ザ・ビートルズのルーフトップ・ライヴ:バンド最後の公でのパフォーマンス

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Photo © Apple Corps Ltd

1969年1月28日にシングル「Get Back」のB面曲として「Don’t Let Me Down」が録音された。これが初めてライヴで披露されたのは、その2日後の1月30日のこと。ザ・ビートルズはロンドン・サヴィル・ロウにあったアップル・スタジオの屋上でこの曲を演奏している。これはジョンがオノ・ヨーコへの愛を表現した曲であり、情熱にあふれた感動的な作品になっていた。1970年のローリング・ストーン誌のインタビューで、ジョンはこう語っている。「つまるところ、溺れかかってるときは、‘溺れていることを察知して助けに来てくれる方がいらしたら非常に嬉しいのですが’なんて言わないだろ。ただ叫ぶだけ」。

このシングルのA・B面両方に参加したのがキーボードのビリー・プレストン。彼は実に美しく優しげな伴奏で曲を支え、ジョンの強烈なリード・ヴォーカルを見事に引き立たせている。またジョンの歌声も、絶叫と柔らかさをないまぜにしたものになっていた。

ビリーがクレジットされたシングル「Get Back」はラジオで大人気となり、全米チャートで5週連続で首位に留まっている。しかしそれとは対照的に、B面の「Don’t Let Me Down」はあまり注目を浴びることもなかった。これもまた隠れたB面の名曲のひとつであり、時が経つにつれ人気が高まっていくことになった。

1月30日に行われた屋上ライヴの撮影では、ザ・ビートルズは「Get Back」を2テイク演奏した直後に「Don’t Let Me Down」を披露し、さらに続けて「I’ve Got A Feeling」になだれ込んでいる。この撮影で監督を務めていたのはマイケル・リンゼイ=ホッグだった。1968年の末、ザ・ローリング・ストーンズの『ロックンロール・サーカス』を監督しているころ、リンゼイ=ホッグはポールと何度もミーティングを行い、年明けの1月にビートルズのレコーディングを撮影する計画を練っていた。そうして運命の1月30日が訪れる。ビートルズの4人がそろって公開の場でライヴをやるのはこれが最後になってしまった。

このビデオでは、「Don’t Let Me Down」はシングルB面ヴァージョンではなく、アルバム『Let It Be… Naked』収録のヴァージョン ―― つまり、史上最も有名な屋上コンサートで演奏されたふたつのテイクを編集したヴァージョンとなっている。

ビートルズの偉大なる業績を讃える『1+』のDVD/ブルーレイ版ボーナスディスクには、この「ドント・レット・ミー・ダウン」も収録されている。



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