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キム・カーンズ「Bette Davis Eyes」の舞台裏:一夜にして訪れた10年越しの大ブレイク

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Kim Carnes - Photo: Michael Ochs Archives/Getty Images

彼女の髪は、「Bette Davis Eyes(ベティ・デイビスの瞳)」の歌詞そのままに、 大女優ジーン・ハーロウを思わせる金色だった。

1945年7月20日生まれのシンガー・ソングライター、キム・カーンズ(Kim Carnes)にとって、「Bette Davis Eyes」は10年に及ぶ音楽活動の末に訪れたブレイクスルーだった。この楽曲は、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で通算9週間1位を獲得する大ヒットとなる。

さらに、同曲を収録したアルバム『Mistaken Identity』も快進撃を見せた。1981年6月27日付の全米アルバム・チャートでは、スティクスの『Paradise Theatre』から首位の座を奪い、、その後4週連続で首位をキープした。

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キム・カーンズのグラミーの素晴らしい一夜

Kim Carnes – Bette Davis Eyes

ロサンゼルス生まれのキム・カーンズは、1971年のデビュー・アルバム『Rest On Me』以来、実に10年間にわたってコンスタントに作品を発表してきた。そして1981年、彼女はアメリカでプラチナ・アルバムを獲得し、世界的な成功へとつながる転機となる作品『Mistaken Identity』を世に送り出すことになる。

着実に支持を拡大した70年代

キム・カーンズは1970年代を通じて、徐々にオーディエンスを築いていった。1975年には「You’re A Part Of Me」がBillboard Adult Contemporaryチャートでトップ40ヒットを記録し、ソロ・アーティストとしての存在感を高める。

さらに翌1976年には、3作目のアルバム『Sailin’』を発表。この作品のプロデュースを手掛けたのは、アレサ・フランクリンやウィルソン・ピケットら数多くの名作を世に送り出した伝説的プロデューサー、ジェリー・ウェクスラーだった。彼の参加は、キム・カーンズが音楽業界で着実に評価を高めつつあったことを物語っている。

1978年には、「You’re A Part Of Me」をジーン・コットンとのデュエットとして新たに録音。同曲は全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)でトップ40ヒットを記録。さらに2年後の1980年には、ケニー・ロジャースとのデュエット・バラード「Don’t Fall In Love With A Dreamer」が全米トップ5入りを果たし、大きな注目を集める。

Kenny Rogers, Kim Carnes – Don't Fall In Love With A Dreamer (Audio)

その勢いに乗って発表されたアルバム『Romance Dance』からは、キム・カーンズ自身の代表曲の一つとなる「More Love」が誕生した。この曲は、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズが1967年に発表した楽曲のカヴァーで、彼女のヴァージョンは全米トップ10入りを果たし、ソロ・アーティストとしての地位をさらに確かなものにした。

Kim Carnes – More Love (Official Music Video)

次作でさらに完成度の高いアルバムを生み出すことができれば、世界的なブレイクを果たす絶好のチャンスが訪れていた。ハスキーで力強い唯一無二の歌声に加え、ソングライターとしても、他者の楽曲を自らのものとして歌い上げる表現者としても卓越した才能を備えていた彼女には、それを実現するだけの資質は十分にあった。そして実際に、その期待に応えてみせた。

1981年3月、キム・カーンズによる「Bette Davis Eyes」のカヴァーが全米チャートに初登場し、瞬く間に国内外でセンセーションを巻き起こした。ジャッキー・デシャノンとドナ・ワイスが1970年代に書いた作品で、彼女のアレンジによってまったく新しい命を吹き込まれた同曲は、1981年5月16日付から全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で首位に立つと、通算9週間にわたって1位を獲得。途中、スターズ・オン45に首位を一時奪われるものの、その期間はわずか1週間で、再び首位に返り咲き、前半5週・後半4週という異例のロングランヒットを記録した。

「Bette Davis Eyes」は世界的な大ヒットとなり、現在に至るまでキム・カーンズを代表する不朽の名曲として親しまれている。さらに翌年のグラミー賞では、“最優秀レコード賞“と“最優秀楽曲賞”を受賞し、その年を代表する一曲として高い評価を獲得した。

 

“Mistaken(間違い)”とは無縁の傑作

ヴァル・ギャレイがプロデュースを手がけた『Mistaken Identity』には、もうひとつのチャート入りシングル「Draw Of The Cards」も収録されている。彼女とヴァル・ギャレイがデイヴ・エリングソン、ボル・クオモと共作したものだ。

また、彼女自身が手がけたタイトル曲「Mistaken Identity」も、控えめながら深い余韻を残す名曲としてアルバムを彩っている。さらに、スコットランド出身のロック・シンガー、フランキー・ミラーが書いた「When I’m Away From You」のカヴァーでも、彼女は繊細な表現力を存分に発揮している。

一方で彼女は、軽快なロック・ナンバー「Break The Rules Tonite (Out Of School)」から、アルバムを静かに締めくくる内省的な「My Old Pals」まで、多彩な音楽性を自在に行き来できることも証明した。

Kim Carnes – Draw Of The Cards (Official Music Videos)

その後もキム・カーンズは数々の優れたアルバムを発表し、『Mistaken Identity』の翌年には『Voyeur』をリリース。さらに1988年には『View From The House』でカントリー路線にも挑戦し、自身唯一となるカントリー・チャート入りを果たしている。

Written By Paul Sexton



キム・カーンズ『Mistaken Identity』
1981年4月1日発売
iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music



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