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R.E.M.『New Adventures In Hi Fi』25周年記念盤発売決定。メンバーが振り返るコメントも掲載

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R.E.M.の10枚目のスタジオ・アルバム『New Adventures In Hi-Fi』の25周年を記念して、2021年10月29日に25周年記念エディションがリリースされることが決定した。そのリリースに先駆けて、先行シングル「Leave (Alternate Version)」が公開された。

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R.E.M. – Leave (Alternate Version) (Official Audio)

メンバーが語る『New Adventures In Hi-Fi』

「Leave」は元々はダニー・ボイル監督のハリウッドデビュー作『普通じゃない』のサウンドトラック用に録音されたシングルで、今回は『New Adventures In Hi-Fi』に収録されているサイレンのないヴァージョンでマイケル・スタイプがヴォーカルを録り直しており、こうコメントしている。

「(オリジナルの)“New Adventures In Hi-Fi”に収録されているヴァージョンよりも、今回のヴァージョンの方が好きかもしれない…いや、好きというよりも、歌詞の内容が違っているんだけどね」

1996年9月にリリースされた『New Adventures In Hi-Fi』は、R.E.M.のアルバムの中でも最も評価の高い1枚で、バンドメンバーやファンの間でも人気の高い作品。アメリカではプラチナ認定を受け、全米アルバム・チャートで2位を記録。オーストラリア、イギリス、カナダなど10カ国以上で1位を獲得し、世界的な成功を収めた。批評家からも高い評価を受け、Rolling Stone、Spin、Mojo、Entertainment Weekly、NMEなどのメディアでその年のベスト・アルバムの一つに選ばれており、R.E.M.の作品の中でもトップ・アルバムとして挙げられることもある1枚だ。

また、R.E.M.の絶頂期に録音された本作品は、ドラマーであり創設メンバーでもあるビル・ベリーとの最後のアルバムでもある(翌年に脱退)。しかし、最も注目すべき点は、このアルバムが、1995年のMonsterツアー中に曲作りとレコーディングを行うという、バンドにとってユニークな創造的アプローチを採ったことだ。

R.E.M.にとって、ツアー中に新曲を作ることは珍しいことではなかったが、『New Adventures In Hi-Fi』はそれまでの彼らの作品とは異なっていた。R.E.M.は、ツアーを開始するにあたり、あらゆる感情や経験をそのまま記録した抽象的な旅行記を作ろうとした。ベーシストのマイク・ミルズはライナーノーツの中で次のように説明している。

「私たちは、ツアー中のことを歌うのではなく、ツアー中のレコードを作りたかった。旅をしている感覚を、レコードの音や感触に表れるようにしたかったのです」

バンドは移動式レコーディング・トラックで移動し、サウンドチェックの際に新曲を8トラックに収録した(他にも楽屋やツアー・バスの中でも収録)。ギタリストのピーター・バックはジャーナリストのブラックウェルにこう語っている。

「”自分たちに挑戦しよう “という考えでした。それまではそんなことはほとんど考えていなかったのですが、この作品では私たちの現在の状況を正確に示すことができると思いました。このレコードは、その時点での私たちの姿を表現しようとしたものなのです」

1995年1月から始まったこの1年間のツアーは、R.E.M.にとって6年ぶりのものだった。世界最大級のバンドとして、R.E.M.はソニック・ユースやレディオヘッドなどのサポートを得て、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、日本のアリーナ級ステージどこをも満員にして演奏した。しかし、このツアーの途中で、健康上の問題が発生。3月にベリーが動脈瘤でステージ上に倒れ、その後1ヶ月間の療養を余儀なくされたのだ。一方、ミルズは6月に腸の手術を受けた。その1カ月後にはスタイプがヘルニアで緊急手術を受けた(本人は「Undertow」の演奏中に発症したと主張している)。

大成功を収めたツアーから戻ったバンドは、長年のプロデューサーであるスコット・リットと共にスタジオに入り、いくつかの最終トラックを録音して、他のトラックの仕上げを行った。その中には、7分にも及ぶ大作「Leave」、伝説のシンガー・ソングライター、パティ・スミスがバック・ヴォーカルを務めた「E-Bow The Letter」、バックがR.E.M.の曲の中で一番好きだと言う「New Test Leper」、そして、アルバムの中でも特にスタイプのロサンゼルスでの生活経験から着想を得た「How The West Was Won And Where It Got Us」などが収録されている。

R.E.M. – E-Bow The Letter (Official Music Video) feat. Patti Smith

発売当時、『New Adventures In Hi-Fi』は総収録時間は65分にも及びR.E.M.にとって最長のスタジオ・アルバムとなった。映画のようなストーリーテリング、心に響くエフェクト、不協和音などが盛り込まれたこのアルバムは、R.E.M.が様々な音の領域を開拓していることを示しており、ベリーはこう語る。

「“Low Desert”は、ただ埃っぽくて、ゆっくりとした沼地のような曲です。この曲を聴くと孤立した気分になるけど、それがいい」

Low Desert

スタイプはさらにこう付け加えている。

「この曲は私たちは砂漠で何をしているのか?アメリカ西部で何をしているのか?この生きられない、住めない場所で我々は何をしているのか?といった疑問を投げかけています」

他にも「Departure」や「The Wake-up Bomb」など、R.E.M.のクラシックなロックの雰囲気が感じられる曲も収録されている。

バンドは、『New Adventures In Hi-Fi』という作品を誇りを持って振り返る。バックのコメントが、それを最もよく表している。

「ほとんどのレコードは、スタジオに入ってただひたすら演奏するだけ。何年か後になって思い出すのは、どこに泊まったかとか、曲やレコーディングのプロセスとか、漠然としたことばかり。でも、今回はすべてを覚えています。それは経験でした。ものすごく大変だったけど、レコードを作った。今までやってきたことと同じくらいチャレンジングなことでした」

credit chrisbilheimer

25周年記念盤の詳細

日本盤は、新たにリマスターされたアルバム音源を収録したディスク1、B面トラックやレア・トラックを収録したディスク2から成るSHM-CD2枚組の初回限定盤でリリースされる。

さらに、R.E.M.のデビュー40周年を記念し、『New Adventures In Hi-Fi』を含め『Green』『Out Of Time』『Automatic For The People』『Monster』などスコット・リットとの共同プロデュース作品、全5作品を初めてハイレゾCDでリリース、加えてBBCに残された貴重なセッション、ライヴ音源を収録したSHM-CD2枚組『The Best Of R.E.M. At The BBC』も同時リリースされる。

輸入盤では、2CD+Blu-rayが発売される。このBlu-rayには『New Adventures in Hi-Fi』のハイレゾと5.1サラウンド・サウンド音源、1996年のプロモーションのために5都市のビルで上映されたもの未発表の64分の屋外プロジェクション・フィルム、未発表の30分の映像、そして「Bittersweet Me」「Electrolite」「E-Bow the Letter」など5本のミュージック・ビデオがHDリストアされたものが収録。さらにジャーナリストのマーク・ブラックウェルによるライナーノーツや、オリジナルのバンドメンバー4人に加え、パティ・スミス、トム・ヨーク、プロデューサーのスコット・リット氏によるコメントも掲載される52ページのハードカバー・ブック。

また、新たにリマスターされたアルバム音源をCohearent Audio社のケビン・グレイがカッティングした180g2枚組LPもリリースされる予定だ。

R.E.M. – New Adventures in Hi Fi (25 Anniversary Edition – Unboxing Trailer)

Written By uDiscover Team



R.E.M.『New Adventures In Hi-Fi』25周年エディション
2021年10月29日発売
2CD+Blu-ray限定 / 国内盤2CD / 2LP



 

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