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U2が13年ぶりの来日公演2日間で語ったこと:日本の想い出、戦争と平和、中村哲医師への追悼

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Photo by Yuki Kuroyanagi

2019年12月4日、5日にさいまたスーパーアリーナで行われたU2の13年ぶりの来日公演。このライブについてU2の海外公式サイトに掲載されたレポートの日本語訳を掲載します。

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2019年12月4日:KONBANWA – コンバンワ

「コンバンワ!」

「New Year’s Day」が終わり、一息ついたボノが日本語でこう挨拶をした瞬間、さいたまスーパーアリーナは歓喜に沸き立ち、今夜がまた特別な一夜になることが決定づけられた。

「これまで我慢してくれてありがとう。待っていてくれてありがとう…どうしてもっと早く戻ってこれなかったのか、これという理由はないんだ… 日本とは深いつながりを感じている。これからやる曲はアルバム“The Unforgettable Fire(焔)”からの曲。これは日本の子供たちが反戦を願って描いた絵がきっかけになって生まれた。その絵は僕ら人間に、恐怖の光景を、平和こそ最も尊ばれるものであることを教えてくれる。手放すべきもの、その一方で、それ以上に強く握りしめておくべきもののことを歌った曲だ…’Bad’」

1983年、初めての公演で訪れた日本で、バンドはその展覧会『Unforgettable Fire(忘れざる炎)』に足を運んだ。そしてタイトルはU2が翌年に発表された4枚目のスタジオ・アルバムとなった。

今夜、デヴィッド・ボウイの「Heroes」の一節を交え、「Bad」は暗闇の中、日本だけでなく、世界の平和を願う“祈り”へと姿を変えた。

「平和に尽力する者たちに感謝を。謳われることなき英雄に。来る日も来る日も、戦争ではなく、平和を実現しようとしている女性たちに、男たちに。我々の目に見えぬところで輝く星たちに。一瞬でいい、この暗闇の中、祈りを送ろう。思いを寄せよう。謳われることなき英雄たちに。彼らをこの瞬間に連れてこよう…」

2006年以来となる記念すべき日本でのコンサート初日、もう一つ、記念すべき発表が行われた。U2X RADIOの立ち上げだ。発表に続いてステージに戻ったU2は「Elevation」を演奏。その模様はハワード・スターンがDJを務める米国の番組(デジタルラジオ、Sirius XM)内で生放送された。

「…ここ東京からニューヨークへ
みんなの声を世界に聴かせよう
U2X RADIO
第1回放送
みんなの声を届けよう
U2X RADIO
高い所に上がる準備はできてるかい?
光り輝く準備はできてるかい?
ハワード・スターン 聴こえるかい?
なんでそんなに…シリアスなんだ?」

他に言ったこと
ボノ:この緑、白、オレンジは、今夜ここにきてくれた偉大なオランダ人アントン・コービンが描いたアイルランドの旗だ! …出会った最初の時から、彼は僕たちが自分たちのサウンドで何をしようとしているのか視覚的に伝えることを試みてくれた…ラリー、アントン・コービンってどんな人?

ラリー:金がかかるね(編注:ジョークです)

エッジ:僕があった中で一番ファンキーな写真家アダム:オランダ人の大家

ボノ:僕はアントン・コービンのように背の高い人と一緒にいないように、今までの人生を過ごしました!(編注:アントンは194cm、ボノの身長は168cmということの自虐ジョーク)


2019年12月5日:ROCK’N’ROLL TRANSCENDENCE – ロックンロールで超越する

「昨夜は素晴らしい時間を過ごすことができた。でも今夜もまた…さらに高いレベルにまで持って行きたい。一種の Rock’n’Roll Transcendence(ロックンロールで超越する)だ。Rock’n’Roll Transcendenceをどう日本語で言えばいいのかわからないけど、僕らの言いたいことはきっと感じてもらえると思う。僕らは互いに、そして音楽に、そして愛に、身を委ねるためにここにいるんだ…」

今夜のライヴでは、今週早くに、アフガニスタンで他の5人と共に殺害されたピース・ジャパン・メディカルサービス総院長、中村哲医師への追悼として「Bad」が演奏された。

「一瞬でいい、皆の思いを寄せよう。僕らはこうしてここにいる、生きている、集まっている…屋内に輝くこの星空、このスポーツスタジアムを大聖堂に変えよう。それぞれのスマートフォンをキャンドルがわりに。偉大な寛大なる国が生んだ、偉大なる1人の人間、偉大なる中村哲医師を偲んで…」

サイモン & ガーファンクルの「Boxer」の一節を交えた「Bad」のラストは、こんなボノの言葉で締められた。
「祝福を送られるべきは平和に尽力する人たちだ」

このツアーのメインは何と言っても『The Joshua Tree』である。が、それ以外にも、いくつもの息をのむような瞬間がある。今夜の「Elevation」「Vertigo」「Real Thing」は特に圧巻だった。

今夜、2019年のツアーでは初となる「Gloria」が演奏された。最後にこの曲が日本で演奏されたのは、Lovetown ツアーで訪れたちょうど30年前の同じ月、1989年12月1日、大阪公演でのことだ。日本のファンも待ちわびていたことがわかる。

他にボノが言ったこと
「2日間…素晴らしい2日間をありがとう。ONEキャンペーン、そして(RED)の支援をありがとう」

さらに・・・
2日目の今夜、ボノは「Beautiful Day」の曲間、作家であり、長年にわたってu2.com に寄稿してきたキャスリーン・ファルサーニの名前をあげた。さらには女性として初の国連難民高等弁務官を1991年から2000年まで務め、先日亡くなった緒方貞子氏にこの曲を捧げたのだった。

「世界の女性たちが団結し、HIStory(男性のストーリー)をHERstory(女性のストーリー)に書き換えることができたなら…それは美しい日になるだろう…世界の女性たち…マダム・オガタ、これをあなたに捧げます」



U2来日記念 期間限定盤

2019年11月6日発売
全18タイトル / 各¥1,500(税抜)+税
13年ぶりの来日公演を記念して、全てのオリジナル・アルバム&ベスト盤を
税抜¥1,500のお買い得価格で期間限定リリース
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『ヨシュア・トゥリー』を含む旧譜カタログのデジタルダウンロード商品が
iTunes / レコチョクにて期間限定プライスオフ


U2 & A.R. ラフマーンによる新曲「AHIMSA」
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