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84年の名ポップ:ジョルジオ・モロダー&フィリップ・オーキーの「エレクトリック・ドリーム」

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イタリア出身のソングライター/プロデューサー、ジョルジオ・モロダーは、最近のクラブ・コミュニティで再び評価されるようになった。ジョルジオ・モロダーは歴史に残る偉大なるダンス・ミュージック・プロデューサーの一人であり、こうした評価は受けてしかるべきものだろう。こうした再評価の中で主に取り上げられるのは、ジョルジオ・モロダーが手がけたドナ・サマーの作品や『ミッドナイト・エクスプレス』や『フラッシュダンス』といった映画音楽の仕事である。こうした映画音楽はグラミー賞も受賞しているので、注目されるのは当然のことだろう。しかしここでは、ジョルジオ・モロダーとイギリス人ミュージシャンが組んだ作品に目を向けよう。そのミュージシャンは、自らもエレクトロ・ポップの世界で輝かしいキャリアを歩んだ人物だった。

1985年8月10日、ヒューマン・リーグのフィリップ・オーキーとジョルジオ・モロダーのジョイント・アルバムが全英チャートに初登場した。そのほぼ1年前に、ふたりは映画『エレクトリック・ドリーム』の主題歌「Together In Electric Dreams(邦題:やさしく夢みて)」を全英シングル・チャートのトップ3に送り込んでいた。この時期のジョルジオ・モロダーは大作映画の音楽作りで引っ張りだこの存在だった。たとえばカジャグーグーのヴォーカル、リマールと組んだ映画『ネバーエンディング・ストーリー』の主題歌はやはり全英チャートでヒットを収めている。また大ヒット映画『トップ・ガン』でもジョルジオ・モロダーは音楽を担当していた。

『エレクトリック・ドリーム』という映画そのものは今やほぼ忘れ去られているが、主題歌「Together in Electric Dreams」はあの時代を代表する名ポップ・ソングとなった。この曲は1984年に全英チャートのトップ10に5週間留まり、最高で3位にまで達している。一方アルバム『Philip Oakey & Giorgio Moroder』は翌年の7月にようやく発表。このため、ヒット・シングルの勢いに乗り損ねてしまった。アルバム発売前にはさらにシングルが2枚(「Goodbye Bad Times」と「Be My Lover Now」)出ているが、この2枚は不発に終わり、トップ40入りを逃している。

Giorgio-Moroder-Together-In-Elect

ジョルジオ・モロダー&フィリップ・オーキーのこのアルバムは全英チャートで初登場52位を記録。しかし次の週にトップ75圏内に留まったあと、チャートから姿を消している。この後ずっとジョルジオ・モロダー本人がアーティストとして発表したスタジオ・アルバムはチャートと縁遠くなっていたが、2015年、75歳のジョルジオ・モロダーが出した新作アルバム『Déjà Vu』は久方ぶりにチャート入りを果たしている。

Written by Paul Sexton



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