デフ・レパードの『Pyromania / 炎のターゲット』がいかにしてアメリカに火をつけたか

1月 21, 2018


デフ・レパードの『Pyromania / 炎のターゲット』がいかにしてアメリカに火をつけたか

思い返せば、デフ・レパードの成功はなんら不思議なことではない。才能と生き延びるには不可欠な根気強い労働意欲に駆られ、この意欲的なNWOBHM(ニューウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)のスターは1981年の『High ’n’ Dry』が全米トップ40入りの成功を収めたことで、その成功への導火線が点火した。しかし、その花火が本当に始まったのは、彼らが扇動的な3枚目のアルバム『Pyromania(邦題:炎のターゲット)』を1983年1月20日にリリースしたときだった。

すでに『High ’n’ Dry』の基礎を築いてきたジョー・エリオットと仲間たちは、尊敬するロバート・ジョン・マット・ラングにプロデュースを任せていた。スタジオでの高い技術的スキルに定評があり、AC/DCのマルチ・ミリオン・セラーとなった『Back In Black』を担当した後は引っ張りだこの存在だったジョン・マット・ラングは、デフ・レパードのラフでエッジーなハード・ロックのサウンドを洗練させた。そして『High ’n’ Dry』の中でも際立つ楽曲であり、スローに燃え上がる「Bringin’ On The Heartbreak」は、その結果1982年に開局したばかりのMTVで、初めてヘヴィー・ローテーションで放送されるメタルのビデオとなった。

その運命が着実に開花していたデフ・レパードは『Pyromania』の制作を行うためにロバート・ジョン・レンジを再召集し、セッションの間にオリジナル・メンバーのピート・ウィリスの代わりに元ガールのギタリストであったフィル・コリンを迎えた。新しいラインナップは直ちにスタジオ内で打ち解け、キラーのフックが連発する自信に満ちた熱狂的で最新鋭のロック・レコードが輝かしく出現した。

Def Leppard Pyromania Press Shot web 1000 optimised

クセのあるギター・リフと大きなコーラスが特徴であり、説明を要しない「Rock! Rock! (Till You Drop)」で始まる『Pyromania』は、デフ・レパードのトレードマークでもあるエネルギッシュなロックもの の「Stage Fright」や「Comin’ Under Fire」、そしてさまよい歩く「Die Hard The Hunter」と、洗練されたラジオ向けのポップとメタルのハイブリッド の「Photograph」、スカーフを振るような「I Love Rock’n’Roll」を彷彿させるアンセム曲「Rock Of Ages」、そして待望のパワー・バラード「Foolin’」などを行ったり来たりする一枚となった。

精力的でありながらスリム化された『Pyromania』のサウンドは、瞬く間にべた褒めの批評をつかんだ。ローリング・ストーン誌のデヴィッド・フリックは “彼らが演奏する重要性” 、そして “ラジオに戻ってきた待望の輝き” とバンドを絶賛した。すでにアメリカ本土でのデフ・レパードの知名度をあげた前作のシングルの「Bringin’ On The Heartbreak」を礎に、続く『Pyromania』が成功する上でMTVは重要な役割を果たし、リード・シングル曲「Photograph」がマイケル・ジャクソンの「Beat It」に取って替わって最もリクエストの多いビデオ・クリップとなった。

筋金入りのヨークシャー出身のロッカーたちが、初となる全米トップ20のヒットを「Photograph」で手に入れると、メインストリームも降伏した。「Foolin’」と優れた「Rock Of Ages」は両曲とも全米トップ30を記録し、『Pyromania』の勢いは止まらないと証明するかのごとく、全米アルバム・チャートの第2位に登場、最終的には北米だけで驚異的な1,000万枚を売り上げた。

チャンスを掴んだデフ・レパードは巨大なワールド・ツアーに乗り出した。イギリスを皮切りに始まった『Pyromania』のツアーは立て続けに3度行った北米ツアーを通して、バンドはこれまでになく大きなアリーナで活動するようになった。そして1983年9月17日、アメリカ本土のツアー最終地となったサンディエゴで55,000人のファンを熱狂させた頃には、デフ・レパードは自身を本物のスーパー・スターであると認めたに違いない。

Written by Tim Peacock



35年前、デフ・レパードの『Pyromania』がいかにロックン・ロールに火をつけたかデフ・レパード『Pyromania』

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