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ジェイミー・カラムが語る自身初のクリスマス・アルバム『The Pianoman at Christmas』に込めた想い

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ジェイミー・カラム(Jamie Cullum)

2020年11月20日に発売となるジェイミー・カラム(Jamie Cullum)の最新アルバム『The Pianoman at Christmas』。全曲オリジナルのクリスマス・ソングとなるこの作品について、最新著書「ディス・イズ・アメリカ 『トランプ時代』のポップミュージック」が話題となっている音楽ジャーナリストの高橋 芳朗さんによるインタビューを掲載します。

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Hang Your Lights

 

——まずはアルバム『The Pianoman at Christmas』のリリースおめでとうございます。レコーディング・アーティストとしてデビューしてから20年強、あなたのキャリアを考えればもっと早い段階でクリスマス・アルバムが出ていても良かったような気もします。実際にファンからのリクエストも多かったと思いますが、これまでにクリスマス・アルバムのプロジェクトが浮上したことはあったのでしょうか?

アイデアとしては昔からずっと考えていました。でも、クリスマス・ナンバーにありがちなビッグ・バンドやオーケストラを入れた演奏はこれまでにさんざんやってきましたからね。あまりにも定型化したアプローチなので、手を出すことをためらっていたのかもしれません。僕はこれまで、ありがちな方向に進むことは避けて常に逆の方向を選んできました。たとえば、フランク・シナトラのカバーを勧められたときにあえてファレル・ウィリアムスの「Frontin’」を歌ったように。ですから、もしクリスマス・アルバムをつくるとしたら絶対にほかとはちがう手法のものにしたいと思っていました。誰かがやったことをなぞるような真似はできればやりたくなかったので。

Frontin' (Live At The BBC / 2004)

 

——なるほど。

そんな経緯もあって、この『The Pianoman at Christmas』はすべて書き下ろしのオリジナル曲で構成されています。決してよくあるタイプのクリスマス・アルバムではありません。誰もが知っているようなクリスマスのスタンダードをカバーして発売すれば、それなりの売り上げが見込めるのはわかっていました。でも、それは自分の流儀に反しているんです。実際、エバーグリーンな新曲をつくることをテーマにしたアルバムづくりはエキサイティングで楽しい挑戦でした。

 

——昨年末にクリスマス・シングル「It’s Christmas」/「Christmas Don’t Let Me Down」をリリースしていますが、この時点で今回の『The Pianoman at Christmas』の構想は持ち上がっていたのでしょうか?

はい、構想自体はすでに上がっていました。実は2019年にロビー・ウィリアムスのクリスマス・アルバム『Christmas Present』に参加することになったとき、自分のオリジナルのクリスマス・ソングを数曲書いてみたんです。クリスマス・アルバムをつくるとしたら、ほかの誰もつくったことがないような全曲オリジナルの作品にしようと最初から決めていましたから。2017年にはシーアがオリジナル曲のみのクリスマス・アルバム『Everyday Is Christmas』をつくっていますし、アリアナ・グランデやテイラー・スウィフトもオリジナルのクリスマス・ソングを書いていますが、僕はタイムレスで70〜80年前につくられた雰囲気の曲にしたいと思っていました。歌詞自体は現代的ですが、サウンドはタイムレスな仕上がりになったと自負しています。

Jamie Cullum – It's Christmas

 

——オリジナル曲はいつごろ書き上げたのでしょう?

もともとは今年のツアーの合間を縫って書くつもりでした。そして、もし順調に作業が進んだら2021年にクリスマス・アルバムを出せたらと考えていたんです。ところが、今年のツアーが新型コロナウイルスの感染拡大を受けて急遽中止になって。それで突然スケジュールが空白になってしまったのですが、これはクリスマス・アルバムを完成させるのに絶好のタイミングだと思いました。そんなわけで、曲を書いたのは3月から5月のロックダウン期間中。この時期のイギリスは太陽がまぶしい美しい季節なので、Tシャツにサンダル姿でクリスマス・ナンバーを書くことになりました(笑)。

 

——アルバムの制作にあたり、2020年のクリスマスは新型コロナウイルス禍で迎えることを意識しましたか?

ノー、まったく意識していませんでした。イギリスでは3月にロックダウンが始まりましたが、まさかそれが2ヶ月以上続くことになるとは予想だにしていませんでした。しかも、そのあとクリスマスにまで及ぶことになるなんて。ただ、不思議なことに歌詞には2020年的なニュアンスが含まれていて、あとで自分で読み返してみてその偶然に驚きました。たとえばサンタクロースについて歌った「The Jolly Fat Man」。これはさんざんな一年を過ごした僕らをサンタが救いにやってくるという内容で、もし2019年だったらこういう歌詞は生まれていなかったかもしれません。さっきも話したように、もともとこのアルバムを制作するにあたって意識していたのは2025年になろうが2032年になろうがずっと楽しめるタイムレスな作品でした。

The Jolly Fat Man

 

——あくまでタイムレスであることにこだわっていたと。

クリスマスは同じルーティンを繰り返す慣習です。慣れ親しんだ音楽、料理、人々。こうした親しみのある数々の事柄がクリスマスの魅力でしょう。逆に、一部の人たちにとってはそれがクリスマスを嫌う理由だったりします。僕はそんな慣習の一部になるようなアルバムづくりを目指しました。

 

——あなたは過去にミシェル・ルグランやロビー・ウィリアムスのクリスマス・アルバムに参加したことがありますが、それぞれどんな経験になっていますか?

ミシェル・ルグランとは一緒にスタジオ入りすることはできませんでしたが、僕の自宅スタジオで録音したトラックを彼に送って曲ができあがりました。ルグランは僕たちの時代における最高の作曲家ですから、声をかけていただいたことは身に余る光栄でした。彼は素晴らしいアレンジャーでもあって、あの「Let It Snow」の美しいアレンジはとても気に入っています。

Let It Snow

 

——ロビーに関してはいかがでしょう?

ロビーからデュエットのオファーがきたときも驚きました。若いころから彼の歌が大好きでしたからね。ポップスの世界でビッグ・バンドを従えて歌うスタイルを始めたのはロビーではないでしょうか。たぶんロッド・スチュワートやマイケル・ブーブレよりも早かったと思います。実際、ロビーは昔からフランク・シナトラへの愛を語っていました。そんな彼とのレコーディングは実に楽しいものでした。ロビーは真のアーティストにして紳士。実は、オリジナル曲とカバー曲が収録された彼のクリスマス・アルバムを手にしたときにオリジナル曲のみで占められたクリスマス・アルバムの構想が思い浮かんだのです。

 

——アルバム・タイトルの『The Pianoman at Christmas』にはあなたのどんな思いが込められているのでしょう?

このタイトルはアルバムの収録曲からとったものですが、歌詞は「孤独なエンターテイナーがクリスマス・シーズンに仕事でクリスマス・キャロルを歌いにバーからバーへと渡り歩く」というストーリーになっています。アルバムにこのタイトルをつけたのは、シネマティックでロマンティックな雰囲気のある、オリジナル性を大事した作品にしたかったからです。このタイトルをつけたことによって、聴いた人は各自の解釈で自分のストーリーをアルバムに投影することができると思います。「The Pianoman at Christmas」のフレーズから僕のことを連想してもらっても、あるいはビリー・ジョエルの讃歌と受け取ってもらっても構いません。どう解釈しようとそれは皆さんの自由ですが、たとえば暖炉に火が灯って窓のカーテンの向こう側では雪が降り積もっているような日、そんなときに我を忘れてしまうほど夢中になってしまうようなアルバムになることを願っています。

 

——「The Pianoman at Christmas」の歌詞はあなたの実体験に基づいたものなのでしょうか?

一部は実体験です。ライヴ演奏のアルバイトをしていた17歳から19歳のころはクリスマス時期になると大忙しで、パブからパブへハシゴしながらクリスマス・ソングを演奏していました。いろいろな場所で演奏できることはとても楽しくて、当時の年齢にしては稼ぎも悪くありませんでしたが、パーティーで演奏してもその輪のなかには入れない寂しさがありました。もしあの仕事を続けていたら、いまも孤独感を抱いていたでしょうね。ですから、この曲を書くにあたって「毎年クリスマス・シーズンにパーティーでピアノを演奏しながら孤独を感じる男」というストーリーをつくるのはそんなにむずかしいことではありませんでした。

The Pianoman at Christmas

 

——アルバムの制作陣も実に豪華ですね。

世界のトップクラスのスタッフと組むことができて本当にラッキーでした。僕が自宅でピアノを弾きながら楽曲を書き上げたあと、まずトム・リチャーズに楽曲のアレンジを依頼しました。そしてアビイ・ロード・スタジオで素晴らしいミュージシャンたちとレコーディングをしたわけですが、ミックスと共同プロデュースは映画『グレイテスト・ショーマン』でもおなじみのグレッグ・ウェルズが務めています。スタジオ、プロデューサー、アレンジャー、ミュージシャン、いずれも世界最高峰のプロが集結しました。昔につくられた名盤はプロフェッショナルからプロフェッショナルへとつないでいくことで最高のレベルへと仕上げられていきましたが、今回のクリスマス・アルバムの制作も同様の過程で行なっています。だからこそ、タイムレスに聴こえるのかもしれませんね。このクリスマス・アルバムは、これまで僕が手掛けてきたなかで最も誇りに思える作品です。

 

——今回プロデューサーにグレッグ・ウェルズを起用した理由を教えてください。グレッグとは過去に『Taller』や『The Pursuit』でコラボしていますが、彼とのケミストリーについてはどのように考えていますか?

僕らのケミストリーはとても素晴らしいですね。グレッグは世界中で引っ張りだこのプロデューサー/ミキサーのひとりですから、正直彼のスケジュールやバジェットの面で今回一緒に仕事をするのはむずかしいかもしれないと思っていました。グレッグの特筆すべき点は、彼自身が僕と同じようにソングライターでありミュージシャンであること。彼は、ピアノ、ベース、ドラムス、ギターを同等に弾けるスキルをもっています。もちろん、アルバムのプロデュースとミックスに関しても並外れた能力の持ち主。さらに、オーセンティックでタイムレスなサウンドを現代的に仕上げる能力にも長けています。彼には僕も大好きなカウント・ベイシー、デューク・エリントン、レイ・チャールズらへの深い愛もあるんです。

 

——そのグレッグ・ウェルズと共にロンドンのアビイ・ロード・スタジオで行なったレコーディングについて教えてください。総勢57名ものミュージシャンを迎えて5日間で録音したそうですが、この作業についてはどんな点に留意にしましたか?

通常ビッグ・バンドのレコーディングではミュージシャンが二列に並んでドラムとベースを下手に配置しています。それを今回はスタジオ内でのソーシャル・ディスタンスを保ちつつ、ミュージシャンとのあいだにアクリル製のスクリーンを置いて演奏してもらいました。僕としてはミュージシャン同士の距離はなるべく縮めたかったので、オーセンティックなサウンドに仕上げるためにものすごく努力しました。ビッグ・バンドのサウンドはクリーンでモダンなものではなく若干ダーティな質感を望んでいて、各楽器の演奏がそれぞれのマイクに届くよう注意しました。オーセンティックな音色にまとめるのはとてもむずかしかったですね。

 

——リード曲に選ばれた「Turn On the Lights」はアルバム中でも異彩を放っている楽曲に思えます。ここでのアレンジはザ・ビートルズを彷彿させるところもありますが、この曲のコンセプトや制作経緯について教えてください。

「Turn On the Lights」は当初からオーケストラ入りのポップ・ナンバーにしようと考えていました。オーケストラが入ったポップ・ソングといえばザ・ビートルズとジョージ・マーティンの「Penny Lane」や「A Day in the Life」を思い浮かべますよね。それに応じて現代的なリズム・セクションにチューバやトロンボーン、壮大なオーケストラのパーカッション、さらにストリングスも導入して強力な楽曲に仕上げました。まず僕がピアノを弾きながら楽曲を書いて、トム・リチャーズが「Penny Lane」をイメージしながらアレンジを施していきました。そのあと、レコーディングでザ・ビートルズが使用したアビイ・ロードを使うことになったのは点と点がつながったようでちょっと不思議な感覚でしたね。まるで、音楽を通してイースター・エッグを探す小道を歩いているような感じでした。

Jamie Cullum – Turn On The Lights

 

——アルバムの実質的なラストトラック「Christmas Caught Me Crying」はちょっと切ない内容のバラードになっています。「Christmas Never Gets Old」のような楽しい曲の一方、こうした孤独な心に寄り添うクリスマス・ソングもたくさん存在していますが、「寂しいクリスマス・ソング」を歌うことの意義についてはどのように考えていますか?

「Christmas Caught Me Crying」は、クリスマス・シーズンに悲しみを抱えている人たちに捧げる一曲です。クリスマスとホリデイ・シーズンには「強制的な幸福感」が存在していて、実は多くの人々がこの時期に悲しみを抱えているという事実は無視されています。クリスマスをめぐってストレスを覚える人や議論をする人、この時期になると普段以上に孤独を感じる人も大勢いるのです。僕のクリスマス・アルバムはオリジナル曲のみでほかのクリスマス・アルバムとの競争も無縁だから、クリスマスが内包する悲しみも描写したいと思っていました。正直にクリスマスの寂しさやつらさを表現することによって、誰かの苦痛を軽減したり慰めになればと思ったのです。

Christmas Caught Me Crying

 

——あなたは2018年に『The Song Society Playlist』のプロジェクトの一環としてマライア・キャリーの「All I Want for Christmas Is You」をカバーしていました。また、先述したロビー・ウィリアムスのクリスマス・アルバムではスレイドの「Merry Xmas Everybody」を歌っていましたが、今後カバーしてみたいお気に入りのクリスマス・ソングがありましたら教えてください。

実はスフィアン・スティーヴンスのクリスマス・アルバム『Songs for Christmas』が大好きなのですが、今後カバーしてみたいのはワム!の「Last Christmas」。あの曲のかっこいいアレンジを思いついたからぜひカバーしてみたいと思っています。あとはグスターヴ・ホルストの賛美歌「In the Bleak Midwinter」もいいですね。

Jamie Cullum – All I Want For Christmas Is You (Mariah Carey). The Song Society No.11

 

——2019年の『Taller』に続くオリジナル・アルバムのプランはすでに考えていますか? また、再来年2022年にはメジャーデビュー20周年を迎えますが、なにかアニバーサリー企画を行う構想はありますか?

「プラン」といえるものかどうかはわかりませんが、最近になって新曲を書き始めたところです。いいアイデアがたくさんあるので、2021年の前半にはまとめたいと考えています。2021年になっても現状ライヴの予定はないので、スタジオ・ワークに戻ってアルバム制作に取り掛かるのもいいかもしれませんね。アニバーサリー企画ですか? それはいい質問ですね。実はスペシャルなプロジェクトを現在計画中です。現時点ではなにも明かすことはできませんが、20周年を迎える年はお祝いなしに終わらせることはないと約束します。

 

——新型コロナウイルスの感染が世界に拡大するなか、ライブツアーを本格的に再開するのにはもう少し時間がかかりそうです。そんな状況下でこれから2012年~2022年にかけてどんな音楽活動を展開していきたいと考えていますか?

当初は2021年2月からツアーを始める予定でしたが、今後どういう状況になるのかはもはや誰にもわかりませんよね。だから、現在は一日一日を精一杯生きるようにしています。今後は僕のスタジオを使ってチュートリアル動画やミニ・ライブの撮影を増やしていこうと考えています。そのためにスタジオを改良したので、そのアドバンテージを活かして高品質な映像を製作していきたいですね。皆さんにはこれからも僕の音楽を楽しんでほしいので。

 

——最後に、今年はどんなクリスマスを過ごす予定か教えてください。

理想としては、妻と僕のそれぞれの両親や親戚を呼んで広いテーブルに並べた数々のご馳走を楽しみたいところですが、今年はちょっとむずかしいかもしれませんね。きっとPCとタブレットを何台もテーブルに置いたクリスマスになると思います(笑)。そんな今年のクリスマスには、僕のクリスマス・アルバムの「Turn On The Lights」のメッセージがフィットすると思います。この曲には「困難な時期でもクリスマス・ツリーを飾ってイルミネーションを点灯しよう」という歌詞がありますが、大変な時代にあってもクリスマス・シーズンの光と喜びを感じよう、そんなメッセージを皆さんに伝えたいと思っています。

Interviewed by 高橋 芳朗



ジェイミー・カラム『The Pianoman At Christmas』
2020年11月20日発売
CD / iTunes / Apple Music / Spotify / Amazon Music

収録曲:
1. It’s Christmas
2. Beautiful Altogether
3. Hang Your Lights
4. The Jolly Fat Man
5. The Pianoman at Christmas
6. Turn on the Lights
7. So Many Santas
8. Christmas Never Gets Old
9. How Do You Fly?
10. Christmas Caught me Crying
11. This Winter (Demo)*
*日本盤&一部海外デラックス盤ボーナス・トラック




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