クリームの最後のアルバム『Goodbye』

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クリームの活動期間は世界中に数え切れないほどいるファンたちにとって、あまりに短すぎるものだったといえるだろう。だが少なくとも、彼らは”Goodbye”だけを残してくれた。それはもちろん、解散宣言から数週間後にリリースされた彼らの4作目にして最後のアルバム『Goodbye(邦題:グッバイ・クリーム)』のことである。同作は1969年3月と4月に少なくとも3週以上イギリスのチャート1位の座についていた。おかしなことに『The Best Of The Seekers』と争っていた。

前年の7月、イギリスで『Wheels Of Fire(邦題:クリームの素晴らしき世界)』をリリースしたばかりだったエリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーの3人にとって、最後の数ヶ月はめまぐるしい日々になった。その後、クリームは秋の解散ツアーをもって袂を分かつとの発表がなされたのである。

作りためた楽曲が少なかったことから『Goodbye』はある種寄せ集めのような内容になった。前作LP2枚組だった『Wheels Of Fire』はスタジオ録音1枚、ライヴ録音1枚であったが、『Goodbye』も半々の構成になった。6曲のうち3曲は、解散ツアーのロサンゼルスのフォーラム公演の音源だ。

しかしながら、同作には特筆すべき新鮮さをもったスタジオ・ナンバーも収録されている。そのひとつがエリック・クラプトンとジョージ・ハリスンが共作した「Badge」だったが、リズム・ギターも担当したジョージ・ハリスンは契約上の問題から”ランジェロ・ミステリオソ”という変名でクレジットされている。この曲はしばしばクリームの最後の名曲とみなされ、シングルとして全英チャート20位を記録している。

『Goodbye』は、ザ・ビートルズが1位に返り咲いたのと同じ週に、Billboard誌の”トップLPチャート”(当時の名称)に107位で初登場した。その後26週に亘りチャートに留まったが、その中で3月には2週の間2位を獲得している。そのときの首位はグレン・キャンベルの「Wichita Lineman」だった。

Written by Paul Sexton



クリーム『Goodbye』

   



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