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ザ・ビートルズの新たなサウンドへの扉となった「Tomorrow Never Knows」

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ザ・ビートルズが革命的なサウンドへの飽くなき実験を始めた「Tomorrow Never Knows」のレコーディングを始めたのは1966年4月6日だった。その日、ザ・ビートルズはアビイ・ロード・スタジオにてアルバム『Revolver』に収録されることになるこの曲の制作を開始したのだ。

これは前作『Rubber Soul』を急いで完成させようとしていた1965年11月8日以来となるアビイ・ロードで行ったレコーディングだった。その約5か月間で彼らはアーティストとしての、そしてレコードで何を実現できるかという想像力のパレットを大きく広げていた。

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Tomorrow Never Knows (Remastered 2009)

1966年4月6日の夜、アビイ・ロードの第3スタジオで19時から22時まで3時間のセッションが予定されていた。しかしながらその予定は大幅に過ぎ、当時のレコーディング・シート(ジョブno.3009)に記録されていた時間は20時から深夜25時15分と5時間を超えていた。我々が「Tomorrow Never Knows」として愛するようになり、その4か月後の1966年8月にリリースされる『Revolver』の最後に収録されたこの曲は、当初「Mark I」と名づけられていた。

その夜、ザ・ビートルズはリズム・トラックの制作に集中し、翌日は革命的なテープ・ループ、逆回転レコーディングやヴァリスピード・レコーディングをオーバーダブした。新たな意識へと大きく前進したジョン・レノンの歌詞「Turn off your mind, relax and float downstream / 頭をオフにして リラックスして河口まで流れればいい」と、冒険的で新しいサウンドの相性は完璧で、そこにはプロデューサーのジョージ・マーティンと新しくエンジニアに昇進したジェフ・エメリックによる後押しもあり、出来上がった楽曲は今までにザ・ビートルズはもちろん、他の誰もが挑んだことのないようなものになった。

3度のテイクが録音され、当初は妥協のない轟くようなサウンドが録音された。そのテイクは31年後の1996年に発表された『Anthology 2』で初めて公式に聴かれることになる。完成したオリジナルの楽曲はより計算されたものとなり、楽曲タイトルはリンゴ・スターが発した「Tomorrow never knows」という不思議な発言を覚えていたジョン・レノンによって付けられた。

その歴史的なレコーディング・セッションの翌日の午後、見事なエフェクトのミックスが加わり、そこにはワイン・グラスの音までも含まれた。曲の最初にある独特なカモメの鳴き声は、ギターをスピード・アップさせたもの。ジョン・レノンはジョージ・マーティンに「ダライ・ラマが最も高い山頂から歌っている」ようなサウンドにしたいと伝えていた。ザ・ビートルズはまさに新たな高みへと登り続けていたのだ。

Written by Paul Sexton



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