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フェンダーを愛用したミュージシャンたちとその歴史【プレイリスト付】

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Ritchie Blackmore - Photo: Courtesy of Fin Costello/Redferns

フェンダーのギターは象徴的な存在である。その外観と、洗練された上品さを漂わせるオーラは、「弾いてくれ、爆音で、繊細に、そして上手に」と語りかけてくるようだ。この唯一無二の楽器を讃えるにあたり、1909年8月10日に生まれたFender Electric Instrument Manufacturing Companyの創設者、クラレンス・レオニダス・“レオ”・フェンダーに敬意を表したい。

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初期フェンダー

ある世代の多くの人々にとって、フェンダー・ストラトキャスターを初めて意識したのは、1957年発表のザ・クリケッツによるアルバム『The “Chirping” Crickets』のジャケットではないだろうか。そこには、ギターを抱えたバディ・ホリーの姿が写っていた。

That'll Be The Day

その2年前、バディはテキサス州ラボックにある楽器店Adair Musicを訪れ、それまで愛用していた最初のエレクトリック・ギターと引き換えに、新品のフェンダー・ストラトキャスターを手に入れた。当時の価格は300ドル強。現在の貨幣価値に換算すると、およそ2,900ドル(約41万円)に相当する。

その4年後、イギリスを代表するインストゥルメンタル・バンド、シャドウズのデビュー・アルバムのジャケットには、ハンク・マーヴィンがストラトキャスターを手にした姿が写っている。バディ・ホリーほど目立つ形ではないものの、そのギターこそ、バディが『The “Chirping” Crickets』のジャケットで抱えていたストラトキャスターに憧れて購入した一本だった。シャドウズ以降に登場した英国のギタリストに尋ねれば、ほとんど誰もが、ハンクの赤と白のストラトキャスターから大きな影響を受けたことを認めるだろう。

Shadoogie (1999 Remaster)

 

テレキャスターの人気

ストラトキャスターが誕生する前には、その先駆けとなるモデルが存在した。テレキャスターである。世界初の本格的なソリッドボディ・エレクトリック・ギターとして知られ、その最初の量産モデルは1950年に“エスクワイヤー (Esquire)”の名称で発売された。テレキャスターは、“テレキャスター・トワング(Telecaster twang)”と呼ばれる鋭く抜けの良い煌びやかなサウンドで知られているが、一方で温かみのあるブルージーな音色も持ち合わせている。

歯切れが良く存在感のあるトワング・サウンドはブリッジ・ピックアップ、よりまろやかで温かみのある、ブルース向きのトーンはネック・ピックアップというように、そのキャラクターの違いは、使用するピックアップによって生み出されるものだ。

テレキャスターが登場した当初、このギターを特に愛用していたのはカントリー・ミュージシャンたちだった。その代表格が、エルヴィス・プレスリーやリッキー・ネルソンのバンドで活躍した名ギタリスト、ジェームズ・バートンである。彼は、テレキャスターの魅力を広く知らしめた初期のスターの一人だった。

その後、テレキャスターはジャンルを超えて多くの名ギタリストたちに愛されるようになる。エリック・クラプトンは、ヤードバーズ時代やブラインド・フェイス在籍時にテレキャスターを使用し、シカゴ・ブルースの巨人、マディ・ウォーターズもまた、このモデルを愛用したことで知られている。

ブルース・ギタリストアルバート・コリンズ、スタックスの専属バンドやブッカー・T&ザ・MG’sのギタリストとして活躍したスティーヴ・クロッパーといった名手たちもまた、テレキャスターの代表的な使い手として名を連ねる。

Booker T. & The MG's – Green Onions (Official Audio)

さらに、ロック史に残る名場面でも、このギターは重要な役割を果たしてきた。ザ・ビートルズ最後のライヴとなった、アップル・コア本社屋上でのルーフトップ・コンサートでは、ジョージ・ハリスンが特注のテレキャスターを演奏。

レッド・ツェッペリンの不朽の名曲「Stairway to Heaven」でも、ジミー・ペイジがギター・ソロでテレキャスターを使用していることで知られている。

The Beatles – The Beatles – Don't Let Me Down (Live Performance) [Mono / 2009 Remaster]

ストラトキャスターは1954年に登場し、それ以来、ロック・バンドはもちろん、ほぼあらゆるジャンルのミュージシャンに愛され続ける定番モデルとなっている。現在では、多くのトップ・ギタリストのシグネチャー・モデルもラインナップされており、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、ジョン・メイヤー、バディ・ガイ、ロバート・クレイ、リッチー・ブラックモア、ケニー・ウェイン・シェパードといった名手たちの名を冠したストラトキャスターを購入することができる。

ダイアー・ストレイツの「Sultans of Swing」のイントロが流れた瞬間、多くの人はすぐに、それを弾いているのがマーク・ノップラーであり、ストラトキャスターの音色だと気づくだろう。その音色がすべてを物語っている。だが、その楽器をあれほどまでに豊かに歌わせることができるのは、ノップラーほどの卓越したギタリストだからこそである。

Dire Straits – Sultans Of Swing (Official Music Video)

 

クラプトンとフェンダー

エリック・クラプトンは、デレク・アンド・ザ・ドミノスのアルバム『Layla and Other Assorted Love Songs』で、“ブラウニー”の愛称で知られるストラトキャスターを使用した。クラプトンは1967年5月、クリームのツアーでロンドンを訪れた際、Sound Cityでこのギターを400ドルで購入していた。

このギターはアルダー材のボディ、2トーン・サンバースト仕上げ、メイプル・ネック、スカンク・ストライプのルーティング、黒いドット・インレイを備えている。1956年製で、シリアルナンバーは12073。この伝説的なギターは、クラプトンの1970年発表のソロ・デビュー・アルバム『Eric Clapton』のジャケットにも登場しており、彼のキャリアを象徴する一本として今なお語り継がれている。

Let It Rain

1999年6月、クラプトンは自身が設立した薬物・アルコール依存症治療施設“Crossroads Centre”の資金を調達するため、この“ブラウニー”をニューヨークのクリスティーズで競売にかけた。ブラウニーは49万7,500ドル(約7,900万円)で落札され、当時、史上最高額で売却されたギターとなった。

もっとも、その記録は2004年に95万9,500ドル(約1億5,300万円)で落札されたクラプトンのもうひとつのお気に入り、“ブラッキー”によって更新されることになる。“ブラウニー”は、ワシントン州シアトルのExperience Music Projectで見ることができる。

Eric Clapton – Layla (Live Aid 1985)

 

ストーンズとフェンダー

もうひとつの象徴的なフェンダー楽曲が、ザ・ローリング・ストーンズの「Little Red Rooster」である。この曲ではブライアン・ジョーンズがテレキャスターを弾いている。

Little Red Rooster (Mono)

1981年、ザ・ローリング・ストーンズはハンプトン・コロシアム公演のアンコールで「(I Can’t Get No) Satisfaction」を披露した。ミック・ジャガーはユニオンジャックと星条旗をあしらったケープをまとい、キース・リチャーズがギターをかき鳴らす。会場の天井からは何百もの色とりどりの風船が降り注いでいた。その時、ひとりのファンがステージへ乱入する。キースはとっさに身をかわしたが、男は再び向かってきた。すると次の瞬間、キースは手にしていたフェンダーを首から外し、男の頭をギターで殴りつけた。ファンはよろめき、警備員によってステージから連れ出される。

そしてキースは、まるで何事もなかったかのように演奏へ戻った。しかも驚くべきことに、その衝撃を受けてもテレキャスターはチューニングを保ったままだった。後にキースは、この出来事について「あれでもチューニング狂わなかったんだぜ、フェンダーにとってこれ以上の宣伝はないよ」と語っている。

The Rolling Stones – (I Can't Get No) Satisfaction – Hampton Live 1981 OFFICIAL

私たちはフェンダーを讃える60曲のプレイリストをまとめた。この記事で触れた楽曲に加え、デヴィッド・ギルモアのソロ演奏が印象的なピンク・フロイドの「Comfortably Numb」、ジェイムズ・ギャング時代のジョー・ウォルシュ、ジミ・ヘンドリックス、ディープ・パープル、ビーチ・ボーイズ、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、ロビン・トロワー、ジェフ・ベックらの楽曲も収録したこのプレイリストは、誰もが知る代表曲から、あまり知られていない隠れた名演まで、フェンダーという楽器がロックやポップスの歴史に刻んできた幅広いサウンドを辿る内容となっている。


Written By uDiscover Team



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