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ビーチ・ボーイズ『Sunflower』解説:発売当時は低迷も後年評価を高めた名盤

1970年8月31日、ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)が自らのブラザー・レコーズからリプリーズを通じてをリリースした、わずか8年間で16作目のスタジオ・アルバム『Sunflower』は、当時の彼らが抱えていたある種の二面性を浮き彫りにする作品でもあった。批評家からの評価はおおむね非常に高く、ファンやメディアの間での作品の評価も、その後年月を重ねるにつれてさらに高まっていった。
実際、アルバム本編とそのレコーディング・セッションは、2021年にリリースされた豪華ボックス・セット『Feel Flows — The Sunflower and Surf’s Up Sessions』にも収録されている。しかし、リリース当時のセールスは振るわず、『Sunflower』は彼らにとってその時点で最も商業的に成功しなかったアルバムとなった。
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タイトルが示す通り、『Sunflower』には、アルバム全体を通して明るく陽気な雰囲気の楽曲が並び、グループ内のさまざまな組み合わせによるソングライティングが展開されている。
1960年代後半のアルバム、『Friends』や『20/20』でもそうだったように、デニス・ウィルソンは兄ブライアンと並んで、ソングライターとしてかなり重要な役割を担っていた。彼は単独で「Slip On Through」を手がけたほか、さらに3曲を共作している。
ブライアンはアルバムで「This Whole World」を単独で手掛けたほか、マイク・ラヴ、アル・ジャーディン、弟のカール・ウィルソンらと共作している。だが、『Sunflower』でも特に印象的な曲として挙げられるのが、ブルース・ジョンストンによる2曲だろう。
ブライアンとの共作「Deirdre」と、ブルース単独作の「Tears In The Morning」である。後に本人は、これら2曲がビーチ・ボーイズにふさわしかったのかについて複雑な思いを口にしているものの、ブルースは『Sunflower』を自身が最も好きなビーチ・ボーイズのアルバムだとも語っている。
時間をかけて開花した『Sunflower』
『Sunflower』が発売されたのは1970年8月末。その頃デニス・ウィルソンは、俳優としてジェームス・テイラーと共演した、『イージー・ライダー』から着想を得たユニバーサル製作のロードムービー『断絶』の撮影中だった。
新作『Sunflower』は、1970年9月26日付の全米チャートに162位で初登場し、わずか4週間のチャート・インで最高位は151位にとどまった。先行シングルとしてリリースされた「Add Some Music To Your Day」と、両A面盤の「Slip On Through / This Whole World」はいずれもチャート入りを果たせず、アルバム発売後に出た2枚のシングルも同様だった。
一方、イギリスではやや事情が異なった。ビーチ・ボーイズは同年6月、「Cotton Fields」で久しぶりの全英TOP5ヒットを記録。この曲はアルバム『20/20』に収録曲として発表されてから約16か月が経っていたが、その成功を受けてキャピトルは新たなベスト盤『Greatest Hits』の発売に踏み切った。この判断は功を奏し、同作は20週間にわたってチャート・インし、最高5位を記録した。
そのため、バンドの新たな所属先となったリプリーズ/ワーナーは、『Sunflower』のイギリス発売を同年11月まで延期。ようやく発売された同作は全英チャート最高位となる29位で初登場し、『Greatest Hits』とともにTOP40入りを果たしたが、商業的には後者のほうが長くチャートに残ることとなった。
しかし、『Sunflower』そのものの評価は、その後ますます高まっていった。1997年に発表された批評家選出による「史上最高のアルバム100」では66位に選ばれ、ビーチ・ボーイズ作品としては6位に入った『Pet Sounds』に次ぐ高順位となった。発売当時のセールスとは裏腹に、『Sunflower』は時間をかけて開花し、現在では彼らの重要作のひとつとして広く愛されている。
Written By Paul Sexton
ビーチ・ボーイズ『Sunflower』
1970年8月31日発売
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