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スマッシュ・マウスの元フロントマン、スティーヴ・ハーウェルが56歳で逝去。その功績を辿る

Published on

9月 5, 2023

ItoMasaki

Steve Harwell - Photo: Michael Tullberg/Getty Images

米オルタナティブ・ロックバンド、スマッシュ・マウス（Smash Mouth）の元フロントマン、スティーヴ・ハーウェル（Steve Harwell）が56歳で逝去したことが、バンドのマネージャーであるロバート・ヘイズによって伝えられた。

彼は、肝不全の治療のため入院していたが、最後の数日は自宅でホスピスケアを受けていたという。バンドの代理人は以前、彼が「余命1週間ほどで自宅に戻り、友人や彼の愛する人々が最後に彼に会うために集まった」ことを報告していた。

Smash Mouth – All Star (Official Music Video)

ロバート・ヘイズはRolling Stoneへ宛てた声明で次のように述べている。

「スティーヴがスマッシュ・マウスを引退して2年になり、バンドは新たなヴォーカリスト、ザック・グードとツアーを続けています。とはいえ、スティーヴのレガシーは音楽を通して生き続けるでしょう。スティーヴと共に、スマッシュ・マウスは全世界で1,000万枚以上のアルバムを売り上げ、2曲の全米No.1ヒット・シングル、5曲のTOP40シングル、3曲のHOT100シングル、4作のビルボード200アルバム、グラミー賞ノミネーション、そして言うまでもなく映画『シュレック』の挿入歌はもちろん、映画やテレビで幾度となく楽曲が起用されてきました」

スティーヴ・ハーウェルは数年前から様々な健康問題に悩まされていた。彼は2016年8月、イリノイ州アーバナでのライヴ中に倒れ、救急車で運ばれて入院したことがある。2017年には、スティーヴが心臓疾患の治療を受けるため、バンドはいくつかの公演を延期していた。

「All Star」や「Walkin’ on the Sun」などの90年代のヒット曲で知られるスマッシュ・マウスのスティーヴ・ハーウェルは、こういった健康上の問題により2021年に引退し、彼の後任として、元グールスプーン、ディバイデッド・バイ・ゼロ、ザ・シークレット・セブンのザック・グードが加入していた。

10年前に心筋症と診断された後も、スティーヴ・ハーウェルは心不全や急性ウェルニッケ脳症（言語や記憶などの運動機能に影響を及ぼす）などの病魔に苦しんだ。また彼は、アルコール依存症とも闘っていた。

その生涯

スティーヴ・ハーウェルは、1994年、カリフォルニア州サンノゼでドラマーのケヴィン・コールマン、ベーシストのポール・デ・ライル、ギタリストのグレッグ・キャンプと共にスマッシュ・マウス（当初はスマッシュマウス）を結成。

その後インタースコープ・レコードと契約した彼らは、バンド初の大ヒット曲「Walkin’ On The Sun」を収録した1997年のデビュー・アルバム『Fush Yu Mang』で一躍脚光を浴びた。

Smash Mouth – Walkin' On The Sun (Official Music Video)

それまでのスカの影響が薄れ、よりポップなサウンドへと方向転換した1999年のセカンド・アルバム『Astro Lounge』は、バンドにとってより大きな宣伝効果をもたらし、結果的に最も高く評価された作品のひとつとなった。

「All Star」（公式ミュージック・ビデオは映画『ミステリー・メン』をオマージュしているが、映画『シュレック』の第一作をはじめ、いくつかの映画のサウンドトラックでフィーチャーされた）や「Then the Morning Comes」などのヒット・シングルに支えられ、アルバム『Astro Lounge』は最終的にトリプル・プラチナに認定。さらに2001年に発表したセルフタイトルのサード・アルバムも好評を博し、全米でゴールド・ディスクを獲得した。

スティーヴ・ハーウェルは、2021年にニューヨーク州北部で行われたライヴで明らかに体調を崩していたことから、スマッシュ・マウスからの引退を発表。それからしばらくして、次のような声明文をもって正式に引退を表明した。

「子供の頃から、完売したアリーナでパフォーマンスするロックスターになることを夢見ていたので、その夢を実現することができてとても幸運だった。バンドメンバーのみんな、この数年間、みんなと一緒に演奏できて光栄だった。このワイルドな旅を共にするのは君たち以外は考えられないよ。そして、忠実で素晴らしいファンのみんなにありがとう。みんなのおかげでここまでやってこれた。肉体的、精神的な問題を乗り越え、最後にもう一度みんなの前で演奏しようと懸命に努力してきたけど、無理みたいだ」

Written Tim Peacock