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フィル・コリンズが初めて歌ったジェネシス『A Trick Of The Tail』

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The Lamb Lies Down On Broadway(邦題:眩惑のブロードウェイ)』発売日後のジェネシスからのピーター・ガブリエルの脱退は、バンドの未来に疑念を投げかけたかも知れない。しかし、新しい時代を迎えて発売された最初のアルバム『A Trick Of The Tail』でフィル・コリンズが躊躇いがちにメイン・ヴォーカルを担当すると、ピーター・ガブリエルがいなくてもバンドの未来は問題ないことを知らしめた。新作は前作の倍の枚数を売り上げた。

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1976年2月2日にリリースされたアルバムでは、フィル・コリンズ、トニー・バンクス、スティーヴ・ハケット、そしてマイク・ラザフォードの生まれ持った才能が発揮されている。「それまで通りに力強いアルバムだったよ」とトニー・バンクスは『A Trick Of The Tail』発売当時メロディー・メイカー誌に語っている。そして大胆な発言もしている。「そうでなければ、僕たちはもう音楽をやらない。同じように良い作品でないのであれば、プレイする意味がない。ピーターはいなくなったけど、それでも人生は続く。僕たちはみんな少し寂しい気持ちになっていたけどね。しばらくの間、彼の考えを変えようと説得もしたけど、彼がそれでも脱退すると言ったので、僕たちはそのまま前進するしかなかったんだ」。

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そうはいうもののトニー・バンクスは新しいアルバムがどのように受け入れられるのかを心配し、それを隠すこともなかった。「僕たちはアルバムの評判を心配したんだ。今でもそれは変わらないよ。自分たちの能力に常に自信を持っていたけど、心配だったのは、ピーターのいないバンドを観客たちが受け入れてくれるかどうかだった。彼はバンドにとって目で見えるロゴのような存在だったんだ。ピーターの存在と彼のコスチュームが印象的で、それがなくなる訳だから」。

しかし同インタビューでフィル・コリンズはこのアルバムをジェネシスの過去のどの作品よりも魅力的なアルバムであり、自分のことを“最高に自信に満ちている”と語っている。4人となったメンバーたちとデヴィッド・ヘンツェルがプロデュースを手掛けた51分間のこのアルバムはその言葉を裏付けしている。アルバムはパワフルな「Dance On A Volcano」で始まり、そこからは前進のみとなった。

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ジェネシスのアルバムとしては初めて個々がクレジットされるようになり、異なる組み合わせによってその才能が最高の効果を生み出していることが明らかとなった。最終トラック「Los Endos」は4人全員がクレジットされているが、トニー・バンクスが最も多く作曲に携わっていることがわかる。その他に2曲はマイク・ラザフォードと、1曲はフィル・コリンズと、そしてもう1曲はスティーヴ・ハケットと作り、2曲はトニー・バンクス一人が作曲を手掛けている。

最も永続的なトラック「Squonk」ではフィル・コリンズが初めてリード・ヴォーカリストとして自分を試し、メンバーたちの反応を伺った。結果はあまりにも良くて、そこからは彼がヴォーカルを任された。トニー・バンクスが一人で作曲したタイトル・トラックは繊細な楽しい曲で、シングルとして発売され、バンドの初のプロモーション・ビデオも制作された。

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『A Trick Of The Tail』はUKチャートの5位でデビューを果たし、最初の6週間はトップ10に、そして9月まで31週間連続でトップ75にランクインされた。発売から2年半が経った後も時々アンケートにも登場した。6月になる頃には同時にシルバーとゴールド・ディスクを獲得し、最高31位にランクインされたアメリカでもゴールド・ディスクを獲得した。

「新作と共に失うファンもいれば、得るファンもいたよ」と前途のメロディー・メイカー誌でのインタビューでトニー・バンクスは語っている。「それは僕たちも予期していることだ。ただイギリスでは、早い段階で人々は好き嫌いをはっきりと決めてしまうのが厄介なんだ。僕が望むことは再評価をしてもらうこと。多くの人がジェネシスに対して先入観を持っているから彼らにアルバムを聴いてもらえればきっと驚きがあると思うんだ」。

嬉しい驚きは誰もがきっと好きなはず。アルバムはUKで最高3位にランクインされ、『Selling England By The Pound』以来、最も高い位置にランクインされた上に、これまでにUSアルバム・チャートでも最も良い成績を残したアルバムともなった。新しいジェネシスにとって良い前兆であることは明らかだった。

Written By Paul Sexton


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ジェネシス『A Trick Of The Tail』

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