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クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのセカンド・アルバム『Bayou Country』

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ヒット・シングル「Proud Mary」と「Bayou Country」を収録した1969年1月発売のアルバム『Bayou Country』はクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(以下、CCR)を有名にした。

「東海岸から出現したCCRは、そのしびれるR&Bサウンドで知られるサンフランシスコ出身のバンドで、ブルースと揺るぎないロックのレパートリーでリスナーを魅了する」とビルボード誌は1968年6月後半に彼らのデビュー・アルバム『Creedence Clearwater Revival』について評している。その2週間後に店頭に並んだデビュー・アルバムは、ほどなくして全米チャート・デビューを果たした。全米シングル・チャートで11位を獲得した「Suzie Q」のヒットもあり、アルバムは最高52位にランクインした。その後、そのささやかな成功に後押しされCCRは、1968年10月にハリウッドにあるRCAのレコーディング・スタジオにてセカンド・アルバム『Bayou Country』の制作に取り掛かった。

『Bayou Country』はその年のうちに完成し、1969年1月6日には店頭に並んだ。ファンタジー・レコードは、このアルバムの発売に先立って、「Born on the Bayou」をB面にカップリングしたシングル「Proud Mary」をリリース。月末になる頃には両面シングルが全米シングル・チャート入りを果たし、3月には3週間連続で最高2位にランクインした。その時の1位はトミー・ロウの「Dizzy」だった。

シングル「Proud Mary」が発売された一週間後にアルバム『Bayou Country』がリリースされた。シングルの勢いに後押しされ、『Bayou Country』は全米アルバム・チャートを着実に昇り続け、4月初旬にはTOP10入りを果たし、5月には7位にランクインした。それは偶然にも「Bad Moon Rising」がシングル・チャートに登場した同週であり、8月に彼らがウッドストック・フェスティバルに出演する2週間前に発売されることになる3作目『Green River』への期待を高めた。

沼地のような雰囲気が漂う「Born on the Bayou」はアルバムのオープニングトラックとして収録されており、アルバムの雰囲気の基盤作りをしている。「Bootleg」と「Graveyard Train」の両曲はブードゥー教やニューオーリンズの神秘性、そして北部とカリフォルニアの海岸線に位置する街からまた違ったアメリカの雰囲気を伝えている。それらの曲の力強さとポテンシャルに感謝する人は多くなかったかもしれない。評論家たちの極控えめにこの作品を評価し、ローリング・ストーン誌でさえも「良い曲は良いが、悪い曲は全く良くない」と評している。

『Bayou Country』のレコーディングを開始する前に、ジョン・ファガティはすでに多くの曲を書き上げており、その中にはまだタイトルの決まっていなかった「Proud Mary」も含まれている。「曲のタイトルを書いたノートを見返すと ‘Proud Mary’がそこにあって、それが回転する船の外輪を思い出させた。まるで川船のサウンド!それこそが魔法であり、神話であり、ブードゥーだったんだ。そして ‘Proud Mary’と名付けられた船の物語を書き始めた。船が中心キャラクターだ。そうやってあの曲は完成した。それ以上の話はない」。

Creedence Clearwater Revival – Born On The Bayou (Lyric Video)

 

不思議なことに「Proud Mary」はアルバム7曲中、6番目に収録されている。世間一般的な通念からすると、一番力を入れたい曲をその順に収めることは理想ではないが、ここではそれが上手くいっている。B面はリトル・リチャードの「Good Golly Miss Molly」のカヴァーで始まるが、もうそれはカヴァーとは呼べない。傑作ロックンロール・ソングを完全なCCRの作品として作り直しているからだ。

ブルース・トラック「Penthouse Pauper」は「Proud Mary」の前に収められており、こちらもジョン・フォガティの情熱的なリード・ギターが、ダグ・クリフォードのドラムとスチュ・クックのベースから成る素晴らしいリズム・セクションをバックに際立っており、バンドとこのアルバムを代表する曲となっている。

キャンド・ヒートのようなブギー・トラック「Keep on Chooglin’」は全体を象徴しているが、トラックの原動力となる典型的なジョン・フォガティのリード・ヴォーカルと情熱的なギターも印象的だ。完璧に近いアルバムにとっての完璧な最終トラックと言えるが、彼らが成功を収めた他の作品に比べると過小評価されている。

「Proud Mary」と「Bad Moon Rising」がヒットしたお陰で、ウッドストックのステージに立った頃には、CCRはアメリカで最も人気のあるバンドの一つとなっていた。同フェスティバルでの1時間近いステージではどちらの曲も演奏し、その他にも『Bayou Country』から「Bootleg」と「Keep on Chooglin’」を披露した。そしてアルバムのオープニング・トラックである「Born on the Bayou」でステージは幕を開けた。

最後はジョン・フォガティの言葉で締めくくろう。

「ウッドストックに出演する頃には、自分たちがナンバーワン・バンドだと思っていた。ビートルズが神だとするならば、そのすぐ下に自分たちがいる、と」

その考えはあながち間違いではなかった。

Written By Richard Havers


『Bayou Country (40th Anniversary Edition)』


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