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ラッシュが11年ぶりに復活。2026年夏に北米ツアー“Fifty Something Tour”開催を発表
カナダが誇る伝説的プログレッシブ・ロック・バンド、ラッシュ(Rush)が帰ってくる。2020年にドラマーで作詞家のニール・パートが亡くなって以来、初のツアーを発表した。全12公演のこのツアーは、2026年の夏にかけて北米各地のアリーナを巡る予定だ。
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“Fifty Something Tour”と銘打たれたこのツアーで、ギタリストのアレックス・ライフソンとベーシスト/ヴォーカリストのゲディ・リーは、2015年の“R40 Tour”以来実に11年ぶりに再びステージに立つ。同ツアーには、新メンバーとして、ジェフ・ベックのバンドでの活躍でも知られるドイツ人ドラマーで、作曲家、プロデューサーでもあるアニカ・ニルスが加わる。
ゲディ・リーは声明で次のように述べている。
「アレックスと僕が、亡きバンドメイトであり友人のニールと共にラッシュの音楽を演奏してから、もう10年以上が経った。僕らが生涯をかけて、心血を注いで書き、録音し、ステージで演奏してきた楽曲たち。あの最後の公演から本当にいろんなことがあったけれど、アレックスと僕は真剣に自省を重ねた結果、心底それを恋しく思うと同時に、50年以上にわたるラッシュの音楽を祝う時が来たと確信したんだ。だから2026年、親友のレックス(アレックス・ライフソン)と僕は再びツアーに出る。バンドの軌跡とニールへのトリビュートとして、数都市でラッシュの名曲を演奏するよ。簡単な仕事じゃない。ニールが唯一無二の存在だったことは、誰よりも僕らがわかっているからね」
ニール・パートの妻であるキャリー・ナトール・パートと娘のオリヴィア・パートも、この新たな出発に賛同する声明を発表している。
「世代を超えたファンの皆さまの心に響き、感動を与えてきたラッシュの音楽と、ドラマー兼作詞家としてのニールの偉大なレガシーを称えるこの“Fifty Something Tour”を心から支持します。バンドがこの新たな章に踏み出すにあたり、それはまさに忘れられない体験となるでしょう。彼らの新たなビジョンがどのように展開されるのか、そしてバンドの伝説的な音楽を再びライヴで聴けるのを楽しみにしています」
ラッシュの最新ツアーは、現地時間2026年6月7日、ニールとの最後の公演を行ったロサンゼルスのキア・フォーラムで開幕し、メキシコシティ、フォートワース、シカゴ、ニューヨーク、トロント、クリーブランドなどを巡る。
同ツアーのTicketmasterでのプレセールは10月9日午後11時59分(現地時間)まで受付中。アーティスト・プレセールは、アメリカとカナダで10月13日正午(現地時間)から、メキシコで10月16日正午(現地時間)から開始され、一般販売はアメリカとカナダで10月17日正午から、メキシコで午前11時からスタートする。さらに、アメリカではCiti、カナダではアメリカン・エキスプレス、メキシコではBanamexと各会員向けのプリセールも実施される予定だ。
Written By Sam Armstrong
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