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エルヴィス・コステロ『Armed Forces』:上質で知性に訴える商業的なポップ・ロック

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1970年代後半の上質で知性に訴える音楽、そして同時に商業的なポップ・ロックを探しているのなら、エルヴィス・コステロの3枚目、そしてジ・アトラクションズとの2枚目となる『Armed Forces』を聴けばいい。

発売された頃すでにコステロはニュー・ウェイヴの最前線に立ち、音楽家としての明るい未来としっかりとした作曲家としての立場を築いていた。トップ15位にランクインされた『My Aim Is True』が1977年にリリースされた後、先端的なシングル「Pump It Up」と「(I Don’t Want To Go To) Chelsea」を含む『This Year’s Model』が発売されより大きな成功を収めた。

1979年には『Armed Forces』をリリースし、たった36分間の長さの作品に新曲12トラックを収録。ニック・ロウの保証されたプロダクションのお蔭できちんとした自制心のある作品に仕上がっているが、同時に生き生きとしており、辛辣した言葉の裏にアーティストとしてのコステロに深みを与えている。新しいトラックにはコステロのロックとソウルの影響が聞こえるが、同時に全く最先端のサウンドにも仕上がっている。アルバムには最も知られるシングル「Oliver’s Army」(2位を獲得し、コステロにとってUKでの一番のヒット曲となった)とトップ30にランクインした「Accidents Will Happen」も収録されている。

Armed Forces Elvis Costello US cover

The cover of the US edition of ‘Armed Forces’

1位の座をディスコ・コンピレーション『Don’t Walk – Boogie』に奪われてしまったが、1979年1月20日にアルバムはすぐにUKチャートで2位にランクインした。そして『Armed Forces』でコステロは初めて全米チャートでトップ10入りを果たし、1ヶ月以内にはゴールド・ディスクを獲得。

この作品は手の込んだコステロが巧みに仕上げたアルバムで、アトラクションズの存在もしっかりと輝いており、「Party Girl」でのキーボードのスティーヴ・ナイーヴは特にそうと言える。威勢のよい「Busy Bodies」、推進力のある「Moods For Moderns」、そして暗い「Green Shirt」も、当時のブロンディやブームタウン・ラッツと立ち向かえる目玉トラックとなっている。UKでは違うが、USでリリースされたオリジナル版と同じく、リイシュー版には非常に愛されたロウの曲「(What’s So Funny ‘Bout) Peace, Love and Understanding」が収録されている。


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