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「心を癒す音楽の力」について15の名言:現代社会の中で休息を取りやすい場所を見つける手助け

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世界保健機関(WHO)によれば、うつ病で苦しむ人は、全世界で3億5000万人以上に上っている。アデル、ケンドリック・ラマーテイラー・スウィフト、ブルース・スプリングスティーンといった有名ミュージシャンも、自らが抱える精神的な問題(うつ病や不安神経症)について公の場で語っている。そしてそうしたミュージシャンたちは皆、音楽の力が苦しみを和らげるのに役立つと証言している。

数多くの科学的・心理学的な研究により、音楽が持つさまざまな効果が明らかになっている。音楽は私たちの気分を高揚させ、うつ病との戦いを後押しし、スタチンに似た血流改善の効果をもたらし、コルチゾールのようなストレス関連のホルモンのレベルを低下させ、痛みを和らげる可能性までもあり、手術後の患者の回復を促進することさえある。神経科学に関する月刊科学雑誌『Nature Neuroscience』に掲載された最近の研究によれば、脳に快楽を感じさせる化学物質ドーパミンの量は、音楽を楽しんでいる場合、最大で9%増加するとされている。

音楽が心の慰めになるという考えは、決して新しいものではない。400年以上前には、ウィリアム・シェイクスピアはこう語っていた。「音楽は、脳みそに刻み込まれた厄介事を消し去ることができる」と。

そして今の時代の人間は、このデジタル時代のストレスに対処する方法のひとつとして音楽を使うようになってきている。『Reasons To Stay Alive』の著者マット・ヘイグは、元レイザーライトのドラマー、アンディ・バロウズとアルバムを共作し、自分の本の中にある言葉と音楽を結びつけてレコーディングしている。ヘイグは自らの著書の中で、「音楽は時間から逃れる方法になる」と述べている。その考えに、有名な作曲家/ピアニスト/プロデューサーのマックス・リヒターも共鳴している。西ドイツ生まれで現在イギリスで活躍しているリヒターは、ゲスト・キュレーターとして「ピースフル・ミュージック・プレイリスト」を選曲した。Universal Music GroupとApple Musicが共同で提供するこのプレイリストは、現代社会の喧騒の中で「休息を取りやすい場所」を見つける手助けとなるように作られた。

では、ここからは、セラピーとしての音楽の力に関する15の名言を紹介しよう。これが、メンタルヘルスの問題について考えるきっかけになれば幸いだ。

 

「音楽には癒しの力がある。何時間かほど、人を自分自身の中から解放できる力があるんだ」
エルトン・ジョン (彼は「助けて」という一言を口にすることを恐れてはいけないと語っている)

「音楽に有用性があるという考え方は、何世紀も前からある。譜面に書かれた音楽が始まったのはキリスト教の礼拝式がきっかけだった。そこには明らかに、音楽が瞑想的なものであるという考えとの繋がりがある。それゆえ音楽は、そうした形で有益になりうるのである」
マックス・リヒター (ピースフル・ミュージック・プレイリストのゲスト・キュレーター)

「僕の場合、気分が落ち込んだり、憂鬱な気分になったりしたときは、それについての曲を作るとそういう状態から自分が救い出されたように思う。少なくとも、良くない体験からポジティブな体験を引き出すことができる」
エド・シーラン(シンガー・ソング・ライター)

「音楽は、あらゆる精神分析で必要不可欠な役割を担うべきだ」
カール・ユング(スイスの臨床心理学者、1875-1961)

「精神分析は、私には良い効果がたくさんあった。それがひとりぼっちで向き合うにせよ、あるいは他の人が同席する場所で向き合うにせよ、自分と向き合うということは良いことだと私は思う」
ジョニ・ミッチェル(自伝『Joni Mitchell / In Her Own Words』から)

「音楽が必要なとき、それはすぐそばにあるし、その目的を叶えてくれる」
ヨハン・ヨハンソン (作曲家)

「音楽は、人を憂鬱から救い出したり、人に涙を流させたりすることができる。音楽は、耳のための治療薬であり、強壮剤であり、オレンジジュースである。けれど私が抱える患者の多くにとって、音楽はそれ以上の存在だ。音楽は、何らかの活動や、発言や、命にたどり着くための手段になる。そういった面に関しては薬は役に立たないが、音楽は役に立つのだ。患者たちにとって、音楽は贅沢品ではなく、生活必需品なのである」
オリヴァー・サックス(ニューヨーク大学医学部神経学科教授)

「音楽は命そのものだ」
ルイ・アームストロング(ジャズ・トランペット奏者、1901-1971)

「音楽には良い点がひとつある。音楽に胸を射貫かれても、痛みを感じないんだ」
ボブ・マーリー (レゲエ・ミュージシャン 1945-1981)

「音楽を演奏するたびに、それは新しいものになる。私は、記憶というものそういうふうに考えてきた。現在と過去と未来がすべて組み合わさる。私はそれを至高の瞬間と呼んでいる。それが至高の瞬間になるのは、演奏の状況と観客のおかげで、演奏する側はその瞬間を考えることができるようになる(そして考えなければならなくなる) からだ。そういう瞬間について考えることなく人生を送ることが本当に沢山ある。“人生を大切にする”ということについてよく語られるけれど、実のところ大半の人はあまり“人生を大切に”していない」
フィリップ・グラス(作曲家)

「精神的な病というのは、残りの人生を通して耐え忍ばなければならないものなんかじゃない。精神的な病は、人を労働人口の中から外してしまうものなんかじゃない。でも、精神的な病について口に出して語らなければいけないし、人から助けてもらわなければいけない。そうすれば、立ち直る事ができる」
アダム・クレイトン(ベーシスト / U2)

「私は精神的な病で苦しんでいる。私はPTSDで苦しんでいる。それについて今まで語ったことはなかったし、今はご覧の通り。でも、お医者さんたちや家族や友人たちが示してくれた優しさは、本当に私の人生を救ってくれた」
レディー・ガガ(十代のころに受けた性的暴行の精神的な影響について語った2016年の発言)

「僕たちの世代は、過去の世代のミュージシャンたちが色々苦労していたのを目の当たりにしてきた。ドラッグに手を出したり、不摂生な生活に陥ったりして、そうしたさまざまな仕組みのせいで身を滅ぼしてきた。最近でも、有名人で自ら命を絶つ人がたくさんいる。メンタルヘルスのことについてもっと語らなければいけない。精神的な病を患うのが不名誉なことだというレッテルをなくす責任が僕らにはある」
ジェームズ・ブレイク(ミュージシャン 2018年7月の発言)

「音楽は、たくさんの人にたくさんのものをもたらしている。音楽は、人や物を運んでくれる。人を何年も前に連れていってくれる。自分の人生で何かが起きた瞬間に連れていってくれる。心を高揚させ、励まし、力づけてくれる」
アレサ・フランクリン(不世出の名シンガー)

「音楽は、心の中に入ってくるわけではない。既に心の中に存在するのである。音楽はそこにあるものを単に表にさらけ出し、必ずしも自分の中にあるとわかっていなかった感情をその人に気付かせる。そして人を目覚めさせる。ある種の再生になるのだ」
マット・ヘイグ(文筆家/著書『How to Stop Time』より)

Written By Martin Chilton



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