ブルースを現代に生かし続ける若きアーティスト10人:ジャック・ホワイトから18歳の天才ギタリストまで

October 22, 2017


ブルースを現代に生かし続ける若きアーティスト10人:ジャック・ホワイトから18歳の天才ギタリストまで

ブルースを作り上げたアイコンと言えば、皆さんご存じの通り、ハウリン・ウルフ、マディ・ウォーターズ、そしてジョン・リー・フッカーだ。ではその伝統を現在も生かし続けている若手ブルースマンやウーマンは誰だろう? ザ・ブラック・キーズ、アラバマ・シェイクス、そしてザ・ホワイト・ストライプスといったバンドが、先頭に立っている。近年のブルース・ロック・リヴァイヴァルにより、“あなたにブルースを歌う権利はあるのか?”と資格を問われることはもうなくなった。これらのアーティスト達は年は若いかも知れないが、ブルース年齢で言うと、彼等は円熟した心の持ち主だ。

1: マーカス・キング・バンド - マーカス・キング(1996年生まれ)
他の多くのブルースの天才達同様、マーカス・キングはブルースを聴いて育ち、父親のマーヴィン・キングとサウスカロライナ州グリーンヴィルで、初めてのギグを行なった。最も影響を受けた人として、ガヴァメント・ミュールのフロントマンであり同郷のウォーレン・ヘインズを挙げていたこのギターの巨匠は、後に自分のアイドルのウォーレン・ヘインズと組むことになる。この時ウォーレン・ヘインズは彼のセルフ・タイトル・アルバムをプロデュースし、数曲で演奏している。またオールマン・ブラザーズ・バンドに参加していたデレク・トラックスがそのシグネチャー・スライド・ギターでレコードに参加し、マーカス・キングのブルースの経歴に花を添えている。そのソウルフルなヴォーカル、器用なギター・ワーク、そして曲作りに対する真摯な姿勢により、自らが“ソウルに影響を受けたサイケデリック・サザン・ロック”と表現する音楽を生むマーカス・キングは、僅か21歳にして、新しいブルース・シーンをリードする用意が出来ている。

2: ケニー・ウェイン・シェパード(1977年生まれ)
1995年、18歳の時にレコード・デビューを果たし、“善人は若死にする”等と歌ったケニー・ウェイン・シェパードが、その後覚悟を決めて、強烈なブルース・ロック・アルバムを連続9枚リリースするといったことはなく、何だかホッとする。このルイジアナ州出身の独学のギタリストは、とても若い頃に商業的な成功を手にし、シングル7枚が全米チャート・トップ10入りし、ビルボード・ミュージック・アワードを2度受賞し、グラミー賞に5度ノミネートされている。ここに挙げられた多くのアーティスト同様、彼はブルースの流れをくむ人々に敬意を表し、偉人達の作品の多くをカヴァーしているが、最新作『Lay It On Down』は全てオリジナル・ナンバーから成り、ケニー・ウェイン・シェパードの激しいルーツ・ロック・サウンドが前面に出ている。フェンダー・ストラトキャスターを何本も所有する彼は、きっと何か正しいことをやっているに違いない。

Nothing But The Night - Kenny Wayne Shepherd Band

Nothing But The Night - Kenny Wayne Shepherd Band

 

3: シャンテル・マクレガー(1986年生まれ)
ブルース発祥の地はミシシッピのデルタだったかも知れないが、ブリティッシュ・ブルースの文化的歴史も同様に名高い。その遺産から思いも寄らないブルースの人が登場した。シンガー・ソングライターでありブリティッシュ・ブルース・ロック・ギタリストのシャンテル・マクレガーだ。天才ギタリストのような存在の彼女は、イギリスで最も若くして “ロック・スクール”の試験に合格し、有名なリーズ・カレッジ・オブ・ミュージックを非常に優秀な成績で卒業した。その後ブリティッシュ・ブルース・アワードを連続受賞し、ブルース・クラシック・コンピレーション『100 Years Of The Blues』に1曲提供している。そのパワフルなソプラノ・ヴォーカルとざらざらしたギター・リフのコンビネーションの何とも素晴らしいこと。

4: ダニー・ブライアント(1980年生まれ)
シャンテル・マクレガーと同じくイギリス人のダニー・ブライアントもまた、若くしてブルースに夢中になり、まだ十代だった頃に、ギター・レジェンドのウォルター・トラウトの“ワイルドで強烈な”プレイとアイルランド人ギター・ヒーローのロリー・ギャラガーに、くぎ付けになった。その後のキャリアで、ウォルター・トラウトは彼の良き指導者兼仲間になった。マーカス・キング同様、ダニー・ブライアントは父親のケン・ブライアントとブルース・ロック・バンドのレッドアイバンドでプレイし始め、そのキャリアをスタートさせた後、独立しヴァージン/EMIアジアとライセンス契約を結んだ。ヨーロッパ・ブルース・シーンに欠かせない存在となったダニー・ブライアントは、多数のクラブやフェスティヴァル・ギグでプレイし、ジョー・コッカ―やカルロス・サンタナ等と演奏しながら忠実なファンを増やしていった。ニュー・ライヴ・アルバムでは、ダニー・ブライアントが本領発揮し、そのフレットワークとブルーアイド・ソウルのニュー・スタンダードで観客を興奮させている。

Temperature Rising, Danny Bryant Big Band Live

Temperature Rising, Danny Bryant Big Band Live

 

5: タイラー・ブライアント&ザ・シェイクダウン - タイラー・ブライアント(1991年生まれ)
ブルース・ロック・シーンから登場した最もエキサイティングなプレイヤーのひとり、タイラー・ブライアント&ザ・シェイクダウンは、師匠達を真似するのではなく、ブルースの精神とハード・ロックのエネルギーを組み合わせた新たなサウンドを築こうとしてきた。15歳でエリック・クラプトンのクロスロード・ギター・フェスティヴァルでプレイし、地元テキサスでドワイト・ヨーカムのオープニングを飾ったりと、その経歴もまた印象深い。デルタとシカゴのブルース・シーンにも影響を受けたこのシンガー・ソングライターは、既にギターの世界では名の知られた人物であり、同郷のテキサスのレジェンド、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、ZZトップ、ゲイリー・クラーク・ジュニアとプレイしている。26歳の彼もまた、円熟した魂を持つ人物として、ギターで見事な速弾きをこなし、バンドはその特徴的な激しいブルース・ロックで世界中でファンを獲得し、サザン・ロック・フェスの“ランブリン・マン”でもプレイしている。

Tyler Bryant & The Shakedown - The Wayside (Live From The Beast)

Tyler Bryant & The Shakedown - The Wayside (Live From The Beast)

 

6: コリン・ジェイムス (1964年生まれ)
現代ブルース・シーンの幾分長老という印象の、故郷カナダの生きる伝説のコリン・ジェイムスは、1990年のアルバム『Sudden Stop』が世界的ヒットを記録し、アメリカでも成功を手に入れた。彼はまたヴァージン・レコード・アメリカと契約した二人目のアーティストでもあった(一人目はイギー・ポップ)。18枚ものアルバムを発表している彼は、このジャンルで最も重要な先導者のひとりであり非凡な才能の持ち主だ。近年のざらざらしたブルース・サウンドを避け、手の込んだギター・スタイルと滑らかな歌い方で知られる。コリン・ジェイムスはジュノ・アワードを6度受賞という立派な功績を収め、2013年にはカナダの音楽の殿堂入りを果たす等、数多くの称賛を浴びている。

7: ジョー・ボナマッサ (1977年生まれ)
このリスト中でも定評のあるブルースマンのひとり、40歳の“スモーキング・ジョー”・ボナマッサは、ブルースの基準からするとまだ若い。12歳の時にB.B.キングによってステージに引っ張り上げられ、13歳でジョン・リー・フッカーと一緒に演奏したという、彼の物語の始まりは今ではブルース界の語り草になっている。このギター名人は現役ギタリストとしてはベストのひとりとして広く知られ、60年代イギリス・ブルース・ロック・ヒーローのエリック・クラプトンやジミー・ペイジ、そしてアメリカン・アイコンのスティーヴィー・レイ・ヴォーンのスタイルでプレイする。今年のブルース・ミュージック・アワードのB.B.キング・エンターテイナー賞受賞者のジョー・ボナマッサは、凄腕プレイヤーとしてのみならず、自らのリフを書くことにも優れていて、どんなジャンルも容易にこなす。ブルースの熱心な研究者である彼は、インプロヴァイゼーションの手腕と技術力に恵まれ、聴いた瞬間にはっきりと分かる独自のサウンドを誇る。

Joe Bonamassa - "Livin' Easy" - Live At Carnegie Hall: An Acoustic Evening

Joe Bonamassa - "Livin' Easy" - Live At Carnegie Hall: An Acoustic Evening

 

8: クリストン・“キングフィッシュ”・イングラム (1999年生まれ)
“天才”という単語は手垢のついた言葉だが、18歳のクリストン・“キングフィッシュ”・イングラムの場合は、これが非常にしっくりくる。デルタ地域出身のクリストン・キングフィッシュ・イングラムは、生まれた瞬間からブルースに慣れ親しみ、6歳でドラムをプレイし始め、11歳でベースに転向し、そしてついにギターを手にした。教会で育ったクリストン・キングフィッシュ・イングラムは、ゴスペル・ミュージックとブルースを吸収し、デルタ・ブルース・ミュージアムでダディ・リッチとビル・ハウルの指導の元、その才能を磨いていった。その人気上昇にインターネットが大きく貢献した。彼の驚くべき才能と印象深いフレットワークの噂は動画を通して広がり、オーディエンスを熱狂させ、元ファースト・レディのミシェル・オバマを魅了している。

"The Thrill is Gone" Christone "Kingfish" Ingram @ 2016 Winthrop Rhythm & Blues Festival 9301

"The Thrill is Gone" Christone "Kingfish" Ingram @ 2016 Winthrop Rhythm & Blues Festival 9301

 

9: ジャック・ホワイト(1975年生まれ)
もし最近のブルース・ロック・リヴァイヴァルのカギとなる人物をひとり挙げるとしたら、ザ・ホワイト・ストライプス、それからスーパーグループのザ・ラカンターズとザ・デッド・ウェザーの元フロントマン、ジャック・ホワイトになるだろう。パフォーマーとして、そして自らのレコード・レーベルとプレス工場“サード・マン”を通じて、ジャック・ホワイトはブルースの存続の為に自分の役目を果たしている。ジャック・ホワイトのブルースの表現力は、その曲作りと演奏スタイル、そして自己神話化した人格から明らかだ。自らのレコードをブルース界の偉人達に捧げ、ザ・ホワイト・ストライプの2作目『De Stijl』ではサン・ハウスとブラインド・ウィリー・マクテルをカヴァーした。チェス・レコードの傑作やその他ヴィンテージ・ブルース・カタログの再発に取り組んでいない時期は、『American Epic』といったドキュメンタリーの舵取りをしながら、ブルースを大衆に紹介している。

10: シェメキア・コープランド(1979年生まれ)
ヒップホップ全盛の時代にハーレムで育ったブルース・シンガーのシェメキア・コープランドは、ブルースの世界へと導いた人物として父親(テキサス・ブルース・ミュージシャンのジョニー・クライド・コープランド)を挙げる。『33 1/3』を含む最初の数作品はコンテンポラリー・ブルースのフォーマットに忠実だったが、最近のリリースは、彼女のエネルギッシュな声のお陰でよりソウルフルな趣が感じられる。彼女は、30歳を前にして既に幾つかのブルース・アワードを受賞し、グラミー賞にもノミネートされ、ザ・ローリング・ストーンズ、B.B.キング、そしてタジ・マハールのオープニングを務めた。2015年リリースの『Outskirts Of Love』で、シェメキア・コープランドはジャンルの境界線をさらに押し広げ、ZZトップ、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、そしてソロモン・バーク等のアーティストをカヴァーし、イギリスのThe Blues Magazine誌上で“ベスト・アルバム・オブ・ザ・イヤー”として称賛された。

Robert Cray and Shemekia Copeland - I Pity The Fool - Bobby "Blue" Bland

Robert Cray and Shemekia Copeland - I Pity The Fool - Bobby "Blue" Bland

 

Written By Laura Stavropoulos



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