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ポール・マッカートニー、新作アルバム発売直前にTikTok Liveで語ったこと

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2026年5月29日に発売となるポール・マッカートニー(Paul McCartney)の最新スタジオ・アルバム『The Boys of Dungeon Lane(ダンジョン・レインの少年たち)』。

このアルバムのプロモーションの一環として自身のTikTokアカウントからTikTok Liveを実施したポール・マッカートニー。ここで語られた一部始終を掲載

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ポール・マッカートニー:そこにコーヒーを少しこぼしたりもしないで。よし、電話の電源を切って。うん、そうする。いいね。切れた。それからギターを持って、あの“レネゲード”っぽいコードを練習してみよう。見せて。こうだ……そう、それ。あのコードが何なのかは分からないんだけどね。まあ、僕のちょっとしたやつを見れば分かるだろう。

司会:配信が始まりました。生配信です。

ポール・マッカートニー:よっ! オープニングショットに僕のお尻を映したね。いいじゃないか。

司会:ポール、皆さんこんにちは。ようこそ。ポールとの初めてのTikTok Liveへようこそ。いま配信を始めたばかりなので、少し人が集まるのを待ちます。チャットにコメントして、どこから見ているか教えてください。

ポール・マッカートニー:ふむ、僕はロンドンから見ているよ。君はどこから見ているの?

司会:いまコメントが画面に出てくるはずです。

ポール・マッカートニー:こんにちは、チーズ。

司会:では、そろそろ皆さんを迎えて始めましょう。最初に、そして一番大事な質問をしないとTikTokに怒られます。ポール・マッカートニーは幸せですか?

ポール・マッカートニー:うん、実際のところ幸せだよ。アルバムがもうすぐ出るし、ここロンドンは素晴らしい天気なんだ。ものすごく暑い。イギリスではかなり珍しいからね。だから幸せだよ。でも僕を怒らせないでね(笑)。

司会:皆さん聞きましたね。ポールを怒らせないでください。ではウォームアップに早押し質問をいくつかしましょう。

 

ファンからの質問

司会:ユーザー名Vampire Oreoさんからです。好きな色は何ですか?

ポール・マッカートニー:青が頭に浮かんだね。たぶん青が一番好きな色だと思う。でも、昔の母のことも思い出した。母の好きな色は緑で、僕はいつも「なぜだろう」と思っていた。母はアイルランド出身で、家族もアイルランド系だったからなんだ。だから、青緑ということにしようか。

司会:地球っぽいですね。素敵です。Daisy Cakes 4さんから、好きな靴は何ですか?

ポール・マッカートニー:靴かい。とても、とても靴だね。それはすごく馬鹿げた質問だよ。でも最近はスリッポンにハマっている。空港で靴を脱いでくださいと言われるだろう。紐靴だと、はい、5分後にようやく脱げました、という感じになる(笑)。だからスリッポンがいい。いまは黒いスリッポンが一番のお気に入りだね。

司会:いいですね。次は数字だけのユーザー名なので読み上げませんが、アルバムについての質問です。あなたは(ソロとしての最初のアルバム)『McCartney』を「home, family and love」という三語で表現しました。『The Boys of Dungeon Lane』を三語で表すなら?

ポール・マッカートニー:思い出、家族、そして愛。

司会:最初のアルバムとのつながりがありますね。Miguel Izmicoさんから、もしジョンが新しいアルバムから一曲選ぶとしたら、どれを選ぶと思いますか?

ポール・マッカートニー:いい質問だね。彼なら「Days We Left Behind」を選ぶかもしれない。彼がその中に出てくるから。

【和訳】Paul McCartney – Days We Left Behind / ポール・マッカートニー – デイズ・ウィ・レフト・ビハインド│新作『ダンジョン・レインの少年たち』発売決定!

司会:ひとつ、特別ゲストからの質問があります。TikTok Liveを見ている皆さんには映像は見えませんが、音声は聞けます。アルバムのプロデューサー、アンドリュー・ワットからです。

ポール・マッカートニー:うん。

アンドリュー・ワット:やあ、ポール。みんながついにこのレコードを聴けるわけだけど、僕からの質問は、いったいどうしてあなたはそんなに器用なんですか?

ポール・マッカートニー:それなら逆に、どうして君の庭には変な男の像があるんだい? アンドリューがいま見せた像のことだけど、彼がイタリアかどこかへ休暇に行ったとき、誰かが「オルフェウス」という像を作っていて、それが明らかに僕の顔だったんだ。それでアンドリューはそれを手に入れて、いま庭に置いている。だから、その答えで質問を避けることにするよ。

 

アルバムのアートワークについて

司会:石に刻まれて不滅になったわけですね。ではここにアルバムの現物があります。ちょっと開封してみましょう。アルバムはあなたとデヴィッド・レーンがデザインに関わっています。中にはケイト・ギブによるシルクスクリーンのコラージュがあり、アルバム内ではジョシュ・マッカートニーや娘さんのメアリーも手助けしています。

ポール・マッカートニー:すべてがうまくまとまったのが良かったんだ。メアリーに、使えるポートレートを撮ってくれないかと頼んだ。シルクスクリーンをやったケイトが、そのメアリーの写真を使って、あの形にしてくれると分かっていたからね。その処理がとても気に入っている。デヴィッドとはパッケージ全体、アルバムカバー全体のデザインについて話していた。僕がリヴァプールで十代のころに撮った初期の写真を見せると、彼が「全部使うべきだ。ケイトにシルクスクリーンで全部刷ってもらおう」と言ったんだ。

Behind the scenes of the screen‑printed collage for 𝒯𝒽𝑒 𝐵𝑜𝓎𝓈 𝑜𝒻 𝒟𝓊𝓃𝑔𝑒𝑜𝓃 𝐿𝒶𝓃𝑒 🐦‍⬛

ポール・マッカートニー:このアイデアで好きなのは、このカバーをずっと眺めていられるということだ。『Sgt. Pepper』のカバーでもそれをやろうとした。じっくり見入ってほしかったんだ。昔、リヴァプールの中心部へ行ってレコードを買ったことを覚えている。当時はヴァイナルだった。帰りのバスの30分間、ジャケットの細かいところまでずっと見ていた。今回のものにも見るものがたくさんある。子どものころの僕、兄のマイク、友人たち、ジョンやジョージもいる。ヒッチハイク旅行にも行った。アルバムには「Down South」という曲があって、僕とジョージがリヴァプールから南へヒッチハイクした話なんだ。その楽しい思い出が全部ここに入っている。ハンブルクの写真もある。

司会:とても大事な質問です。鳥は何を意味しているんですか?

ポール・マッカートニー:「Dungeon Lane」についてデヴィッドと話していたとき、彼が「それは何なの?」と聞いた。僕らが住んでいたリヴァプールのスピークという場所は、何百万とまでは言わないけれど、膨大な数の公営住宅が並ぶところだった。大規模な住宅計画のような場所だ。そのすぐ隣がリヴァプールの端で、団地から1マイル(1.6km)ほど歩くと急に深い田舎になる。人々のアクセントまで変わって、少しチェシャーっぽくなる。リヴァプールへ戻るとまたリヴァプール訛りになる。

そこから外へ出る道があって、それがマージー川の岸へ下っていく小道だった。僕はよくそこへ行った。『Observer’s Book of Birds』という小さな鳥の本を持っていたんだ。ポケットサイズの本で、鳥が全部載っていた。見かけた鳥を調べて、説明を読んだりした。だからここにある鳥は、その本に関係している。僕の美しい記憶のひとつは、野原でヒバリが舞い上がるのを見たことだ。人に「ヒバリが上がっていくのを見たことがある?」と聞くんだけど、本当に素晴らしい光景なんだ。まっすぐ柱のように上がって、上まで行くと少し止まり、それから別の場所へ滑るように飛んでいく。人は「あそこに巣があるんだな」と思う。でも実際には逆で、巣は別の場所にある。彼らは巣から注意をそらしているんだ。

 

ファンからアルバムについての質問

司会:素晴らしいですね。では次に、事前にファンから届いた質問です。Malinさんから。これまでのアルバムと比べて、この新作で一番違うと感じることは何ですか? 明確なビジョンを持って入ったのか、それとも書き始めてから発展していったのですか?

ポール・マッカートニー:本当のことを言うと、僕は何かに明確なビジョンを持って入ることはほとんどない。全部その場で作るんだ。先日ジェフ・リンと話していて、ブリティッシュ・インヴェイジョンのころのバンドが、楽譜の読み書きを習っていなかったことを話していた。僕が「僕らは習わなかったよね」と言うと、ジェフが「そう、僕らは作ったんだ」と言った。その通りで、僕らは全部作り上げた。楽譜する法を知らなかったから、書き留めることもできなかった。

子どもたちに正式な記譜法を学ぶなと言うつもりはない。でも僕らの場合は、それがすごく良かった。人から人へ直接伝わったからだ。紙が間に入らなかった。コードを学ぶには、互いに見せ合うしかなかった。「こうやるんだ」とね。初期には基本的なロックンロールの3コード、A、D、Eを知っていた。それで多くのブルースが弾ける。ある日、Eの曲でB7が必要になった。BとAは知っていたけれど、B7は知らなかった。リヴァプールの向こうにB7を知っている人がいると聞いて、バスに乗って訪ねた。ドアをノックして「すみません、あなたがB7の人ですか?」と聞くと「そうだよ」と言う。「教えてもらえますか?」と言ったら教えてくれた。そこから僕らはそうやって続けて、必要なコードを少しずつ蓄えていった。

司会:コードの話が出たので、このアルバムがどう始まったのかを話していただけますか?

ポール・マッカートニー:(プロデゥーサーの)アンドリュー・ワットに会いに行ったんだ。ただお茶を飲むためにね。座って作曲の話をしていたら、彼が「どうやって曲を始めるんですか?」と聞いた。僕は「分からない。いろいろな方法があるけれど、時々はただギターに指を置いて、何が出るか見る。変なコードでもね」と答えた。それがかなり変なコードだった。でも気に入った。それがアルバムの最初のコードになったんだ。上の音だけが変わる。いまでもあのコードが何なのか分からない。

司会:TikTok Liveを聴いている皆さんの中に、このコードが何なのか分かる人がいるかもしれませんね。

ポール・マッカートニー:そうだ、誰か知っている人がいるだろう。もう一度やってみよう。Gにかなり関係しているはずだ。僕は名前を知る必要はないけれど、それが出発点になった。僕とアンドリューはその3つのコードで遊び始めて、アルバム最初の曲「As You Lie There」を書くきっかけになった。

司会:TikTok Liveなので、アルバム発売前にその曲の最初の30秒を流して、皆さんに少しだけ聴いてもらいましょうか。

楽曲「As You Lie There」が少し流れる

ポール・マッカートニー:「Do I ever cross your mind?」……そういうことだった。とても楽しかったよ。変なコードを入れればインスピレーションになるかもしれないと言ったら、本当にそうなった。

 

もう一度体験したいビートルズの1日とジョージの火傷

司会:あとは歴史になるんですね。あるいは皆が聴けるようになる2日後ですね。少し後で別のスニペットも流しましょう。XOO.Annieさんからの良い質問です。ビートルズ時代の一日をもう一度体験できるなら、どの日を選びますか?

ポール・マッカートニー:難しいね。素晴らしい日がたくさんあるし、「一日」といっても、とても小さな日かもしれないし、ものすごく重要な日かもしれない。頭に浮かんだのはサヴィル・ロウの屋上コンサートだね。あれをもう一度体験するのはかなりクールだと思う。最終回答はそれでいこう。

The Beatles – The Beatles – Don't Let Me Down (Live Performance) [Mono / 2009 Remaster]

司会:ではそれで確定です。もう変更できませんよ。ビートルズの思い出の話から、先ほど触れた「Down South」に進みましょう。あなたとジョージのヒッチハイクについての曲です。ジョージが感電した面白い話がありますよね。

ポール・マッカートニー:僕らはチェスターからヒッチハイクしていた。曲は大まかにそのルートを語っている。トラックに乗せてもらってウェールズへ向かった。次の車を探していると、小さな古いミルク配達車が来た。牛乳屋さんで、後ろに牛乳を積んでいた。あれは昔の電気自動車で、僕らが初めて見たものだった。だから何年か前に電気自動車が本格的に広まり始めたとき、僕は全部があの小さなミルク配達車みたいに時速4マイルくらいしか出ないと思っていた。実際は違って、今はビューンと走るけどね。

その人に乗せてもらった。運転手がいて、ジョージが乗り、僕も乗った。ジョージは運転手の隣、真ん中にある電気自動車のバッテリーの上に座ることになった。僕らは楽しく走りながら運転手と話していた。すると突然ジョージが「うわ、うわ、うわ」と飛び上がった。「どうした?」と聞くと、彼が履いていたジーンズの後ろポケットにジッパーがあって、そのジッパーがバッテリーの2つの端子をつないでしまったんだ。電気が通って真っ赤に熱くなり、彼を火傷させた。後で泊まる場所を見つけたときに見せてもらったら、ジッパーの火傷の跡だった。

司会:焼き印を押されたわけですね。

ポール・マッカートニー:焼き印だね。面白いのは記憶というものだ。最近ジョージの奥さんのオリヴィア・ハリスンと話していたら、彼女が「ジョージといた時に、あなたが火傷した話が大好き」と言った。僕は「僕じゃないよ」と答えた。記憶は少しずつ変形するんだ。彼女の中では、おそらくジョージの中でも、火傷したのは僕ということになっていた。

司会:跡はないでしょうからね。TikTok Liveでは確認しません! では「Down South」のスニペットを流しましょう。

楽曲「Down South」が流れる。

ポール・マッカートニー:「You talkin’ about me, Tarzan rock ’n’ roll!」

司会:最高ですね。では3曲目に何を聴くか、ファンの皆さんに選んでもらいましょう。「Come Inside」と「Salesman Saint」、どちらを聴きたいかコメントしてください。

 

歌詞の聞き間違いや最近のリンゴ

司会:Eloise Marieさんからです。ファンが、あなたが本来込めた意味とは違う意味を曲に見出したことはありますか?

ポール・マッカートニー:あるね。時々ある。しかも、僕はその勘違いのほうが実際の歌詞より良いと思うこともある。ウィングスに「Hi, Hi, Hi」という曲があって、あまりに際どいということでBBCに放送禁止にされた。その中に、僕がシュルレアリスム的な歌詞を書いていた時期の一節がある。言葉に大した意味がなくてもよかったんだ。曲の中で女の子に「ベッドに横になって、僕のポリゴンに備えて」と言う。ポリゴンって何だ? 数学的なものだろうけど、ただの冗談だった。ところが人々はそれを「body gun」と聞き始めた。僕は「そっちのほうがいいな」と思った。「僕のボディ・ガンに備えて」なんてね。完全にポリゴンをボディ・ガンに変えてしまった。正直、気に入ったよ。

司会:面白いですね。私も歌詞を見るまでよく聞き間違えます。

ポール・マッカートニー:その通り。エルヴィス・コステロが教えてくれたんだけど、彼の昔のマネージャー、ジェイク・リヴィエラは「Strawberry Fields Forever」の冒頭「Living is easy with eyes closed(目を閉じれば、生きるのは楽だ)」を「Living is easy with nice clothes(素敵な服があれば、生活はもっと楽しくなる)」だと思っていた。間違いではないね。ちょっといい感じだ。

司会:今日はダニーの誕生日なので、愛を送りたいです。誕生日おめでとう、ダニー。Carla Marlaさんから。もし英国首相だったら、何を変えたいですか?

ポール・マッカートニー:大きな質問だね。物事がちゃんと効率よく動くようにしたい。人々は税金を払って政府にお金を入れているのに、中にいる人たちがそれをどう扱えばいいのか分かっていないように思う。だから、うまく考えられる人たちを集めて、実際に人々がもっと幸せに暮らせるようにしたい。道路や穴ぼこ、税金などの仕組みを整えて、人々が「稼いだお金をもう少し手元に残せる」と感じられるようにする。僕自身は高い税率で税金を払っているけれど、それはあまり気にしていない。社会に返していると思っている。でもあまりお金を持っていない人たちが搾取されている。だから、誰かがそれを直す必要がある。国民保健サービスも含めて、いろいろ直す必要があるよね。

司会:ありがとうございます。TheRealCaneさんから。最後にリンゴと連絡を取ったのはいつですか?

ポール・マッカートニー:最後に話したのは……先週だね。僕らはよくFaceTimeをするんだ。彼はロサンゼルスに住んでいるから、僕がイギリスにいると8時間遅れだ。でも素敵なんだ。彼と奥さんのバーバラと近況を話すのは楽しい。いま彼はカントリーミュージックで成功している。アルバム『Look Up』のことだね。すごく良いよ。

司会:あなたはカントリーをやることはありますか?

ポール・マッカートニー:リンゴはカントリーの人なんだ。グループの中でもいつもそうだった。僕らはもっとロックンロール寄りだったけれど、彼はずっとカントリーだった。良いカントリー歌手をよく知っていて、僕らに教えてくれた。ビートルズのアルバムで彼が最初に歌った曲のひとつが「Act Naturally」だったのも、彼がカントリーの世界から知っていたからだ。僕らは彼ほど詳しくなかった。だから彼とはかなり定期的に話す。素敵なやつだよ。

Act Naturally (Remastered 2009)

司会:Enzoさんからです。このアルバムを作った後、20歳のポール、あるいは若いポールにどんな助言をしますか?

ポール・マッカートニー:人生についてでも音楽についてでも何でもいいなら、何を言うだろうね。すべては可能だ、あらゆることは可能だと信じることかな。そして何かを選んだら、それに打ち込むこと。取り組むこと。音楽なら、遊ぶように弾くこと。僕自身、ビートルズ、ウイングスを見ても、多くの場合はただたくさんやることだった。やれば上達し、のめり込み、自信も育つ。20歳のポールにはそう助言するね。

司会:Jacquettaさんからの素敵な質問です。あなたに影響を受けてベジタリアンになったそうです。『Ram』を作るきっかけは何でしたか?

ポール・マッカートニー:当時、僕はスコットランドに住んでいた。リンダと僕は、周囲にあったビジネスの世界から逃れるためにそこへ行った。あまり良い状況ではなかった。物事を動かしていた男がいて、僕らは彼を信用していなかった。だから「行ってしまおう」と思ったんだ。ロンドンで翌朝10時からビジネスミーティングがあると言われても、「すみません、そこにはいません」と言えた。素晴らしかった。

そこは羊牧場だったので、ダンカンという友人というか、僕らのために働いてくれていた人と羊の毛刈りをするようになった。彼は本当に上手で、電動ではなく昔ながらのバリカンを使っていた。すごい技術なんだ。彼は一日に100頭くらい刈った。僕は運が良ければ10頭だったけれど、とても楽しかった。羊をひっくり返して刈るやり方を見るのも面白かった。アルバムのタイトルを考えたとき、「ram」という言葉が頭に浮かんだ。羊と一緒に働いていたからね。それにいろいろな意味があるのが良かった。突き進む、という意味もあるし、強い動物という感じもある。それでうまくいった。

司会:素敵です。Andrew the Derek Kingさんから。好きな鳥は何ですか?

ポール・マッカートニー:好きな鳥か。ブラックバードだね。

Blackbird (Remastered 2009)

司会:迷いませんね。Jamieさんから、新しいアルバムで一番好きな曲は?

ポール・マッカートニー:いつも難しい。変わるからね。「Days We Left Behind」はかなりのお気に入りだ。でも「Life Can Be Hard」という曲もあって、少し意外性がある。だからそれが2番目かもしれない。いや、それから「Salesman Saint」もいいんだ。あれは両親についての曲だから。そして「Mama Gets Back」は大きなオーケストラの曲で違った魅力がある。結局、質問に答えるなら「Days We Left Behind」かな。

司会:Sophiaさんから、似た質問も来ています。もし有名でなく、ビートルズにも入っていなかったら、何をしていたと思いますか?

ポール・マッカートニー:学校には進路指導の先生がいて、「君はだめだ、見込みがない、将来が見えない」と言うものだよね。僕は試験の成績があまり良くなかったけれど、いくつか資格は持っていた。だから、あなたの親しみやすい英語教師になっていたかもしれない。英語という科目は好きだったし、英文学なども好きだったから、それは僕の逃げ道だった。

司会:コメントを見ると、最後に流すスニペットが決まったようです。「Come Inside」です。流してから少し話しましょう。

ポール・マッカートニー:「Come Inside」か。これも僕のお気に入りだ。全部お気に入りなんだよ。

*楽曲「Come Inside」が流れる

司会:これはロックな曲ですね。

ポール・マッカートニー:その通り。

司会:もう少し質問に答えましょう。Sheilさんから。ビートルズに限らず、もし過去に戻れるなら、どの時代に戻りたいですか?

ポール・マッカートニー:少し怖い質問だね。戻りたい時代をロマンチックに素晴らしく思いがちだけど、実際には衛生状態などひどかったかもしれない。だからそんなに遠くへ戻る必要はない。1950年代、1956年、エルヴィスが登場した頃に戻るね。少しエッジがある時代だね。

 

音楽と技術の変化

司会:Oscarさんから。ラジオ、テレビ、クラブ、ヴァイナルで音楽が流れていた時代から、SpotifyやTikTokで聴かれる時代まで、あなたは多くの音楽の時代を経験してきました。常に変化していくことをどう感じますか?

ポール・マッカートニー:素晴らしいよ。大好きだ。僕らは45回転のシングルから始まり、LP、ヴァイナル・アルバムがあった。カセット、CDを経て、ついにストリーミングに来た。僕にとっては問題ない。音楽を届ける別の方法だからね。人々がどうアクセスするかは気にしない。アクセスしてくれさえすればいい。それだけが僕の関心だ。

司会:昔は同じ日に世界中で一緒に音楽を聴くことはできませんでした。今は同じ日に世界中へ届くので、大きな出来事になりますよね。

ポール・マッカートニー:本当にそうだ。巨大なことだよ。Spotifyを使うけれど、とても簡単だ。何を探しているか入力すれば、そこにある。どんな音楽でもいい。アフリカ音楽、ボサノヴァ、ロックンロール、何でもね。

司会:音楽ライブラリー全体がポケットの中、手の中にあるわけですね。ではあと3問ほど。パナマのビートルズ・ファンクラブからです。何十年も経った今、あなたの音楽が世界中のファンに大きな意味を持ち続けていることをどう感じますか?

ポール・マッカートニー:驚異的だよ。本当に驚異的だ。始めた頃、僕らはただの子どもで、ロックンロールが入ってきたばかりだった。運が良ければ2年くらいはやれると思っていた。普通はそれくらいしか続かなかったからね。せいぜい5年だと思っていた。それが10年になった。まだ続いていて、シーンも残っていた。20年、30年になり、いまではここまで来ている。素晴らしいよ。数年しか続かないと思っていた音楽がこれほど長く残っているのは、とても嬉しい。人々が「私の子どもたちもあなたの音楽が好きです」と言ってくれる。それは大きい。子どもたちは洗脳できない。ただ好きか嫌いかだからね。ビートルズは良いものだったと思う。

司会:創造性を守り、創造的であり続けるための時間はどのように作っていますか?

ポール・マッカートニー:休みを取り、何をしていても休息を確保することだと思う。最近はかなり忙しかった。アメリカで『Saturday Night Live』に出て、その後スティーヴン・コルベアにも出た。かなり詰まった週だった。その後イギリスに戻って、田舎で時間を過ごす。それがとても良い。そこではソングライターやエンターテイナーであることを忘れられる。ただ自分自身でいられる。すると数日後、むずむずしてきて、ギターやピアノを少し弾きたくなる。急がず、その瞬間を待つ。十分な時間があって、休めていると感じたとき、何かがやってくる。何かが起こるんだ。

Paul McCartney – Days We Left Behind (Saturday Night Live/2026)

司会:常に創造的な人なら止められないですよね。休むことが刺激になることもあります。

ポール・マッカートニー:それが大事だと思う。ずっとやろうとしないこと。どんなことでも、少し休みを取ることだ。そうしないと退屈になってしまう。自分のしていることに自分で退屈したくはない。

司会:今年だけでも新作アルバムがあり、ドキュメンタリー映画『Man on the Run』の公開もありました。いつも違うプロジェクトに取り組んでいます。映画の世界から音楽に戻るなど、いろいろ行き来するのは新鮮でしょうね。まだやっていないことで、挑戦したい別の創造的分野はありますか?

ポール・マッカートニー:そう思うよ。いろいろなメディアで本当に多くのことが起きている。僕はかなり満足している。すぐに思いつくものはない。強いて言えば絵を描くことかな。絵にはもっと時間を使いたい。でも今は音楽がたくさんあるから、時間があるか分からない。新作アルバムを出すことだけでも大きいからね。

司会:それが一番重要ではないプロジェクトなんですね。

ポール・マッカートニー:そう、いろいろある。いつも面白いことが動いている。それが大好きだ。退屈しない。ある瞬間にはアメリカの『Saturday Night Live』でナイジェルという整備士のふりをしてコントをしていて、次の瞬間には農場で過ごしている。素晴らしいよ。多様性が本当に助けになると思う。ところで司会、君はとてもよくやってくれたよ。

司会:ありがとうございます。実はこれが最後の質問でした。TikTok Liveの皆さんにお別れを言って、今週何があるのか、あるアルバムについてお知らせしましょう。

ポール・マッカートニー:司会をつとめてくれロスです。ここで僕を手伝ってくれて、素晴らしい仕事をしてくれました。そして今週何があるのかと言うと、答えは『Dungeon Lane』です。これが『The Boys of Dungeon Lane』。僕の新しいアルバムです。いろいろな曲が入っています。僕は気に入っています。だから皆さんにも聴いてもらえたら嬉しいです。

司会:皆さんありがとうございました。これでTikTok Liveは終了です。

ポール・マッカートニー:TikTokでライブでした。

Written by uDiscover Team


ポール・マッカートニー『The Boys of Dungeon Lane』
2026年5月29日発売
CD・LP / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music

<収録曲>
1. As You Lie There
2. Lost Horizon
3. Days We Left Behind
4. Ripples in a Pond
5. Mountain Top
6. Down South
7. We Two
8. Come Inside
9. Never Know
10. Home To Us
11. Life Can Be Hard
12. First Star of the Night
13. Sailsman Saint
14. Momma Gets By



 

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