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reDiscover:史上最も売れたカントリー・アルバム、ガース・ブルックス『No Fences』

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1989年にキャピトル・ナッシュヴィルから発表されたガース・ブルックスのセルフ・タイトル・デビュー・アルバムが、彼をアメリカのカントリー・スターにした一枚だとすれば、それに続く『No Fences』は、彼がこのジャンルの境界を超えてブレイクした一枚である。この作品は、史上最も売れたカントリー・アルバムとなった。

1990年8月27日に発表された同アルバムは、全米だけで1700万枚(2006年に17×プラチナム・アルバムに認定)以上の売り上げを達成し、国境を超える大ヒット作となった。特に成功を収めたのはオーストラリアとアイルランドで、現在もこの2国には彼の忠実なファンが大勢いる。エンターテインメント・ウィークリー誌が、アルバムのレヴューで「カントリー界の最新の“カウボーイハット・アクト”は、幅広い個性を披露し続けている」と指摘したのも無理はない。

『No Fences』は、あらゆる年齢と経歴のカントリー・ファンにアピールする、彼独自の感覚を提示した一連のシングルを収録してことで、結果的にミニ・ベスト盤のような作品となった。驚くべきことに、4曲のシングル全てが、カントリー・チャートで1位を達成したのである。

アルバムは、発売の3週間前に発表された心地良いシングル「Friends In Low Places」の完璧な導入から始まる。ドゥウェイン・ブラックウェルとアール・バッド・リーが作曲したこの曲は、すぐにヒットとなり、カントリー・ラジオで熱狂的に歓迎され、あらゆるカントリー・バーで流されていた。ガース・ブルックスとパット・アルガー作曲のバラード「Unanswered Prayers」は、それに続くシングルとして完璧な対比を成していた。

同アルバムの曲は、1991年もヒットし続けた。スマートな言葉遊びを使った「Two Of A Kind, Workin’On A Full House」は、デニス・ロビンス、ボビー・ボイド、ウォーレン・レイル・ヘインズによる作曲で、ガース・ブルックスが再び賑やかに歌っている。その後に続いた「Thunder Rolls」はガース・ブルックスとパット・アルガーの作曲で、衝撃的なテーマを扱った曲だった。そして、この曲のテーマである家庭内暴力を描いたミュージック・ヴィデオが、CMAアウォードを受賞した。

これらのヒット・シングルのおかげで、ガース・ブルックスの名前はスポットライトを浴び続け、『No Fences』もまた、素晴らしい功績を達成した。このアルバムは、CMAアウォードで年間最優秀アルバムを受賞し、カントリー・チャートでは、見事に41週間も首位をキープした。Billboard誌が1990年代全体の全米のアルバム・セールスを分析したところ、このアルバムは4位になった。

『No Fences』には、後に彼の妻となるトリーシャ・イヤーウッドのデビュー・アルバムで1年後にカヴァーされた「Victim Of The Game」や、前述のドゥウェイン・ブラックウェルが、彼が共作した「Friends In Low Places」がガース・ブルックスのベスト・セラーになる31年前の1959年に作曲した「Mr. Blue」といったハイライトも収録されている。ガース・ブルックスは、彼の記録的な人気を食い止めるフェンス(柵)などないことを、証明してみせたのである。

Written By Paul Sexton



 

『No Fences』はキャピトル・レコードの75周年を記念して75作品のひとつに選ばれた。プレイリスト『Through The Decades』をチェック!

 


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