ウィングスのデビュー・アルバム『Wild Life』は異色作

12月 7, 2017


ウィングスのデビュー・アルバム『Wild Life』は異色作

ザ・ビートルズのほかの3人がそうだったように、ポール・マッカートニーも1960年代が終わるころにはバンドのメンバーというありかたにうんざりしていた。しかしながら、ザ・ビートルズの解散と前後して発表した『McCartney』と『Ram』という2枚の極めて素晴らしいソロ・アルバム(実際は妻のリンダが深く関わっており、後者は夫妻の名前でリリースされている)を制作したことで、彼は他者との共同作業に対する意欲を取り戻していた。

そして『Ram』のリリースから7ヶ月足らずで、再びバンドに籍を置くことになる。結成当初のメンバーはポール・マッカートニー、リンダ・マッカートニーの2人に『Ram』でドラマーを務めていたデニー・シーウェルと元ムーディ・ブルースのデニー・レインというもので、このバンド、ウィングスは1971年12月18日にアルバム『Wild Life』でイギリスのヒット・チャートに初めて名を連ねた。

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『Wild Life』のレコーディングは、その年の夏に、ポール・マッカートニーがかつて根城にしていたアビイ・ロード・スタジオで行われ、エンジニアはトニー・クラークとアラン・パーソンズが務めた。バンドの歌と演奏はライヴそのままのきわめてシンプルなものだった。そして元ザ・ビートルズの4人がそれまでに発表したアルバムの中で、シングル・カットがなかったのはこの『Wild Life』が初めてであり、また、ヒット・チャートを意識した作品が見当たらないという点でも、異彩を放っていた。さらに付け加えるなら、オリジナル盤のフロント・カヴァーにはバンド名もアルバム・タイトルも記載されていなかった、

Wings 1971

アルバムに纏められた8トラックのうち5曲は1テイクのみの録音で、バンドは3日で大半のレコーディングを終了。すべての工程を終えるまでに要した日数も2週間に満たなかった。収録曲のひとつはカヴァー(ミッキー&シルヴィアが1957年初頭にアメリカで放ったヒット曲「Love Is Strange」のテンポを落としたもの)だったが、シンプルであるがゆえに心地良いこのアルバムには「Tomorrow」、「Some People Never Know」といった、見過ごされがちだが、優れたオリジナル・ナンバーが含まれている。

イギリスのチャートのトップ10に入り損ねたという点でも、『Wild Life』は異色作だった。英チャートにおける最高位は初登場時の11位で、当時はわずか6週間でチャート圏外に姿を消している。一方、アメリカでは18週に亘りチャート内に留まり、最高位10位を記録。ゴールド・ディスクに認定されている。またヨーロッパのいくつもの国でも当然のようにトップ10ヒットを記録。オーストラリアのチャートでは3位まで上昇した。もっとも、『Wild Life』に関して重要だったのは、ポール・マッカートニーの来たるべき快進撃に向けた第一歩になったという点であり、その事実に比べれば、チャート上の成績は大した問題ではなかった。

Written by Paul Sexton



非公開: ウィングスが『Wild Life』で飛び立つ

ウィングス『Wild life』

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