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ロックのスピリットを燃やし続ける現在進行形のバンド10組(2019年版)

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もうかれこれ数十年来、ロック・ミュージックに批判的な人達は、このジャンルを死んだものとみなしてきた。ロックはその形成期ほど目立ってはいないかも知れないが、今でもこの音楽を盛り上げてきたバンド達による、逞しく活気のあるシーンが存在する。かつてのように文化的勢力として優位に立っているわけではないかも知れないが、それでも大規模なメインストリーム・フェスティヴァルでは、数多くのロック・バンドが主役を務めている。と言うことで、ここでロックを盛り上げてきたバンド達を紹介しよう。


10.サンダープッシー

トラディショナル・ハード・ロックの故郷、シアトル出身のサンダープッシーは、その衝撃的なバンド名とカッコいいサウンドが、見事に合致する稀なタイプのバンドだ。ラウドで獰猛なリフと、弁解じみたフェミニスト的テーマを掲げたこのパワー・カルテットは、良い意味で昔を思い出させてくれる。

メインストリームの音楽ファンの関心を直接的に得ることのないヘヴィな音楽を深く追求しようとするものは、現在のロック・バンドではそう多くはない。この4人の女性は、これをずばり成し遂げただけでなく、その堂々としたアプローチで喝采を浴びた。その大胆な考え方と鋭い物の味方で、サンダープッシーは近い未来、大規模なショウでヘッドライナーを務める日が来るかも知れない。

Thunderpussy – Speed Queen

 

9. シャノン&ザ・クラムス

彼らの古い音楽からの影響はそのジャケット写真にも反映されているが、このカリフォルニ州オークランド発のガレージ・パンク・バンドは、彼らの50年代ドゥーワップと80年代のパンクとサーフ・ロックの合の子のような音楽性をエネルギッシュに融合した独自のスタイルで、カルト的な人気を獲得している。

ガレージ・ロック・リバイバルが高まる中で、彼らの存在をひときわ目立たせたのは、観客がシンガロングを巻き起こすライヴ・アンセムの数々とフロントマンでベーシストのシャノン・ショーが放つ独特のヴォーカルだ。バンドの注目度は高まり、ザ・ブラック・キーズのダン・オーバックが彼らのアルバムのプロデューサーを手掛けた後に、彼らをザ・ブラック・キーズの前座に加え、全国的な規模のステージへと押し上げた。

Shannon & the Clams – The Boy [Official Video]

 

8.ジ・インタラプターズ

ロサンゼルス出身の彼らは、南カリフォルニアで巻き起こったスカ・リバイバルから出てきた注目バンド。ガレージ・ロックやグラム・ロックが脚光を浴びていた2010年代初頭当時、このパワフルな4人組バンドはスカ・パンクをチャートに呼び戻し、全米ロック・チャートとアダルト・オルタナティヴ・チャートにそれぞれ押し入っていった。

このバンドの原動力となったのは、ザ・セレクターのポーリン・ブラックに入れ込んでいる時以外は、その焼け付くような金切り声でステージに指示を送る危険なヴォーカル、エイミー・アレンである。もし、彼らのサウンドがランシドを思い起こさせるのなら、それは彼らの師匠であり、アルバムのプロデューサーでもあるランシドのティム・アームストロングが少なからず関係しているだろう。

The Interrupters – "She's Kerosene"

 

7. アンタイ・フラッグ

ブラック・フラッグと混同するなかれ。このピッツバーグ出身のパンク・ロッカー達は、その政治色の濃い音楽によって長く愛されてきた。反戦、反資本主義、階級闘争と人権といった過激で現代的なテーマに焦点を当てた歌詞と、バンド独自のメロディックなハードコアによって、アンタイ・フラッグは、そのオーセンティックな面に敬意を表する熱心なファンを獲得した。

近年このジャンルから離れていった他のベテラン・パンク・バンドとは異なり、アンタイ・フラッグはトレードマークのノコギリ・ギターと、その左派的精神を貫いた楽曲とで前進し続けている。

Anti-Flag – Trouble Follows Me (Official Video)

 

6. ブロークン・ウィット・レベルズ

イギリスにおいてロック・シーンを守り続けているバンドはそう多くはないが、バーミンガム出身のこの5人組は、チャック・ベリーやマディ・ウォーターズといった先駆者達のブルース・ロック・サウンドを活用しつつ、サザン・ロックとカントリー・ロックという予想外の要素も取り入れながら、数多いレトロ・ロック・バンドの中で突出した存在になっている。

ブロークン・ウィット・レベルズのフロントマン、ダニー・コアがまるで何度も人生を経験してきたかような声を持っていることも、バンドがキャッチーなリフを書くことに長けていることも、決してマイナスには作用していない。また物悲しいロックの領域に入り込んでも、バンドはそのソウルフルなスピリットは決して失われることはない。

Broken Witt Rebels – Guns [OFFICIAL VIDEO]

 

5. シュライン

カリフォルニア州のヴェニスをベースに活動するこのバンドは、メタル・ヘッドやパンクスたちを魅了し、ブラック・サバスやブラック・フラッグの私生児的存在になったが、単なるリバイバル・バンドではない。2012年に発表した彼らのデビュー作『Primitive Blast』で、パンク、ハードロック、ヘヴィ・メタルの全ての要素を取り入れた次世代のための新たなリフを作り出し、ヘルフェスト、ダウンロード、オズフェスト・ミーツ・ノットフェストを含むメタル系の大型フェスティバルの会場を沸かせている。

“サイケデリック・バイオレンス”と彼ら自身が表現するそのサウンドで、この薄汚いロッカーたちは極めて正しいやり方で古いロック・シーンを崩壊させている。

The Shrine ft. Keith Morris – Never More Than Now (Official Video)

 

4. ブラック・レーベル・ソサイアティ

ブラック・レーベル・ソサイアティは、ザック・ワイルドが舵取りしていることで、多くのバンドが欲しくてたまらない信頼を即座に獲得した。オジー・オズボーンのためにお馴染みの派手な速弾きをプレイした伝説のギタリストが率いるメタル・バンドは、現在でもロック・シーンを盛り上げている屈指のハード・ロック&メタル・バンドの一組だ。メンバーは何度か変わっているものの、20年もの間存続してきたこのバンドは、現在でもハード・ロック界で最も安定感のあるバンドのひとつであり続ける。

「俺はジミー・ペイジの写真を壁に飾っていたし、今でも飾っている。すべてが素晴らしく魅力的に見えていた15歳の時の気持ちを失いたくないからさ。あの情熱が消えてしまったら、マズいと思っているんだ」とザック・ワイルドはビルボードのインタビューで語っている。

Black Label Society – Trampled Down Below (Official Video)

 

3. タイラー・ブライアント&ザ・シェイクダウン

ブルースにインスピレーションを受けたテキサス州出身のロッカーで見た目はひょろっとした70年代ロッカー風の27歳、タイラー・ブライアント。11歳の時に初めてエレキ・ギターを手にした彼と、バック・バンドのザ・シェイクダウンは、へヴィ・モダン・ロックとクラシック・ロックの要素を融合しながら、ロック・コミュニティの中で一目置かれるサウンドを生み出している。

そのヘヴィに解釈したブルースによって、エリック・クラプトンのクロスロード・フェスティバルへの出演を果たし、ZZトップとパフォーマンスを行なっている。自身の名義で発表したアルバムはまだ僅か2枚だが、凄腕のソングライターと彼の生き生きとしたバンドの未来は、間違いなくとても明るい。

Tyler Bryant & The Shakedown – Ramblin’ Bones (uDiscoverMusic 2017 Session)

 

2. グレタ・ヴァン・フリート

驚くような音域を持つハウリング・ヴォーカル、内臓が破裂しそうなドラミング、そしてとんでもなくカッコいいノリ、レッド・ツェッペリンを表現するとしたら、こんなところだろうか? そう、間違いない。そしてこの表現は新生ブルース&ハード・ロッカーのグレタ・ヴァン・フリートにも、ぴったり当てはまる。この3人の兄弟とその友達から成るこのミシガン州出身のグループを初めて聴いた時、レッド・ツェッペリンではないという事実がとても信じ難い。

まるでこの4人組は、ロバート・プラント、ジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、そしてジョン・ボーナムのレガシーやスピリット、そして全体的なオーラを、見事に取り込んでしまったかのように感じられる。それは決して簡単でも推奨されることでもないが、彼等はこれを上手くやってのけているだけでなく、その威勢の良さで多くの新規ファンを獲得し、期待が高まっている。

Greta Van Fleet – When The Curtain Falls (Official Video)

 

1. ザ・ストラッツ

2014年にシーンに登場以来、ザ・ストラッツはロックン・ロールと、そしてとりわけTレックス、ザ・スウィート、クイーン等々、イギリスのグラム・ロックの先駆者達のスピリットと姿勢を具体化した。デビュー作発表以降、彼らはザ・ローリング・ストーンズのオープニング・アクトを務め、マイク・オールドフィールドとレコーディングを行い、ガンズ・アンド・ローゼズのツアーに参加するという、破竹の勢いでロック界を制覇していった。

アメリカでは瞬時にソールド・アウトするというその刺激に溢れたライヴで、現在バンドは、母国イギリスでもスターダムに乗ろうとしている最中だ。中性的なグラムの美意識とアリーナ・ロックを組み合わせた彼等のことを、フー・ファイターズのデイヴ・グロールが、“俺達が出会った史上最高のオープニング・バンド”と評したのにも納得がいく。

The Struts – Body Talks

Written By Wyoming Reynolds



 

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