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クイーン『Queen’s First EP』

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クイーンがイギリスで息長く放ってきた驚くべきヒット・シングルのリストをひとつずつ見ていくと(少なくともいくつかのチャート本では)、なぜか楽曲に漏れがあるのに気づくだろう。彼らは1970年代だけで少なくとも14回のチャート・インを果たしているが、名曲ばかりのリストの中に見当たらない1曲がある。そう、「Good Old Fashioned Lover Boy」の名前はそこにないのである。

1977年6月、40年前のこの週に全英チャートに入ったあるレコードがその謎の答えになる。そのレコードとはクイーンが初めて発表したEP『Queen’s First EP』である。同作は全英31位と今ひとつの記録に終わった同年春のシングル「Tie Your Mother Down」に続いてリリースされた。ほとんどの文献で同EPはそのメイン曲「Good Old Fashioned Lover Boy」(フレディ・マーキュリー作)の名前ではなく、前述のタイトルで呼ばれてきた。

A Day At The Races

そもそも同曲が初めて収録されたのは1976年12月に発売されたバンドの5作目『A Day At The Races(邦題:華麗なるレース)』だった。「Good Old Fashioned Lover Boy」は『Queen’s First EP』の目玉としてラジオでもプレイされたが、同EPに新曲は含まれておらず既存のアルバム曲だけで構成されていた。

同曲と一緒にA面に収録されたのは同じくマーキュリー作の「Death On Two Legs (Dedicated To…)」で、こちらは1975年の『A Night At The Opera(邦題:オペラ座の夜)』からの1曲だ。一方のB面にはさらに前の作品から、ロジャー・テイラー作の「Tenement Funster」(3作目『Sheer Heart Attack』収録)とブライアン・メイ作「White Queen (As It Began)」(2作目『QueenII』収録)が選ばれた。

『Queen’s First EP』は6月4日、全英チャートに36位で初登場した。それからは29位、21位と浮上したかと思えば24位に落ち、7月上旬にはまた17位になるなど不規則なチャート・アクションを見せた。それからは再び24位に下がり、19位、17位と最後に順位を上げている。そして同作の地味なヒットの後、クイーンは1977年秋の「We Are The Champions」で花舞台に舞い戻るのである。


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