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クイーン『Queen II』拡張リミックス&リマスター盤ボックス3月27日発売決定。未発表音源多数収録

1974年にリリースされ、クイーン(Queen)がスーパースターの座へと駆け上る道を切り拓いた荘厳なセカンド・アルバム『Queen II』が、この度リミックス及びリマスターされ、拡張版の最新豪華ボックス・セットとして発売されることが決まった。予約はこちら。
全フォーマットに最新2026ミックスを収録した拡張リミックス&リマスター盤の形態は以下の通り
・5CD + 2LP:コレクターズ・エディション
・2CD:デラックス・エディション
・1CD
・180g ブラック・ヴァイナル
・ピクチャー・ディスク・ヴァイナル
・カセット
日本盤は、豪華5CD+2LPボックス『Queen II – Collector’s Edition』が1600セット限定で、1CDが3月27日に発売、2CDデラックス・エディションが4月1日の発売となる。日本盤の先行購入特典として一般店頭(12cm x 12cmのステッカー)、タワーレコード オリジナル特典としてA4クリアファイル、Amazon特典としてメガジャケが決定している。
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不朽の傑作『Queen II』:その評価と最新ミックス
1974年にリリースされた、クイーン史上最もヘヴィな作品の一つである『Queen II』は、彼らが世に送り出した最初の真の傑作として、多くの人々から称賛を受けた。今回は、ブライアン・メイとロジャー・テイラーがエグゼクティヴ・プロデューサーを担当、ジャスティン・シャーリー=スミス、ジョシュア・J・マクレー、クリス・フレドリクソンによるチームが、本作に見事なリミックスを施している。
5CD+2LPから成るボックス・セット『Queen II – Collector’s Edition』には、“2026ミックス”に加え、レコーディング・スタジオにおける自然体のクイーンの面々の様子を捉えた臨場感溢れる音源や、未発表アウトテイク及びデモ音源、ライヴ・トラック、そしてラジオ・セッションの数々が収録されている。さらに全112ページのブックを同梱。未公開写真や、手書きの歌詞、日記、特別な歴史的記念品の画像に加え、曲作りやレコーディング等、本アルバムの制作に関するバンド・メンバーの回想録が掲載されている。
ブライアン・メイはこう語る。
「『QUEEN II』は、僕らが一足飛びで成し遂げた、それまでで最も大きな飛躍だった。追い込まれて、そうせざるを得なかったレコーディング方法ではなく、自分達が心から望むやり方で音楽を作り始めたのが、あの時だったんだ」
ロジャー・テイラーはこう付け加える。
「我ながら信じられないほどの労力を、僕らは『QUEEN II』に注ぎ込んだ。独自のサウンドを進化させていると、自分達でも感じていたんだと思う。いわゆるマルチ・トラック録音という手法を、自分達で開拓しているところだった。それによって、3人だけで歌っているのに、途轍もなく幅広い音色と壮大な合唱効果を生み出すことが出来たんだ」
長年に亘り『QUEEN II』は、数多くのファンからバンドの最高傑作として讃えられてきた。ガンズ・アンド・ローゼズのヴォーカリスト、アクセル・ローズも、次のように語っている。
「クイーンで一番好きなのは『QUEEN II』なんだ。彼らの新作がリリースされる度、あらゆるタイプの音楽が収録されていて、最初のうちは、好きなのはこの曲だなとかあの曲だなとか、気に入るものは限られていた。だけど、しばらく聴いていると、様々な違うスタイルの曲に心を開くようになる。それこそ、俺が自分の音楽で成し遂げられるようになりたいと常々思っていることなんだ」
最新ミックスに込められた意図と制作背景
今回の最新エディションのために行った『QUEEN II』のリミックスの任は、『QUEEN I』のリイシューや、過去のクイーン作品を複数手掛けてきたジャスティン・シャーリー=スミス、ジョシュア・J・マクレー、クリス・フレドリクソンという信頼のおけるチームが担当。そしてブライアン・メイとロジャー・テイラーがエグゼクティヴ・プロデューサーを務めている。
今回の本作に対するアプローチについて、ジャスティン・シャーリー=スミスはこう語る。
「楽曲の明快さをより一層引き出すことが目的だった。何かを加えるのではなく、元々そこに存在していた要素をより顕在化させ、望み通りのサウンドを実現したかったんだ」
ジョシュア・J・マクレーはこう続ける。
「当時の技術で、彼らがあれだけのものを成し遂げたなんて、信じがたいほど凄いことだ。かなり時代を先取りしていた部分もある。今回の作業に当たっては、伝説や神話に出てくる空間に足を踏み入れるような感覚がしたよ」
1973年発表のデビュー・アルバム『Queen I』により、クイーンは音楽界において最も大胆かつ独自性のある新鋭バンドの一つとして、その地位を確立していた。レコーディング過程は問題が山積(結果としてそのサウンドにバンドは不満足であったが、後に2024年のリイシュー盤『Queen I』で修正)であったものの、楽曲の放つ輝きやそれを生み出したバンドの野心を覆い隠すことは出来なかった。
それに続いた本作は、再びソーホー(*ロンドンの中心街)の〈トライデント・スタジオ〉にて、『Queen I』の共同プロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカーと共にレコーディング。ここでクイーンは、バンドの運命を自分達の手で掌握することに成功する。レコーディングに着手する前から彼らは新曲を驚くほど練り上げており、既に弾きこなしていた。早くも1973年9月には、ライヴで「Father To Son」と「Ogre Battle」を披露。その結果、完成したアルバムは、当初の青写真を破棄したというよりも、壮大なスケールで再構築したものとなった。
フレディ・マーキュリーは当時こう語っていた。
「僕は全てを注ぎ込みたかった――やりたい放題にね。特にバンド全体としては、僕らは決して中途半端なことはしないし、僕も自分自身に対してとても厳しい。妥協は一切しない」
『Queen II』の壮大な世界観:楽曲解説
1974年3月8日に英国で初リリースされた『Queen II』は、今日も尚、並外れたサウンドを放っている。大胆不敵かつ猛烈な野心に満ちたこのアルバムは、類い稀なる自信とヴィジョン、そして実力を備えたバンドの作品だ。そこに収録されている楽曲は、複雑に入り組んだものから、粗削りで重厚なものまでと多岐に亘り、殆どオペラ級に重層化されたヴォーカルと、ブライアン・メイの伝説的な“ギター・オーケストラ”によって、他に類を見ない独自サウンドをバンドにもたらしている。
ミック・ロックが撮影した、こちらをじっと見つめる象徴的なジャケット写真——この約2年後に「Bohemian Rhapsody」の画期的なプロモーション・ビデオでバンドが再現——と同様に、『Queen II』は影と光から成るアルバムだ。
伝統的なA面(サイド1)とB面(サイド2)ではなく、クイーンらしい華麗なスタイルで、アルバムを“サイド・ホワイト”と“サイド・ブラック”に分割。
前者にはブライアン・メイの楽曲を中心に、高揚感溢れるロック・ナンバー「Father To Son」や、幽玄で神々しい「White Queen (As It Began)」が収録されている。“サイド・ホワイト”を締め括るのは、ロジャー・テイラーの荒っぽくもほろ苦い「The Loser In The End」だ。
“サイド・ブラック”は、轟音の鳴り響く「Ogre Battle」や、精巧優美な装飾に彩られた「The Fairy Feller’s Master-Stroke」(19世紀の異端の画家リチャード・ダッドによる絵画から着想を得た曲)から、神話風のファンファーレが響き渡る「Seven Seas Of Rhye」まで、マーキュリーの複雑な音楽的挑戦に捧げられている。
“サイド・ブラック”の目玉は、多部構成のミニ叙事詩「The March Of The Black Queen」だ。『Queen II』収録曲の多くと同様、これは栄光に満ちた、クイーンの輝かしい未来を予感させる楽曲であった。
この楽曲についてブライアン・メイはこう語る。
「“The March Of The Black Queen”は、間違いなく“Bohemian Rhapsody”の先駆けだった。フレディの思考レベルは、あの当時ですら、別次元で動いていたんだ。“Father To Son”や“The Fairy Feller’s Master-Stroke”——こういった曲の中にも、後に花開くものの種が聴いて取れる」
最新の“2026ミックス”だけでなく、『Queen II – Collector’s Edition』は全体として、より壮大なキャンバスに同アルバムを描き、新たな額装を施して再構築している。
CD2:『Queen II – Session』:未発表音源で紐解く創造の過程
CD2『Queen II – Session』は、クイーン・ファンにとって宝の山だ。オリジナルのトライデント・セッションからのアウトテイクから、アルバム本編収録各曲の完全に異なるヴァージョン(100%未発表の音源)を収録。出だしの誤りや、ガイド・ヴォーカル、ちょっとしたミス、そしてスタジオ内で交わされている4人のバンド・メンバー間の素敵なやり取りまでが収められている。
個々の曲としても、全体としても、本編と同じ曲の別ヴァージョンが収録されているこの『Session CD』は、この上なく荘厳なこのアルバムがどのように形作られていったかを示している。「Father To Son」や「Some Day One Day」といった楽曲では、完成版とは微妙に異なるガイド・ヴォーカルや曲の構成が聴いて取れる一方、「The Fairy Feller’s Master-Stroke」や「The March Of The Black Queen」では、自分達の書き上げた楽曲を4人が完璧に仕上げようと奮闘している様子が垣間見える。
「ここに収められているアウトテイクは、バンドがどれほどひたむきに打ち込んでいたか、どれほど几帳面だったかを示している」
こう語るのは、本作に収録するのに相応しいテイクを見つけるため、ジャスティン・シャーリー=スミス及びクリス・フレドリクソンと共に何十時間もの音源を精査したジョシュア・J・マクレーだ。
最も興味をそそられるのは、この『Session CD』に収録されている2曲の初期ヴァージョンだ。1曲は、1969年に録音されたブライアン・メイによるソロ版「As It Began」(別名「White Queen (As It Began)」)で、もう1曲はロジャー・テイラーの「The Loser In The End」のソロ・デモ版が2種。それぞれの楽曲が最終形へと進化するまでの過程が、ここで明らかにされている。ジャスティン・シャーリー=スミスはこう語る。
「これらのデモには、他のバンド・メンバーが関わる前に、ブライアンとロジャーが曲でどういったことをやっていたかがよく表れている。彼らの創作過程がよく理解出来て、とても興味深いんだ」
新事実を浮き彫りにするこれらの貴重な音源により、当時の創作プロセスが明らかにされているだけでなく、各トラックの前後で聴けるちょっとした会話の断片やスタジオ内で交わされる冗談が、『Queen II』のみならず、バンドそのものに新たな魅力を加えている。ある時点では、「こんなポップスターごっこは馬鹿馬鹿しくてやってられないよ」と、フレディ・マーキュリーが冗談めかしながら嘆いてみせる。「ポルノ映画の撮影に戻った方がいいかもね」とも。そういった会話から、この伝説的バンドの核を成していた実生活における個人的かつ芸術上の友情が窺い知れる。この部分についてクリス・フレドリクソンはこう説明する。
「リイシュー盤『Queen I』に収録されていたメンバー間のやり取りや軽口を、ファンはとても気に入ってくれていた。今回は恐らくもっと楽しめるんじゃないかな。メンバー同士がどんな風に接し合っているかが聴き取れるんだ。聞いていて本当に面白いよ」
この『Session CD』には、想像力を刺激する高揚感に満ちた「Not For Sale (Polar Bear)」も収録。これは『Queen II』のレコーディング中に取り組んでいたものの、未完成のままになっていたトラックだ。クリス・フレドリクソンがこう説明する。
「この曲のことは知っていたし、複数のテイクが存在することも分かっていたけれど、どのマスター・バッキング・トラックを土台にするか、彼らは決めていなかったんだ。数年前には存在すらしなかった技術が今はあり、彼らの演奏とフレディの歌声から最高のものを引き出すことが出来た」
CD3:『Queen II – Backing Tracks』:バンド演奏の真髄
CD3『Queen II – Backing Tracks』は、アルバム本編と『Session CD』の両方を補完する内容となっており、アルバム収録曲からリード・ヴォーカルを取り除いたミックスを提供。バンド・メンバー達の卓越した輝かしい演奏ぶりを際立たせている。ジャスティン・シャーリー=スミスはこう語る。
「彼らの演奏は、正に圧巻と言うべき素晴らしさだ。自分達がやっている何もかもを完全に支配し、自由に操っているバンドの音がここにある」
CD4:『Queen II – At The BBC』:貴重なBBCセッション音源
CD4『Queen II – At The BBC』では、1973年末から1974年初頭にかけ、〈BBCレディオ1〉のDJであり初期クイーンの支援者でもあったジョン・ピールとボブ・ハリスの番組用に、バンドが3度に分けて録音したセッションからトラックを抽出している。
そのうちの2曲、後にシングルB面曲となる「See What A Fool I’ve Been」と、興味を掻き立てる「Ogre Battle」の別ヴァージョンは、それぞれ1973年9月と12月に、ハリス司会の番組『Sounds of the 70’s』と、ジョン・ピールの番組用にレコーディングされたものだ。これは『Queen II』のリリースより数ヶ月先んじており、彼らがデビュー作から飛躍的な進化を遂げたことがここで証明されている。さらに2曲、1974年4月にハリスの番組用に録音された「Nevermore」と「White Queen (As It Began)」は、意欲満々のクイーンをBBCのテープに捉えた音源だ。
『At The BBC』を締め括るのは、『Queen II』発売の丸6ヶ月前、1973年9月13日に〈ゴールダーズ・グリーン・ヒッポドローム〉でBBCの放送用に行ったライヴで録音したセットだ。ここで聴ける8曲には、未来を掴み取る準備が出来たバンドの姿が表れている。
CD5:『Queen II – Live』:ステージでの熱狂
『Collector’s Edition』の最後を飾るのは、CD5『Queen II – Live』である。ここには、1974年3月31日、ロンドン北部の伝説的な会場〈レインボー・シアター〉で行われたコンサートと、1975年12月の〈ハマースミス・オデオン〉公演で披露された本アルバムの曲を収録。
ハイライトは、灼け付くように熱い「Father To Son」と、凄まじい幻想曲「The Fairy Feller’s Master-Stroke」、そして「White Queen (As It Began)」と「The March Of The Black Queen」という壮大な陰陽の叙事詩で、このバンドの際立った個性のあらゆる側面が余すところなく発揮されている。
1974年、ロジャー・テイラーはこう語っている。
「僕らのセットは最初から最後まで熱狂的で、ステージに上がると、全速力でぶっ飛ばし、激しく動き回って、そしてステージから去って行く。観客は呆然としたまま立ち尽くして、一体何が起きたんだ?と頭をひねるのさ」
112ページ・ブック:未公開資料で紐解く歴史
『Collector’s Edition』に同梱される112ページのブックでは、『Queen II』にまつわる途方もない物語がさらに掘り下げられている。本アルバムとそれを生み出したバンドの両方を従来とは異なる観点から見直している同書には、ミック・ロックによる『Queen II』ジャケット撮影時の未公開アウトテイクをはじめ、未公開写真を多数掲載。
フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーによるアルバム収録曲の手書き歌詞や、記譜、日記、友人や支援者達に宛てた手紙、年代物の当時の広告やライヴ・ポスターの画像など、数多くの歴史的記念品の写真が掲載されており、『Queen II – Collector’s Edition』を多次元的な体験へと昇華している。
『Queen II』:クイーンが世界に放った最初の頂点
初リリースから52年を経た現在も尚、『Queen II』は、クイーンがそのキャリアの中で成し遂げてきた数々の偉業の中で最初に迎えた頂点であり、世界に向かって「これが僕らの本質であり、これが僕らの実力だ」と宣言し続けている。ブライアン・メイはこう語る。
「多層的な歌声とオーケストレーションという道を、僕らは猛烈な速さで突き進んでいた。そしてその全てが、正に夢の実現だったんだ。僕らの頭の中に長年あったものを、ようやく形にすることが出来たんだよ」
そしてロジャー・テイラーが付け加えた。
「このアルバムは、他の誰の作品にも似ていないと思う。僕らは、精神的なアイデンティティや、グループとしてのアイデンティティを獲得して、自分達のやるべきことをやっただけなんだ」
ブライアンとロジャーが語る『Queen II』
「今回の新たなステレオ・ミックスは実に冒険的だ——そして、これらの楽曲が持つあり得ないほどの複雑さを解釈し直して引き出した、新たな明瞭さには度肝を抜かれたよ。我らがサウンド・チームの尽力によって、どうすれば星に手が届くのか、その方法を僕らが学んでいた頃に作ったこの一昔前の作品が、僕らと同じように、こういった一部の者達だけが理解できる難解な夢を大切に思う多くの人々に、新たな世界を開くことになるだろう」――ブライアン・メイ
「僕らは皆、それぞれが様々なものから影響を受けていたけれど、その多くが共通していたんだ。そこに4人の個性が加わって、あの作品が生まれたというわけだ。この時点でのフレディは、曲作りの面でかなり主導的だったね。非常に複雑な楽曲を書くのは彼だった。彼の脳がそう働いていたってことだよ。彼は正に絶好調だった」――ロジャー・テイラー
「『Queen II』をリリースした当時、僕らがロック音楽を見捨てたと考えた人が多勢いた。『”Liar“や”Keep Yourself Alive“のような曲をやったらどうだ?』と言われたよ。僕らに言えたのは、『もう一度聴いてみてくれ、そこにちゃんとあるから。ただ全てが重層的になっているだけだよ。新しいアプローチなんだ』ということだけだった。近頃は『“Queen II”のような演奏をしたらどうだ?』と人々に言われる。僕はこのアルバムが大好きなんだ。完璧ではないし、若さゆえの不完全さも過剰なところもある。でもあれは僕らにとって史上最大の飛躍だったと思う」――ブライアン・メイ
「『Queen II』には、“The March Of The Black Queen”という途轍もないほど長くて複雑な楽曲がある。物凄い回数のリハーサルと幾度もの歌唱を重ねて作り上げ、とても沢山の異なった小節で構成されていたんだ。多くの点において“Bohemian Rhapsody”よりも遥かに複雑なんだ。“Bohemian Rhapsody”が持っていたあらゆる要素の全てが備わっていた。その複雑さゆえに、僕はこのトラックを聴くのが好きなんだ。僕らがあの全てを覚えたなんて信じられないよ。本当にめちゃめちゃ長くて大変な作業だったけれど、満足感があったな」――ロジャー・テイラー
「そう、フレディが書いた“The March Of The Black Queen”は、正に“Bohemian Rhapsody”の先駆けだと思う。その複雑さは計り知れないね。果てしないほど想像力が豊かなだけでなく、細かいドラマの断片や、コーラスの断片、ギターの断片、重厚さの断片、優しさや脆さの断片がこの曲には存在している。全てがそこにあるんだ。そこに描き出されている絵の元となった彼のパレットと僕らのパレットは、とても似通っている」――ブライアン・メイ
「“The Fairy Feller’s Master-Stroke”は、驚くほど複雑で、“Bohemian Rhapsody”と同じくらい、世の中に人々にとっては衝撃的な曲のはずだ。というのもこれは、他に類のない楽曲だからね。こんな曲は今まで誰もやったことがない。現れては消えていく数々の小さな断片や、高い鈴の音のような響き、対位法的な要素等々、彼がこっちの方で何かを奏でている間、僕はあっちの方で別の何かを弾いているといった具合だ。そういった全てを僕らは混ぜ直した。そういう全てを上手く機能させるというのは、魅力的なことなんだよ」――ブライアン・メイ
「これは信じられないほど複雑なんだ。急降下していくような対位法的な6声部のハーモニーがあちこちに散りばめられている。この曲は、全く厄介なほど入り組んでいるね。かなり短い曲ながら、その奇抜さゆえにより素晴らしいと思う。愉快で、興味深いトラックだよ。予想していたほど大きな反響は得られなかったけれど、奇抜な技巧を過剰なまでに凝らした、好奇心を掻き立てる実験作だ」――ロジャー・テイラー
「『Queen II』では、初めてスタジオ内で一定の自由が許された。ファースト・アルバムではそうはいかなかったんだ。それで基本的に以前よりも良い音になり、僕らが目指していたサウンドに近づいた。完璧とは程遠い部分もあると思うけれど、全体的には概して理想に近づけたし、スタジオ内での作業や成果についても、ある種の自信が付きつつあった。まあ、過信だと言う人もいるだろうけどね」――ロジャー・テイラー
「僕はこれまでもずっと『Queen II』を熱烈に支持してきた。というのも、これが飛躍的な一歩だったと思っているからね。ほんの数時間の空き時間を除いては、スタジオを殆ど使わせてもらえなかったバンドが、実際にスタジオ時間を確保出来るバンドへと変わっていく。自分達で思い切り自由にやれる。実験や試行錯誤が出来る。そして『Queen II』では、テープというキャンバスに絵を描くように、僕らは実際大きな飛躍を遂げた。僕はあのアルバムが大好きだよ。今もね。ただ、『Queen II』は、ロック界の同業者仲間の一部ではあまり高い評価は受けなかったんだ」――ブライアン・メイ
「僕らは固い絆で結ばれた、仲睦まじい小さな家族だった。僕ら4人と、エンジニアのマイク・ストーン、プロデューサーのロイ・ベイカー。そして全員が変革期にあった。家族単位で活動するように、スタジオを活用する方法を皆で学んでいたんだ。どうして僕が家族という言葉を使うのか、自分でも分からないんだけど、そんな風に感じていた。皆それぞれ果たすべき役割があり、自分達に何ができるかを理解していた。限界をさらに押し広げていたんだよ」
「正直、凄く刺激的だった。特にフレディとの作業はね。彼の創造力は圧倒的だったから。でも、実際、どの楽曲に取り組む場合も、4人のうち誰が持ち込んだ曲であれ、そのプロセスは浮き浮きした気分に満ちていた。やり甲斐があった一方で、時には困難を伴うこともあったし、時には議論も起きた。だけど、どんな苦労も報われたよ。なぜなら最終的に得られたのは、素晴らしい輝きを備えた完成度の高い、冒険心と危険性に満ちたものだったから」
「でも、そこには“承認印”が押されていた。つまり僕ら4人全員が同意し、4人全員の貢献が反映されていたということだね。そして、それがクイーンの音楽となり、クイーンの音楽は、4人のうち誰か1人が独力で作り出せるものより百万倍も素晴らしかったんだ。そして僕らはそのことに慣れなければならなかった」――ブライアン・メイ
「僕らのサウンドは、オーバードライブ・ギターが基調になっていて、“Father To Son”の大部分でそれが用いられている。僕が目指したのは、主旋律の裏にテクスチャを構築することだった」――ブライアン・メイ
「『Queen II』には、僕の好きな要素が沢山盛り込まれている。というのも、これは僕がギター・オーケストレーションに取り組んだ初めての作品であり、僕は前からずっとそれをやりたいと考えていたからね。“Father To Son”は、冒頭のイントロから歌に入り、二言三言ほど歌った後、即座に6声部のオーケストラ調の展開に入っていく。これを実現出来て、本当にゾクゾクするほど嬉しかったよ。それ以前は、こういったものを構築するためにあれだけの時間をスタジオで費やすことを許されていなかったから。ギターをオーケストラ楽器のように扱うという道に踏み出せたことは、僕にとって一つの野心が達成されたということだった」――ブライアン・メイ
「 『Queen II』は、当時、僕らの脳内で沸き立っていたありとあらゆる要素を体現していて、僕らが目指していたサウンドがより良く表現出来た作品なんだ。面食らった人達もいたよ。様々なアルバム評が世に出た時、『この連中はロックン・ロールを忘れてしまった』と言われたのを憶えている。でも、それは単に、僕らが挑戦しようとしていた新たな様式、つまりこれまで他の誰も成し遂げられなかった、より複雑で多層的な表現に過ぎなかった。『Queen II』を初めて世に送り出した時、僕はこのアルバムのことをとても誇らしく感じたんだ」――ブライアン・メイ
Written By uDiscover Team
クイーン『Queen II – Collector’s Edition』
2026年3月27日発売(日本盤2CDのみ4月1日発売)
CD&LP
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- クイーン「Bohemian Rhapsody」50周年盤発売記念、ミニドキュメンタリーが公開
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- クイーンによるライヴ・エイドでの21分間の伝説的パフォーマンス
- クイーン「The Night Comes Down」:ブライアンによる優雅な佳曲
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