”必ずスウィングを聴き取ることができる”レスター・ヤングとテディ・ウィルソンの『Pres and Teddy』

August 14, 2018


”必ずスウィングを聴き取ることができる”レスター・ヤングとテディ・ウィルソンの『Pres and Teddy』

1956年1月のある寒い日にニューヨーク市のファイン・サウンド・スタジオにてレコーディングされた『Pres and Teddy』は、聴くものに喜びを与えてくれる。テナー・サックスにレスター・ヤング、ピアノにテディ・ウィルソン、ベースにジーン・レイミー、そしてドラムにジョー・ジョーンズを迎え、新設されたばかりのヴァーヴ・レーベル用にノーマン・グランツがプロデューを手掛けた作品は、サックスの名盤のひとつである。1952年にクレフ・レーベルから発売された『Pres and Teddy』のジャケット裏に書いてあったように、「レスター・ヤングは他のテナー・サックス奏者たちに技術的にもサウンド的にも最も大きな影響を与えた人物である。それはドライで洗練したサウンドだったが、必ずそこからスウィングを聴き取ることができる」。

レスター・ヤングのすべてはスウィングだ。軍隊に召集されるというトラウマ的な経験をした後も苛酷な扱いを受け、その頃には健康が衰えていたが、それでもスウィングを彼から奪うことはできなかった。この作品にはテディ・ウィルソンの美しく繊細なスウィング・ピアノがおまけとして含まれている。再び、20年前にビリー・ホリデイとレコーディングした二人が一緒に演奏している。

素晴らしいスウィングのスタンダード曲を収録したこのアルバムは喜びであるが、ヤングのキャリアの衰退期にレコーディングされたこともあって時には見落とされてしまう。しかし、それはグランツがプロデュースした最高の作品のひとつと言える。ヤングの感情的激しさに加えて、ウィルソンとの演奏は見事である。ジュリアード音楽院で教えるようになったウィルソンは当時再び積極的に活躍していた。

オリジナル・アルバムに収録されていた6曲の内の傑出したトラックは「Prisoner of Love」と「All of Me」だが、実際にはどれが一番良いかは言えない。なぜならすべてが素晴らしいからだ。

それから3年と少しが経ち、世界は彼を失った。彼がまだ49歳の時だった。

Written By Richard Havers



レスター・ヤング&テディ・ウィルソン『Pres and Teddy』

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