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1970年6月にUKチャートで快進撃を見せたフリーと『Fire And Water』

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フリーにとって1970年6月は快進撃の月となった。2年に及ぶ地道なライヴ活動と評判で地盤を築き、ようやく表舞台で注目される様になり、6月6日に「All Right Now」で初のUKチャート入りを果たすと、3枚目となるスタジオ・アルバム『Fire And Water』がリリースされた6月26日にはトップ10入りを果たし、アルバムも続いて7月初旬にはUKチャート入りを果たした。

遂にこのカルテットは、幅広い層から支持され最も素晴らしいブルースとソウルに影響されたロックバンドとして認知されるまでになった。1969年にリリースされた前作のセルフタイトル・アルバムをプロデュースしたアイランド・レコードのクリス・ブラックウェルの作風が「綺麗すぎた」ことから、『Fire And Water』ではメンバー達自らプロデュースを行った。

エンジニアを手がけたのは、当時まだ無名だったロイ・トーマス・ベイカー(彼は後にクイーンの作品を手がけたことで名声を得る)。彼の「All Right Now」への貢献は、この曲を今を楽しむ為の祝歌へと導いたことであった。サイモン・カーク曰く「ハッピーな曲だったから他より目だったんだ」。

このシングルでは、ポール・ロジャースのヴォーカルの存在感、切り裂く様なポール・コゾフのリード・ギター・ソロ、そしてアンディー・フレイザーとサイモン・カークの素晴らしいリズムセクションの魅力を目一杯詰め込んでいる。さらに「Heavy Load」におけるフレイザーの素晴らしいピアノ演奏と「Mr Big」でコゾフのギターの下でベースを支えている。

バンドは1月からこのサード・アルバムの制作に取り掛かっており、後にポール・ロジャースはタイトル曲を作るにあたって彼とフレイザーは偉大なソウル・シンガーであるウィルソン・ピケットを意識していたと語っている。正しく彼らの狙い通り、翌年ピケットは「Fire And Water」をカバーしている。

「All Right Now」はUKシングルチャートに9月まで残り、最終的に8位までチャートを昇ったアルバムの宣伝の役割を見事に果たした。その後シングルは4週間のうち3週に渡り2位をキープし、10月末までトップ40に居続けた。そして、8月末に行われたワイト島でのライヴの評判も反映され、アルバムはUSトップ20を記録したのであった。

Written By Paul Sexton


 

フリー『Fire And Water』

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