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フランスを代表するアーティスト、シャルル・アズナヴールが94歳で逝去

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フランス人シンガー・ソングライター、シャルル・アズナヴールがその80年以上に及ぶキャリアに終止符を打ち、94歳で亡くなったことが彼の代理人によって報告された。アイコニックなシンガーはフランスの南東にある彼の自宅で亡くなったとのことたが、この記事を執筆している現時点で死因は明かされていない。

アルメリア系移民として生まれた世界的シンガーは、これまでに1.8億枚のレコード・セールスを誇り、60本以上の映画に出演。彼の名を最も世間に知らしめたのは、彼が1974年、25年以上のレコーディング・キャリアを経て、当時頻繁にコラボしていたハーバート・クレッツマーと共作し、多くのアーティストによってカヴァーされている「She」であることは間違いない。

この曲は後にエルヴィス・コステロによってカヴァーされ、ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツが主演を務めたリチャード・カーティス脚本の映画『ノッティングヒルの恋人』のオープニングテーマに使われたことで、全英TOP20に返り咲いた。シャルル・アズナヴールによるヴァージョンは大人気を博し、フランス語のオリジナル版や英語版だけでなく、ドイツ語版やイタリア語版もレコーディングされた。

彼は今年11月に、フランスとスイスで7日間のツアーに出る予定だった。今年に入ってからは、腕の骨折のため夏に予定されていたコンサートは中止を余儀なくされたが、最近日本でのツアーを終えて戻ったばかりだった。

Charles Aznavour chante...Charles Aznavour

シャルル・アズナヴールは過去に世界92ヶ国で7つの異なる言語で1,200曲以上をレコーディングしてきた。”フランスのフランク・シナトラ”とも呼ばれ、それまでタブーとされていた結婚や、同性愛、男性の感情表現など様々なテーマについての楽曲を書いてきた。彼の1973年のヒット曲「What Makes A Man」はゲイの服装倒錯者についての歌である。

彼のパフォーマーとしての世界的な大成功は、アメリカにまで及んだ。彼が20年以上にわたりカーネギー・ホールのステージに立ってきたが、その1978年公演のニューヨーク・タイムズ紙によるライヴ評ではこう書かれていた。

「彼は歌手であると同時に、役者でありパントマイム師である。彼の大きく見開かれた目は、まるでミュージカルの一場面のように曲の歌い出しを表情豊かにする。そして、彼の体を使った表現はまるでダンサーのようで、景気よくハツラツと歩く様子や、前後への華麗な動き、胸をぎゅっと掴んだり、抱きしめたり、横に揺れたりする動作が彼の歌を盛り上げる演出となっている」

Charles Aznavour Encores

90台になってからも、まだまだスタジアムを満員にしていたシャルル・アズナヴールは、50年以上も結婚生活を楽しく共にしてきた彼のスウェーデン人の妻についての曲や、彼の人生についての歌を書き続けた。歌手としてのキャリア以外にも、彼は俳優としても成功を収め、1960年に公開された映画『ピアニストを撃て』では主演を務めた。アカデミー賞受賞映画『ブリキの太鼓』ではおもちゃ屋のオーナーを演じていた。

それ以外にも、彼は慈善活動にもとても熱心で、1988年のアルメニア地震後には、友人のレヴォン・サヤンと共に公益財団を設立。2009年にはアルメニア共和国によって駐スイス大使に任命され、ジュネーブにある国連において、アルメニアの駐ユネスコ大使も務めていた。2017年にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにその名を刻んだ。

「フレンチ流の作曲へのアプローチは英語圏におけるものよりもっと真剣なのだ」と、嘗てシャルル・アズナヴールは語っていた。「歌は単なるエンターテイメント以上のものであり、書く方も、聴く方も真剣でなければならない」。

Written by Tim Peacock



シャルル・アズナヴール『アズナヴール・ベスト40 』

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シャルル・アズナヴール『アズナヴール・ライヴ 2015』

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