は、同作の収録曲が大ヒットしたホラー映画『エクソシスト』に使用されたことで揺るぎないものになった。

おすすめのトラック : 「Mike Oldfield’s Single (Theme From Tubular Bells) 」 (1973年) 

Mike Oldfield's Single

 

6. プリンス(Prince)

1977年9月、プリンスはミネソタ州ミネアポリスにある当時最も先駆的なレコーディング・スタジオのひとつ、サウンド80で、自身のデビュー・アルバムとなる『For You』の制作を開始した。”Produced, arranged, composed, and performed by Prince (プリンスによるプロデュース、アレンジ、作曲、歌唱/演奏) “という有名なクレジットが表記されているのがこのアルバムだ。

一連の優れたワンマン・バンドたちと同じように、故プリンス ―― 当時まだ17歳だった ―― は、まるで何かに取り憑かれたように理想のサウンドを追及している。かつて大物司会者のディック・クラークが、彼にこのアルバムで何通りの楽器を演奏したのかと訊ねると、プリンスは「とても数えきれない」と答えたが、実際に『For You』で使用されている楽器は27種。手拍子とフィンガースナップを勘定に入れると29種ということになる。

おすすめのトラック : 「Soft And Wet」 (1978年)

Soft and Wet

 

7. スティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)

ローリング・ストーン誌が”歴史上最も偉大な100人のシンガー”の33位に選出したスティーヴ・ウィンウッドは、スペンサー・デイヴィス・グループ、トラフィック、ブラインド・フェイスといった強い影響力を持つバンドに在籍したことで知られるが、ヴォーカリストとしてのみならずマルチプレイヤーとしても傑出した存在だった。

最初のソロ・アルバム『Steve Winwood』で、彼は創作面のリーダーシップを完全に掌握し、セカンド・アルバム『Arc Of A Diver』 (1980年) では、グロスタシャーにある自身の農場に建てたスタジオで、すべてのパートを自分ひとりでレコーディングしている。

ここでウィンウッドはアコースティック・ギター、エレキ・ギター、マンドリン、ベース、ドラム、パーカッション、ドラムマシン、ピアノ、シンセサイザー、オルガンを演奏。リード・ヴォーカルとバック・ヴォーカルもすべて自ら担当し、全7トラックのプロデュース、エンジニアリング、ミキシングも、自身が担った。

かくしてリリースされたアルバム『Arc Of A Diver』はアルバム・チャートのトップ10に入るヒットを記録。リード・トラック「While You See A Chance」もまたシングル・チャートのトップ10入りを果たしている。

おすすめのトラック : 「While You See A Chance」 (1980年)

Steve Winwood – While You See A Chance

 

8. フィル・コリンズ(Phil Collins)

フィル・コリンズ本人も認めている通り、12トラックのレコーディング機材を備えた自宅のスタジオでアルバム『Both Sides』のレコーディングを行ったころ、彼は苦境にあった。二度目の離婚を経験したばかりだった彼は、バグパイプに現実逃避の手段を求めたことさえあったこともあったという (彼はスコットランド人の先生から、この楽器のレッスンを受けていたのだ) 。

『Both Sides』に纏められ、世にでることになった音源は、そもそもはデモとしてコリンズが独力で制作したものだったが、彼はそれをフル・アルバム発表することに決め、1993年にヴァージン・レコードからリリースしている。

このアルバムでコリンズはすべての楽器を演奏している。彼を”最も優れたワンマン・バンド”のリストに加えることになったアルバムと言ってもいいだろう。というのも、彼はレコードのプロデュースまで自ら行い、さらにライナーノーツまで自ら寄せているのである。元ジェネシスのスター・ミュージシャン、コリンズは、この作品について以下のように述べている。

「『Both Sides』は作曲の過程や制作のコンセプトも含めて、最も気に入っているアルバムだ。これこそまさにソロ・アルバムだ。僕はすべての楽器を自分自身で演奏し、楽曲は僕自身の中から流れ出てくるように生まれた。それはまるで夢のような出来事だった」

おすすめのトラック : 「Can’t Turn Back The Years」 (1993年)

Can't Turn Back The Years (2015 Remaster)

 

9. スフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)

デトロイトで過ごした学生時代、スフィアン・スティーヴンスはオーボエとイングリッシュホルンのレッスンを受けていた。その両方を彼の2003年のコンセプト・アルバム『Michigan』で演奏している。アカデミーの歌曲賞にノミネートされたこともあるこのシンガー・ソングライターは、『Michigan』で、さらにピアノ、電子オルガン、エレクトリックピアノ、バンジョー、アコースティック・ギターにエレキ・ギター、ベース、ヴィブラフォン、シロフォン、グロッケンシュピール、リコーダー、木製のフルートとホイッスル、ドラム、パーカッション、シェイカー、スレイベル、タンバリンにシンバルまで演奏しているから驚きだ。

しかしこれほどのスティーヴンスも、この記事で紹介したその他のワンマン・バンドたちと同様、故ロイ・キャッスルの記録を打ち破るまでには至らなかった。テレビ・スターでトランペット奏者だったロイ・キャッスルは、世界で最も小さなヴァイオリンを含む43種類の楽器で、4分間の同一の曲を演奏したという記録を保持している。

おすすめのトラック : 「For The Windows In Paradise, For The Fatherless In Ypsilanti」 (2003年)

For the Widows in Paradise, For the Fatherless in Ypsilanti

 

10. デイヴ・エドモンズ(Dave Edmunds)

デイヴ・エドモンズはすばらしいヒット曲「I Hear You Knocking」を発表した1970年代に知名度を高め、以来、自らすべての楽器を演奏したアルバムを数点残している。そして2013年にアルバム『…Again』で、再びワンマン・レコーディングに挑んだが、同作は、以前のワンマン・アルバムと異なり、21世紀のデジタル機器の恩恵を享受して作られている。『…Again』について、エドモンズは以下のように述べている。

「1960年代中期、物置小屋の中の、ちっぽけで設備もろくに整っていないスタジオでレコーディングを始めて以来、自分ひとりでレコードを作ってきたけれども、この『…Again』は、ノートパソコンを使用して客用の寝室で制作した。僕はまずマックブック・エアーを買ってきて、それに付いてきたガレージバンドとかいうものを使用して1曲やってみた。それからそのガレージバンドの兄貴分みたいなものを130ポンドくらいの値段で買った。ちょっといじると、30秒もかからずに、膨大な量のトラックとサウンドエフェクトを擁したレコーディング・スタジオが目の前に現れたんだ」

おすすめのトラック : 「Standing At The Crossroads」 (2003年)

Dave Edmunds – Standing at the crossroads

Written By Martin Chilton



ポール・マッカートニーが一人で録音した最新作マッカートニーⅢポール・マッカートニー『McCartney III』
2020年12月18日発売
CD / 限定赤LP / LP / iTunes / Apple Music

Share this story
Share
日本版uDiscoverSNSをフォローして最新情報をGET!!

uDiscover store

Click to comment

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Don't Miss