New Releases
クイーンによるデビュー・アルバムの新装版『QUEEN I』が、Blu-rayオーディオで発売決定
昨年リリースされた1973年のデビュー・アルバム、『Queen』改め『Queen I』の新装版がBlu-rayオーディオとして2025年6月18日にリリースされることが決定した。
Blu-rayオーディオには、ドルビーアトモス・ミックス、ステレオ・ミックス(96kHz/24bit)、ステレオ・バッキング・トラックス(96kHz/24bit)の3つの高品質音源が収録される。
<関連記事>
・クイーンの楽曲ベスト20ランキング:世界を魔法にかけた名曲たち
・既成概念を打ち壊したクイーンの「Bohemian Rhapsody」:背景と制作秘話
・2025年に亡くなったミュージシャン、音楽業界の関係者たち
今作はブライアン・メイとロジャー・テイラーがエグゼクティブ・プロデューサーを担当し、また長年に亘りクイーンのオーディオ・プロダクション・チームとして貢献してきたジャスティン・シャーリー=スミス、ジョシュア・J・マクレー、クリス・フレドリクソンが監修を行った。
拡張された立体音響を楽しめる新たなフォーマットでのリリースによって、彼ら独特の壮大かつ多層的なサウンドに、新たな生命が吹き込まれている。
ジャスティン・シャーリー=スミスは次のように語っている。
「クイーンの音楽は、まるで最初から没入型フォーマットを想定していたかのようだと、常々感じています。ドラマティックかつパワフルで、ダイナミクスに溢れている。このアルバムのオリジナル盤は50年以上前に録音されたものですが、音楽的にも、リズム的にも、歌詞的にも、実に野心的な作品でした。実際信じ難いほどですし、この作品に取り組めて、私達も非常に嬉しく思っています」
2024年版『QUEEN I』をドルビーアトモスでミックスするため、チームは2024年のステレオ・ミックスを軸に、各々の音楽的要素を個別に選り分けて処理。そうすることによって、既に十分な創造性に満ちていたアルバムに、さらなる深みと新たな次元とが加わった。
シャーリー=スミスはこう説明する。
「アトモスの作業はいつも楽しんでいますよ。ステレオ・ミックスが元々良い出来でしたので、今回の拡張されたサウンド・フィールドによって、クイーンの持ち味である複雑な多層構造の要素を邪魔することなく、バックトラックを際立たせる機会が得られるのは間違いありませんから」
「今回のミックスは、ルイス・ジョーンズと、アビーロードのミックス・スタジオで仕上げました。必要なスピーカーが全て備わっている素晴らしい場所ですよ」と、彼は続ける。「ルイスは、これまでに数多くの重要な没入型プロジェクトに携わってきた経験があり、アトモス・ミックス・チームでは欠かせない役割を担っています」
1973年発表の、バンド名を冠したクイーンのデビュー・アルバムは、フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコンという伝説のラインナップによる、バンドの輝かしいキャリアの始まりを告げる作品だ。同作から放たれる途方もない音楽的才能と大胆な野心は、今も尚、並ぶものがない。
収録された曲の数々は、激しいハード・ロック・アンセムから繊細なバラード、そして豪華絢爛で夢想的なミニ交響曲に至るまで、あらゆるタイプの音楽を表現できる彼らの才能を証明している。アルバムについて、ジャスティン・シャーリー=スミスはこう語る。
「このアルバムには、実に多種多様なスタイルが同居しています」「例えば、“マイ・フェアリー・キング”は、“ボヘミアン・ラプソディ”の先駆けとなる曲です。非常に冒険的ですし、今回の新しいミックスでは、今まで聴いたことのない要素が浮き彫りにされている。本作の他の曲全てと同様に、本当に素晴らしいサウンドになっています」
クイーンの記念すべきデビュー・アルバム『QUEEN I』は、2024年、リミックス及びリマスターを施した拡張版6CD+1LPボックス・セット、2CD、1CDとしてリイシューされ、広く高い評価を受けた。英題で『Queen I』と改題された同アルバムでは、オリジナル盤で外されていた”幻の”アルバム収録曲「Mad the Swine」が、元々予定していた曲順でトラックリストに復活。クイーンは再び全英アルバム・チャートに返り咲きを果たし、現在ヴォーカルを務めるアダム・ランバートと共に録音した『Live Around The World』が2020年に1位を獲得して以来、最も高いチャート順位を記録した。クイーンのデビュー・アルバムが初めてリリースされてから50年以上を経た現在、今回の没入型ドルビーアトモス・ミックスが、この伝説的な作品に全く新たな光を当てている。
ブライアン・メイはこう述べている。
「2004年版『QUEEN I』の新作ドルビーアトモス・ヴァージョンには、とりわけ興奮しているんだ。ステレオ再構築版をサラウンド体験へと変換した際、ちょっとした健康上の支障があって、僕は現場に行けなかったんだ。だから、先日、彼らと再びスタジオに戻り、今回のマルチ・チャンネル・ミックスに自分なりの貢献を加えられる機会を得られて、とても嬉しかったよ。これで、このアルバムを深く知る人々になら、きっと楽しんでもらえるであろう、冒険心たっぷりの素敵なイースター・エッグ(*春を祝う復活祭“イースター”には、色とりどりに飾った鶏卵や、中にご褒美を詰めた卵型の容器等を庭に隠し、子供達がそれを探すイベント“エッグハント” がある)を世に送り出せたね。ともあれ、今回のブルーレイ・ヴァージョンは、今現在ストリーミングで聴けるヴァージョンからのアップデートになっている。僕らのファースト・アルバムをこういった形で聴いた人は、今まで誰もいないんだ!!!」
ロジャー・テイラーがこう結ぶ。
「遂に、だよ。遂に僕らのファースト・アルバムが、こうあるべきだと僕らの思い描いていた通りの音で聴けるようになったわけだ……ふうっ!」
Written By uDiscover Team
クイーン『QUEEN I (Blu-ray Audio)』
2025年6月18日発売
Blu-ray Audio
- クイーン アーティスト・ページ
- 様々な既成概念を打ち壊したクイーンの「Bohemian Rhapsody」:歴史的名曲の背景と制作秘話
- クイーンのデビュー作『Queen I』最新リミックス&リマスター盤が発売
- クイーン+アダム・ランバートがサマソニで披露した「I Was Born To Love You」
- クイーン+ポール・ロジャース、2005年ツアーからの貴重ライヴ映像が公開
- ブライアンとロジャーが語る、クイーンのライヴでの技術進化と観客の変化
- クイーン初期のアンコール定番曲はエルヴィス・プレスリーの「監獄ロック」
- クイーンのブライアンとロジャーが語るライヴでのアンコールの哲学とファンの重要性
- クイーン、1985年“ロック・イン・リオ”での「Love Of My Life」
- 映画『ボヘミアン・ラプソディ』が伝えるクイーンについての10の事実