U2のアルバム・ジャケット写真を全てを大解説

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Photo: Anton Corbijn

U2のギタリストであるエッジは、アイルランドの音楽誌『Hot Press』に掲載された、アルバム『Songs Of Innocence』と『Songs Of Experience』について語った記事の中で冗談めかして「アルバムのジャケットを決めるのは難しいんだ」と言った。

U2の13作目と14作目のアルバムには彼らのこれまでで最も自伝的な作品が収められており、ある曲は彼らの少年時代の思い出を題材にしており、また他の曲は愛する者たちへ書かれた手紙のように聞こえる。そのため、バンドメンバーはこれらのアルバムには、ただ自分たちの写真だけでなく、こうしたテーマをよりつぶさに表現するビジュアルのジャケットを使いたいと思ったのだ。そこで彼らがおこなったのは、文字通り自分たちの家族を写真に入れることだった。

『Songs Of Innocence』のジャケットにはドラマーのラリー・マレンJr.とその息子、そして『Songs Of Experience』のジャケットにはエッジの娘とボノの息子が写っている。エッジはこう言う。

「扱っているテーマとしては、どちらのアルバムもとてもパーソナルな内容だ。一方で、とても普遍的なものでもある」

パーソナルで普遍的。今もなお続く彼らの40年にわたるバンドとしての歴史を通じて、U2は様々な状況にある人々の様子をとらえるべく、この二つの言葉の間を行き来しながら模索し続けてきた。政治と宗教、愛と戦争、そして純真さ(Innocence)と経験深さ(Experience)といった観点から。

それを4分間の楽曲で表現するのは、ボノほどの表現力あるボーカルをもってしても困難だが、ましてや、こうした高尚なコンセプトをアルバムジャケットで表現しようというのはそれ以上に難しい。

ただ幸運なことに、素晴らしいテイストを持った協力者たちで、彼らのアルバムに独得のビジュアル・センスを提供してくれるディレクターのスティーヴ・アベリルと写真家のアントン・コービンとチームを組むことによって彼らはそれを実現している。

現在公開中の映画『SING/シング:ネクストステージ』でU2の楽曲が多く使われ、ボノが初めて声優をつとめたことで改めて注目度があがる彼らが今まで作り上げてきたジャケット写真についての解説をどうぞ。

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Boy / ボーイ

2014年『Songs Of Innocence』が出るまで、U2のアルバム・ジャケットにバンドメンバー以外で登場したのはピーター・ローウェンだけだった。ピーターは全くの他人というわけではなく、彼の兄のグッギ(本名デレク・ローウェン)は子供の頃からのボノの友人だった(グッギはヴァージン・プルーンズというバンドで歌っていて、そのバンドにはエッジの兄のディック・エヴァンスもいた)。

しかしU2のデビュー・アルバム『Boy』のジャケットに写るピーターの表情はどう解釈すればいいのだろうか?  白昼夢を見ながら我を失っているのか、それとも写真撮影のためにポーズを取るよう言われた6歳児が単にポカンと退屈している様子を捕らえたものなのか?  こうした曖昧さが『Boy』をU2のアルバムジャケットの中でも人の目を捕らえて放さないものの一つにしている。

実は北米と本国イギリス以外の国では、『Boy』は異なったジャケットで発売されている(*下記写真)。アイランド・レコードは、オリジナルのジャケットイメージが誤解されるおそれがあると危惧して、自社のデザイナー、ブルーノ・ティリーと写真家のサンディ・ポーターに新しいジャケットを作るよう指示した。限られた予算の中で、サンディはそのデザインのために、バンドのプレスリリース用の写真の中から選んだものベースにして、コピー機やコンピューター登場以前の編集技術を駆使して歪んだイメージを作ったのだ。

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October / アイリッシュ・オクトーバー

1981年/デザイン:スティーヴ・アベリル、ジャケット写真:イアン・フィンレイ

前作『Boy』同様、『October』はダブリンのグランド・カナル・ドック地域にあるウィンドミル・レイン・スタジオでレコーディングされ、そのジャケット写真はそのスタジオから数ブロック離れたところで撮影された。

U2のアルバムジャケットでは珍しくフル・カラーの写真が使われているにもかかわらず、ジャケットの雰囲気にはどこかしら醒めたところがあるが、それは彼らのこのアルバム制作の苦労が伝わるからかも知れないし、単にこのタイトルの言葉の寒々しさによるものかも知れない。この後のU2のほとんど全てのアルバムには、ウィンドミル・レイン・スタジオでレコーディングされた音源が何かしら収録されている。

なお、『October』のリリースから19年後、バンドはグランド・カナル・ドックのウォーターフロント地域に戻ってきて『All That You Can’t Leave Behind』のプロモーション用の写真を撮影している。

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War / WAR(闘)

1981年/デザイン:スティーヴ・アベリル、ジャケット写真:イアン・フィンレイ

「このアルバムを『War』というタイトルにしたのは、人々の眼を覚まさせたかったからだ」ボノは彼らのサード・アルバム『War』発売のわずか数日前にNME誌にこう語っているが、そのジャケット写真もタイトルと同じくらいショッキングだ。

再びジャケットを飾ったのはピーター・ローウェンだったがデビュー・アルバム『Boy』で見られた彼の無垢な眼差しは、今や暴力的衝動に取り付かれて遠い方向を睨みつけているように見える。それも道理で、『War』の最初の3曲だけ取っても、北アイルランド紛争問題、核拡散問題、そしてポーランド民主化連帯運動といったシリアスな題材を取り上げているのだ。

青春期の悩みと宗教的な意味合いを帯びた前作に続く作品だったこと、またアルバムジャケットのピーターの写真が、例えば兵士の一隊や爆撃機の一団の写真などよりもより強烈に本作のテーマを突きつけていることで、本作品はヘビーなアルバムとなった。『War』は紛争の様々な原因を語るアルバムであると同時に、そうした紛争の後に残された感情の壊滅感を描いたアルバムなのだ。

このアルバムジャケットを撮影したのはアントン・コービンではなかったが、アルバムの中にはアントンの写真が使われており、その後彼らのアルバムのほとんどにアントンは彼の作品を提供している。『War』の中ジャケットには、U2がスウェーデンのサーレンで「New Year’s Day」のミュージック・ビデオを撮影した際にアントンが撮った写真が使われている。

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The Unforgettable Fire / 焰

1984年/デザイン:スティーヴ・アベリル、ジャケット写真:アントン・コービン

U2が初めてブライアン・イーノとダニエル・ラノワという2人のプロデューサーと組んだこのアルバムは、それまでの作品とは音像的に格段の変化を見せた作品だった。独得の雰囲気を持つ印象主義的な『The Unforgettable Fire』は、まるで城の中でレコーディングされたように聞こえるが、それは正に半分事実であり、一部はアイルランド東部のスレイン城でレコーディングされている(城主のヘンリー・コニンガム卿は、その所有地でのコンサート開催を快く受け入れてくれることで「ロックンロール貴族」と呼ばれて親しまれている)。

ただジャケット写真に写る城はスレイン城ではなく、1921年の火事で廃墟となってしまったモイドラム城なのだが、アルバム・タイトルの「焔」とその火事は関係ない。このアルバム・タイトルは、日本で開催された、広島の原爆生存者によるイラスト展覧会の作品から取られたものだ。

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The Joshua Tree / ヨシュア・トゥリー

1987年/デザイン:スティーヴ・アベリル、ジャケット写真:アントン・コービン

『The Joshua Tree』は、文化、政治、イデオロギーそして地理的といった様々なレベルで、U2がアメリカという国の魅力の虜になっている様子が映し出された作品だ。ボノの歌詞には山、原野、そして川といった言葉が何度となく重要な要素として登場するが、中でも最も際立っているのは「Where The Streets Have No Name」「In God’s Country」「Trip Through Your Wires」といった曲で言及される砂漠という言葉だ。それにふさわしく、『The Joshua Tree』のジャケット(そしてそこからのシングルの各ジャケット)にはU2がモハーヴェ砂漠を横断したロード・トリップの際にアントンが撮った写真が使われている。

ジャケットに使われた有名な写真はデスヴァレー国立公園のザブリスキー・ポイントで撮られたものだが、他のいくつかのイメージには、バンドメンバーがデスヴァレーの外にある非法人地域であるダーウィンの近くで出会った、たった一本で立つヨシュア・トゥリーの横に立つバンドのメンバーの写真が使われている(その木自体は2000年に倒れてしまったが、その木が立っていた場所に今行くとU2の曲のタイトルに引っかけて「探していたものは見つかりましたか?/ Have you found what you were looking for?」と書かれたプレートがある)。

実を言うと、ボノがその木の名前の由来を知るまでは、このアルバムのタイトルは「The Two Americas(二つのアメリカ)」となるはずだった。言い伝えによると、この木の名前の由来は、その枝の形が預言者ヨシュアが祈りを捧げている時の腕の形に似ているということで、モルモン教入植者たちが命名したことによるそうだ。

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Rattle and Hum / 魂の叫び

1988年/デザイン:ノーム・アング/トレイシー・ウェストン/リア・ペンドルトン・オーウェンズ、ジャケット写真:アントン・コービン

『Rattle And Hum』は、U2のヨシュア・トゥリー・ツアーの期間に撮られたコンサート映画と同名タイトルなので、当時ファンはこれがライブ盤だと思ったかもしれない。あたかもステージに立っているかのように、スポットライトを浴びるエッジのアルバム・ジャケットのイメージは確かにそうした印象を与えている。

しかし『Rattle And Hum』に収録されたライブ曲は数曲で、その他の新しいスタジオ録音のトラックの間にちりばめられている。そうした楽曲のユニークな曲順のおかげで、聴く者はまるでドキュメンタリー映画とそのメイキング作品との間を行ったり来たりしているような感覚に陥る。

こうしたこのアルバムのメタ的な特性はジャケットデザインにも現れている。『Rattle And Hum』は実際にはライブ盤ではないし、ジャケットに使われたエッジは写真、映画からのスチール写真でもない(後ろでスポットライトを調整しているのはボノだ)。このアルバムジャケットは、千載一遇の瞬間をとらえたレアで貴重なショットなどではなく、実は緻密に考えられた作品なのだ。

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Achtung Baby / アクトン・ベイビー

1991年/デザイン:スティーヴ・アベリル/ショーン・マグラス、ジャケット写真:アントン・コービン

その音楽的方向性からプロモーションのやり方まで、『Achtung Baby』に関するすべては、“リスナーが知っていると思っているU2”というイメージへの挑戦だった。バンドメンバーは、過去のアルバムのようなシリアスなモノクロのジャケットはもう要らないと思っており、このアルバムの初期のレコーディングを行ったベルリンでアントンが撮った写真を彼らが最初拒絶したのはそのためだった。数ヶ月後、スペイン領カナリア諸島にあるテネリフェ島サンタ・クルーズでのカーニヴァルでの撮影セッションの結果、より満足いく(そしてよりカラフルな)写真が出来上がった。

U2とスティーヴとアントンは、一枚のイメージをジャケットに使うのではなく、バンドが車に乗った絵の写真や牛の写真、そして裏ジャケットに載ったベースのアダム・クレイトンのヌード写真など、彼らが気に入った16枚のイメージでモザイクを作った。『The Joshua Tree』のジャケットはU2のアルバムの中でも一二を争うアート作品だが、『Achtung Baby』は間違いなく一番見て楽しいジャケットだ。

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Zooropa / ズーロッパ

1993年/デザイン:スティーヴ・アベリル/ショーン・マグラス、イラスト:ブライアン・ウィリアムス

『Achtung Baby』サポートのためのZOO TVツアーの主たるテーマの一つはメディアへの露出だったが、このテーマはアルバム『Zooropa』のジャケットにも引き継がれた(宇宙飛行士にも、赤ん坊にもまたその双方にも見える)。

中心に描かれたグラフィティ風の顔は、『Achtung Baby』のライナーノーツにも登場したものだ。前作『Achtung Baby』と同様、『Zooropa』のジャケットのバックグラウンドには写真のモンタージュが使われているが、それらは歪められて文字の後に隠されている。ここで使われた写真はヨーロッパの独裁者たちのもので、それを隠している文字はこのアルバムに収録された曲のタイトルで構成されている。12個の星はもちろんEUの旗を模したものだ。

これらを一度に目にすると、まるで映像画面を長く見過ぎた後に目をつぶると視界に出てくる、感覚に負荷をかけすぎた時に現れるイメージのように見える。そしてそれはこのアルバムのテーマを考えると実にふさわしいのだ。

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Pop / ポップ

1997年/デザイン:スティーヴ・アベリル/ショーン・マグラス、ジャケット写真:アントン・コービン

かつてエッジは、U2の90年代の作品を表現するのに「ロックンロール・バンドというフォーマットを限りなく再構築したものだ」と言ったことがあるが、『Pop』のジャケットについても同じようなことが言える。

このジャケットは、アルバム・タイトルに忠実に、アンディ・ウォーホルやロイ・リヒテンシュタインの作品かと思うような、彩色され強いコントラストで描かれたバンドメンバーの顔写真で構成されているからだ(アダムは青、ボノはオレンジ色、エッジは赤でラリーは緑で描かれている)。

ただしこのジャケットを指して、『October』や『The Joshua Tree』のジャケットをグループの写真と呼ぶのと同じ意味合いでこれがこのグループの写真だとは言わないだろう。ザ・ビートルズの『The Beatles(ホワイト・アルバム)』の中のジョン、ポール、ジョージ、リンゴの顔写真がそうであるように、一つの音楽グループというよりは4人の別々の個人を見ているような感覚に襲われるのだ。

さらに『Pop』のジャケットには、たまたま全くの偶然なのだが、面白い秘密が隠されている。このアルバムには「The Playboy Mansion」という曲が含まれているが、ジャケットのラリーの右眼をよく見てみると、それがまるでプレイボーイ誌のウサギのマスコットのように見えてくるはずだ。スティーヴは、当のプレイボーイ誌から、なぜ彼らのロゴを使用したのかという問合せの手紙を受け取るまでこのことにまるで気が付いていなかったのだ。

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All That You Can’t Leave Behind / オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド

2000年/デザイン:スティーヴ・アベリル/ショーン・マグラス、ジャケット写真:アントン・コービン

アントン・コービンは、『All That You Can’t Leave Behind』のリードシングル「Beautiful Day」のミュージック・ビデオを監督したわけではないが、U2がパリのシャルル・ド・ゴール空港でこのビデオを撮影している時に彼らと一緒にいた。

アントンは撮影の合間にバンドの写真を撮っていたが、そのうちの一枚が最終的にアルバムのジャケットに使われることになった。それは彼らの80年代作品のシリアスでモノクロなジャケットへの回帰だったが、そのイメージの左側にある標識にはよく考えられたメッセージが隠されている。

「J 33-3」と書いてあるのが見えるだろう?  ボノのリクエストでそこに書き込まれた文字が意味しているのはボノが一番好きな聖書の一節「エレミヤ書33:3 / Jeremiah 33:3」で、その一節はこうだ。

「わたしに呼び求めよ、そうすれば、わたしはあなたに答える。そしてあなたの知らない大きな隠されている事を、あなたに示す」

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How to Dismantle an Atomic Bomb / 原子爆弾解体新書〜ハウ・トゥ・ディスマントル・アン・アトミック・ボム

2004年/デザイン:スティーヴ・アベリル/ショーン・マグラス、ジャケット写真:アントン・コービン

『All That You Can’t Leave Behind』の次作のタイトルは更に長くて、ラリーが冗談で「このタイトル、絶対Tシャツに収まらないよね」と言ったくらいだが、『How To Dismantle An Atomic Bomb』のジャケットは、U2の作品の中で多分一番ストレートなデザインだろう。

中ジャケットはいくつかの赤い縞模様と標的のデザインで飾られていて、「原子爆弾」という言葉の入ったタイトルのアルバムにはふさわしいと感じられる。ここでもアントンが撮った写真が表ジャケットに使われているが、いつどこで撮ったかははっきりしていない。

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No Line on the Horizon / ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン

2009年/デザイン:ショーン・マグラス、ジャケット写真:杉本博司

『No Line On The Horizon』は、U2のアルバムの中でも、唯一オリジナルのアート作品が使われなかった作品だ。これはドイツ、オーストリア、スイスの国境に位置する湖で、ドイツでのもともとの呼び名を取って「ボーデン湖」と命名されているコンスタンツ湖の写真で、日本の写真家で建築家の杉本博司が、自らの『海景』シリーズのために撮ったものだ。

ボノは従来から彼のコレクションのファンで、アルバムの『No Line On The Horizon』というタイトルや、タイトル曲の歌詞はこのシリーズにヒントを得ていた。杉本はU2に「ボーデン湖」の写真のアルバムジャケットへの使用を無料で許可したが、唯一出した条件は、写真の上に文字やグラフィックスをかぶせないということだった。その代わりにU2は、杉本が今後のプロジェクトに「No Line On The Horizon」の楽曲を使用することを許可したのだ。

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Songs of Innocence / ソングス・オブ・イノセンス

2014年/デザイン:スティーヴ・アベリル&ショーン・マグラス、ジャケット写真:グレン・ラッチフォード

いくつかの面において、『Songs Of Innocence』はU2のファースト・アルバム『Boy』にリンクしている部分があるように感じられる。『Boy』の殆どの曲は子供時代から大人になる過程で純真さが失われる様子に目を向けていたが、『Songs Of Innocence』は、ボノが「自分自身の純真さにしがみつくのは他者の純真さにすがることより難しい」と言ったように、そこから更に一歩先を模索しようとした作品だ。

それはラリーが息子のエルヴィスを抱きしめている写真のアルバムジャケットにそのまま文字通り描かれており、まるでラリーは息子を何かから守ろうとしているかのようだ。そしてそれにふさわしく、ラリーの左肩にあるアメリカの先住民族の一つ、ポーニー族のシンボルのタトゥーは、純真さを守るという意味を持っている。

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Songs of Experience / ソングス・オブ・エクスペリエンス

2017年/デザイン:ショーン・マグラス、ジャケット写真:アントン・コービン

『Songs Of Experience』のジャケットには再び家族写真のような、ボノの息子のイーライとエッジの娘のサイアンが手をつないだ写真が使われているが、前作『Songs Of Innocence』のジャケットよりもよりシリアスな感じをたたえている。

サイアンは軍隊用のヘルメットをかぶっていて、それは彼女の純真さを保護するシンボルのようにも見えるが、われわれが時を経て傷付くことによってその純真さを失う様子を表現しているようにも見える。

この写真はまた、U2のメンバーが若い頃にアイルランド全土を苛んだ、数十年にわたる国家至上主義と暴力的活動による地域紛争、いわゆる「厄介事」をも思い起こさせる。それはバンドがこれまでに「Sunday Bloody Sunday」「Peace On Earth」「Raised By Wolves」といったいくつかの歌の中で触れてきた問題なのだ。

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Written By Jacob Nierenberg


U2『Songs Of Surrender』
2023年3月17日発売
CD / iTunes Store / Apple Music / Amazon Music

① 4CDスーパー・デラックス・コレクターズ・エディション
40曲収録/輸入国内盤仕様/完全生産限定盤

② 1CD初回限定デラックス盤 20曲収録

③ 1CD通常盤 17曲収録



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