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レディー・ガガが映画やテレビに提供してきた楽曲を一挙紹介

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Photo : Andres Arochi

レディー・ガガ(Lady Gaga)はポップ界屈指に多才なパフォーマーとして、その実力を早い時期から証明してきた。彼女はクラブを沸かせるアンセムを書くことにも、胸を締め付けるようなバラードを書くことにも長けているのだ。

ガガはアルバムでチャートを制したりスタジアム級のライヴを次々完売させたりしてきた傍ら、映画やテレビの世界でも印象的な活躍をしてきた。彼女は濃密なドキュメンタリーからハリウッドの大作映画まで、様々な作品に特徴的な歌声と楽曲を提供してきたのである。実際、米アカデミー賞に輝いた『アリー/ スター誕生』の主題歌を手がけたり、家族向けのコメディー作品にも手を広げたりとその参加作品は実に幅広い。だが「Bad Romance」や「Poker Face」などダンサブルなポップ・アンセムを世に放っていた彼女がやがて映画界でこれほど引っ張りだこになるとは、デビュー当時にはほとんど誰も予想できなかったはずである。

2009年の『お買いもの中毒な私!』で初めて映画の劇中歌を手がけて以来、彼女が映画に提供した音楽はその作品の質をいつだって高めてきた。それはエネルギッシュなオリジナル楽曲であろうと、名スタンダード・ナンバーを彼女らしくアレンジしたカヴァーであろうと同じである。

この記事では、レディー・ガガが映画やテレビの世界に進出して作り上げてきたいくつかの人気楽曲を振り返っていこう。隠れた名曲からチャートを制したヒット曲までを含むこのリストからは、音楽と映像の両面でリスナーたちを驚かせ、魅了し続ける彼女の様々な個性が見えてくる。

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物語にために書き下ろした楽曲

「The Dead Dance」:ドラマシリーズ『ウェンズデー』シーズン2(2025年)

アルバム『Born This Way』に収録された2011年の楽曲「Bloody Mary」の人気は、時を経て突如急上昇した。Netflixのドラマ・シリーズ『ウェンズデー』のファンが、劇中の”レイヴン・パーティー”でウェンズデー・アダムスが披露するダンスに同曲を組み合わせた動画をTikTok上に投稿し、これが拡散されたのだ。

ガガはそれを受け、『ウェンズデー』のシーズン2にオリジナル曲を提供することにした。そうして、『Mayhem』にも携わったアンドリュー・ワットとサーカットのプロデュースで「The Dead Dance」が生まれたのである。

【和訳】Lady Gaga – The Dead Dance / レディー・ガガ

同曲は催眠的なダンス・ビートとリスナーを鼓舞するような歌詞を特徴とする、実にガガらしい1曲だ。『ウェンズデー』シーズン2の劇中では、イーニッドが抑圧された自我をダンスによって解放するシーンで使用されている。曲の途中からはアグネスも彼女に加わってデュエットになり、2人が演舞を終えると会場には大喝采が沸き起こるのだ。

The Dead Dance with Enid and Agnes | Wednesday: Season 2 | Netflix

 

「Hold My Hand」:映画『トップガン マーヴェリック』(2022年)

ガガが映画に書き下ろした楽曲の中でもトップ・クラスの成功を収めたのが「Hold My Hand」である。彼女がブラッドポップとともに作曲・プロデュースしたこの曲は、2022年の大作映画『トップガン マーヴェリック』で使用された壮大なナンバー。主演のトム・クルーズは一聴した瞬間、映画の根幹にあるメッセージが同曲に表現されていると感じたという。それゆえ彼はレッド・カーペットで取材を受けた際も、この曲について「僕らの映画音楽の一部になった。この映画に不可欠なものになったんだ」と話している。

この曲は映画の中で、感動的な重要シーンや困難な状況に直面する登場人物たちの友情を彩っている。そしてガガのファンや映画ファンらのあいだで大きな人気を呼んだこの曲は、米アカデミー賞で歌曲賞にノミネートされたほか、彼女のライヴ・パフォーマンスの目玉にもなった。「Hold My Hand」は、忠誠心や逆境をも乗り越える忍耐力といった映画のテーマを完璧に表現していたのだ。

彼女のファンから厚い支持を受ける同曲は、2022年のツアー”クロマティカ・ボール”でアンコールに演奏されたり、第59回スーパー・ボウルの試合前にサプライズで披露されたりもしている。

【和訳MV】Lady Gaga – Hold My Hand / レディーガガ / 映画『トップガン マーヴェリック』の主題歌

 

「Til It Happens To You」:『ハンティング・グラウンド)』(2015年)

レディー・ガガが映画に提供した楽曲の中でも特に感情溢れる作風の「Til It Happens To You」は、彼女が2015年のドキュメンタリー映画『ハンティング・グラウンド』のためにベテラン作曲家のダイアン・ウォーレンと共同で書き上げた1曲だ。

2人のコラボレーションは、大学におけるレイプ問題を題材にしたこのドキュメンタリーのプロデューサーが、作品への注目度を高める影響力を持つアーティストを探す中で実現したもの。その題材に胸を打たれたウォーレンはこの曲を映画に無償で提供することを決め、仮のデモ音源を聴いたガガもそのあとでプロジェクトに加わった。そしてガガが参加を決めたのは、このトラックが彼女個人にとっても特別な意味を持つ内容だったからだった。

この曲は同じ年のグラミー賞、アカデミー賞、エミー賞すべてにノミネートされるという史上初の快挙を成し遂げ、結果としてエミー賞の歌曲部門を制した。なお、この曲の売上から生じた収益は性暴力の被害者たちを支援する団体に寄付されている。

Lady Gaga – Til It Happens To You (Official Music Video)

 

「Hello Hello」:『ノミオとジュリエット』(2011年)

このリストの中でもニッチであまり知られていないのが、2011年の映画『ノミオとジュリエット』に使用されたエルトン・ジョンとのデュエット曲「Hello Hello」である。エルトンのソロ・ヴァージョンは映画の公式サウンドトラック盤にも収録されているが、ガガとのデュエット・ヴァージョンの完全版は映画本編を見ないと聴くことのできないレアな逸品だ。

自分と似た誰かに出会うことを歌ったこのハッピーな楽曲は、主役であるノミオとジュリエットが劇中で初対面するシーンにまさしくピッタリの内容である。

Elton John – Hello Hello (ft. Lady GaGa)

 

「Fashion」:『お買いもの中毒な私!』(2009年)

2013年のアルバム『Artpop』に収録された「Fashion!」とは別の曲なので注意してほしい。こちらの「Fashion」は、ガガが映画に提供した最初の楽曲である。彼女が2007年にレッドワンと共作した「Fashion」は、少し変わった経緯を辿って最終的に2009年の映画『お買いもの中毒な私!』に使用されることになった。当初はガガのデビュー・アルバム『The Fame』への収録を念頭に書かれたというが、結局このアルバムには収められず。そのあと映画『セックス・アンド・ザ・シティ』への使用が一時検討されたのち、『お買いもの中毒な私!』の劇中歌となったのだ。

ヴィヴィアン・ウエストウッド、ルイ・ヴィトン、ジミー・チュウ、アレキサンダー・マックイーンら高級ブランドのデザイナーたちの名前が登場する歌詞は、ハイ・ファッションの世界が描かれる『お買いもの中毒な私!』にピッタリだった。劇中では、主人公のレベッカがニューヨークの高級店で買い物をする導入のシーンに使用されている。

Confessions of a Shopaholic (I love shopping)- Fashion

 

ガガ自身が出演した映画

多数楽曲:『アリー/ スター誕生』(2018年)

レディー・ガガが本格的な俳優デビューを果たした2018年の映画『アリー/ スター誕生』は、彼女のキャリアの転換点になった。彼女はこの作品で俳優として、そしてシンガーとして、驚くべき表現の幅を見せつけたのである。ガガが演じたのは、成功を夢見る中で、まだ磨かれていないその才能をカントリー界のスターであるジャクソン・メイン(演:ブラッドリー・クーパー)に見出される主人公のアリーだ。そしてガガはこの作品でアカデミー歌曲賞を受賞。その多才ぶりがポップ界の外でも十分に通用することを証明してみせた。

この映画でよく語られるのは「Shallow」「Always Remember Us This Way」など耳に残るアンセムばかりだが、「I’ll Never Love Again」のようなトラックでもガガの歌唱力や豊かな表現力を堪能できる。そして米アカデミー歌曲賞を受賞した「Shallow」はこの映画を代表するデュエット曲となっただけでなく、世界中のチャートを席巻する文化的な一大現象をも巻き起こした。

Lady Gaga, Bradley Cooper – Shallow (from A Star Is Born) (Official Music Video)

 

多数楽曲:『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(2024年)

レディー・ガガは2024年の映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』にも出演。ミュージカル・シーンを含むこの役柄は彼女にとってかつてないほど大胆な挑戦となったが、それによってトッド・フィリップス監督によるこのシリーズ続編は奇抜なジュークボックス・ミュージカルに仕上がった。そんな同作では前作に続いてホアキン・フェニックスがジョーカーに扮し、ガガは新たに登場するハーレー・クインを演じた。

同作ではジャズのスタンダード・ナンバーと書き下ろし楽曲を織り交ぜたサウンドトラックを通じ、物語におけるジョーカーとハーレー・クインの感情が深掘りされていく。特にガガによる「That’s Life」や「Close To You(遙かなる影)」などの名曲の印象的なカヴァーは、人間心理の暗部を描く映画のテーマを見事に引き立たせている。

Lady Gaga – That's Life (Official Audio)

そんな『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』のハイライトの1つが、耳に残るガガのオリジナル曲「Happy Mistake」の流れるシーンである。同曲は、この映画に2曲しかない書き下ろし楽曲の1つである内省的なバラード。ガガ本人が有名人として外に見せている人格とハーレー・クインの芝居がかった振る舞いとの類似点を探ることで、彼女の傷つきやすい一面を明らかにしている。ガガもクインも、パフォーマンスの裏に心の痛みを隠していることがこの曲で示されるのだ。

Lady Gaga – Happy Mistake (Jimmy Kimmel Live!)

 

「We’re Doing A Sequel」:『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』(2014年)

ガガは2014年の映画『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』のオープニング・ナンバー「We’re Doing A Sequel」に、長年のコラボ相手であるトニー・ベネットとともに本人役で出演。画面に映る時間は一瞬だが、短くも印象的なこのシーンには、全年齢対象の風変わりな作品にも喜んで参加するガガの懐の深さが表れている。

We're Doing A Sequel (Extended Version) – Muppets Most Wanted

だが意外なことに、彼女がマペットと共演したのはこの一度だけではなかった。2013年、ガガとマペットたちはABCで放送された90分の特別番組『Lady Gaga and the Muppets Holiday Spectacular』に出演し、彼女はエルトン・ジョンとのデュエットで「Benny and the Jets」や「Artpop」を披露していたのだ。

Lady Gaga – Venus (Live at "Lady Gaga & the Muppets' Holiday Spectacular")

Written By Brandyn Berringer


レディー・ガガ「The Dead Dance」
2025年9月3日配信
iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music / YouTube Music


<最新アルバム>

レディー・ガガ『Mayhem』
2025年3月7日発売
CD&LP / iTunes Store / Apple Music / Spotify / Amazon Music


【来日公演情報】

各国で完売続出のワールドツアー!

「The MAYHEM Ball」ジャパン・ツアー

2026.1.21(wed) 22(thu) : 京セラドーム大阪
2026.1.25(sun) 26(mon) 29(thu) 30(fri) : 東京ドーム

来日公演特設サイト

予習プレイリスト公開中!




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