テデスキ・トラックス・バンド、新プロジェクト『I Am The Moon』を発表。4枚の作品をほぼ毎月発売

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新世代3大ロック・ギタリストの一人と称されるデレク・トラックスとシンガー/ギタリストのスーザン・テデスキの夫妻が結成した12人組バンド、テデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band)。

彼らのキャリアにおいて最も野心的な新スタジオ・プロジェクト『I Am The Moon』をリリースすることを発表し、プロジェクトのトレーラーが公開された。

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4枚のアルバムという大作

本プロジェクトは、4枚のアルバムに24曲のオリジナル曲を収録した壮大なプロジェクトで、パンデミック時代の孤立と断絶に感情的に駆り立てられる中、バンド全員で12世紀のペルシャの詩人ニザーミーの書いた「ライラとマジュヌーン」の物語にインスピレーションを受けて創造したもの。合計2時間以上に及ぶ音楽は、ジャンルを超えたサウンドで展開される。

『I Am The Moon』は、「I. Crescent」「II. Ascension」「III. The Fall」「IV. Farewell」の4枚で完結する形となるが、第一弾『I Am The Moon: I. Crescent』の2022年6月3日リリースから始まり、ほぼ4ヵ月連続で1枚ずつ順次リリースされる。

『I Am The Moon』を4つのエピソードで構成してリリースすることを決めたことに関し、トラックスはジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの1967年のLP『Axis: Bold as Love』を引き合いに出し、以下のようにコメントを寄せている。

「自分たちの好きなレコードを考え始めたときに決めたんだ。このレコードの収録時間は36分。それがレコードを満足に消化する手段のひとつかもしれないと」

このようなアプローチを念頭に置き、テデスキ・トラックス・バンドは『I Am The Moon: The Film』も用意している。これは、各アルバムに付随した映像作品で、アルバム発売の3日前にバンドのYouTubeチャンネルを通じて公開し、各アルバムの全曲を聴いたり見たりする機会をファンに提供するというものだ。アリックス・ランバートが監督を務めたこの映像は、スタジオや演奏の様子、雰囲気のある写真や画像を組み合わせて、音楽の万華鏡のような質感を美しく捉えたものになっているとのことだ。第一弾『I Am The Moon The Film:  I. Crescent』は、6月1日に公開される。

 

制作に至るまでの背景

グラミー賞受賞バンドの5枚目のスタジオ録音作品となる『I Am The Moon』のコンセプトは、バンドがパンデミックによってツアーに出られなくなってしまった2カ月後の2020年5月に、TTBボーカルのマイク・マティソンの提案から始まった。

ペルシャの詩人ニザーミー・ガンジャヴィが書いた12世紀の詩「ライラとマジュヌーン」は、エリック・クラプトンが1970年にデレク・アンド・ドミノスとしてリリースしたの2枚組LP『Layla and Other Assorted Love Songs』のタイトル・インスピレーションとなっており、全曲再現したライヴ・アルバム『Layla Revisited (Live at LOCKN’)』を昨年リリースしているほどテデスキ・トラックス・バンドに影響を与えたアルバムだが、この出典元の原作をグループで読み、みなで掘り下げないかとマティソンが提案した。

ニザーミーの原作は、マティソンとバンドの他のメンバーには、まったく別の形で響き、複雑なテーマとストーリーをそれぞれメンバーは見出し、それが創作活動のインスピレーションとなって、100ページに及ぶ膨大な詩を新たに現代的に解釈することに成功したのだという。

『I Am The Moon』は、バンド・メンバーがそれぞれ独自の視点で作品に貢献し、共同作業で書き上げられ、2021年1月にフロリダ州ジャクソンヴィルにあるテデスキとトラックスの自宅スタジオ、スワンプ・ラーガでレコーディングを行ったという。デレク・トラックスがプロデュースし、長年のスタジオ・エンジニア、ボビー・ティスが録音とミキシングを担当した。

テデスキ・トラックス・バンドは、『I Am The Moon』において、ロマンチックな関係、集団的闘争、信仰、そして人間の経験についてなど、オペラのように壮大な規模でこのストーリーを音楽を通して探求している。

「この曲のほとんどは、かなり短期間で書き上げたから驚きだ。テーマやヴァリエーション、歌詞の引用など、アルバムの他の曲と同じようなコード・チェンジも入っている。いつも何か大きなテーマ性のあることをやりたいと思ってきたが、今回初めて自然にそうなったんだ」

テデスキ・トラックス・バンドは、この壮大なプロジェクトの第1弾がリリースされて間もない6月24日からジャクソンヴィルを皮切りに大規模なツアーを本格スタートさせる。ツアー中に新作が順次リリースされていき、このプロジェクトの全容が発表される頃には、さらに一段と大きなバンドへと進化しているに違いない。

Written By uDiscover Team



テデスキ・トラックス・バンド
『I Am The Moon: I. Crescent』

2022年6月3日発売
CD / iTunes Store / Apple Music



テデスキ・トラックス・バンド
『I Am The Moon: II. Ascension』

2022年7月1日発売
CD / iTunes Store / Apple Music



テデスキ・トラックス・バンド
『I Am The Moon: III. The Fall』

2022年7月29日発売
CD / iTunes Store / Apple Music



テデスキ・トラックス・バンド
『I Am The Moon: IV. Farewell』

2022年8月26日発売
CD / iTunes Store / Apple Music


【テデスキ・トラックス・バンド】

Photo by David McClister

スーザン・テデスキ (g, vo)
デレク・トラックス (g)
ゲイブ・ディクソン (key, vo)
ブランドン・ブーン (b)
タイラー・グリーンウェル (ds, perc)
アイザック・イーディ (ds, perc)
マイク・マティソン (g, vo)
マーク・リヴァース (vo)
アリシア・シャコール (vo)
ケビ・ウィリアムズ (sax)
エフライム・オーウェンズ (tp)
エリザベス・リー (tb)




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