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ポール・スタンレー、40周年を迎えたKISSの『Creatures Of The Night』を振り返る

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KISS - Photo: Kevin Mazur/Getty Images for A&E

1980年代前半のKISSは、作品ごとに多様な音楽性を見せていた。『Unmasked(仮面の正体)』ではパワー・ポップ・バンドさながらのサウンドを聴かせたかと思えば、1981年の次作『Music from “The Elder”(〜エルダー〜 魔界大決戦)』はストーリー性のある壮大なアート・ロック作品になった。さらに振り返れば、彼らはディスコにも合うスリリングなロック・ナンバー「I Was Made For Lovin’ You」でグループ屈指のチャート成績をマークし、70年代を華々しく締めくくっていた。

そんな彼らが1982年に発表した『Creatures Of The Night』では、彼ら自身を伝説的グループへと押し上げたハード・ロック・サウンドへと回帰したのである。

そのリリースから40周年を迎えた今年、KISSの面々は同作のスーパー・デラックス・エディションを発売。アウトテイクやオルタネイト・ミックス、オルタネイト・テイク、デモ音源、『Creatures Of The Night』ツアーのライヴ音源などが満載で、記念の付属グッズもたっぷり収めた、”キッス・アーミー”垂涎のパッケージとなっている。

そこで今回はポール・スタンレーを招き、『Creatures Of The Night』を発表した時期のバンドの状況や、熱烈なファンにはたまらない40周年記念エディションの収録内容などについて聞いた。

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「昏睡状態から抜け出そうとした」

―― 『Creatures Of The Night』の制作当時のグループはどのような状況でしたか?

ポール俺たちは昏睡状態から抜け出そうとしているところだった。あるとき突然、現在地がバンドの原点や自分たちの信念からかけ離れていることに気づいたんだ。俺たちは自己満足に陥っていて、自分たちのルーツを大切にして良い音楽を作り続けることより、くだらない目先の成功に浸ってしまっていた。そうして何度か壁にぶち当たったとき、ふと「俺たちは一体何をやっているんだ?大事なものを失いかけてるじゃないか」って我に返ったのさ。

俺たちはファンのことを顧みなくなっていたし、ある意味では、恩義のある人たちを裏切ってしまっていた。そのことに気づいた衝撃でようやく目が覚めたんだ。「おい、俺たちとんでもないことになってるぞ。進むべき道を見失ってる」って、危機意識を持たなきゃいけない状況だった。幸いにもすばらしい(2代目)ドラマーのエリック・カーがいたから、俺たちは考えを切り替えることができた。「何としてでも俺たちが愛する音楽に根ざしたアルバムを作って、生まれ変わった姿を見せつけよう」ってね。

だけどエリックはまだ入って間もなかったし、ギタリストもヴィニー・ヴィンセントに変わったところだった。それでも彼らは、バンドのサウンドに変化をもたらしてくれたんだ。

エリックは見るからに、UKのロック・ドラマーの系譜を引いていた。他のアメリカ人ドラマーと比べるとよくわかる。そのおかげで俺たちは、影響源である自分たちのルーツに近づくことができたんだ。そもそも、彼はその前の俺たちの作品に落胆していたんだ。ロック・バンドに入ったつもりだったのに、実際に作ったのは『Music from “The Elder”』だったんだからね。だから、『Creatures Of The Night』を作っているときは彼も嬉しそうだったよ。

『Creatures Of The Night』の制作時、ヴィニーはまだ正式なメンバーではなかった。だから俺たちはスタジオでギタリストのオーディションを兼ねて、彼らにそれぞれの曲を演奏してもらったんだ。名ギタリストのロベン・フォードは「I Still Love You」を弾いてくれたし、スティーヴ・ファリスは「Creatures Of The Night」ですばらしいギター・ソロを披露してくれた。ヴィニーとはいくつかの曲を共作したけど、彼は一緒に曲を作るには申し分ない人物だった。それでも、ツアーが間近に迫って誰かを入れなきゃならなくなるまでは、バンド・メンバーじゃなかったんだ。

Kiss – Creatures Of The Night (Visualizer)

 

―― 『Creatures Of The Night』では、原点に立ち返って自分たちの強みを発揮し、そのことに大きな喜びを感じていたのではないでしょうか。その安心感と喜びがサウンドからも伝わってきます。

ポールまったくその通りだね。俺たちはこれ以上ないほど落ちぶれていたし、とにかく這い上がっていくしかなかった。そんなときに、どういうアルバムを作るべきか口を出してくる人がいなかったのは…すごく気持ちが楽だった。解放感があったし、創作意欲を掻き立てられたよ。曲作りをしていても、自分たちの心にすごく正直な感じがした。ああいう音楽は俺たちの一部だからね。

でも、あまりに長い間離れていたせいで、そのことすら見失っていた。さっきも言ったように、このアルバムを作り始める前は、昏睡状態から起き出そうとしている感じだった。頭もぼんやりしていて、「一体何が起きてるんだ?」って考えているような感じさ。そんな状態を経て、俺たちはやりたいことがはっきりしていたし、それをやり遂げる決意をしていたのさ。

 

40周年記念盤について

―― このパッケージには、オルタネイト・テイクやデモ音源、オルタネイト・ミックス、アウトテイク、ヴォーカルなしのトラックなど、実に多くのものが収められていますね。それらを聴くと、当時のバンドの様子や歩みが垣間見えます。どのようにこのリイシュー・プロジェクトを実現させたのですか?

ポール幸い俺たちの関係者には、音源の在り処を知っている資料の管理人がいたんだ。こういう秘蔵音源に強い興味を持ってくれる人はいるだろうし、これを聴けば当時の内情も少しはわかってもらえるだろうね。そういう意味では、『Creatures Of The Night』の全体像を補完してくれるパッケージだと思う。『Creatures Of The Night』は俺たちの全力を出し切ったアルバムだから、興味のある人がデモ音源やオルタネイト・ミックスなんかを聴けば、それでアルバムのすべてを知ってもらえるはずだ。

―― 今回のリイシュー・プロジェクトがこれまでと違うのはどんな部分ですか?

ポール他のものより断然包括的なパッケージになっているよ。これの見本になった『Destroyer(地獄の軍団)』のパッケージは別としてね。今回はその次のステップのような感じなんだ。一部の人は当然、完成したアルバム以外の音源も聴きたいと思ってくれる。こうやってタイム・カプセルみたいなパッケージを作ることで、そういう人たちは当時の様子を垣間見られるのさ。

俺は昔から、メイキング映像というものが好きだった。大好きな映画のメイキングを見ると、その映画の裏にある秘密が知れる。俺はどちらかというと、制作の過程の方に興味があるのかもしれないよ。

Deadly Weapon (Penny Lane Demo)

 

当時の制作の様子

―― 『Creatures Of The Night』では特に多くの曲を、ポーパーズのアダム・ミッチェルと共作していますよね。当時はオリヴィア・ニュートン=ジョンへの楽曲提供でよく知られていた人物ですから、あなたとコラボしたのは意外だったようにも思えます。どのような経緯でコラボすることになったのですか?また、彼との仕事上の関係はどのようなものでしたか?

ポール俺たちはいつだって“普通のことをやるなんて性に合わない”という考えを持って活動してきた。破ってきたルールを挙げたら、長いリストが出来るほどさ。(『Creatures Of The Night』のプロデューサー)マイケル・ジェイムス・ジャクソンはかなり型破りな男だった。

カナダのバンドのレッド・ライダーや、ヤングブラッズのジェシ・コリン・ヤングのような人たちと仕事をしてきた彼と俺たちが手を組むことになったときは、ほとんどの人がただただ困惑していたよ。俺たちがやろうとしていることとの繋がりがあまり見えなかったからね。それでもマイケルは自信を持っていた。それに(KISSのマネージャーの)ビル・オーコインは、バンドのマネージャーとしては経験がなくて素人同然だった。そういうわけで俺たちは、いつも自分たちの直感を信じて行動してきたんだ。

そこでマイケルに紹介されたのがアダムだった。アダムはすばらしいソングライターだったよ。作曲家はあまり手を広げるべきじゃないと言う人もいるけど、俺はそうは思わない。腕のある作曲家なら、どんなジャンルの曲を書いてもいいんだ。アダムと俺は力を合わせて、本当に出来の良い曲をたくさん作った。

俺はどのアルバムにもひとつ、目玉になる曲を入れるべきだと思っている。そして大抵の場合、それは俺が考えた曲だった。「Love Gun」然り、「Detroit Rock City」もそうだね。メッセージの面でもサウンド面でも、アルバム全体の内容を要約した“予告編”のような曲が必要だったんだ。それでアダムと俺はすぐに「Creatures Of The Night」を書いた。それからその「Creatures Of The Night」を参考にして「Danger」も作曲したんだ。とにかく俺たちは曲作りを楽しんでいたよ。

Kiss – Danger (Visualizer)

 

―― マイケルのことに話を戻すと、あなたは彼と親しかったですよね。亡くなってしまい残念です(マイケル・ジェイムス・ジャクソンは2022年に他界)。彼が当時のキッスや、このアルバムに与えた影響について話していただけますか?

ポールジーンと俺は衝突することもあったから、プロデューサーに入ってもらうことでいつも助かっていた。仲裁人のような立場で、鶴の一声をもらったり最終的な判断をしてもらったりして、俺たちはそれに従っていたんだ。

その中でもマイケルには高い音楽の才能があった。彼の専門分野は(アルバムの作風と)まるで正反対だったけど、方法論や基本的な考え方はどんな音楽にも応用できると思う。そういうものがあるかないかで、良い曲になるか、ただ適当に思いついたリフやなんとなく合わせただけの演奏で終わるかが変わってくる。マイケルはそういうタイプだった。楽曲をしっかりかたちにしていくっていうのが彼のやり方だった。しかも彼は、俺たちに混じっても落ち着きと知性をいつも保っていたんだ。

マイケルの専門分野はフォーク・ミュージックやそれに近い音楽だったけど、そのあたりは俺の得意分野でもあった。俺もよく聴いて育ってきたし、一時期はそういう音楽も演奏していたことがあったからね。だから、その点はこのアルバムでもすごくプラスに働いていると思う。そのおかげで、単にヘヴィなだけのいい加減なアルバムにならず、メロディックな側面や、普遍的な魅力のある構成を楽曲に取り入れられたんだ。彼は本当に良いやつだった。マイケルのことは大好きだったよ。

 

ツアーで使われた効果音

―― このパッケージは、KISSの知られざる一面や、『Creatures Of The Night』時代のバンドの裏側をどのように明かしてくれるでしょうか?

ポール人によってはきっと、俺たちがどれだけ真剣に作品に取り組んでいたかわかってもらえると思う。単純作業をこなしていたわけでもないし、適当に作ったものでもないってことをね。俺たちが何かに取り組むときは、まず計画を練って、いろんな方法を試してみる。全力を注いで努力するのさ。俺たちが自分たちのアルバムを軽く考えたことは一度だってない。苦心の末に出来た作品だと思われるのは嫌だけど、実際、苦心して作ったものなんだ。

収録されている中でも面白いのは、ツアーで使われた効果音だね。戦車、タービン、サイレン、鐘や燃え上がる炎の音なんて、当時のライヴでどんな風に使われていたかわかるかい? 例えば、何かしらの爆薬が実際には使えなくて、疑似的な効果音が必要になることがあったんだ。本物の代わりに使うというわけじゃなくて、パフォーマンスの質を高めるために使っていたんだ。強いインパクトを残すためには、とにかく何でも質を高めなきゃいけないと今でも思うよ。

『Alive!』も同じことさ。中にはあのアルバムの音源が加工されていることに驚愕する人もいたけど、それはアルバムとしての質を高めるために施したものなんだ。なにもインチキをするためじゃなく、ライヴを追体験しているような気分が味わえるように加工しているんだよ。そのままのライヴ音源だけでは、KISSの実際のパフォーマンスと同じものは体験できない。だから音源を補強する必要があるんだ。ライヴのステージでは、効果音が必要になる場面がある。見せ場では装置を動かしたり、鎖を引き揚げたりするからね。そんなときのために、俺たちは効果音のストックを持ち合わせていたんだ。

I Love It Loud (Live In Rockford, Illinois 12/31/82)

―― あなたたちがもともと得意とする音楽性に回帰した、という点に話は戻るのですが、『Creatures Of The Night』収録曲のライヴ音源からもその安心感が感じ取れます。当時、どのような心境でライヴ・パフォーマンスをしていましたか?

ポール俺たちの結束は強くなっていたし、やるべきことがあると感じていた。俺たちはファンの心を取り戻して、8インチのヒールを踏み鳴らして、自分たちの真の実力を証明するために戦っていたんだ。

当時のライヴ音源に引っかかる点があるとすれば、めちゃくちゃ速いことだね。ライヴの映像もいくつか見たけど、恐ろしいほどのスピードなんだ。狂ったような演奏だけど、まあ、俺たち自身が狂っていたからね。俺たちは解き放たれていた。突如として、自分たちで招いた呪縛から解放されたんだ。しょうもない間違いを犯したのも俺たち自身だし、進むべき道を誤ったのも俺たち自身だった。でも、そこからようやく解き放たれたんだ。俺たちは復活した。たとえファンや新しいファンにすぐには受け入れられなかったとしても、俺たちは解放感で満たされていたのさ。

Written By Jim Allen



KISS『Creatures Of The Night 40th Anniversary』
2022年11月18日発売
5CD 1Blu-ray Box / 2CD / 1CD / 1LP



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