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スティーヴ・ミラー・バンド「The Joker」:発売から16年、さらに11年後にも1位を記録した名曲

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スティーヴ・ミラー・バンドのある曲で面白い話がある。そのレコードはアメリカでヒット・チャートというものが始まって以来353番目のNo. 1シングルになり、イギリスでは16年をかけて650番目の1位になったあと、さらに11年後に再び1位になった。「The Joker」というのがその曲のタイトルだ。

The Joker

 

ギタリストのスティーヴ・ミラーの自作プロデュースとなるこの名曲は、86位という慎ましい位置に一度チャートインしたあと、3ヶ月近く経った1974年1月に全米シングルチャート1位に輝いている。後に彼はこう述懐している。「“The Joker”がヒットするなんて思いもよらなかったよ。いつでもシングルを出したいとは思っていたよ。僕はシングルが大好きだからね。それで例の2分半の短さに収まる曲を作り始めて、レコーディングに一番似合うサウンドは何だろうと考え始めたんだ」。

キャッチーな曲調と印象的なミラーのギターのコンビネーションによって、彼は見事それを形にしてみせ、アメリカで大ヒットを達成することができた。イギリスでは、BBCの Radio 1をはじめ各地でヘヴィー・ローテーションを試みたにも関わらず、なぜかチャートに登場せず、バンドは1976年の「Rock’n Me」でようやくイギリスのチャートにデビューしている。

そして最初のリリースから16年、ジーンズメーカー、リーヴァイスのテレビや映画館でのコマーシャルに使用されることで、往年のレコードがヒット・チャートに登場するようになったころのことだ。ベン・E・キングの「Stand By Me」、マーヴィン・ゲイの「I Heard It Through The Grapevine / 悲しいうわさ」、パーシー・スレッジの「When A Man Loves A Woman / 男が女を愛する時」などに続き、スティーヴ・ミラーの「The Joker」にその役が回ってきた。新しい世代のレコード購買層のサポートを得て、この曲は1990年9月15日にイギリスで1位を獲得したのだ。

そしてその11年後、この曲は別の曲の一部としてチャートを再び席巻した。ジャマイカ人ラップ・シンガーであるシャギーの4曲目のNo. 1ヒット曲「Angel」がその曲だった。2001年6月に首位をマークしたこの曲に、「The Joker」はメリリー・ラッシュの「Angel Of The Morning」と共にサンプリングされていたのである。「The Joker」は、しかしその後、再び世界中のラジオで流れることになる。2014年に元キッスのリード・ギタリスト、エース・フレーリーによってカヴァーされたのである。

Shaggy – Angel ft. Rayvon (Official Music Video)

 

Written By Paul Sexton

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