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映画を通じた音楽との出会い:ジョン・ヒューズ、タランティーノ、ウェス・アンダーソン

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映画のオリジナル・スコアは映像に合わせて作られるものだが、完璧なサウンドトラックを創造するということは、それ自体が芸術だ。絶好のタイミングで流れるその場面に相応しい曲は、登場人物の感情を伝え、より深いテーマを示唆したり、観る者の心に映画ならではの瞬間を永遠に焼き付けることが出来る。極上の映画サウンドトラックは、時代のスナップ写真としての役目を果たし、特定の音楽が世を席巻した時代を記録したり、往年の名曲に光を当てて現代の状況に当てはめ直したりすることが出来るのである。

ストリーミングで音楽を聴くことが一般的になる前の時代、サウンドトラックは、それまで知らなかった音楽を人々が発見するための、事実上のミックステープとして用いられていた。それが小綺麗に商品化される前のアンダーグラウンドな最先端アーティストの曲であれ、あるいは昔の曲に再び光を当てるために戦略的に選び取ったものであれ、サウンドトラックは若い世代の聴き手の要望に応える創造的ツールかつマーケティング・ツールとしての役割もしばしば担っていた。またサントラは、VHS発売前に観客が頭の中で名場面を再生しようと際に記憶を蘇らせてくれる、映画の記念品としての機能も果たしていた。

近年、音楽に重きを置いた数々のヒット映画のおかげで、サウンドトラックの人気が復活していることから、今回は作品の中心に音楽を据えた、映画サウンドトラック傑作選を幾つかご紹介していきたい。

映画サウンドトラックについて語る場合、その多くがジョン・ヒューズ監督に始まり、ジョン・ヒューズ監督に終わる。人々に愛されたこの映画監督は、ティーンエイジャーの実存主義を銀幕の歴史に留めただけでなく、独特な不朽のミックステープを世に送り出してきた。映画『ブレックファスト・クラブ』で、主要登場人物の一人であるジョン・ベンダー役のジャド・ネルソンが拳を不敵に突き上げるシーンで流れていた、シンプル・マインズの「Don’t You (Forget About Me)」は、ある世代にとって公式アンセムと化した。OMDの「If You Leave」や、トンプソン・ツインズの「If You Were Here」、そしてもちろん、サイケデリック・ファーズの「Pretty In Pink」(その後1986年に、彼は同名映画の脚本・製作総指揮を担当)等、ニュー・ウェイヴのヒット曲を好んで使う傾向にあったジョン・ヒューズ監督は郊外という舞台設定を、様々な再発見に満ちスタイリッシュな服装をした若者達が大勢暮らしている場とする新たな概念を作り上げた。

映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』では、INXSや、ザ・スミス、エコー&ザ・バニーメンの楽曲に挟まれる形で、オーティス・レディングの「Try A Little Tenderness」に合わせ、ダッキー役のジョン・クライヤーが恍惚としながら激しいダンスを踊る象徴的なシーンがある。サウンドトラックには収録されなかったものの、同曲は今も尚、この映画における忘れられない重要な一部だ。同様のことが、映画『フェリスはある朝突然に』におけるウェイン・ニュートンの「Danke Schoen」にも言える。この曲は当時、発表から20年以上が経っていたが、主役フェリスを演じるマシュー・ブロデリックが同映画のパレードのシーンでそれを披露したことから、突如、最新流行の曲となった。ジョン・ヒューズ監督は古き良きR&Bも好きで、“口パク”も好んでおり、映画『大災難P.T.A.』では、デル・グリフィス役のジョン・キャンディがレイ・チャールズの「Mess Around」に合わせて運転しながら踊るという、ご家庭では決して真似してはいけない抱腹絶倒のシーンで観客を喜ばせた。

Ray Charles – Mess Around (Planes, Trains & Automobiles Part)

 

『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』が引き続き典型的なティーン映画のサウンドトラックとなっている一方、それ以前のジョン・ヒューズ監督映画『ときめきサイエンス』では、疑問の余地がある男女間の駆け引きを描きつつ、飛び切り魅力的なサウンドトラックがそれを補っていた。そこにはマイク・オールドフィールドの「Tubular Bells」から、オインゴ・ボインゴが手がけた主題歌、そしてジェネラル・パブリックの「Tenderness」までが含まれており、うち「Tenderness」は、同監督の更に以前の作品『すてきな片想い』と、そして後にはまた別の青春映画でエイミー・ヘッカーリング監督作品『クルーレス』にも登場している。

アメリカの階級意識や、10代の恋愛、そして若者文化を余すところなく抽出し、そこにジェーン・オースティンの小説『エマ』のひねりを加えた『クルーレス』は、青春映画というジャンルを刷新。そしてそのサウンドトラックは、オルタナ・ロックからポップ、ラップ、そして懐かしの名曲のカヴァーを含む(但し、注目すべきことにグランジは除く)前後10年間の様々な音楽シーンを取り上げた複数のジャンルにまたがるものとなっていた。プラチナ・ディスクを獲得したこのサウンドトラックにはキャピトル所属アーティストが満載で、カウンティング・クロウズがカヴァーしたサイケデリック・ファーズの「The Ghost In You」や、ルシャス・ジャクソン、ポップ・パンクのスモーキング・ポープス、そして映画『デンジャラス・マインド/卒業の日まで』のサントラで人気を高めていたクーリオの曲が収録されているだけでなく、当時一大ムーヴメントを巻き起こしていたブリットポップにも目を配っており、スーパーグラスのティーン・アンセム「Alright」までもが含まれていた。

『クルーレス』のサントラには、モット・ザ・フープルの「All The Young Dudes」やキム・ワイルドの1981年のヒット「Kids In America」といった素晴らしいカヴァーに加え、インディ・ファンの興味をそそるような楽曲も盛り込まれており、カレッジ・ラジオの定番だったヴェロシティ・ガールの「My Forgotten Favorite」や、レディオヘッドの曲を収録。レディオヘッドは劇中で“大学ラジオ局のお涙頂戴ミュージック”と評されていながらも、「Fake Plastic Trees」のアコースティック・ヴァージョンを提供している。映画『クルーレス』のサウンドトラックが永続的な人気を保ち続けているのは、音楽監督を務めたカリン・ラットマンに負うところが大きい。彼女は当時、他にも『ブギーナイツ』や、『レザボア・ドッグス』、『パルプ・フィクション』など、卓越した映画サウンドトラックの音楽・選曲を担当していた。

ジョン・ヒューズ監督が80年代の映画サウンドトラックの偉大なる開拓者であったとするなら、クエンティン・タランティーノは90年代の映画サントラを代表する監督であった。でなければ、『レザボア・ドッグス』に収録されたハリー・ニルソンの「Coconut」が1992年に大学パーティーの定番曲となったことを、他にどうやって説明できるだろう? クエンティン・タランティーノ監督の作品リストに基づけば、彼が名作映画の熱心な研究家であっただけでなく、名作アルバムにも強い興味を抱いていたことは明らかだ。こういった点からすると、彼はジョン・ヒューズ監督よりもマーティン・スコセッシ監督の方により大きな借りがあると言える。つまり、しばしば陰惨な場面で往年の名曲を使うことにより、その意味を完全に再定義する結果となるという、マーティン・スコセッシ流のコツを習得したというところだ。

クエンティン・タランティーノ監督は、アルバム『The Tarantino Experience: Ultimate Tribute To Quentin Tarantino』のライナーノートで自らこう説明していた。「映画の構想が浮かぶと、僕は自分のレコード・コレクションを端から聴いて、ひたすら曲をかけ、その映画の性格、その映画の精神を見つけ出そうとするんだ」。こういった逆行分析の結果、映画『パルプ・フィクション』の冒頭では“キング・オブ・サーフ・ギター(=サーフ・ギターの王様)”ことディック・デイルの「Misirlou」が流れており、ナンシー・シナトラの「Bang Bang (My Baby Shot Me Down)」が復讐のバラードとなった。そしてスティーラーズ・ホイールの「Stuck In The Middle With You」を聴く度に人々が胸の疼きを感じる理由も、そこから伝わって来よう。

映画監督は90年代を通じて、洗練されたサウンドトラックを伴うことによって自身の信頼性をより一層確立しようとし、それぞれに特徴的な音楽の代名詞的存在となった。ローリング・ストーン誌の記者から映画監督・脚本家となったキャメロン・クロウは、ジョン・ヒューズ監督の任務を引き継ぎ、専門家ならではの名サウンドトラックの数々を世に送り出している。例えば、思春期から大人に成長するまでの厄介な道のりを描いた『セイ・エニシング』や、グランジ色の濃い『シングルス』。後者のサントラには、架空アーティストのポンシアー名義でクリス・コーネルが参加している。そしてキャメロン・クロウ監督の半自伝的映画『あの頃ペニーレインと』は、架空の70年代スタジアム・ロック・バンドを題材としており、そこでも10代の若者がイエスの「I’ve Seen All Good People」を口ずさんでいたり、また同作はエルトン・ジョンの「Tiny Dancer」の人気再燃にも貢献したりした。

多くのティーンエイジャーにとって、映画のサウンドトラックは、それと出会わなければ足を踏み入れることがなかったかもしれないシーンへの入り口ともなった。パンク青春映画『SLC Punk!!!』で、LAのハードコア・バンドのザ・フィアーの曲を聴きながら、足枷に繋がれたような郊外の暮らしから逃れることを夢見ていたパンクスの卵もいれば、ケヴィン・スミス監督の作品『クラークス』『モール・ラッツ』に端から夢中になっていたスケーター・キッズもいたし、映画『ハウス・パーティ』のサントラに収録されていたキッド・イン・プレイやパブリック・エネミーの曲に合わせて踊っていた者もいた。ほぼ全てのティーンエイジャーが『エンパイア・レコード』のサントラを持っており、そして「あんな野郎、くそくらえだ(ダム・ザ・マン)!」という映画のフレーズを自分達のボキャブラリーに組み込んでいたことは言うまでもない。

映画のサウンドトラックは、アーティストが国際的なブレイクを果たす際にも、極めて重要な役割を果たした。もしザ・ヴァーヴやプラシーボの曲が、映画『クルーエル・インテンションズ』のサウンドトラックに含まれていなかったら、彼らは米国でこれほど大きな注目を浴びていただろうか? もし映画『トレインスポッティング』のサントラがなかったら、UKエレクトロニック・アクトのアンダーワールドが、米国で誰もが知る存在となっていただろうか?

アート・シアター系映画もまた、映画サウンドトラックを生み出す豊かな土壌となった。ポール・トーマス・アンダーソン監督は、映画『ブギーナイツ』を通じて90年代にディスコを復活させ、またコーエン兄弟は、映画『ビッグ・リボウスキ』で、ケニー・ロジャースの「Just Dropped In (To See What Condition My Condition Was In)」や、ジプシー・キングスがカヴァーした「Hotel California」、そしてクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの曲を多数用い、究極のストーナー・サウンドトラックを作り上げた。また南カリフォルニアの架空の街を舞台に、花形スターが主役カップルを演じた、バズ・ラーマン監督の野心的なリメイク作品『ロミオ+ジュリエット』では、バットホール・サーファーズや、ガービッジ、レディオヘッドら、90年代の人気アーティスト勢の楽曲が、アルバム2枚分に渡って使われている。

The Big Lebowski – Gutterballs

 

こういった傾向は00年代まで続き、他の様々なインディペンデント系の映画監督が、自身の優れた音楽センスを試験的に披露する場として、お気に入りアーティストの楽曲を使った映画サウンドトラックを念入りに作り上げていた。エールの幻想的な「Playground Love」を聴けば、ソフィア・コッポラ監督の『ヴァージン・スーサイズ」を思い出さずにはいられないし、また、埋もれていたボリウッド・ナンバー「Jaan Pehechan Ho」を聴けば、ダニエル・クロウズの人気コミックを映画化した『ゴーストワールド』が頭に浮かんでくるはずだ。

しかし00年代以降、サウンドトラック音楽における真の流行の担い手となったのは、ウェス・アンダーソン監督である。デビュー映画『アンソニーのハッピー・モーテル』で、ウェス・アンダーソン監督と、彼を支えた音楽監督ランドール・ポスター及び伝説的バンドのディーヴォのメンバーで作曲家のマーク・マザーズボーから成る夢の最強チームは、スクリーンに映し出される突飛な世界と奇抜な登場人物達を描き出すのに、音楽を活用。ウェス・アンダーソン監督ほど、自身の作品と音楽とを切り離せないものにした映画監督は殆ど他にいなかったと言え、それによって彼は、映画界における究極のサンプラーの地位を築き上げた。

クエンティン・タランティーノ監督同様、ウェス・アンダーソン監督は、撮影前にまず自分の用いる音楽を先に選び、選んだ曲を元にして登場人物や物語を練り上げ、時の流れの中で忘れられてしまった、あまり世に知られていないアーティストのためのミュージック・ビデオのような印象を受ける、数々のシーンを作っていった。映画『天才マックスの世界』で掘り下げられているのは、ユニット4+2や、クリエイション、チャド&ジェレミーを含む、ブリティッシュ・インヴェイジョン勢の中でも知名度が低めのアクトだ。映画『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』では、ニコや、エリオット・スミス、ニック・ドレイクの曲が使われているが、不満を抱えた都会の人々が聴く曲として、彼ら以上に相応しいものが他にあっただろうか? だが恐らく、彼が打った最も見事な一手は、映画『ライフ・アクアティック』で、歌う船乗り役にブラジルのシンガーソングライター、セウ・ジョルジを起用したことだろう。この映画は当たったとは言えないかもしれないが、セウ・ジョルジがポルトガル語で歌ったデヴィッド・ボウイの曲のアコースティック・サンバ版カヴァー集はヒット作となった。

2010年代、サウンドトラックのCD市場が枯渇し始めると、音楽監督や各レーベルは最早、オリジナル曲の制作依頼に巨額な予算を投じることが出来なくなった。しかしストリーミング・サービスの時代に入り、映画サウンドトラックは復活と救済の時を迎える。シンクロ権の許諾を得ることにより、往年のアーティストと当世のアーティストの両方が、同時に新たなファンに自身の音楽を伝えることが可能になり、また映画ファンの方も、より幅広いディスコグラフィを探究できるようになったのである。つい先頃の2017年、クラシック・ロックを中心とする『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサウンドトラックは、既発曲のみで構成されたサントラ・アルバムとしては初めて、全米アルバム・チャートで1位を獲得した。

『ガーディアンズ〜』の成功に伴い、他の映画監督もそれに追随。例えば、エドガー・ライト監督の『ベイビー・ドライバー』が良い例だろう。但しエドガー・ライト監督はそれまでに、ベックのオリジナル曲を収録した『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』や、『ショーン・オブ・ザ・デッド』 等、素晴らしいサウンドトラック・アルバムを制作し、強力な実績を残している。それがどんな媒体であろうと、つまり、例えば映画『卒業』の古いLPであれ、カセットに入った『ラストゲーム』のサントラであれ、また映画『24アワー・パーティー・ピープル』のサントラCDであれ、映画のサウンドトラックは今も健在だから、ご安心を。

Written By Laura Stavropoulos

♪ プレイリスト『ベスト・サウンドトラック・エヴァー


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