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U2が新たなサウンドスケープを探求した『Zooropa』

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U2は『Zooropa』で新たなサウンドスケープを探求

 

ZOO TVツアーで世界中を回っていた間にも、新作の構想が次々と湧き上がっていたことから、U2の次のアルバムはバンド史上最短期間で制作された。 『Rattle and Hum(邦題:魂の叫び)』と『The Joshua Tree』は必然のパートナーとして対になっていると、ボノが説明していたように、1991年の『Achtung Baby』もまた、すぐに相補的な次作を生み出すきっかけになるだろうとバンドは確信。その作品名は『Zooropa』で、当初の構想ではEPの予定であったが、そのまま自然に8作目のスタジオ・アルバムとなった。 これまで同様、その途中では、ちょっとした楽しい課外活動も行われている。例えば1992年1月、ヤードバーズがロックン・ロール殿堂入りした夜に、その贈呈役を担ったのはジ・エッジであった。ZOO TVツアー中には、様々なゲストとステージで共演。ウィーン公演ではアクセル・ローズが、パリ公演ではスティーヴン・タイラーとジョー・ペリーが、そしてストックホルム公演では(アバの)ベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが登場し「Dancing Queen」でU2と予期せぬ共演を果たしている。8月には、ビリー・ジョエル以来史上2番目のアクトとして、彼らはニューヨークのヤンキー・スタジアムでライヴを行った。 U2が『Zooropa』の制作に着手したのは1993年初頭、ZOO TVツアーの日程中断期間のことだ。アルバム完成後、このツアーは音響と映像の豪華ショー Zooropa(*訳注:ZOO TVツアーの4行程目)へと進化していった。今回のレコーディングに使用されたのは、ダブリンのスタジオ3ヵ所。つまりウェストランドと、ザ・ファクトリー、そして移設したものの、バンドにとって頼れる録音場所だったスタジオの旧名を受け継いだ、新ウィンドミル・レーンである。後者2つのスタジオ作業が同時進行で行われていたというのもまた、初の試みであった。
このアルバムが店頭に並んだのは7月のこと。『Achtung Baby』からわずか20ヵ月後であり、その間には100公演以上の壮大なコンサートをも行っていた。これほど長期間に渡り、勢いが途切れることなく持続していたことについて、イタリア・ツアー中、ジ・エッジがQ誌にこう説明している。「『Zooropa』を作っていた時、僕らはまだ『Achtung Baby』とZOO TVツアーの創造的エネルギーの波に乗っていたんだと思う。同じひと続きのインスピレーションが一気に湧き上がっていたんだ」。

「『Achtung Baby』に取り組んでいた時は、今までとは異なる新しい音の領域を見つけようとしていたんだけど、今回のアルバムでは、それが既に確立されていた。だから僕らは自分達のやっていることに、より自信が持てたんだ」。後にジ・エッジはこう付け加えている。「僕はいまだに、このアルバムのことを理解している最中でもあるんだ。作品が出来上がってしばらくしてからやっと、その全体を貫いているテーマが見えてくることがよくあるんだよ。それが意識的なものではないことも、しばしばあるからね」。
ジ・エッジは、今回初めてU2のアルバム共同プロデューサーの一人として、単独で名前をクレジットされた。その役を共に担ったのは、腹心の友である不動のブライアン・イーノと、そして新たな名前がもう一人。だがその人物は、実はU2陣営の古参である。そのフラッドことマーク・エリスは、『The Joshua Tree』で共同エンジニアを務めており、その後、ナイン・インチ・ネイルズの『Pretty Hate Machine』やデペッシュ・モードの『Violator』における共同プロデューサーを経て、『Achtung Baby』で古巣U2のもとに帰還。『Zooropa』制作に当たり、ダニエル・ラノワのスケジュールが空いていなかったため、長年に渡って築いてきた関係から、フラッドが共同プロデューサーとして昇格したのは理想的な選択であった。 この作品に呈された最高の賛辞のひとつは、恐らくグラミー賞で最優秀オルタナティヴ・アルバム賞を受賞したことだろう。その栄誉は、そろそろロック界の権威と見なされるようになってもおかしくない立場にあるにも拘らず、依然として飽くことを知らない熱意で新鮮な景色や位置を探索していた、好奇心旺盛なバンドのスピリットの証であった。本作を「ひとつのバンドが古い殻を脱ぎ捨てる音」を鳴らしているアルバムであると述べたのは、スピン誌である。 『Zooropa』から1発目のシングルとして放たれたのは、リード・トラックとしては挑戦的な選択と言える、6月発表の「Numb」だった。マントラのように繰り返される効果音とサンプリングに満ちたこの曲は、ほぼインダストリアル・ダンス・サウンドとの境界上にあり、アルバムで展開されていく斬新な方向性の下地となる、妥協を許さない最先端の音を響かせていた。 『Zooropa』では、非常に豊かな色彩のサウンドが堪能できると共に、実に多様な楽器やエフェクトの音色がそれと融合しているため。ボノが抑制を効かせた、控えめであるが故にむしろ効果が高い歌唱表現をしばしば行っているのは賢明かつ適切であった。確かに「Numb」や、同じくクラブ指向の「Lemon」では、また穏やかな「The First Time」でも時折、ファルセットを用いることによって、ボノの今までにない全く新しい側面が示されている。 また第3弾シングル「Stay (Faraway, So Close!)」は、別ヴァージョンがヴィム・ヴェンダース監督の映画『時の翼にのって(原題:Faraway, So Close!)』で使用され、後にゴールデン・グローブ賞の最優秀オリジナル・ソング部門にノミネート。アイルランド国内チャートでは1位を獲得し、英国ではトップ5入りを果たした。その他、このアルバムの歌詞では、ボノがまだ自分自身理解し始めたばかりであると認めていた、幾つかの領域を開拓している。
「「Daddy’s Gonna Pay For Your Crashed Car」のような曲には、確かに邪悪な気配がある」と、Q誌に語っていたボノ。「この曲のテーマは依存関係とか、あるいはもっと邪悪なものについてかもしれない。これはエレクトロニック・ブルースなんだ。僕なりのロバート・ジョンソン的な曲だね。つまり悪魔に魂を売っているのさ」。 本作を締めくくっているのは、U2史上最も重要なコラボレーションの1つだ。アルバム最後の曲「The Wanderer」にリード・ヴォーカルを提供しているのは、当時60歳のジョニー・キャッシュ。数年前にB.B.キングとコラボした時のように、アメリカ音楽の真の中心地にこのバンドが惹かれていることによって、もう1人のヒーローとの共演からは素晴らしい成果が生まれた。 Zooropaツアーは、アルバムがまだ制作中にあった5月、ロッテルダムのフェイエノールト・スタジアムを皮切りに轟音を立てて始動した。スタジアム・サイズのこの驚異的なロック・スペクタクル・ショーは、ひと夏をかけてヨーロッパを猛襲。8月下旬にはダブリンに戻り、その後11月には、彼らが愛情込めてニュー・ズーランドと呼ぶ国で、Zoomerang(*訳注:ZooTVツアーの5行程目)として再始動した。 その頃までに『Zooropa』は、英国、米国、オーストラリア、そしてヨーロッパ中のチャートを制覇。全世界で700万枚のセールスに達しようとしていた。それはまた、この4人の友人同士が、今尚他に類のない関係を築いているという、さらなる証でもあった。 「バンドがより大きな成功を収め、より多くのものを達成するにつれて、自分のしていることを今も一番良く分かってくれる人間は、同じバンドの他の3人の男だってことに気づくものなんだ」と、当時、アダム・クレイトンは語っていた。「このバンドのどのメンバーにとっても、これは本当に、最もエキサイティングな人間同士の組み合わせなんだよ。僕ら全員が一緒になって、世の中で何が起きているのか突き止めようとしているわけだからね」。

Paul Sexton

U2 - Achtung Baby

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U2 - Zooropa

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U2 - Lemon

 

 

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